艦隊刀記録   作:飛行士

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飛行機に乗りたい


新米提督、パイロットになる
飛行


朝起きるとそこにいるのは加賀さん……では無く妖精さんだった

 

「あぁえっと君はどちら様?」

「あぁ私は加賀艦載戦闘機隊隊長です」

「用件は?」

 

欠伸をしながら言った

 

「昨日加賀さんから提督が飛行機に乗りたいと言っているのでその教官をしてくれと」

「そっか」

「まぁ楽にしてて」

「はぁ……了解しました」

「では提督」

「?」

「早速飛行服に着替えて下さい」

 

だよなぁ、まぁ士官服で飛行機は乗れないわな

 

「そいや飛行服は?」

「?当然自室もしくは予備が倉庫に」

 

いやなんでここに持ってきてくれんのや

 

「いやサイズ分かんないですし」

「やっぱりこの鎮守府エスパー居すぎだろ」

「人間観察力が高いと言ってください」

「はい」

 

その後俺は私服であるジーパンに茶色のパーカー、あと漆黒のロングコートに着替え飛行機の備品庫に向かった

 

 

「では身長を教えてください」

「えーといくつだっけな」

 

あれ?まじでいくつだっけ 最後が士官学校の入学式の身体測定で173cmだったよな

 

「ごめん分からん」

「ではそこにある身長計に乗ってください」

 

スーっと上のレバーみたいなやつ(あれなんて言うんだろう)を俺の頭の上に当てた

 

「えーと178cmですね」

「178cmくらいのやつは確かこの段ボールの中に……」

「あったあった」

 

それはビニールに包まれていた

 

「どうぞ」

「あっうん」

 

出してみると飛行帽やら眼鏡やら飛行服やら諸々一式が入っていた

 

「更衣室は無いので自室で」

「君達はいつも?」

「いえ一式全て就寝時以外着用しているので」(そもそも艦内勤務ですしお寿司)

「そう」(旧式イヤッホォイ……でもなんでここに旧式あるん?)

 

そうして俺達二人は俺の自室に戻ることにした

 

 

「じゃあちょっと待ってて」

 

まず飛行服専用下着的なやつを着てそれから飛行服そんでブーツに帽子に眼鏡をと

 

「ふー終わった」

 

だが俺飛行機乗れるのか?

俺は人間でも飛行機は妖精仕様

 

「あー終わりましたね」

「安心してください手は打ってあります」

 

うんやっぱりエスパーだな

その後明石と名乗る女の子に小瓶を3つ渡された(そういえばちょくちょく日曜大工に、と工具を借りに来てもここ誰も居なかった気がするんだが……)

一つは変化用もう一つは治る用後のは訓練用で二時間の制限があると言われた

後は飛行場に行き訓練を二時間ほどした

 

三時間程後の自室前

 

「あぁ疲れた」

「そりゃね」

「ですがたった一回でほぼ完璧ですよ」

「後は?」

「経験ですかね」

「そっか」

 

その後仕事仕事就寝仕事仕事飛行仕事仕事就寝飛行みたいな感じで半月過ぎたある日……

 

 

最近やっと普通の提督が普通の鎮守府に着任したてぐらいの好感度には上がったのか?と思うようになった

まぁ実際は一年分の慣れがあるからもう少し上かもしれないが

何だろう?物凄い走る音が聞こえるぞ?バァンと音を立て執務室の扉が開いた

 

「提督!!」

「どしたの?そんなに慌てて」

「これが落ち着いて居られますか?」

「?」

「ふぅ」(でも一息着くんだな)

 

「今待合室に陸軍少将閣下と大佐さんがいらっしゃいます」

「えぇ!?まじで!」

「早くしてください」

「おう」

「よし完了」

「では待合室へ」

 

待合室

 

「えーとご用件は?」

 

大佐さんは妖精さんらしい

 

「今回ここに来た目的は先日行われた我々陸軍のアッツ島及びキスカ島侵攻作戦で起きたことについてです」

 

この後三時間くらい会談が続いたので話をまとめると先日の作戦に陸軍揚陸艦あきつ丸という艦娘がここ単冠湾の沖合10浬程で急に消息不明となった

陸軍基地からでは哨戒機が届かないからお前らが探せということらしい

まぁ少将さんは俺達の事を疑っているようだったが

 

「あーもうどうすりゃいいんだよ!めんどくせーな!」

「まぁ大人しく従っていた方が後々楽ですよ?」

「だろうな」

「今がお昼頃だから昼食終わったら編成組むか」

「分かりました」

 

だが基地航空隊には九六式艦戦しかなかったような?

 

「航空機は?」

「基地航空機はそれぞれ艦戦艦攻艦爆4中隊づつです」

「そっかじゃあ艦攻隊に任せよう」

「では昼食にしましょう」

 

一時間後 基地飛行場

 

「では艦攻第一中隊にはこれから各小隊毎に哨戒に出てもらう」

「他の中隊は1日交代で出番がくるから」

「なんかあったら言って?文字通り飛んで行くから」

「「「「了解!」」」」

「では哨戒開始!!」

「本当に言われたら行くんですか?」

「まぁ状況を分かってた方が良いでしょ」

「ですがもし深海の仕業だったら?」

「その時は加賀さん達ですね」

「分かりました」

 

そうして一月ほどたった

 

1ヶ月後

 

「まだ見つかんないのー?」

「捜索範囲はここを中心に半径20浬ですしね」

 

すると、甲高い金属音が無線機から聞こえてきた

 

「おいこれって」

「えぇ電信ですね」

 

前に拾ったあの無線機をいつもはラジオとして使っていたのだが捜索開始から電信の周波数に会わせていた(無線なのに)

 

「提督!!」

「あぁ」

 

扉は静かに開けましょう

 

「哨戒中の九七式艦攻第1中隊隊長機から入電」

「我 敵鎮守府らしき物発見す 偵察を続ける とのことです」

「よし」

「だが第1小隊はそろそろ燃料が切れる頃だろう」

「帰還命令を出してくれ」

「俺は第2と第3小隊と共に出る」

「了解」

 

ようやく例の陸軍艦捜索に前進が見られたな

 

「お気をつけて」

「あぁ」

 

その後飛行服に着替えて出撃し第1小隊と交代した




次回 『あいつ』が登場
大まかな道筋は出来ているのにそこまでたどり着けない虚しさ

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