東方幻想破壊録(東方Project×ガンダムブレイカー) 作:双竜
「あの時以来、だね。こうして対決するのは。ね?大ちゃん」
「うん。そうだね。こあさん。だけど今回は賭けてる物が違うよね」
異世界で刃と刃を交え、命のやり取りをしたからこそこの戦いの価値が、彼女たちには分かる。そして、彼女たちには、負けられない理由がある。それは、人の天秤では測れないもの。きっと、あのアヌビスですら測り損ねるもの。
「ふぅ…」
大妖精が深呼吸をすると、コクピットの中では感じることのないはずの風が大妖精の頬を撫でた。心地よくて、暖かい。それであって、程よい緊張感を与えてくれる。
「はぁ…」
こあが深呼吸をすると、コクピットの中では感じることのないはずの風がこあの頬を撫でた。安心できて、冷静になれる。それであって、己を鼓舞するには十分過ぎる。
「手加減は、出来ないよ?」
「本気で、来てください」
こあの機体が、僅かに頷くように動いた、ように観客からは見えた。大妖精にどう見えたのかは、大妖精にしか分からない。
大妖精の『アブソリュート・ゼロ(
こあの『アブソリュート・ジョーカー』
『
『Battle Start』
無機質で、無神経な音声が聞こえなくなる前に、両者は動き出した。機体の性能と武装はほぼ同じと言っても過言ではない。勝つには、運と、実力。そして、思い。その3つだけが必要。それ以外は、何も要らない。そう。何も、要らない。
ゼロのビームサーベルとジョーカーのビームサーベルが交錯する。あまりの速さにシステムが追いつかず、音がワンテンポ遅れて聞こえ、ダメージ判定すら遅れて反応する。
「「NT-D 、発動!!」」
ユニコーンガンダムの真骨頂であり、切り札を躊躇いもなく発動させる。サイコフレームの色は赤色でも、金色でも、青色でも無い、緑色だった。
NT-Dを発動した両機体によるビームサーベルの交錯は、衝撃波となり、空気を揺らす。いや、揺らす、なんて生易しいものでは無かった。観客は、プラスチックが起こした風を肌で感じた。
「大ちゃんだけには…」
「こあさんだけには…」
「「負けたくない!」」
プライド。それが、彼女たちの戦う理由で、譲れないもの。命に比べればちっぽけで、壊すのは簡単で、生み出すのは難しいもの。
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