雪風と狩人様   作:照喜名 是空

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狩人とガリアの姫君1

 

ほう?こんな夜更けにどこへ?ああ、ガリアの王城に参内か。

ふむ・・・・・・王城につれていけとはいわないが、ガリアのどこか適当な所まで乗せていってくれないかい?

お礼にそうだな、ヤーナムの狩り帽子をあげよう。ちゃんと新品だとも。

 

なに、心配は要らない。一度行った場所ならすぐに帰れる魔法なりマジックアイテムの類いはもってるから。

君は気にせず敵を狩れば良い。苦戦するならその鐘を鳴らせばすぐに駆けつけられるとも。

どうだね?ああ、ありがとう。

 

 

ほう?どうしたね?なに幽霊がガリアに出る?

ラグドリアン湖方面から徐々にいろんな城を経由して確実に王城に近づいてきている?

ふむ、それは困ったねえ。君、ああいうの苦手だろ?私はあんなもん適当にはったおして通り抜けるが・・・・・・

 

ほうその幽霊は狩人姿で?追いかけると急に消える?へー・・・・・・

何かね?私を疑っているのかね?さあね。だとしてもちょっとしたたわいない悪戯だ。そうだとも。

 

ああ、君に迷惑はかけないよ。心配しないでくれ。

 

ん?幽霊について詳しく?ああ、狩人の武器なら普通に倒せるよ。

欲しくなったかい?まあ、いずれあげよう。

 

 

こんばんわガリアの姫君。

ん?ここはどこかって?狩人の夢さ。そう、これは夢のようなものさね。

まあだからこそ誰も助けになど来ないんだがね。

 

ああ、好きなだけ逃げるが良い。ゲールマンさえ抜け出せなかった悪夢だ。墓石は私が封じているし、どこにも出口はないよ。人形ちゃんは安全な場所に隠してるし好きなだけ暴れるが良いさ。

がんばって探索するが良い。

 

おつかれさま。出口を教えろって?まあ聴き給え何事にも順序がある。

実は私は君の従兄弟に狩りを教えている者でね。君の話を聞いて君にいたく同情したのさ。

というかフェアじゃないだろ?片方だけ強くしたら。なりたくないかいトライアングル。

 

ふふふ、そうさ、そうだとも。私が本気で教えればそのくらい三晩かからず教えられるさね。

ただし、そのためには一つの契約が必要だ。

 

ああ、もちろんリスクはある。

ざっくり言うと死んでもいくらでも安全地帯からやり直せるが、しくじると正気を失い体も獣に成り果てる。

 

君の従兄弟の報告書にもいただろう?

脳をミノタウロスに移植したメイジ。まあ他にもいろいろ研究所のキメラだとか。

ああいう感じで血の誘惑に負ければあっというまに心まで獣になり、姿も獣となる。

 

しかし得られる利益は膨大だ。まずどんな怪我でも治るし、そもそも夢の中ならば死んでもすぐにやり直せる。

もう暗殺におびえる必要はなくなるだろう。

 

そしてなによりあっというまにすごく強くなる。

一週間あればスクウェアにだって軽くなれるし、武技にいたってはそこらの騎士なんか素手でたためるようになる。

 

どうだね?ははは、どうせ出口はないんだろって?まあね。

嫌なら解放するつもりだったが、そのためにはこの夢の中で死なねばならない。

 

ほら。悪夢でも死んだら目が覚めるものだろ?そういうものさ。

まあその場合はちょくちょくこうして夢枕に立つことになるんだが。

 

ふふふ、君はただしく賢明だ。

さあ、契約だ。穢れた我が血をすすり給えよ。

 

ん?その前に一つ聞かせろって?いいとも。

 

ふむ、なぜ彼女と君、両方に教えるか?相争わせようとか趣味が悪い?

とんでもない誤解だとも!私にも君と君の従兄弟のような関係の者がいたのさ。

結局そいつは放蕩の挙げ句に私の恩人を傷つけたので私がケジメとして倒すしかなくなった。

 

遠距離から火炎瓶だの投げナイフだの銃だの撃ちまくってね。

やる方もやられる方も名誉などないなぶり殺しさ。

後味悪かったね・・・・・・

 

まあ、あんなのは私たちだけで十分だと思ったんだ。

だから君たちにはそうなってほしくないのでお節介を焼いているのさ。

 

君に実力がつけば少しは自信も出て余裕も出来るだろう。

というか部屋にこもっているから鬱屈するのだ。外に出て狩りをすればそんなこといずれどうでもよくなる。

狩人とはそういうものさね・・・・・・

 

納得したかね?そこまで言うなら絶対トライアングルにしろ?もちろん、約束しよう。

さあ、血をすすり給えよ。

 

よろしい。契約は完了した。

ではこの三種・・・・・・いや杖はすでにもってるし、初心者向けじゃないからこの斧と鉈、好きな方を選び給え。

それから銃は単発と散弾のどちらかを。

 

何、どれを選んでもいずれ同じものが高くない値段で買えるようにするさ。

さあ、選びたまえ。

 

ほう、鋸鉈に散弾銃。なかなか使いやすいのを選んだね。

では、パワーレベリングだ。この火炎放射器を貸してやるから、これから行く教室の奴らを焼いてきたまえ。

ああ、杖も返そう。魔法でも何でも使って好きなように焼けば良い。

安心してくれ、あいつらはもう人じゃないから。

今は何も解らないだろうが難しく考えることはない。君はただこの先にいるバケモノを狩れば良い。

 

危ないと思ったり、だいたい狩れたと思ったらこういうランプを触りここに帰りたいと願うのだ。

それも無理ならこの「狩人の確かな徴」を使い給え。これも願うだけで良い。

そうすればそこからは逃げられる。ああ、建物の外に行くなよ?外に行った先は地獄だから。

キメラの森が生ぬるく感じるバケモノの巣窟だ。じゃあまあ頑張りたまえ。

 

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