艦隊刀記録   作:飛行士

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着任した提督は過去話を引きずるようです


復帰

「ただいまー」

「「「「お帰り~」」」」

 

うーん、ホントうちの家族は他人に興味がなさすぎるんですが…

 

「ところでお前どうやってここまで来たんだよ?」

「あぁっと軍用車で送ってもらった」

「はぁ、お前さ自分の車ぐらいもったら?一々移動に申請出すのも面倒だろ?」

「だって車高いじゃん」

「あーもう、ちょっとガレージまで来い」

 

家に帰ってまで怒られたくないんだが…

ついてきたくないし、何なら動きたくない

 

さて、いやいやガレージ前までついてきたのだが、要件が分からない

 

「で?どったの?」

「ちょっと待ってろ」

 

「ふんっ」とどこか抜けた声でシャッターをあげた

「えっスゲー懐かしいんだけど」

「だろ?お前が帰って来るって聞いて急いで整備し直したんだ」

 

 

そこにあったのはジムニー(二代目第一期)550vc(1型)水冷直列3気筒の4速マニュアル

10年前の旧式だ

 

「そこら辺試しに行って来いよ。ほい鍵」

 

そう言って質素な鍵を投げられた(イメージはロッカーのカギ)

 

「じゃあいってくる」

「おう」

 

「エンジン掛けてと、あれ?」

 

再チャレンジすると普通にかかった、燃料を絞っているのだろうか?

イヤーこの規則的な音は良いね、トルクを出すためだけに当時でも旧式の部類だったエンジンを積むとは、やはり旧式は安心と信頼の実績があるね

 

「さてとアクセル踏んで」

「確か近くにちょっとした山道があったよなそこ行くか」

「さぁ始めようコイツの試運転を」

 

そいや俺良く乗り物乗ると少し性格変わるって言われるが多分気のせいだろう

 

「へっへ~行ける行ける~」

 

ドリフトからの変速三回連続のヘアピンカーブそしてまた変速

 

「余裕だぜ」

 

薄笑いを浮かべた そして鎮守府着任したらこれ乗って行こうと心に決めた

 

「そんな事してたら夕暮れだな帰るか」

 

「バック駐車ってこんなキツかったっけ?」

 

何回かぶつけそうになったがぶつけたらどうなっていただろうか

家に入ると父が待ってた

 

「どうだ?」

「あぁ最高の乗り心地だった」

「そうか、あれをお前にやる為の書類は提出したから安心しろ」

「ご飯よー」

 

こんな感じにほのぼのと過ごしていたある日祖父に呼ばれた

 

「おぉ来たか座れ」

「じいちゃんどうしたんだ?急に」

「まぁなこれなにか分かるか?」

 

そういって目の前に出されたのは旧帝国海軍の軍刀だった

 

「じいちゃんの頃の軍刀だろう?」

「あぁ」

「それがどうしたの?」

「要るか?」

 

…は?軍人の名誉と誇りの軍刀を軽ーく「要るか?」っておかしいだろ色んな意味で

確かに格好いい九八式だがこれはある一定の戦果を挙げしかも上層部に認められた超エリートの所持するモノだ(オタク特有の早口)

 

「いや大丈夫だよ、自分で頑張るさ」

 

そんなことを言いながらそろそろ自宅休養から戻って感覚を取り戻さないといけない時期になってきた

 

さて今日から軍に戻るのだが...

 

「何だろう誰かに見られっている気が…」

(何でアイツ目赤いんだ?)

(あれって練巡事故の一人じゃないか?)

(あぁー死んでるはずの状況から生還したアイツか)

(キモチワルッ)

(ほんとそうだよなwww)

「あれって俺の事か?そんな遠いところで言ってくれるとはまだやさしいな」(とはいえ良い歳してそれはないわ)

「てか目赤いとか中二病かよ」

 

などと言いつつ時計を見ると集合一分前だった

 

「やっば!走るかせめて」

 

脳内でカウントダウンをする

3 2 1よーいドン!! と普通に走ったはずだった

めっちゃ早かった

 

「あっ」やべという前に

 

「着いた」

 

これが本当のあっという間ですね

ガチャッと扉を開き元帥さんの前に立った

 

「如月空少佐只今長期療養から復帰、及び通常業務への復帰します!」

 

そう言って敬礼した それは真面目に

 

「ん了解でーす」

 

超適当に返されたんだがえっマジ?これで終わり?2ヵ月とはいえ一緒にいるんだぜ?

 

「じゃあ自己紹介するね」

 

いるかそれ?

 

「僕は中島海斗元帥です」

 

(*≧∀≦*)顔がこんな絵文字見たいですぜ元帥さん

 

「ではこの書類をお願いします」

「えっあっはい」(それだけかよ!)

 

そうして元帥の『秘書艦』金剛型戦艦一番艦金剛とも一緒に書類の『the☆山』をこの後8時間近く掛け処理していった




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2019/01/18一部変更

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