お久しぶりと初めまして、紫炎.2です。
現在短編小説を書いて細々と活動していましたが、この度ドラクエ11に触発され、ファンタジー熱が高まり、昔の完結せずに終わらせてしまった小説を再構築、私としては一本筋が通った作品に出来そうだと思い、また長編小説を投稿させてもらいました。
いやね、ボーボボの方はバトル内容がうまく構成できなくて、こっちに逃げたわけじゃないんだよ?
ともあれ、私の中で消化できそうだと思い、頑張って書いてみようと思います。
それでは、どうぞ。
プロローグ
“きりーつ、きょうつけ、れい”
『あざーす』
「貴様ら真面目に返事はできないのか・・・・・・」
そう言って鉄人が教室から出て行く。残念だが俺達に今勉強する気はほとんどねぇ。授業が終わると昼休みになり、俺はいつもの奴らと共に昼食を食べ始めた。だが、周りの空気はものすごく悪い。なぜなら、原因はたった一つ。
「ハァ~・・・・・・」
「明久君・・・・・・何処に行ったのでしょうか・・・・・・」
そう、あの馬鹿が消息不明だからだ。
一週間前のことか、アイツは突如姿を消した。誰にも、何も言わずに。あいつの姉の玲さんや両親も捜索願を出して、探しているが全く消息がつかめない。ったく、アイツは一体全体何をしてやがる。
「今日も明久は来なかったのぉ・・・・・・」
「・・・・・・そろそろ出席が足りなくなる」
いつも馬鹿やって全員を笑わせる奴がいないため、自然と周りの空気悪くなっていく。俺としてもこいつらの落ち込みようは放っておけず、思いつく限りのことをしたが、そもそも原因のアイツに関する情報がなにもないため、励ますことができずにいた。
「・・・・・・まぁ、あいつのことだ。どんなことになってしぶとく生きているに決まっているから安心しろ」
俺は落ち込むコイツらを励ますがあまり効果がなく、なおも落ち込むばかりだ。このままでは倒れるんじゃないかと心配になるが、肝心の本人が現れないことにはどうしようもないため、苛立ちがつのる。
『ピンポンパンポーン。2年Fクラスの坂本雄二君、木下秀吉君、土屋康太君、島田美波さん、姫路瑞希さん。学園長がお呼びです。至急、学園長室に来てください。繰り返します……』
「・・・・・・こんな時に何だよ」
全く、こちらは憂鬱気味だってのに、一体全体なんだ。俺は落ち込むコイツらを連れて学園長室に向かった。
◇◆◇
「明久の行方について・・・・・・だと?」
「そうさ」
学園長室に着いた俺達を向かえたのは珍しくババァ一人だった。いつも通りノックなしに入って嫌な顔をされたが。一言二言話した後、ババァが明久の行方について話したいと言ってきた。なぜコイツが明久の行方について知っていくのか、疑問だ。
「何で明久の行方について知っていやがる?」
「簡単さね、全部アタシのせいだからさ」
なん・・・・・・だと・・・・・・?
いきなりの事実に俺達は驚いて何も言えなくなった。こいつが明久の消息不明の原因だと?
「本当は誰の力も借りずにどうにかする予定だったけど、そうも言っていられない状況になったからね。アンタらの力を借りることにしたよ」
「・・・・・・何があった!?」
「明久君は無事なんですか!?」
「アキは今、どうなっているの!?」
「あやつはどこにいる!?」
ババァが喋り出すと同時に俺以外四人が立て続けに尋ねる。俺もババァには聞きたいことがある。
「まぁ、待ちな。順を追って説明していくから」
捲し立てる俺たちに対して、ババァはあくまで冷静に俺達に制止を掛ける。ババァの制止で一旦落ち着いて、冷静に話を聞き始める。こいつ、何でこんなに冷静なんだ?
「事の始まりはアタシが新しい試験召喚獣の実験をしようとしたことから始まるよ」
「「「「またか!」」」」
間違いねぇ、コイツこそが諸悪の元凶だ!
◇◆◇
「新しい試験召喚獣の実験・・・・・・ですか」
「あぁ、そうさね」
「さようなら」
「確保」
「バカな!?」
今日も今日とで観察処分者の仕事をしている最中に鉄人に呼び出された。何かなと思っていると、学園長がお呼びだと言われたので速攻で逃げるが、鉄人に強制連行されてしまった。連れてこられて聞かされた内容が内容だったので即座に逃げようとしたところ、鉄人に捕まってしまい、椅子に縛られた。この縄、きついぞ鉄人!
「安心しな、これでもテストは何回もしているし、ゲームばっかりしているアンタにはもってこいの物だと思うからね」
「バ・・・・・・学園長。そう言って何度僕が酷い目に遭ったのか覚えていない訳じゃないでしょ?」
「忘れたね」
「ボケましたね」
「鉄槌」
「痛ぁ!?」
くそっ! 鉄人で僕を制御しようと考えているのか、この極悪人が! だからといって簡単に僕が籠絡できるとでも・・・・・・!
「全く・・・・・・まぁ、何の褒美もないっていうのもアレだし、今回はどっかのファミレスの無料券でもやろうかね」
「なんなりとお申しつけください、学園長」
違うよ? 決して食券に屈した訳じゃないからね!?
「吉井・・・・・・俺はお前程現金な奴は見たことがないぞ・・・・・・」
後ろで鉄人がため息を吐いているが、知ったことか。僕にとってカロリーを取ることは大切なことなんだ。この頃は姉さんのせいでカロリーメイト生活だったし。
「まぁ、引き受けてくれるならいいよ」
ババァがそう言うと鉄人に頼んで召喚フィールドを展開した。いつも思うけど、この幾何学模様はどうにかならないのだろうか? なんか嫌だ。
「今回は“召喚獣”という点に比重を置いた改造をしていてね。点数の高さに応じて精霊や魔物と言った幻想種を召喚できるようにしてみたんだよ」
「へぇ~。それじゃあうまくいけばゲームに出てくる魔王とか神様とかも出てくるって事ですか?」
「その通り。まぁ、もっともあんたの点数じゃあそんなことは無理だろうけどね」
そう言ってババァが僕を小馬鹿にする。言ったなババァ、僕が召喚すれば神とは行かずとも精霊とかが出てくるに違いない。僕は自信を持っていつもの召喚体勢に入る。
「吉井、変な物が出ても落ち込むなよ」
「えっ、それってどういう事ですか?」
「西村はね、いわゆる“筋肉魔神”が出て来たんだよ・・・・・・プッ」
「笑わないでください学園長!」
鉄人だから筋肉魔神・・・・・・やばい、似合いすぎて笑えてくる。僕は鉄人に見つからないようにこっそりと笑った後、召喚を始める。
「じゃあ召喚しますけど・・・・・・?」
「あぁ、良いよ。いつでもやりな」
「じゃあ・・・・・・サモン!」
ビカァ!!
「「「!?」」」
突如強烈な光と稲妻が部屋を覆う。嘘、何コレ!?
「なっ、これは!?」
「な、何これ!?」
「・・・・・・」
突然のことで困惑するも、だんだん意識が遠くなっていく感覚を感じ、僕は目を閉じた。
◇◆◇
「気がつけばアタシと西村教諭だけで吉井だけが居なくなっていたんだよ」
「「「「「・・・・・・」」」」」
・・・・・・つまり、またアレか。
「てめぇの実験のせいか!? これで何度目だ!?」
「さすがに申し訳ないとあたしも思っているよ」
「申し訳ないで済む問題じゃないですよ!?」
「これで何度目じゃ!?」
「ものすごい迷惑!」
「そうですよ! 少しは反省してください!」
俺達の怒りにさすがに今回のことは反省しているらしく、何も言わずにババァは受け止めていた。その後も俺達の非難は続いたが、このまま言い合っていても意味はないと悟り、話を進める。
「で、本題は何だよ」
「あれからこちらも調べをすすめて、ようやく居所をつかめたんだよ」
「な~んだ。じゃあ、後はアキを助けるだけなんですね」
「・・・・・・」
「・・・・・・あの、学園長先生。どうしてそこで静かになるんですか?」
明久が助かると言う話になると、なぜか押し黙るババァ。まさかとは思うが・・・・・・
「見つけたのは良いが、助ける手だてがない・・・・・・なんて言うんじゃないだろうな?」
「・・・・・・半分正解で半分間違いだよ」
目を瞑り、ため息を吐きながら答えるババァ。半分? どういう事だ?
「見つけることはできたけど、厄介なところにいることが分かってね。それでアンタらを呼んだのさ」
「見つけることはできたが、厄介なところとは・・・・・・?」
「いわゆる平行世界ってところさ」
「「「「「平行世界?」」」」」」
「どうやらそこに吹っ飛んじまったようでね」
あまりにも突拍子もない話に唖然とする。平行世界なんてありえねぇだろ、普通・・・・・・あ、ババァ自体が妖怪だからありえないことも無いか。
「今とても失礼なことを考えなかったかい?」
「気のせいだ、ようか・・・・・・学園長」
くそっ、真面目な状態でもこちらの事を良く理解してやがる。
「・・・・・・まぁ、話を続けるよ。あのバカはとにかくあの光と共に平行世界に行ったのさ」
「ならばその明久を・・・・・・」
「連れ戻すためには、また誰かを平行世界に送り出さないと行けない・・・・・・だろ?」
「・・・・・・えっ?」
「理解が早くて助かるよ。その通りさ。こちらも引き戻すことが出来れば、こんな事頼まないのだけどね」
全く・・・・・・面倒なことになったぜ。これだからババァの呼び出しは嫌なんだよ。
「なぜわしらなのじゃ?」
「もしかしたら、あのバカは大変なことに巻き込まれているかも知れないからね。それでアンタらを選んだのさ」
成る程な・・・・・・俺達なら確かに怪しまれずに済むからな。ババァにしては考えた方だ。ある意味、適当な人選に納得する。
「行ってすぐ帰ってくるんですよね? なら私、行きます!」
「えぇ、私も行きます! 学園長先生!」
「友の危機なのじゃ、ワシもゆくぞ!」
「・・・・・・しかたがない」
「あんたらならそう言ってくれると思ったよ。準備は出来ているからすぐに始めるよ」
そう言うと召喚フィールドを展開するババァと召喚準備に取りかかる俺たち。何だかすんなりといくな・・・・・・俺はもう少し何かあると思ったんだが・・・・・・んっ?
「そういやババァ。行くにしても帰り道はどうするんだ?」
ふとそう思い、俺はババァに確認することにした。行ったのは良いが、帰り道がないなんて事態はこちらとしてはごめんだからな。ちゃんと確認しておかないと。
「その点は心配ないよ」
それなら安心・・・・・・
「平行世界だから向こうにも同じような物があるはずだからね、それを使って帰ってきな」
「ちょ!?「「「「サモン!」」」」待て、おまえら!?」
行き当たりばったりの計画に俺は待ったをかけようとしたが、4人はすでに召喚のワードを言ってしまった。くそっ!? やっぱり何か落とし穴があるじゃねぇか!?
ビカァ!
突如部屋中を覆う白い閃光と稲妻。突然の光に驚きながらも、俺は意識が遠のいていく。
くそっ!? これで明久のところに行けなかったらマジで恨むぞ!?
俺はそう思った直後、意識を失った。
◇◆◇
「・・・・・・うまくいったね」
誰もいなくなった学園長室にて一人、学園長は呟く。おもむろにパソコンを立ち上げ、作業を始める。
「急がないと・・・・・・奴らに感づかれるのも時間の問題だからね」
作業中、必要な書類がないと思い、引き出しを開ける。そこにある写真を見て、動きを止める。
「・・・・・・大丈夫、私はやれるよ。いや、やってみせるから」
その写真にはシスターの格好をした一人の少女が独りぼっちで写っていた写真を見て、固い決心を浮かべながら、作業を始めた。
どうでしょうか?
前に見たことある人も、ここが違うなと思うところもあるかも知れません。
さて、これから5人はどうなるでしょうか。学園長が呟いた「奴ら」とは?
次回に続きます。