あめのなかのりゅう   作:七紫野廉

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あめの日のとある少年のアナザーストーリーです。深海奏汰の概念のみしか残っていません。なんでも許せる人はお楽しみください。


雨の日のとある竜

ここは、どこでしょう

どうも『ちじょう』のようですが

 

ぼんやり当たりを見回して、彼はため息をついた。

 

とべるほどはまだ、『かいふく』してないみたいですね〜

 

飛べない身体を持て余して、しっぽをぺちゃんぺちゃんと水たまりに打ち付ける。

一人でふらふらしていたらいつの間にか雨雲からでて、太陽に焼かれて蒸発してしまったらしい。蒸発といっても、自分の形を保てなくなるだけで、こうして水がたまれば意識を形作れるようになる。

 

ぴちゃん、ぴちゃん、ばちゃん。

 

さいわい、まだ『あめ』はふっていますから、ここでこうして『みずあび』をしていましょう。とべるようになったらもどればいいです。できれば、『むかえ』がくるまえに、かえりたいですね……

 

逆に雨が降っていなければ、水たまりがなければ、大きめの川や池、海など多くたまった水に意識が落ちるので、すぐに復活できるのだが、それは言っても仕方の無いことだった。

 

ぴちゃん、ぴちゃん、ばちゃん。

誰か近づいてくるようだ。人間なら厄介だし水の中に身を隠そう。と、小さくなるが、ここが浅い水たまりだったのを忘れていた。

 

ぴちゃん、ぴちゃん、ざーーーーー。

 

「なんだ?あれ…」

 

ランドセルを背負った少年が明らかに自分の方を見ている。意識を覚醒させるために水を集めすぎたようだ。水たまりに身体を隠せない程度の大きさになっていた。

 

はぁ〜…うっかりしてましたね〜

 

ざーーーーー、ぱちゃん。

 

やっちゃったな〜としっぽをゆらして、ゆっくり顔を上げた。

 

ぱちゃん、ざーーーーー、ぱちゃん。

 

じゃま、しないでくださいね。ぼくはここでまっているだけでいいんですよ

 

そういう目をじっと相手に向けているのに、なぜかこちらに歩いてくる。

 

ばちゃん、ざーーーーー、ばちゃん。

 

「こ、こんにちは」

 

どこか緊張した顔で挨拶をする少年。仮にも竜に向けて普通に挨拶をするあたり、どこかズレている。

 

「迷子なのか…?空から落ちてきたとか、わからないけど困っているならおれが助ける!困っている人は助けなきゃな!」

 

ちがいます〜、やめてください。こまってないです

 

ぱちゃん、ぱちゃん、ざーーーーーー。

 

竜はじっと少年に目で訴えていたが、少年もキラキラとした目でずっとこちらを見ていた。思いは届かないらしい。やがて俯くように頭をたれる。

 

こまりました。こどもはこうきしんがつよいそうですし……

 

「わかった!大丈夫だ。おれはヒーローになる男だ!見捨てたりしないぞ!」

 

何をわかってくれたのか、と思えば全くこちらの意図を理解しないまま、不躾に抱えようとする少年。暴れようかと思ったが、今の状態では暴れてまた捕まえられたら無駄に体力を消耗するだけだと諦めた。

 

「大丈夫、すぐに家に着くぞ。とりあえずおれの家で作戦会議だ!」

 

竜を抱えて、よいしょよいしょとよたよたしながら歩く。移動中に目いっぱい雨を集めて少しは回復できないかと思ったが、想像より少年の家は近くにあった。

 

一度地面に置かれ、家に消えたと思ったらすぐに器を持って帰ってきた。

 

「これに入ってくれ!うわ、服が!びしょびしょだ…カッパを着たまま持ち上げればよかった…」

 

竜を抱き上げるとわたわたと騒ぐ少年。水の身体なので触ればびしょびしょになるのは当たり前なのだが、さっきまでカッパを着ていたせいで忘れていたらしい。驚いて少し投げるように器の中に入れられた。

 

『らんぼう』ですね〜、もっとやさしくあつかってください

 

微かな非難は届くはずもなく、器に入った竜を抱えて歩きながら少年は言う。

 

「このままおまえを抱えていくのは少し大変だからな、持っていく方法とどこに行くかを考えたいんだ」

 

部屋に着くと服を着替えながら何かを探し、分厚い本の中から紙を見つけた。それを広げながらブツブツと呟く。何かを考えているようだ。暇なのでキョロキョロと周りを見ていると、少年がこちらを見て嬉しそうに顔を輝かせた。

 

「それに興味があるのか!それはなゴーレンジャーといって」

 

何やらカラフルな人形たちを手に取って説明し始めた。

特にそれを見ていた訳では無い。

 

「おれはな、このレッドになりたいんだ!清く正しいヒーローなんだぞ。正義のためならどんなに強い敵にもひるまない!いつも笑顔でみんなを安心させるんだ!かっこいいだろ!あれ?聞いてないな…?やっぱり興味はなかったか…。いや、早く帰りたいよな、ちょっと待ってて。すぐに調べる!」

 

全然違う方向を向いていたら、少年は少ししゅんとしてすぐに立ち直ってまたブツブツと考え事を始めた。コロコロと表情が変わってそれは少し面白い。

 

それにしても『あめ』のないところに、きてしまいましたね…

 

「よし、ここの展望台に行こう!おまえの持ち運び方だが、一ついいことを思いついたんだ」

 

少年はこちらに話しかけながら、なにやらガサゴソと作業をしている。楽しいのか、少しずつ身振り手振りが大きくなって、目はキラキラと輝いていた。

 

『ちじょう』はやっぱり、からだが『かわき』ます。

それに、なんだかこの『こ』は、きらきらまぶしくて、『たいよう』みたいで…

 

「ふふん、これでお前を乗せて歩けるぞ!名付けてドラゴンライダーだ!竜はドラゴンで、ライダーは乗るという意味らしい。かっこいいだろう!」

 

『らいだ〜』って、ぼくがのせるんじゃないんでしょうか……?ちいさなあなたにのっても、どう……

 

ふっと、意識が遠のいていくのを感じる。水から離れすぎたのだ。このままではまた意識が落ちる。ただの水に戻る。

 

まってください…ぼくは、もうすこしだけ、『ここ』で…

 

―――

――

 

ふと、力が戻ってきたのを感じて目を開ける。

雨だ。いつの間にか外に出ていたらしい。何か四角い箱から顔をだしてキョロキョロと辺りを見回す。

さっきより雨が強くなってきたおかげで意識が落ちる前に戻れたようだ。

 

「なるべく急いでいくからな!」

 

少年は笑って、どこか安堵したような顔で竜に話しかける。と、同時に突然投げかけられた声に顔をこわばらせた。

 

「おい!お前こんなとこで何してんだ?」

 

少年と同い年くらいの男の子が2人。

出していた顔を引っ込める。これ以上人に見つかるのは厄介だ。

 

「あ、えっと、あの…」

 

あんなに楽しそうに話していた少年がボソボソと言いよどむ声が聞こえる。

 

「お前体弱いんじゃねーのかよー?」

「というかお前、ランドセルの中に水入ってねーか?」

 

足音が近づいてくる。

 

これいじょう『ひと』がふえるのはいやですね〜

 

「あ、ごめん、おれ、急いでるから!」

 

まるで竜の声が聞こえたみたいに少年は突然走り出した。

 

おっとっと、あぶないあぶない、『そと』にでちゃいますよ〜

 

何かを振り切るように走る少年のおかげであっという間に二人の少年からは離れていった。

 

その『ちょうし』です。あめがどんどんふえてきてますね。『いいきぶん』です〜。ぷか、ぷか……♪

 

機嫌良さげに体を揺らす。ぽちゃん、と水の音がランドセルの中に響いた。

少年がハッとして少しスピードを落とす。

 

「あ、ごめん。あの大丈夫か?さっきの人達は、悪い人達じゃないんだぞ。おれのクラスメイトで、おれが、たまにしか学校に行けないのに遊びに入れてくれる、いい人達なんだ。」

 

独り言のように弁解を始める少年。

 

「昔は、たまに行ってもみんなでヒーローごっこしたりしたんだ。おれはヒーローが大好きだから、凄く楽しくて嬉しかった。でも、もう大きくなっちゃったから…。」

 

ひ〜ろ〜のはなしは、おうちでもしてましたね。ぼくにはよくわかりませんが、あなたが『すきなもの』なのはわかります。ぼくも『おさかな』がおよいでるのを、『うえ』からみるのがすきなんですよ〜

 

竜は相手には自分の声が伝わらないことを知りながら、少年の話を聞き続ける。

 

「こないだ久しぶりに学校に行って、みんなとまた変身して遊ぼうと思ったんだ。でも、そんな子どもっぽい遊び、もうしないって。みんなでゲームでもしようって。おれ、そのゲーム持ってないし、それに」

 

少しずつ沈んでいく声に竜は少し悲しくなる。

 

おうちであんなに『きらきら』はなしていたのに、そんな『こえ』ではなしてほしくないです。

 

「おれはヒーローが大好きで憧れてるのに、それを全部否定された気がして、それで……

あっ、いや、なんでもない!ヒーローならこんな弱音ははかないな!さっきの話は忘れてくれ!それよりもおれの大好きなヒーロー列伝を語ろう!ふふん、おまえは静かに聞いてくれて嬉しいぞ!いやだったら言ってくれ!」

 

沈んだ声を無理やり明るくして少年は好きなヒーローについて話し始める。

 

むりに『あかるく』なるひつようは、ないですけど〜……。

しかたないですね。ぼくがいっぱい、あなたのすきなはなしをきいてあげますよ。ふふふ、ぼくもすきな『おさかな』の話をしましょ〜。

 

ヒーローの話をしてるうちにだんだん少年もテンションが上がってきたようだ。全く噛み合わない会話にも関わらず、竜はなんだか機嫌良さそうだった。

 

少年は楽しそうに話していたが、途中から何度も後ろを振り返るようになった。道を確認しているのだろうか。ヒーローの話も少しだけ上の空になっていた。

 

も〜、ぼくがきいてあげてるんですから、ちゃんと『おはなし』してくださいね。

 

お互いが好きなものを独り言みたいに話し続ける時間が楽しかったのに、少年が上の空になってしまったのが寂しかったのだろうか。竜は拗ねるようにぺちぺちと少年の頭を叩いた。

「どうした?ふふっ、大丈夫だぞ!ちゃんと歩ける」

 

ずっと前を向いて話し続けていた少年が叩かれたことに気づいて竜に笑いかける。そして竜を見て、力強く足を踏み出した。

 

 

 

あっ、という少年の声にランドセルから顔をだして前を見ると長い階段が目の前にあった。目的地まで着いたのだろうか。

 

『うみ』の『よびごえ』がきこえますね。

「もう少しだぞ。この階段を登りきったら展望台だ!そしたらきっとお母さんが見つけてくれる。大丈夫、お母さんが来るまで俺が一緒にいる!おまえのことはちゃんと助けるから」

 

階段を上りながら少年は竜に話しかける。

 

『おかあさん』なんていないんですけどね。でも、そのかわり『おむかえ』がきてしまいそうです。そろそろ『じかん』ですから

 

少年とのお喋りの時間ももうすぐ終わる。なんだか少し名残惜しくなって、少年の顔を覗き込んでみた。

 

「おまえ、少し大きくなったか?すごいな!成長が早い!」

 

ずっと声だけしか聞こえなかったが、顔には少し疲れが出ているように見える。それでも顔を出した竜を見て少年はとびきりの笑顔を見せた。小さな小さな人間の子供に運ばれる自分を省みる。

 

『へん』ですね…『ちじょう』のあなたと、ぼくは、ほんらい『まじわらない』ものなのに。

 

不思議そうに、竜はランドセルの中に小さく丸くなった。

 

「おれもそれくらい早く大きくなれたらな。もっと背が高くなって強くなるんだ」

 

はやく大きくなりたいとぴょんぴょん飛ぶ少年の後ろで竜の体も揺れる。

もう雨も十分に吸収して飛べるくらいには回復していたが、竜はまだその中にいた。その理由が自分でもなんだかよくわかっていない。

 

でも、まぁいいです。この『ばしょ』はなんとなく、『いごこち』がいいので〜♪

 

考えても埒が明かないと思ったのか、機嫌良さそうに少年の頭の上に顔を出した。もう少しで終わるこの居場所を楽しむことにしたらしい。長い階段を一歩一歩登りながら、竜と少年の噛み合わない会話は続いていった。

 

 

 

「着いたぞ!」

 

ようやく上まで着いたらしい。

 

『おむかえ』のおとが、いっぱいきこえます。みんな、きてくれたんですね。もう、じぶんでかえれるんですけど。まだこないでほしいです〜

 

少年は海の方に行って、なにやら叫び始めた。

 

「おかあさーん、あなたの子供はここにいまーす!」

 

だから『おかあさん』はいませんよ〜

 

「竜の子供はおれがあずかってるぞー!!!おーい!!!」

 

ぼくはあなたほど『こども』でもないです〜

 

ピカッドンガラガッシャーンと、雷の音が何度か鳴り響いた。

 

はぁ〜、おもったよりはやかったですね。

 

ざーーーー、しゅーーーー、ざーーーー。

 

大きな、大きな竜が目の前に現れた。雷を道筋に降りてくるのだ。少年の足の震えが竜にまで伝わってくる。

 

やっぱり、あなたも『こわい』ですか……?ぼくの『なかま』です。おなじ『しゅぞく』ですよ。

 

その震えに竜は少し悲しくなる。しかし、少年はその

震えた足のまま、震えた声のまま間のぬけた言葉を投げかけた。

 

「あ、あなたが、この子のおかあさんですか」

 

ざーーーー、しゅーーーー、ざーーーー。

 

だから、『ちがう』んですけど……。

 

大きな竜が失礼なことを言うなと言わんばかりに唸る。

 

あ〜、あんまりおこらないでください。『かれ』はそんなに『つよく』ないんですよ〜

 

仕方ないと竜はランドセルから顔を出す。しかし、竜の想像を裏切って、少年はバッと両手を広げ、大きな竜を睨みつけた。

 

「違うなら、違うなら渡せない。この子を迎えに来たんじゃないなら、この子に危ない目に合わせるなら渡さないぞ!」

 

震えた声で、とてもかっこいいなんて感じではなかったけれど、それでもしっかりと自分より何倍も大きな竜を見すえて少年は叫ぶ。

 

「おれが守る!そのために来たんだ!絶対におかあさんの元にかえすって約束したんだ!」

 

それは、散々聞かされていた、彼の大好きなヒーローのようで。

 

しゅるりと腕に巻きついて竜は少年の前に顔を出した。

 

ありがとうございます。すごくたのしい『じかん』でした〜

 

名残惜しそうに少年にもう一周巻きついてから、竜は大きな龍の方に向けて飛ぶ。

 

「ちゃんと、お母さん、だったのか…?」

 

さっきの震えも収まって、驚いたような、少しほっとしたような顔で少年は竜を見ていた。

だから『おかあさん』じゃないんですけどね。

でも、あなたはちゃんと、『ヒーロー』でしたよ〜

 

一度だけ少年を振り返って竜は笑いかける。笑いかけたところで、少年にはわからないとは知っていても、それでも楽しそうに、寂しそうに笑う。

 

『きそくいはん』なのはわかってます、ごめんなさい。わざとじゃないんですよ〜

 

大きな竜に少し怒られながら、上へ上へと登っていく。一際強い雨風が、竜たちをぐっと上に押し上げた。

 

これで、さよならですね。どうか『げんき』で…

 

下を見ると、少年が倒れていた。あの、あの少年が倒れている。

 

え、なにやってるんですか。はやくかえらないと、『よわい』こどもは

 

竜は少し慌てて身をよじらせる。小さな龍を支えていた大きな竜に必死に訴えた。

 

はなしてください。ぼくは、『あのこ』に『たすけて』もらったんです。『しんぱい』してくれたのはうれしいですけど。

 

小さな竜に何が出来ると大きな竜は言う。

 

ぼくを、だれだとおもってるんですか。

『ははなるうみ』にいきます。そうすればぼくも、『あのこ』をたすけることができる。おとしてください。はやく。

 

小さな竜はまた身をよじらせて大きな竜から離れた。そのまま真っ逆さまに荒れた海へと落ちて行く。

 

『うみ』のずっと『おくそこ』までいきます。『あめ』は『うみ』からうまれますから…

 

波がまだ小さな竜を飲み込む。大きなうねりに揺られながら下へ下へと向かっていく。

深海の古い水には雨から得るエネルギーよりずっと力があるのだ。そこまで行けば、もっと早く回復できる。いや、普段よりずっと大きくなれる。今の回復しかけの小さな体では少年を運ぶことも出来ない。だから小さな竜は深海を目指していた。

 

やっぱり、すこし、『きつい』ですね…

 

深くなればなるほど、意識を持っていかれる。海と一体化してしまうのだ。

 

それでも、ぼくは『あのこ』をたすけたいんです

 

古き水に竜の鼻先が着いた。

 

 

 

海に大きな渦がおこる。渦の真ん中から大きな、大きな竜が飛び出して来た。あの小さな竜が、あの大きな竜に匹敵するほどの大きさであらわれたのだ。

 

ふふふ、なんとかうまくいきました〜…♪

 

大急ぎで少年の元へ急ぐ。

やはり少年は展望台で倒れたまま雨に打たれていた。荒い息で顔は赤くなっている。

鼻先を近づけて少年に触れる竜。

 

う〜ん、『あつい』ですね……。『かっぱ』のおかげでいままで『ねつ』がつたわりにくかったんでしょうか…ほんとうに『たいよう』みたいです。あついのはあんまり『すき』じゃないんですけど、『とくべつ』ですよ

 

鼻先を器用に体の下に滑りこませ、頭の上に少年を載せた。

 

ほら、あなたがいっていた『どらごんらいだ〜』ですよ〜

 

少年の体重を支えて、竜は大空を飛んだ。

嵐の中をもろともせずに少年の家に急ぐ。

 

ぼく、『たいよう』のはんしゃで、うみの『みなも』にうつる『きらきら』がすきだったんです。『おさかな』さんもこころなしか『たのしそう』にみえました。

だから、もっとちかくで『みて』みたくて、うっかり『あまぐも』からでちゃったんですよね〜。

それで『たいよう』にやかれちゃったんですけど。

 

さっきとは反対に、竜は眠る少年に語りかける。

 

だから『たいよう』みたいなあなたのまわりの『きらきら』を、こんなにちかくでみることができて、ほんとうにたのしかったです〜…♪

 

少年の家に着いて、竜はドアの前に少年を置く。

 

これでほんとうに『さよなら』ですね。

 

竜は早く少年に気づいてもらえるようにと、家の近くの木を倒しすぐに空へと飛び上がる。木が倒れた音に様子を見に来た親が少年に気づいて慌てて家の中へと運んでいった。

 

『おかあさん』でしょうか。そうですね…ぼくも『ははなるうみ』からうまれたので、おかあさんは『うみ』になるかもしれません。

そうでした。ぼくはまだ『こども』ですけど、『おとな』になったらもっと『ちから』がつかえるようになりますから。

 

この竜がほかの竜と違うのは同じ海の水でも、深海の古き水から産まれたことだった。

 

すがたをかえて『あのこ』にあいにいくことも、できるかもしれませんね〜…♪

『しんかい』の『かなた』からうまれたぼくが、『たいよう』みたいな、あなたのところに!




おわり
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