バカな筋肉と優等生   作:にと‪ ꪔ̤

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クラスメイト募集、たくさんの応募をありがとうございます…!もしかしたら来ないんじゃないか、なんて不安になっていたのでとても嬉しいです!
まだまだ募集していますので、よろしくお願いします~!


アタシと財布と魔法少女

試召戦争も終わってしばらくたった放課後。

この日はアタシ、夏目、土屋君、秀吉と珍しい面子で家路についていた。

 

「…土屋君と夏目って、仲良いのね」

 

ふと思ったことを呟くと、秀吉が確かにと隣で頷く。

一方で、土屋君と夏目はきょとんとした顔をしていた。

 

「二人とも正反対な性格だから意外だなって思ったのよ」

「そうかの?ワシは似ていると思うが」

「……………何処がだ」

「本能に忠実なところじゃな」

「「確かに」」

「……………誠に遺憾…!!」

 

不服そうに首を勢い良く横に振り、否定する土屋君。

秀吉に言われてみればそうだ、土屋君は自分の煩悩に正直だし、夏目は本能に正直。

…まあ土屋君的にはあまり同じにされたくないみたいだけど…気持ちは察するわ。

 

「……………というか、俺からしたら木下姉や秀吉の方が意外」

「アタシは単にクラスメイトよ」

「姉上が良く家に連れてくる内に仲良くなっての」

「康太、シャーペンは文房具であって俺の頸動脈を刺す凶器じゃないぞ」

「…………木下姉妹の家に上がるなんて万死に値する……!!!!(ダバダバ)」

「ワシは弟なんじゃがの…」

「何で家に上がったってだけでここまで鼻血が出るのよ…」

 

アタシと夏目はそんな仲じゃないってのに。

 

「む、アレは」

「えっちょっと夏目!?待ちなさいよ!」

 

そんな話をしていると、突然夏目が店に向かって走り出した。その後ろを慌てて追いかけるとーー

 

 

夏目は、女子幼児向けの魔法少女のフィギュアガチャを見ていた。

 

 

「「「うわあ…」」」

 

ドン引きしたアタシ達は悪くないと思う。

 

 

「ふむ…一度くらい…」

 

 

しかもやるつもりらしい。

 

「…………アレは、毎週日曜朝9:30から放送している『魔法少女☆スマイルキューティーボンバーハート』……幼児向けのアニメにしては重たい内容と無駄にこだわった変身シーンが幼児と一部大人に大ウケしていて」

「土屋君絶対見てるわよね?その解説は見てるわね??」

「む、そういえば明久が録画しておったのう」

「吉井君まで!?何なの!?最近の男子高校生は魔法少女ブームなの!?!?」

 

なんて言ってる間に、夏目はもう回したのかカプセルをガチャガチャと乱雑に開けていた。

 

「……………敵幹部のガンクロニティブラックか…」

「うーん、スマイルレッドハーティクルピンクが欲しかったんだが」

「どれ、ワシもやってみようかの」

「ああ、頼む」

 

今度は秀吉がガチャガチャを回す。コトン、という軽い音と共にカプセルが姿を現した。

 

「これは…ゴールデンインフィニティアブラックレボリューションだな」

「な、なによそれ」

「………………敵ボスの従兄弟の親戚の弟の友達のお兄さんの妹の同級生で主人公の義理の妹」

「他人かと思ったら他人じゃないのね」

「ぎりぎり身内じゃの」

 

土屋君も気になりだしたのか、無言でガチャガチャを回しだした。またコトン、と軽い音と共にカプセルが出てくる。

 

「劇場版限定キャラクターのスマイルスカイリーシルバーブラックじゃないか、レアだな」

「…………流石劇場版、スカートのたなびきにこだわりを感じる」

「映画もやってたのかの?」

「一作目でコケたがな。しかしスマイルレッドハーティクルピンクがスマイルブルーキューティクルピンクをかばったシーンは胸熱だった…」

「…………思わず泣きそうになった」

「んむ?スマイルブルーキューティクルピンクとはこやつかの?二種類あるようじゃが…」

「「何だと!?!?」」

 

…ああ、もう!

 

「?優子もやるのか?」

「しょうがないじゃない!アンタ達のせいで気になってきちゃったのよ!」

 

お金を入れて乱暴に回す。少し錆び付いているのか回りは良くなかったものの、軽快な音と共にカプセルが出てきた。

さてさて、中身は…っと。

 

「………………これは……」

「…姉上…見た目はその、アレじゃがきっとレアだと」

 

「下っ端だな」

 

「うわああああん!!!」

 

返して!!アタシのデレと200円を返してぇっ!!!

 

「ま、まあまあ姉上!そうじゃ、もう一度やってみると良い!ワシの200円も貸そう!」

「………………一度出してしまえば、もう出てくる可能性は限りなく低い」

 

秀吉に200円を渡されてもう一度錆び付いていたハンドルを回す。また軽快な音を響かせ、カプセルが出てきた。

今度は慎重にカプセルを開ける。さて、中身は…

 

パカッ(カプセルを開ける音)

カチャ…(開けた衝撃で下っ端がカプセルの淵にぶつかった音)

パキン!(アタシが下っ端を地面に叩きつける音)

 

「落ち着け優子、下っ端に罪は無い」

「離しなさい夏目!!コイツはアタシをバカにしてるのよ!!!」

 

何が腹立つって黒いマスクに覆われた顔が営業疲れしてるサラリーマンみたいに疲れてることよ!!!

何よその顔!まだショッカーの顔の方が生き生きしてるわよ!!!

 

「もう嫌ぁっ!夏目、そのギャル娘でいいから交換して!!」

「だが断る!敵幹部はレアだから二体分の価値はある、簡単にはやれん」

「仕方ないわね…持ってけドロボー!」

「下っ端二体はいらん」

「何が不満なのよつぶらな瞳が可愛いでしょほら!!交換しなさいよ!!」

「先程まで叩きつけておったのに、とんだ手のひら返しじゃのう」

「…………………新手のチンピラ?」

 

この後…結局、財布がすっからかんになるまで回し続けたわけだけどーーどうしようもない虚無感と多大な後悔に襲われるのは、また別の話。

 

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