許すまじ学園祭。
赦してください。
なにとぞどうか。
「汝、妾は暇である。なんとかせい」
「私、道化ではないんですが」
白い空白の世界だったこの空間は、少しずつ彩りを入手し始めていた。夢というより精神世界というべきこの空間に、私は何度も出入りしていた。
謎の声だった相手も、何となくの要領をつかんだようで、ローブをかぶった姿で、好きなように過ごしていた。
「バルドルはよく道化になっておったんじゃが・・・・・・」
「それ女王権限だったんじゃ・・・・・・」
そして、最初は不敬だ何だと言っていたこの女王は、今や友人となっていた。なんでも、畏まった会話は面倒な上に退屈だということらしい。
「そうじゃ、戦争でもするか」
そういって女王は、テーブルにチェス盤といくつかの駒を生成して、並べる。こうなってしまっては相手をするしかない。断ればうざ絡みが加速する。
チェス盤を使うが、駒は自陣側ならどこに置いても良い。手の内に握っておく事もできるし、宣言すれば伏兵も配置できる。本当の戦争のようなゲーム。おそらく戦争のシュミレーションをこの女王がどこかで見て思いついたのだろう。
「叔父上はこのゲームが巧くてな、一度も勝ったことはあらぬ。父上もある意味巧みであった・・・・・・どちらも禁じ手すれすれを走り抜けるがのう」
女王はそういって、駒を動かす。私はいくつか伏兵を配置しているが、女王は一切配置せず、真っ正面から突っ込んでくる。一応奇襲や、温存部隊もあるが、それでも評価すると、正面切って突っ込む猪武者となってしまう。女王は戦争指揮には、全く向いていないことがわかる。しかし、ご機嫌取りするには負けなければならない。だが、大敗は逆に難しい。いや、負けること自体難しい。どうにか僅差で負けるぐらいには持ち込みたい・・・・・・
結論から言うと目標は達成できた。3回目のゲームでだが・・・・・・
「私としては魔力消費を抑えて欲しいのですが」
「なに?妾に浪費癖があると申すか。そのようなことはありえん。第一消費量は変わっておらん」
女王は、汝の集める魔力量が少なくなってきているという。
「妾の性質上、顕現の魔力は汝から得ておる。汝が起きる事ができないのは、魔力が足らぬからじゃ」
「・・・・・・では女王、私が魔力切れで倒れている時、貴方はどうやって顕現しているのですか」
「寝ている間の汝は、死亡しておる。精神の世界か、冥府と現世の合間かは知らぬが、汝は妾と繋がっておるが故に、一時的に死亡し、また魔力の充填が終われば、現世に妾をつれて戻る。魔力は生命力でもあるが、それが引き戻してるのではないのか?」
「いえ、疑問で返されても・・・・・・でも、この世界に来始めてすぐの頃は、女王はいたりいなかったりでしたよね?」
「妾も魔術や魂についての学は少ない。なにせ、冥府は妾が望めばそうなっておった故、魂のあり方なぞわからん」
私はそうですかと返して、女王をみる。
目深にかぶったローブからのぞく顔の部分は少ないが、その口は楽しそうに笑っていた。
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