困っている人、泣いている人はいざ知らず仇なす者、兄様を傷付けた者まで
兄様は昔から、本当に小さいときからそういう人でしたね
でも今回はいつも以上に心配したんですよ?
だからもうこんなことはしないで、もし私達の為でも絶対に
「すいませんトイレに行きたいんですが」
「どうぞご自由に?」
「貴女方のせいでご自由に出来ないんですが?」
「チッ仕方ないですね、はいどうぞ」
そう言って私は鍵を開ける、すると『朝潮』は「どうもでは行ってきますね、ところであの人は生きてるんですかね?」と言ってくる
貴様がやった癖に何を言うかと思いつつ「あの人は死にませんよ?あんな簡単にはね」と答える
「そうですか、なら良かったです」
「は?」
「貴女からこの二ヶ月話を聞いてやったことを後悔してるんですよ、これでも」
「へぇ、何も変化なかったので話が分からなかったのかと思ってましたよ」
「貴女も言いますね」
「そりゃあ兄をやられましたからね」
さて、二ヶ月病院に篭っていた俺だがあと一週間もすれば退院できる事が分かっている
そんなことはどうでも良いのだ、作戦どうしようかしら
何にも考えていない作戦を後一月以内に立案して訓練しなければならない
大湊警備府はぐるっと回って樺太を哨戒しつつ海域を奪回し日露貿易路を確保する任務がある
千島・アリューシャン列島の警備、解放は俺達単冠湾と幌筵でやる予定だったのだが幌筵は潰れて(というか潰して)しまったため俺達計百名程の艦隊で回さなくてはならなくなった
「どうしよう」
「その話なんだけどさ」
「!?中島元帥殿!ビックリしたぜ全く」
「ここじゃ幼馴染みの親父だよ、ところでなんだけど」
「なんで知り合いと仕事の話をせにゃならんのか」
「まぁ仕方ないね、んでさ?その作戦に前後してドイツから技術提携の艦隊が来るんだよ」
「は?」
「この話は一応加賀くんに話してある」
「おっおう、でドイツ艦隊が何のようで?」
「艦娘技術で世界一の日本にドイツ最強の飛行艇を造って欲しいらしくてね」
「その為にわざわざ?」
「一応英仏露との大艦隊による北極海の奪取も任務らしい」
「はぁ、んで俺達は艦隊を大海戦中に迎えてどうしろと?」
「まぁ図らずして人類の合同作戦になった訳で艦隊の補給、修理と横須賀までの護衛リレーに設計図の迅速な輸送をしてもらおうかとね」
「つまり?俺は資材無い中艦隊に満載補給して修理しつつ中央の権益の為だけに青森までの護衛艦隊出して妖精さんにでも設計図を届けてもらえと?」
「説明ありがとう!まぁそういうことだ」
「俺らの負担デカくないっすか?つか、皆まとめて横須賀に輸送機で送れば良いんじゃ?」
「まあそうなんだが横須賀の飛行場空いてないのよ」
「なら米軍や羽田とかは?」
「米軍は戦時体制で往来が激しいから無理だし、羽田は民間の国内線があるから無理!」
「役立たずめ、大本営の理不尽な権力は何処行った」
「五十五年の千代田クーデターでマリアナ海溝の奥底に消えた」
「はぁ~まあそれ起こした一人がうちのじいちゃんですけど」
「んじゃつまり一ヶ月後には大海戦して人守って書類送れば良いんだね?」
「飛行機は止まるとこ無いから設計図を大本営の屋上に投下してくれ」
「どこだっけ」
「皇居内の隅っこ」
「それで良いのか日本軍」
さて、もう一週間経った訳だが……流石に忙しすぎやしません?どうやって千島列島行きのフェリーに乗るかも分からんのに、12時までには泊地に戻らんといかんしな
「すいません如月空さんでしょうか?」
「……ええ、そうですがなにか?」
「私如月少佐殿の送迎を任されました、山口昇兵曹長であります!」
「は?え?俺が乗るの?それに?マジで?だってそれ士官用の車両だろ?」
「……少佐殿は士官でありますぞ?」
ごめん今テンパってるからさ、その目が点なの止めよ?
ってか兵曹長にしては歳いってない?もう三十くらいだよね?絶対
「……ゴホン、んで貴官の歳は幾つだ?」
「ハッ!小官は今年六月で三十二であります!」
「そうか、ならもう車に乗るとしよう」
「どうぞ」
「ありがとう」
「さて、兵曹長これから何処に向かうんだい?」
「ここから一日ほどかけてプユニ岬まで行きそこからフェリー内で仮眠をとりつつ択捉島へ向かいます」
「12時までに出来れば来てくれと言われたんだが無理か?」
「無理です」
「無理か、にしてもハッキリ言うね」
「まぁ無理ですからね」
「確かに大事だな」
「といいますか少佐殿は軍人らしくないでありますね」
「だろうなぁ、まあ俺に威厳もカリスマの欠片もないからな」
「あっいえ決してそういう意味では……」
「あぁ大丈夫大丈夫気にしてないから」
「はっはぁ」
「にしても見事に全部持ってきたよなこれ」
「まあ軍人は基本自らの装備品は肌身離さず持ってますからね」
「衛生兵さん救急隊員に引き渡すとき大変だったろうな」
「良く見ると少佐殿は海軍の人間とは思えない装備してますね」
「まぁ九四式拳銃に三十年式銃剣、三式軍刀の性能向上版である零式軍刀だしな」
「見事に陸軍装備一色でありますな」
「辛うじて九四式は海軍も採用したがな」
「というか少佐殿って言いづらくない?提督で良いよ?」
「ではお言葉に甘えさせていただきます」
また新しい人出てきてしまった(まぁもう多分出ないけど)
見事に進まないこの小説は一月後のアリューシャン列島攻略作戦をカッコ良く書けるのか?
さて今回は二話に渡った朝潮事件(仮)の結果の方です
少々送迎の人と関係ない話をする空ですが、妹の心配に気付けるのかどうか?
二ヶ月というかなりの入院だが幌筵の後始末は済んでいるのだろうか
ここら辺を1月くらいに書きたいです