「それではこれより、Aクラス対Cクラスの試召戦争を行います。ーーはじめ!」
「「「
教室のいたるところで自身の召喚獣を呼ぶ声が響く。そんな中、アタシはといえばーー
「あっ!!オイ木下優子が逃げるぞ!!!」
「逃がすな!アイツは絶対に戦死させなくちゃいけねえ!!」
「Cクラス山下清美がーー」
「させるかっ!!Aクラス栗本雷太が受けます、
「くっーー」
「よし、今のうちに抜けるぞ」
夏目に担がれて逃げていた。
「ありがとう栗本君!」
「礼はいいから、早く!」
「わかってる」
出入り口付近の戦闘に捕まりそうになるも、栗本君の援護でどうにか教室から出る。
それでも、余程アタシを討ち取りたいのか、何人かは追いかけてきた。アタシ的にはもう少し、人数を引っ張りたいんだけどーー
「へえ、ボク達を討ち取るのにそんなにしか人数をさけないんだ」
反対側で担がれている愛子がそういうと、Cクラスの人達が顔をしかめた。
「Cクラスだからもうちょっと強いのかな~?って思ったけどそうでもないんだね」
「い、言ってくれるじゃないの…!!工藤さーー」
「ーーって優子が」
「「殺せぇっ!!!」」
「ちょっとぉ!?!?」
確かにアタシ達を追う人数は少しどころかかなり増えたけど!なんかもうアタシが取り返しの付かないレベルで嫌われるんだけど!?
「ごめんって、優子。でもCクラスを挑発するなら優子が一番かな~って思ってさ」
「効果てきめんだけど!!アタシの今後も考えてくれない!?」
「だが、この作戦ではお前の存在が要だ。弁明は終わってからにしろ」
「…そうね、幸い元凶はわかっているし」
「「??」」
「さて、そろそろ切り替えましょう。…愛子、いける?」
「もちろん!ーー大島先生、許可を!」
「承認します!」
「Cクラス遠山平太、木下優子に勝負を申し込みます!
「代わりに工藤愛子が受けます、
その叫び声と共に、二人の足元にはデフォルメされたような二人自身が現れる。
遠山君はオーソドックスな鎧と剣、愛子はセーラー服に大きな斧を持っていた。
『Cクラス 遠山平太 VS Aクラス 工藤愛子
保健体育 120点 VS 405点 』
「「「ぶほぉっ!!!?」」」
「お、おい、そんなの勝てるわけーー」
「さ、いっくよぉぉっっ!!!」
「ぎゃああああ!!!!」
腕輪がキラリと光ると、愛子の斧がバチバチと電気を纏う。そして、その斧で相手を一閃した。
「くっ、ひるむな!何人かで戦えば必ず倒せる!Cクラス泉小太郎が勝負を申し込みます!」
「「
「工藤、」
「大丈夫だよ夏目君、ここはボク一人で押しきる!!」
力強いその声と共に斧を横に振るうと、横一列で並んでいる相手の首を綺麗にはねた。
しかし、横からすぐに攻撃を振るわれバランスを崩してしまう。だけどまだ操作になれていないためか、上手く持ち直すことが出来ない。そのもたついている間に、Cクラスの猛攻は激しさを増した。
『Aクラス 工藤愛子 VS Cクラス 岡島久美
保健体育 96点 VS 112点 』
「よし、一気に畳みかけるのよ!!」
「「おぉーっ!」」
「優子、そろそろ」
「わかってる!夏目、階段を降りて!」
「わかった!!」
夏目の大胆な階段下り(全段飛ばしとか死ぬかと思った)に動揺している内に、愛子の召喚獣が相手を肉薄する。
そして、降りてすぐの教室でーー
「Cクラス吉岡創路、工藤さんに勝負を申し込みます!
だけど、吉岡君の召喚獣は現れなかった。
「は!?何でだよ!?!?」
「大島先生、召喚許可の取り消しを!」
「…まさか、干渉!?」
干渉とは。先生の張るフィールドの範囲が重なってしまっている時のこと。そしてその重なっている間は、召喚獣を呼び出すことは出来ない!
「Aクラス花岡麗、吉岡君に化学勝負を申し込みます!
「同じく横田奈々、鈴木さんに勝負を申し込みます!」
「「
「「なっ!!」」
そして教室で待機していたクラスメイトがすかさず勝負を申し込む。これで勝負を申し込まれたCクラスの人達は決着がつくまでその場から動けない。その隙に夏目がフィールドを走り抜ける。
愛子と先程のクラスメイト達のおかげで、アタシ達を追いかけていた人達はだいぶ減っていた。…そろそろ勝負時ね。
「夏目、その階段を上がって」
「わかった」
今度は余裕があるからか、それとも飛ばして上るのはキツいのか、一段一段上がっていく夏目。
…これ以上はほんとに、溝が埋まらなそうで嫌なんだけど…勝負のためだから仕方ない。
「あーあ、Cクラスって噂通り大したことないのね。アタシ一人討ち取ることも出来ないなんて」
と大声で言いながら廊下を歩く。夏目と愛子も横でうんうんと頷く。そんな会話をしながら突き当たりまで来て、振り向くと
「随分な言い草じゃない、木下優子…!!」
顔を真っ赤にした小山さんと、護衛であろう10人程のCクラスの生徒がそこにいた。
「あら、事実でしょう?」
「そんな態度をとれるのも今の内なんだから!」
「…ふぅん?」
「ふふん、いくらAクラス3人でもCクラス10人をいっぺんに相手するのはキツいんじゃない?」
「馬鹿言わないで、Aクラス2人よ」
「泣いていいか」
「あはは…」
「とにかく、逃げ場もないんだから大人しく死になさい!
「Aクラス工藤愛子、代わりに受けます!
『Cクラス 小山友香 VS Aクラス 工藤愛子
保健体育 122点 VS 96点 』
「大島先生を捕まえておいた甲斐があったわ!」
「流石にこれじゃあ負けちゃうけど、時間は稼げる!ーー夏目君!」
「任せろ!」
そう言うと夏目は、アタシをお姫様抱っこしてそのまま窓から
「「「……は???」」」
Cクラスの人達の唖然とした声が遠くに聞こえる。
「ぎ、ぎゃああああ!!!!」
作戦とは言え怖いものは怖く、夏目の首に回した手をキツく締める。夏目から苦しいなんて呻き声が聞こえるけどそんなことは知らない。
ーーぼふっ
間抜けた音と共に、アタシと夏目は
「ちょ、ちょっとそんなの反則ーー」
「Aクラス久保利光、Cクラス代表小山友香さんに勝負を申し込みます。
「えっ、きゃあああ!!!」
Cクラス生徒がアタシ達に動揺している間に、近場の階段で待機していた久保君が、小山さんを撃破する。
「そこまで!勝者、Aクラス!!」
その声を聞いてアタシと夏目は、校舎に背を預けながら深くため息をついた。