それではどうぞ!
白い雪原、凍る湖畔、そして水平に廻る太陽。
今、俺達はそんな世界にいた。
「なるほど、白夜と夜叉か。あの太陽やこの土地はお前自身を表現しているってことだな、白夜叉」
「如何にも。この白夜と雪原の世界は私が持つゲーム盤のひとつだ」
「これだけの莫大な土地が、ただのゲーム盤!?そんなデタラメな」
「しかも、ひとつってことはこの世界ほ他にもまだゲーム盤を持っているってことかよ」
「如何にも。して、おんしらの返答は?“挑戦”であるなら、手慰み程度に遊んでやる。だがしかし“決闘”を望むなら話は別だ。魔王として、命と誇りをかけて戦おうではないか」
俺達はその質問に即答出来ずにいた。勝ち目がないのは一目瞭然だ。しかし、自分達が売った喧嘩をこのような形で取り下げるのをプライドが邪魔していた。
しかし静寂の後、諦めたかのように笑う十六夜が挙手をした。
「参った。やられたよ白夜叉、降参だ。」
「うむ。それは試練を受けるということかの?」
「あぁ、アンタの力はよく分かった。今回は黙って試されてやるよ魔王様」
十六夜の答えに白夜叉は声を上げて笑った。そしてほかの3人にも質問をする。
「他の3人もそれで良いかの?」
「ええ、私も試されてあげてもいいわ」
「同じく」
「俺も同じだ」
俺達がその質問に答えると一連の流れを見ていた黒ウサギが、ホッと胸を撫で下ろした。
「もう、お互い相手を選んでください!それに白夜叉様が魔王だったのはもう何千年も前のことじゃないですか!!」
「ってことは、元魔王ってことか?」
「はて?どうだったかの」
悪戯っぽく答える白夜叉に黒ウサギはガクリと肩を落とした。すると、山の方から甲高い叫び声が聞こえた。
「何、今の鳴き声。初めて聞いた」
「ふむ。なるほど、奴ならお前達の試練には適任かもしれんのぅ」
白夜叉が1人で納得していると、山の方から一体の獣が現れた。上半身が鷲で下半身が獅子、グリフォンであった。
「うそ、本物!?」
「如何にも。あやつこそ鳥の王にして獣の王 “力”“知恵” “勇気”の全てを備えた、ギフトゲームを代表する獣だ」
白夜叉が指示を出すとグリフォンは地上に降りた。
「さて肝心のゲームの内容じゃが、こんなのでどうじゃ」
そう言うと白夜叉は契約書類を出現させた。
『ギフトゲーム名“鷲獅子の手綱”
プレイヤー一覧
逆廻 十六夜
久藤 飛鳥
春日部 耀
クリア条件
グリフォンの背に跨り、湖畔を舞う。
クリア方法
“力”“知恵”“勇気”の何れかをグリフォンに認められる。
敗北条件
降参か、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合。
宣告
上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。
“サウザンドアイズ”印』
ギフトゲームのルールを確認する俺達。だが俺には1つ疑問があった。
「あれ?俺の名前が無いぞ?」
「あぁ、おんしには別にゲームを用意してあるからそちらをしてもらうぞ」
「あぁ、分かった」
俺は白夜叉に納得した。
そして3人のギフトゲームが始まった。
ギフトゲームは耀が出場して見事勝利した。そして、白夜叉は俺の方を向き口を開いた。
「さてと、おんしのゲームも始めようかの」
白夜叉がそう言うと俺の目の前に契約書類が出現した。俺はそれを手に取り読む。
『ギフトゲーム名“白夜と決闘者の闘い”
プレイヤー一覧
九重 遊
クリア条件
白夜叉と闘う。
クリア方法
白夜叉にちさ“力”と“勇気”のどちらかを認められる。
敗北条件
降参か、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合。
宣告
上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。
“サウザンドアイズ”印』
「なるほど、つまりアンタと闘えってわけか」
「うむ。そういう事だな」
「ちょ、白夜叉様本気ですか!?」
俺と白夜叉がお互いに納得していると黒ウサギが慌てて食ってかかった。
「無粋なことするなよ黒ウサギ。これは俺の闘いだ。誰にも邪魔はさせねえよ」
「ですが」
「此奴の言うとうりじゃ。下がれ黒ウサギ」
白夜叉の言葉に渋々下がる黒ウサギ。
そして、ギフトゲーム盤始まった。
「うむ、初手は譲ってやろう。かかってくるがいい!」
「あぁ、最初から飛ばして行くぜ!俺は<サイバードラゴン>を特殊召喚」
「ガアァァァァァァ!」
サイバードラゴン
光
レベル5
機械族
効果
ATK2100
DEF1600
俺の言葉とともに機械の竜<サイバードラゴン>が出現する。
「このモンスターは、相手の場にのみモンスターがいる時手札から特殊召喚できる。(こいつを特殊召喚出来たってことは白夜叉はモンスター扱いなのか)」
「ほう、召喚系ギフトか」
「驚くにはまだ早いぜ!更に俺は、チューナーモンスター<ソード・マスター>を通常召喚」
「フン!」
ソード・マスター
地
レベル3
チューナー
効果
ATK1200
DEF0
「行くぜ!俺はレベル5の<サイバードラゴン>にレベル3の<ソード・マスター>をチューニング!」
<ソード・マスター>が3つの光の輪となり<サイバードラゴン>はその輪の中に入った。すると、<サイバードラゴン>は5つの白く輝く星になった。
レベル3+レベル5=レベル8
「集いし願いが、新たに輝く星となる。光射す道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ、<スターダストドラゴン>!!」
「グオォォォォォォォォン!」
スターダストドラゴン
風
レベル8
ドラゴン族
シンクロ
効果
ATK2500
DEF2000
輪の中が光り、その光りが収まるとそこにはまるで星のような龍、<スターダストドラゴン>が出現していた。
「なに!?龍の純血種を召喚したじゃと!」
「なっ!」
「へぇ」
「綺麗」
「すごい」
スターダストの登場に俺以外の全員がそれぞれ違う反応をする。
「そして俺は、カードを2枚伏せる」
俺の言葉と共に足元に2枚のカードが出現した。
「待たせたな、白夜叉。行け!スターダスト、白夜叉に攻撃だ!響け、シューティングソニック!!」
俺が指示を出すとスターダストは口からブレスを放つ。しかし
「ふん、甘いわ!」
白夜叉はスターダストのブレスを片手で受け止めた。
「何!」
「ふん!何を驚いている。私は元とはいえ魔王だったのだぞ。この程度の攻撃など効かぬわ!」
そう言うと白夜叉は攻撃を止めていた腕を振るいスターダストのブレスをかき消した。
「では次は、こちらから行くぞ!」
そして白夜叉は炎の球体を作り出しスターダストに向かって投げつけた。
「くっ!スターダストは殺らせない。罠《トラップ》発動!<くず鉄のかかし>攻撃を無効にする。そしてこのカードを再セットする」
俺の足元に伏せられていたカードのうち1枚のが開きスターダストの前にくず鉄で作られたかかしが出現した。そして白夜叉の攻撃は<くず鉄のかかし>に阻まれ消滅した。
「ほう、モンスターだけでなく特殊な能力を宿したカードもあるのか。だがどうする?そのドラゴンでは私に傷ひとつ負わせることは出来んぞ」
「まぁそう慌てるなよ。ゲームはまだ始まったばかりだろ」
「まぁ、そうだな。では特別に新たなモンスターを召喚するまで待ってやろう」
「ハッ!その言葉、後悔するなよ!」
白夜叉の言葉に俺は強気で返す。
「行くぜ!魔法カード<ワン・フォー・ワン>を発動。手札のモンスター1体を墓地へ送りデッキからレベル1のモンスターを特殊召喚する。俺は<レベルスティーラー>を特殊召喚」
レベルスティーラー
闇
レベル1
昆虫族
効果
ATK600
DEF0
「へぇ、伏せずに発動できるカードもあるのか」
「そのようですね。手札から発動できるのが魔法カード、伏せてから発動させるのが罠カードといったところでしょうか」
「あぁ、そうみたいだな。だが、あのモンスターで闘えるのか?」
十六夜の疑問はもっともだ。
そう、レベルスティーラーの攻撃力は600。攻撃力2500のスターダストの攻撃で無傷の白夜叉をどうにかする力はこのモンスターには無い。だが、これで終わりではない。
「更に今墓地へ送った<伝説の白石>の効果発動、デッキから<青眼の白龍>を手札に加える」
「“白龍”、新たなドラゴンか」
と白夜叉は呟いたが今の俺には関係ない。
「そして、手札から魔法カード<二重召喚>を発動。これにより通常召喚を2回行える。俺は<ゴブリンドバーグ>を召喚」
ゴブリンドバーグ
地
レベル4
戦士族
効果
ATK1400
DEF0
「更に、手札のカゲトカゲはレベル4のモンスターを通常召喚した時、手札から特殊召喚できる」
カゲトカゲ
闇
レベル4
爬虫類族
効果
ATK1100
DEF1500
「ゴブリンドバーグの効果発動、レベル4のモンスターを特殊召喚。来い、<ガガガマジシャン>」
「ハアッ!」
ガガガマジシャン
闇
レベル4
魔法使い族
効果
ATK1500
DEF1000
「さぁ、行くぜ!まず俺は<レベルスティーラー>と<カゲトカゲ>をリリース」
2体のモンスターが光の塵となり消えた。
「これにより、<青眼の白龍>をアドバンス召喚!」
「シャアァァァァァァァァァ!」
青眼の白龍
光
レベル8
ドラゴン族
ATK3000
DEF2500
「2体目のドラゴン!」
「すごい」
「まだだぜ!」
青眼の登場に驚く黒ウサギと目を輝かせる耀。だがまだ終わってはいない。
「俺は<ガガガマジシャン>と<ゴブリンドバーグ>でオーバーレイ!」
その言葉と共に<ガガガマジシャン>と<ゴブリンドバーグ>は光の塊となり黒い渦に吸い込まれた。
「エクシーズ召喚!<カチコチドラゴン>」
カチコチドラゴン
地
ランク4
ドラゴン族
エクシーズ
効果
ATK2100
DEF1300
次は全身が鋼に包まれたドラゴンが出てきた。
「3体目か。だが、その程度」
「俺は<スターダストドラゴン>と<カチコチドラゴン>をリリース」
「「「「「っ!!」」」」」
俺の言葉に全員が驚いていた。せっかく召喚したドラゴンをリリースしたからだ。
「闇に輝く銀河よ、希望の光となりて我が下僕に宿れ。光の化身、ここに降臨!<銀河眼の光子竜>!!」
「グオォォォォォォォォン!」
銀河眼の光子竜
光
レベル8
ドラゴン族
効果
ATK3000
DEF2500
「更に俺は、魔法カード<死者蘇生>を発動!このカードの効果により蘇れ<スターダストドラゴン>!!」
「グオォォォォォォォォン!」
「ドラゴンが3体!」
「すげえな、こりゃ」
「さてそろそろ来るかの?」
「あぁ、行くぜ!3体のドラゴンの同時攻撃。
響け、シューティングソニック!!
滅びのバーストストリーム!!
破滅のフォトンストリーム!!」
俺の指示に3体のドラゴンが同時にブレスを放った。
「ぐっ!ガアァァァ!」
白夜叉は防ごうとしたが防御ごと攻撃に飲み込まれた。
「やっ、やったか?」
俺は攻撃終了後に白夜叉がいた所を見て呟いた。
しかし、そこには右腕を負傷しているものの、しっかりと立っている白夜叉がいた。
「おいおい、これでもダメなのか」
「いや、おんしの力しかと見せてもらった。ゲームはおんしの勝ちじゃよ」
こうして俺も無事試練をクリア出来た。