それでは、どうぞ。
――――――夢を見た。
そこは見渡す限りの更地しかなかった。目にとまるのは先程まで人が住んでいた家の瓦礫。
ぬいぐるみ・・・・・・服・・・・・・写真立て・・・・・・人形・・・・・・
そこには人の声も、形も、影もない、何もなく、ただ食い散らかされた狩り場のように荒れていた。血がまるで景色のようにこびりつき、赤い何かがぶちまけたかのように散乱していた。命の匂いも、香りも、ここにはない。ただあるのは死の、地獄が過ぎ去った後・・・・・・。
そこに一人、彷徨うものがいた。
彼女はこの光景を見て、ただただ泣き、叫ぶばかり。
生きとし生けるものが死に絶えた場所にて、彼女は一人嘆き続けていた。
――――――そんな悲しい夢を見た。
◇◆◇
「・・・・・・夢か」
カーテンの隙間から日差しが差し込む。変な夢を見たなぁと思い、僕は目を覚ます。
「まぁ、夢を見られるだけ幸せなのかな?」
ベットから立ち上がり、制服に着替えて朝食の用意をする。
「今日はご飯と味噌汁、卵焼きっと」
一人暮らしに慣れる前から料理には自信があるから何の問題もなく朝食を作り、食べたあと荷物整理して少しくつろぐ。
「今日は早起きできたからね、少しぐらいゆっくりしたって・・・・・・」
「おい起きろ、明久! 急がねぇと遅刻するぞ!?」
むっ。誰だ、こんな朝早くから僕を呼ぶ奴は。玄関のドアを開けると、そこには隣に住む当麻が居た。なんだ、当麻か。
「どうしたのさ、こんなに朝早くに・・・・・・」
「バカ! 今何時だと思っていやがる!?」
「えっ? どうせ7時になったばっかり・・・・・・ッ!?」
嘘ぉ!? いつの間にか7時50分!? やばい!?
僕は急いで準備すると当麻と一緒にマンションを出る。
「何で!? さっき見たときは確かに7時だったはずなのに!?」
「どうせ見間違えたんだろ!?」
「ちょっと! 二人とも急いでよ!?」
「遅れたらやばいぜぇ!?」
「あっ、おはよう! さやか、土御門!」
「うん、おはよう!」
「おう、おはようだにゃー!」
「挨拶している場合か!?」
走りながら挨拶していると当麻が急げとせかす。確かにのんびり挨拶している場合じゃない!
「土御門! 最短ルートをお願い!」
「私も!」
「俺も!」
「任せろ! こっちだぜ!」
僕たちは土御門の案内で学校までの最短ルート行く。これで遅刻せずに済む!
そう思いながら僕、吉井明久と上条当麻、美樹さやか、土御門元春は急いで立川学園に向かった。
◇◆◇
「痛て・・・・・・くそっ、あのババァ。結局行き当たりばったりの計画じゃねぇか・・・・・・」
俺は痛む頭を押さえながら目を覚ます。くそ、気分は最悪だ。
「ここは・・・・・・どこなのじゃ?」
「私、こんな都市、知らないわよ」
「開発具合から見て・・・・・・どこかの都心部でしょうか?」
「・・・・・・人に聞けば分かる」
「そうだな・・・・・・そこの人に聞いてみるか」
現状把握のため、近くの道を歩く人にここが何処だか聞こうとしたとき、頭上から声がした。
「あぁー!? そこの人どいてー!?」
「うん?」
頭上を向いてみると足が目の前に迫っており、そのまま踏まれた。
「うおっとっと!? すみませんでしたー!」
「痛てぇ・・・・・・くそ、気をつけろ!」
相手は俺を踏み台に着地した後、さっさと走っていった。いきなりなんだってんだ、くそ!
「ゆ、雄二よ。先程の奴・・・・・・」
「ま、間違いないわよ・・・・・・」
「はぁ? さっきの失礼な奴がどうした?」
「ちらっと見えましたけど、先程の顔・・・・・・」
「明久だった・・・・・・」
「なん・・・・・・だと・・・・・・?」
明久だと・・・・・・? こんなにも早くにアイツを・・・・・・?
「すみません! さっきは友達が失礼しましたー!」
「おいこら、待て明久! 土御門を追い抜いてどうするんだ!?」
「まぁまぁ、カミやん。もう学園はすぐ側だし大丈夫だぜ。後は走り抜けるのみ!」
俺達が戸惑っていると後ろから俺達を追い抜いて3人程の学生が走っていった。
「雄二よ! 追うのじゃ!」
「お、おう!」
追い抜かれて少し呆然としていると、秀吉が俺に声を掛けた。我に返った俺は急いで通り過ぎていった明久と先程の学生達を追いかけたのであった。
見たことない夢と出会った4人と5人。
一体どうなるでしょうか?