艦隊刀記録   作:飛行士

20 / 51
本当に不定期で休息


休息

あれから五分くらい軽く放心していたが周りの人が更に少なくなったからか、ふと思い出した

 

「なぁ大淀さんや、弥生さん達は?」

「あぁ弥生さんやあの(腹立つ)陸軍大佐達はいつもの部屋に」

「えぇ(困惑)元倉庫室の窓ありで明るい部屋用意させたのに」(確か吸血鬼がどうたらとか言ってた気がするが気のせい?)

「問題無いと思います、だって吸血鬼がなんたらだから丁度良かったけど寒いとか言ってましたから、冗談だとは思いますが」

 

多分それ冗談じゃ無いと思う、冗談だったらそんな何人にも言わない

 

「ところで何故そんなことを?」

「一応さ、着替えて峠行くけど二人ともどうする?」

「では私はお供します」

「私は休憩してます」

 

そんなことがありジーパンと白の少し大きめのパーカーにナイロン生地のジャンパーを羽織って加賀さんと山の麓まで来た

 

「ところで何故私を?」

「うーんそれはだねお嬢さん、君にドリフトなどを覚えて欲しいからだ」

「はい?」

「もう基本は完璧だから後はドリフトとかだろうと思うんだけど、どう?」

「いやまぁ確かにそうですが」

「北海道では出来ないと死ぬからな、ここの悪路で出来れば基本どこでもできる」

 

いろは坂とかは例外な、と続ける俺にいやちげぇよという目を向ける加賀さんはこういった

 

「そうではなくドリフトなどの特殊機動をするなら低重心の二輪駆動車が良いのでは?」

 

つまりこんなドリフト車と正反対の鉄屑で何で来た?ということだ

 

「そんなん技術でどうにでも出来るさ」

「じゃあ行くぞ、しっかり掴まってろよ」

 

一気に速度を上げて二速、三速とシフトアップしひとつめのカーブで軽くブレーキしながらアクセル同時踏みで二速へシフトダウンから左にハンドルを切り曲がり始めてから一気に右へ切り返し、アクセルを踏み込むとドリフトが出来る(らしい、感覚だから知らん)

何分か経ち山頂にたどり着く

我々が登って来たのは三つほどある内、鎮守府に近くも遠くもない真ん中である

何故なら一番緩くて舗装が(比較的)しっかりしてる初心者向けだからである

 

「どう?」

「自分じゃないとドリフトなんて恐くて乗ってられませんね」

「だろうな」

 

その後休憩して一番近いルートから降りたら……

 

「ヒャッ」

「話すと舌噛むよ」

「イヤァァ浮いてるゥゥ」

「うるせぇ」

 

極めつけは「うぎゃぁぁこの車じゃ持ちませんってぇぇ」

と最後の一番盛り上がってるアスファルトの山での声

加賀さんが加賀さんじゃなくなった瞬間

ただこの場所は少し舗装し直した方がいいと思った空だった

 

(弥生がどっか壊したとこはあれだろうな)

 

帰ると六時ぐらいだったので夕飯を食べたが、弥生の妹(と思われる人物(ほぼ確定))やフランさん、弥生は見かけなかった

そんな充実した(?)1日を過ごした数日後空は軽い(軽すぎる)地獄を見る

 

数日後

 

「提督、郵便物です」

 

そう言って宅配便がよく使ってる台車に載せた二つの段ボールを見せてきた

 

「なんも頼んで無いけどな」

 

宛先は単冠湾、確かにここだ……が、送り主が有名車企業の幹部さんと林檎の日本支部幹部の名前になっている

 

「oh」

 

ノックせず入ってきた摩耶が開口一番

 

「なあ提督郵便きてねぇ?」

「そこだ」

「おっありがとさん」

「それなに?」

「車の部品」

「じゃその送り主の名は?」

「友人、頼んだ物送って貰った」

 

意味分からん、何で偉い人が友人?

 

「金は?」

「提督だ、給料沢山あるだろ?じゃあな」

「( ; ゚Д゚)」

「……仕事しましょう」

「そうだな全部忘れて仕事しよう」

「にしてもプロペラ機のエンジン音て心地良いよな」

「そうですね」

「龍驤んとこの九七か」

「新型艦攻が大本営で開発中らしいですね」

「へぇ」

「てか摩耶が車の部品持ってったんなら龍驤もついて行きそうだな」

「摩耶さんの話聞いてる間に車好きになってるの気付いていなそうですけどね」

 

そうしてほのぼのしたまま仕事を終わらして頑張ってたらその調子で一週間経ってました

 

一週間後

 

「なんだか周りに車好き増えてない?」

「えぇ摩耶さんや龍驤とかね」

「加賀さんもな」

 

……え?みたいな顔で何でこっち見てるんですか?どう考えても車好きじゃなきゃずっと乗ってたりしないだろ

 

「そいや明石は?」

「あの人は車というか機械や理化学系にしか興味ないです」

「知ってた」

「で、そんなことより仕事してください」

「くっそ、話逸らしてサボろうと思ったのに」

「残念賞」

 

正午

 

「さてお昼d……」

「何ボサッとしてるんですか?早くしてください」

「えぇ(困惑)」

 

またいつものようにちまちま横取りされながら昼食を終えた

おやつ時には金剛姉妹主催のお茶会が開かれていた

 

「テートクー」

「ん?」

「あのガールもコールしたらドーデスカ?」

「いや茶会に関しては俺に権利も何もないし」

「なら今すぐ呼びましょう」

 

金剛姉妹は案外早く仲良くなったメンバーである

 

「ならもっと作らなきゃですね、気合いっ入れてっ作ります!」

「なっストップ!止めとくデース」

「そっそうです比叡お姉さま」

「比叡お姉さまはここでごゆっくりなさっててください」

「いえ私も作ります」

 

加賀さんも比叡を除く金剛姉妹も「終わった」みたいな顔してるんだけど、どゆこと?




次回フィガロさん死ス
  提督ジムニーが2WDに出来る事を知る
  提督ぼろ負け
             の三本(の予定)です

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告