東方幻想破壊録(東方Project×ガンダムブレイカー)   作:双竜

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間違えて2話を先にあげてしまうという…


1話〜旅立ち〜

「小悪魔さ〜ん!また負けちゃいました〜」

「ドンマイです、大ちゃん」

 

涙を目に溜めた大妖精が、小悪魔の胸に飛び込む。そんな大妖精を小悪魔は受け止める。

 

「急ぐ必要はないよ?大ちゃん」

「….分かってます。それは…分かってます」

 

嗚咽を我慢しながら、大妖精は返答する。

 

「お嬢様、ディスティニーはガチ過ぎます」

「その機体を使わなきゃ勝てない、って事じゃない?」

 

小悪魔の抗議を受け流すレミリア。先程の大妖精の対戦相手だ。

 

「人のプレイスタイルに口を出すのはマナー違反だけど、言わせてもらうわ」

 

大妖精がレミリアの顔を見る。小悪魔は思うところがあるのか、レミリアから視線を逸らした。

 

「その機体、攻撃手段が少な過ぎない?このゲームは、攻めなきゃ勝てないわよ。そうよね?小悪魔」

「そんなことは…」

 

当然、持ち主である大妖精にもそれは理解していた。ビームサーベルが1本、小型の超電磁砲が2門。シールドが2つ。あとは、ミサイル。明らかに攻めに特化した武装では無い。前衛が居れば本領を発揮出来る機体だ。しかし、これは1対1にしか対応していない。つまり、大妖精の機体では本領を発揮出来ずに終わってしまう。

 

「私は帰るわ。小悪魔、あまりパチェに迷惑かけない時間に帰りなさいよ」

「…了解しました。お嬢様」

 

そう言うと、レミリアは傘をさし、にとりの工房から立ち去って行った。相変わらず、羽は傘からはみ出ている。

 

「大ちゃん、機体、変える?」

「大丈夫です。この子が、使い易いから」

「大ちゃんがそう言うなら、いいんだけど」

 

小悪魔は大妖精の機体である『ジムカスタムガーディアン』を見つめる。スラットしたフォルムに似合わない超電磁砲とシールドの存在感はアンバランスに見えるが、愛着を持ちやすい。

 

「でも、小悪魔さんの機体は参考にします」

「参考になるようなことはないよ…」

 

小悪魔は自身の機体である『コスモ・ノワール』を取り出す。スマートでスピード型のように見えるフォルムからは想像の出来ない攻撃力が、この機体の特徴。『ジムカスタムガーディアン』とは対象的な機体である。

 

 

「なるほどなるほど…」

 

穴があくまで見ているかのように思えた大妖精は、ハッとしたように辺りを見回した。日は既に落ちかかっている。

 

「あ、小悪魔さん、ありがとうございました!」

 

ずーっと同じ姿勢で待機していた小悪魔に、大妖精は機体を返す。

 

「参考になった?」

「はい、少しは。…それじゃ」

「うん。またね、大ちゃん」

「はい。また明日」

 

 

ガンプラバトル。それは、外の世界で生まれた新しい遊戯。外の世界で言う「二次元の英雄」を手のひらサイズにした模型を操作して戦う、というもの。幻想郷に導入されたのは1ヵ月ぐらい前だが、そこまで浸透しておらず、プレイヤーは少ない。そして、今の段階では対人戦が主流であり、先程大妖精がレミリアと当たったのもそのせいである。

 

 

「大妖精?ちょっと用があるのだけど」

 

大妖精の後ろから、声をかける人物がいた。大妖精は、その声の主を知っている。振り返らずに、

 

「なんですか?」

 

と返答する。その様子にその人物は笑いを噛み殺しながら、ある「お願い」をする。

 

「異世界に行ってきてもらえない?」

「私は妖精です。私より適任な方がいます」

 

大妖精の脳裏には博麗の巫女や普通の魔法使い、半人前の庭師など、そういうことのプロの顔が浮かんでいた。

 

「そうかもしれないわね。だけど、貴方に拒否権は無いわ」

「そうですか」

 

次いで脳裏に浮かんだのはチルノや小悪魔、ルーミア達だった。

 

「安心して。貴方の友達には上手く言っておくから」

 

大妖精の心を読んだかのように、その人物は語りかける。拒否権がないなら、従うしかない。数日経てば生き返るとはいえ、死にたいわけがない。

 

「いつでも行けます」

「…任せたわ」

 

大妖精の周りの空間に亀裂が入り、別の空間へと誘った。大妖精にはそれを生み出した人物の声は聞こえなかった。

 

……………

 

「痛ったぁ…」

 

思いっきり腰から着地し、腰を打った。羽はを動かそうとしたが、反応しなかったからだ。その理由は今ならわかる。羽が無いのだ。

 

「この世界には、羽は無いのかな…?」

 

どこか検討違いの様なことをいいながら、大妖精は自身の周りの状況を確認しようとしたが、するまでも無かった。燃えていた。全てが。羽のない大妖精には、これを打開する案も策もない。

 

「え、えっと、どうしたら…」

 

あの人物の時の強気はどこへやら、今は思考回路が停止していた。

 

「あんた…敵じゃ……ない…な…?」

 

とりあえず逃げ出そうとした大妖精に、壁に寄りかかった男性が銃を向けていた。遠くからでも彼がかなりの出血をしていることは見えた。

 

「だ、大丈夫ですか?!」

 

方向転換をし、彼に駆け寄る。男性は銃を下ろすと、大妖精の問が聞こえていないかのように呟いた。

 

「…軍人……ってわけでも…なさ、そうだな」

「おじさん…」

 

男性の顔を確認しようとしたが、すぐに無理だと悟った。耳が、無くなっている。爆風などにやられたのだと判断する。

 

「あ、んた…アレに乗れるか…?」

 

男性はかろうじて動く右腕で、大妖精の後ろを指差した。そこにあったものは、MSの足だった。横倒しになっているのだろう。無意識に大妖精は頷いていた。どちらにせよ、あれに乗らなければ死んでしまうのだから乗れなくても乗るしか無いのだから。

 

「そ、うか。じゃあ、これ…を」

 

大妖精が頷いたことは分かったのか、彼は1枚のカードを差し出してきた。

 

「これ…は、セキュリ、ティ…かい、じょのカー、ど…だ」

 

大妖精は口パクで『ありがとう』と返事をした。その瞬間、彼の頭が項垂れた。呼吸音は、聞こえない。合掌し、礼をする。その後、その機体の方へ走っていく。

 

 

『機体セキュリティ解除…再起動開始します…』

 

今は亡きあの人から貰ったカードを機体のコクピット辺りにかざすと、音声が聞こえた。音声の再生が終わると、コクピットのハッチが開いた。完全に開くのを待ちきれず、滑り込む。

 

『G eneral

U nilateral

N euro - link

D ispersive

A utonomic

M aneuver

___Synthesis System Elf』

 

ディスプレイにはそう表示されていた。

 

「ガンダム…エルフ」

 

恐らく機体名だと、大妖精は判断した。

 

操縦桿を引き、足を動かす。操作は何故か幻想郷のガンプラバトルシュミレーターのそれと似ていた。メインカメラの起動音がする。ガンダムエルフに、命が吹き込まれた瞬間である。

 




あー、なんか、難しいです。
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