堕天物語   作:EIMZ

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堕天使と魔王とゲーム

今日は1週間の終わり、金曜日。学校が終わって、いつものように津島家に晩御飯を作りに来ていた。今日はいつもより早く晩御飯を作り、食べ終わったのでしばらく時間を於て余していた。

 

「ああー暇だなー。」

 

食べ終えると本当に何もやることが無くなってしまった。いつも料理をしているから気づかないうちにスピードが上がったのかもしれないな。これもレベルアップの一つなのだろうな。某有名RPGのレベルアップの際の効果音、テレレッテッテッテーという音が聞こえてきそうだ。次からはもう少し手の込んだものを作ってみるか。片手にコーヒーの入ったマグカップを持ちながらボーッとテレビを見ていた。

 

「暇そうね。」

「ああ、もう少し手の込んだものをを作ればよかったかな。」

「フフフ、暇なら私とゲームしましょう。」

「ゲーム?何するの?」

 

ヨハネは一度自分の部屋に戻って、テレビゲーム用のコントローラーを持ってきた。

 

「これで勝負しましょう。」

 

ヨハネがテレビゲームを二人プレイ用に設定している間、僕はコーヒーを追加を入れるためキッチンに来ていた。コーヒーを入れている間、色々なことが頭の中をよぎっっていく。今まで友達とゲームなんてしたことなかったな。オンラインの通信対戦は何度もやったことがあるが、リアルに隣で友達と対戦なんてやったことないから、これが初めてなんだよな。しかも初めてがこのヨハネととは、ハードル高いな。数日前、ヨハネからのあの一言を聞いてしまったせいで妙に意識してしまう。しかしこの僕の相手ではない。返り討ちにしてやる。まああんまりやったことはないのだが、何とかなるだろう。でも、ヨハネと隣り合って、ゲーム、か。追加にコーヒーを入れたマグカップが地震のように揺れていた。これは緊張ではなく、武者震いだからね!別に女の子とゲールを隣り合ってやるからって緊張してるわけじゃないからな!

 

「シェリアス、設定できたわよ。」

「了解。で、何すんの?」

「フフフ、これよ!」

 

ヨハネが手に取ったのは、同じ会社のゲームキャラクターがゲームの枠を超えて戦うという内容のゲームだった。

まさかヨハネがこのゲームを持っていたとはな。もっと中二病チックなゲームが出てくると思ったが意外だったな。

 

「シェリアス、このゲームやったことある?」

「ない。・・・けど実況動画は見たことある。」

「じゃあ、操作方法わかる?」

「・・・大体は。完全に初見ってわけじゃないし、多分何とかなる。」

「じゃあ、ゲーム開始よ!」

 

予想道りソファに並んでテレビ画面を座ってみることになった。・・・近いな。ヨハネの肩があったている。これはゲームに集中できるだろうか。もしかして部活動見学のときの弓道の試合のようになるんじゃないのか。こんな少しのボディタッチにも動揺してしまうとは、僕もまだまだピュアだな。魔王でもピュアピュアだ。

色々考えこんでいると隣からヨハネの声が聞こえた。

 

「ちょっとシェリアス!さっさと使うキャラ選びなさいよ。」

「え?ああ、すまない。」

 

テレビ画面を見るとキャラを選ぶ画面で止まっていた。ヨハネはすでにキャラを選び終えていた。彼女の使うキャラは黄色い電気を使うネズミだった。じゃあ僕は同じゲームの火を吐く御三家の最終進化系にしようかな。

 

「ほい、選んだぞ。」

「フフ、それじゃあ運命のラグナロクを始めましょうか。」

 

ついに始まった、堕天使 vs 魔王の因縁の対決。勝利の女神はどちらに微笑むのだろうか。

フィールドに自分たちの使うキャラが現れた。僕たちと後二人は、CPUが入った。CPUの一人は赤い帽子の大工を、もう一人は緑の服を着た金髪の勇者を選んでいた。全参加キャラクターがステージに立つとカウントダウンが始まった。

 

「3」

 

コントローラーを握る力が強くなった。

 

「2」

 

テレビの画面を睨む。隣からヨハネを息が聞こえる。

 

「1」

 

たった数十秒が長く感じる。その刹那、

 

「0!」

 

最後のカウントの声が部屋中に響き渡ったような感覚に包まれた。テレビからの声とともに僕らの戦いは幕を開けた。

ヨハネはまずCPUから倒しにかかった。まず邪魔者を片付けに行ったのだろう。一方の僕もCPUを倒しに行った。僕が倒しに行った理由はヨハネとは違い、ただプレイになれるためだった。しばらく戦ってからだいぶプレイに慣れてきた。が、慣れたところで僕は先にゲームオーバーになってしまった。

第一回戦はヨハネの勝利に終わった。

 

「やっぱ実況だけじゃ慣れないか。」

「フフフ、慣れない戦いに挑むほどの愚か者だったのね、魔王様。」

「・・・次はどうなるかな。」

 

第二回戦も僕たちもCPUもキャラ変更はせず、そのまま戦いが始まった。

 

「3、2、1、0!」

 

今度もヨハネはCPUから倒しにかかった。また同じ作戦で行くのだろう。僕もさっきと同じくCPUから倒しにいった。今度は容易く自分に反動が帰ってくる技は使わないようにしよう。さっきの戦いは、あの技の反動で動けなくなっている間に相手にやられてしまったからな。今回はさっきの反省を生かして小技を中心に使っていこう。おかげで最後の方まで残った。さきにCPUを全滅させた事により、ヨハネと僕の一騎打ちになっていた。

 

「フフフ、成長が早いわね。」

「適応性が強いと言ってくれ。」

「まあいいわ、私に勝てるかしら?」

「やってみなければ、わからないだろ。」

 

結果は、またもヨハネの勝利で終わった。

 

「・・・思ったより強かったな。」

「思ったよりって何よ!」

「そんなことはいい。もう一度勝負だ。」

「そんなことって・・・。」

 

そして第三回戦。またもヨハネと僕の一騎打ちとなった。

 

「また、やられに来たわね。」

「やられに来たんじゃない、倒しに来たんだよ。」

 

またしても訪れた勝負。今度こそヨハネを倒してやる。二回目となる僕らの戦いはほとんど互角なものだった。お互いが同じような戦い方に同じような作戦と、かぶっていしまっている。だからお互いがまねをしているように思えてきた。

そして、勝負は延長戦、サドンデスにまで持ち込んだ。

 

「どこまでも互角になるようね。」

「だけど次で決めるよ。」

 

延長戦に入れば、こっちのものだ。前に動画で見た技が使えるからな。残念だったなヨハネ。この勝負は僕が貰った。

 

「3,2,1,0!」

 

よし、今だ!

 

「開幕フレア◯ライブ!」

 

僕が使っているキャラの技を開始の刹那うち放ち、敵を一発でK.Oにした。ヨハネも隣で唖然としている。当然だろうな。こんなすぐに勝敗が決まるなんて予想していなかっただろう。フハハ、読みが甘かったな。

 

「ちょっと、今の何よ!?」

「延長戦の時のみに使おうと思ってた必殺技だけど・・。」

「どこでそんな技覚えたのよ!」

「・・・ネットの実況動画。」

 

素直に自分が見た動画で使っていた技のことをヨハネに話した。

 

「・・・フ、フフフ。上等じゃない!もう一回よ!」

「いいよ。まだまだ僕が勝ち続けるよ。」

「そんな連続勝敗記録、この堕天使ヨハネが止めて見せるわ!」

「フン、君にできるかな?」

 

この後僕たちは連続で20回ほど戦った。15回あたりからは全て僕が勝っていた。19回目に差し掛かったころ、ヨハネが集中力が切れてきて、眠気に襲われたのか、ゲームプレイに切れが無くなった。

 

「ヨハネ、眠いのか?やめる?」

「・・・まだ、大丈・・夫・・よ。」

 

全然大丈夫じゃないだろ!頭ふらふらしてるぞ。このままでは自分が勝つまで続ける気じゃないのか。仕方ない、最後くらいは負けてやるか。

そして最終戦にしたい、第20回戦が始まった。ヨハネは結構ミスを連発している。本当に大丈夫か。ヨハネがふらふらしている間に僕はCPUを全員倒して回った。ヨハネの使うキャラには指一本触れさせない。この時の僕は命に代えても姫を守ろうとする騎士の気分だった。よくファンタジー小説で読む騎士は戦いの最中こんなにも集中力を使っているのだろうか。だとしたら精神力凄いな、尊敬するよ。そんな騎士気分に浸っていた時間も最後のCPUを倒した時に終わった。さあてここからは姫と騎士ではなく堕天使と魔王の戦いだ。と言っても今回はわざと負けてやるがな。

 

「うーん・・シェリ・・アス。」

「ほら最後だぞ。」

 

ヨハネはコントローラーを力なく握ると僕のキャラに向けて攻撃を仕掛けてきた。僕はその攻撃をガードも回避もせずに受けた。今までのCPUとの戦いでたまったダメージがだいぶきいていて、ヨハネのこの一撃で僕のキャラは限界を迎えて、ゲームオーバーになってしまった。そしてやっと僕を倒して満足したのか、ヨハネの瞼が少しずつ閉まりかけていた。僕にも少し睡魔が襲ってきたようだ。早く帰ってさっさと寝よう。などと考えていると隣に座っていたヨハネの首が左右に動き始めた。どこか安定した態勢を探しているのだろうか。そんな姿を見ながら、ゲーム機をある程度片付けようと思って立とうとした瞬間、隣のヨハネの首が僕の肩に乗ってきた。まるで探していた態勢が見つかったかのように満足した顔をして、最後には眠ってしまった。

 

さてこの状況、どうしよう。どうしたらいいのだろう。なぜ僕の肩を枕にして僕にもたれかかったまま寝ているんだ。というか、無防備すぎませんかね、この堕天使。何を考えてるんだ。僕は心はピュアな思春期の男子なんだけどな。もしかしてなめられているのか。だったら一度痛い目に・・・。いやいやいや、それはダメだろ。しっかりしろ、津々宮修斗。今すべきことは何だ、考えるんだ。おちつけ、僕には魔王シェリアスもいる。しかもヨハネの行動のせいで僕の睡魔はどこかに行ってしまった。こんなこと乗り越えられなくてどうする。・・・とりあえず、ヨハネを起こすか。でも何だか惜しい気もするな。何を考えてるんだ僕は!しかし、どうやって起こそう。揺するか。耳元でささやくか。叩くか。うーんどれもあまりいい考えではない気がするな。しっかりと考えたいのに、さっきから右耳のほうにすーすーと息の音が聞こえて、集中が途切れてしまう。僕は音のする方に目をやると、人の肩を枕に使う堕天使の姿があった。こいつ、人のことも考えずにすやすやと気持ちよさそうに寝てやがる。僕は肩のすぐそばにある、白くて柔らかそうな頬に指を当ててみた。

 

「んっ・・・。すーすー」

 

彼女の頬をさわると少しだけ呼吸が乱れたが、すぐに整えてまた寝てしまった。正直、かわいかった。別に僕に頬フェチがあるとかじゃないけど、反応と寝顔と寝息、すべてがかわいかった。まったく、寝ていても人を魅了するとは、本当に罪な堕天使だな。すると今度は自分からヨハネの口が開いた。

 

「うーん・・・・シェ・・・りあ・・ス・・」

 

まさか夢の中で僕が出てきているのか。

 

「・・さすが・・さすがわたしの・・・しも・・べね・・」

 

こいつ、夢の中で僕を僕にしているのか。たとえ夢とはいえ何だか不快だな。やっぱり痛い目に合わせた方がいいんじゃないだろうか。この後1時間ほど悩んだ末に何も思いつかず、何もできなかった。すると玄関の扉が開いた。

 

「ただいまー。」

 

ヨハママのご帰還だ。今の体勢を崩さないように細心の注意を払いながら僕が今の事情を説明するとヨハママは大体理解してくれた。

 

「なるほどね。それは善子が迷惑をかけたわね。」

「いえ、大したことありませんよ。」

「そう?じゃあ最後に一つだけお願い。善子を自分の部屋まで運んであげて。」

「? いいですけど、どうやって?」

「うーん、そうねえ。お姫様抱っことか?」

「・・・僕がやるんですか?」

「ええ、私は疲れたから夕食をいただくわ。」

 

そいうとヨハママはキッチンに向かった。そして取り残された僕たち。困ったな。ソファに横になっているヨハネに目をやった。ヨハネをお姫様抱っこで、ヨハネの部屋にもっていき、ベッドに寝かせる。あれ、絵図らがやばくないか、これ。はたから見たら誤解を生むぞ。そ、そんなことを本当にするのか。・・・やるしかないか。この時の僕は睡魔にやられてまともな判断ができなかった、と信じたい。

仕方なく一度ヨハネをソファにして寝かせた。心に何か引っかかるものがあったが、そんなものも睡魔にやられて無視して、僕はヨハネを持ち上げた。持ち上げた瞬間、ヨハネが思ったよりも軽かったことに驚いた。普段は全身を覆うような服をよく来ているし、そこまでまじまじと見たことがなっかたが、彼女の腕や足は想像よりも細く白かった。まるで彼女の背中に羽が生えていて、少し中に浮いているかのような気分だった。これなら眠気で力がそんなにでなくても大丈夫だろう。ヨハネを持ち上げたまま、彼女の部屋に向かった。両手がふさがっていて、この扉を開けることに一番苦労してしまった。先に開けておけばよかったな。扉を開け中に入るとそこは未知の空間だった。部屋に入った途端、ヨハネの甘い香りに全身を包まれたような気がした。さらに中は黒を中心とした家具が多かった。そしてここはヨハネが堕天使の集いの時には撮影スタジオになる部屋なのか。そんなことを考えたがとりあえずヨハネをベッドに下した。ヨハネが軽いからと言って今の状態でいつまでも持っていられるかと言われると不可能だからな。腕がつってしまう。ベッドに下されたヨハネはそのまま深い眠りについたにか。寝言も言わなくなった。一度彼女から視線を離すと左の壁へと目をやった。この壁の向こうに僕の部屋があるのか。さっさと帰って僕も寝よう。ヨハネの体に掛け布団をかけて眠気で今にも閉じそうになっている目を何とか開けて最後にもう一度ヨハネの顔を見た。

 

「おやすみ、ヨハネ。」




僕は最近、ポ◯モンの新作にはまっています。リー◯エ可愛い。
テストとか大会とか会議とか、めんどくさいことが近いときにやるゲームは格別ですね。・・・やることはやってますので。
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