堕天物語   作:EIMZ

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今回、ゲームの中の話ですが最初から普通のゲームみたいな感じではなく、シェリーたちがゲームの世界に暮らしている感じになっています。
ソ〇ドア〇トオンラ〇ンみたいな感覚で読んでいただければありがたいです。


堕天使と魔王と初イベント

先日、テストが終了した。結果は僕が1位、ファーストが2位、ヨハネが15位という好成績だった。そんなテスト好成績集団は、絶賛オンラインゲーム中だった。もちろんゲームの名前はセカンドワールドオンライン略してセカオラだ。現在僕たちはゲーム内のとある噴水広場にいた。ゲーム内の状況を整理してこれからどうするかを相談するために一度ここに集まったのだ。初心者集団だからこういう時は真剣に考えなくてはいけないからな。ついこの前、テスト1週間前に入る前にアカウントを作っていたが、次の日からテスト前に入ってしまったので、泣く泣くキャラの育成はしていなかった、ハズなのだが・・。

 

「ヨハネ、どうして君のキャラだけレベルが高いんだ?」

「き、気のせいじゃないかしら?」

 

気のせいのはずがない。パーティーのメンバーから相手のレベルをチャックできるのだが、僕とファーストのキャラは5レベルとほとんど初期値から変化していないのだが、ヨハネのキャラだけレベル36と一人だけとびぬけていた。いくら自分だけ先にアカウントを作っていたからと言っても1週間前の時はせいぜい24レべルくらいだったはずだ。

 

「テスト前も一人でやってたな?」

「き、気のせいよ!この前からこのレベルだったわよ!」

「嘘を言うな。この前は24くらいだったはずだ。学年1位の記憶力をなめるなよ。」

「確かに。僕もそれくらいだった記憶があるよ。」

 

僕たちが問い詰めると、ヨハネは少しの間沈黙を貫いたが、やがて口を開いた。

 

「ええ!そうよ!テスト前にちょっとログインしたわよ!何か悪い?!」

「逆ギレかよ。見苦しいぞ。」

「うっさいわね!成績よかったんだからいいじゃない!」

「そういわれると、言い返せないな。」

「まあ、いいさ。その分僕らのレベル上げに付き合ってもらうだけだ。」

 

いつの間にか開いてしまった、30以上のレベルの差。そうやすやすと埋められるだろうか。こういう時に都合よく経験値が2倍になるイベントとか始まるわけでもないし。

その時ウィンドに新しい通知が届いた。このゲームではオンラインの時はイベントや運営からの一斉メールはこういう風に通知として届く設定になっている。そして今回の内容は、ヨハネが自分のウィンドを開いた画面に書かれている。

ピロンという効果音とともにメールが開かれた。

 

「・・・期間限定。経験値三倍ボーナスイベント開始。」

「「「・・・」」」

 

都合いいな。まるで運営側が僕たちの様子を見ていたようだ。しかしここまでスムーズにいくとは、僕たちの日頃の行いがいいからだな!少なくとも僕は日々いい行いばかりしている。

 

「ナイスタイミングね!」

「ああ、奇跡みたいだな。」

「僕らの成績が良かったら運営の人が気を使ってくれたんじゃないかな。」

「とりあえずこのイベントが開催されてるダンジョンに向かいましょう。」

「「おおー」」

 

ヨハネが指揮を執るのも珍しいな。まあ、生き生きしてるならいいか。

僕たちは噴水広場を後にして、町はずれの草原へと向かった。このゲームでは色々なステージや世界が存在している。山脈、水辺、洞窟、世界樹の森、世紀末の町、砂漠、魔界、天界、全ての理が存在しない異世界、他にも色々あるらしい。主にステージはレベルが低いステージはよくあるファンタジーの世界で、難易度が上がるともっと珍しいステージになっている。今僕たちがいる草原ステージは一番レベルが低いステージで雑魚モブが多く出る。最初の敵キャラとしてはスライムや小さい虫、イノシシのモンスター、などが存在している。少し強いモンスターだと、オオカミのモンスターやあばれ牛や人食い植物、状態異常にする鱗粉を振りまく蝶など存在している。今回の初心者応援イベントの敵キャラは亀のモンスターとなっていた。相手のモンスターの特徴は背中の甲羅が表すように防御力が高いが素早さが低いというものだった。攻撃パターンも単純で回転してしっぽではたいたり、自分の重い体を生かしたのしかかり攻撃などがあった。群れで行動することはなく、主に単体で行動しているよだ。僕たちは今、ダンジョン内の一番の雑魚キャラである小さな亀と戦っていた。前衛は僕が務め、後衛をファーストとヨハネが務めている。ファーストは前で戦っている僕に弓で援護射撃をして、ヨハネは僕たちの回復をしながら、攻撃魔法を唱えていた。前衛の僕は敵相手をスピードで翻弄しながら徐々に体力を削っていた。片手直列剣を使い、開いている方の片手で至近距離から攻撃魔法を当てていた。敵の体力が4割を減ったころ、亀の動きが少し鈍くなってきた。そのことは誰よりも近くで戦っていた僕が一番理解できた。

 

「二人とも!多分敵がもう少しで倒れると思う。」

 

しばらく敵に攻撃を続けると亀は僕を先に倒そうとすることをあきらめたのか、ヨハネたちに向かって突進し始めた。しかしヨハネは攻撃魔法で足にダメージを負わせ、ファーストは弓で亀の右目を貫いた。すると亀はその場に倒れこんだ。そのすきに僕は亀の前に回り込んで、剣を構えた。放たれた剣は亀を下から上へと切り上げた。この剣技がラストアタックとなり、亀の体力はゼロとなった。亀は体力がゼロになると、体がガラスのように割れるて破片となって消え去った。そして破片がすべて消えると僕たちにそれぞれ経験値がふられた。さすがにまだ雑魚キャラなだけあって、僕たちのレベルはあまり上がらなかった。

 

「シェリー、レベルいくらになった?」

「3上がって8レベル。」

「そっか、同じくらいなんだ。」

「前衛で戦おうと後衛だろうと経験値は同じなんだな。」

 

僕たちがそれぞれレベルのチャックをしていると、ヨハネが一つの答えを出した。

 

「このゲームはパーティーを組んでいるキャラはみんな同じ分だけ経験値とお金が配分されるのよ。」

「へーそうなんだ。」

「さすが一人でやっていただけあるね。」

「悪かったわね!」

「まあそのおかげで攻撃魔法で体力を大幅に削れたんだから。」

「そうよ!もっと私に感謝しなさい!そしてあがめなさい!」

「あんまり調子に乗るなよ。」

「わかってるわよ!さあ、次の敵を倒しに行くわよ!」

 

ヨハネが先導となって次の敵を目指して歩きだした。さすがにレベルが一人飛び向けていると頼りになるな。リアルだと頼りになる要素があまりないのに。ゲームの中だと頼りになるな。今も生き生きと僕らの前を歩いている。ヨハネの背中を眺めていると、隣りを歩いていたファーストが話しかけてきた。

 

「なんだか生き生きしてるね。ヨハネちゃん。」

「そうだな。テスト中もずっと三人でやりたがってたしな。」

「えっ?そうなの?」

「ああ、よくゲームしようゲームしようって言ってたけど、知らない?」

「うん。僕は誘われなかったけど。」

「そうなのか・・・。何を考えていたんだろうな。」

「もしかして・・・」

「? 何か心当たりがあるのか?」

 

ファーストは少し考えたそぶりを見せたが、すぐに考えるのをやめた。

 

「いや、何も。」

 

そういうファーストはいつも悪いことが起こるときによくファーストがしている、不敵な笑いを浮かべていた。こいつがこういう顔をするときは絶対に何か良くないことが起こるんだよな。

僕らが後ろで会話をしていると前を歩いていたヨハネの動きが止まった。

 

「ヨハネ、どうした?」

「・・・来るわよ。」

「敵?」

「ええ。」

 

ヨハネがファーストの質問に答えてから数秒後、地中から地響きがした。

 

「地震か?」

「いえ、下から来るわよ。回避して!」

 

ヨハネの予想は正しく、さっきまで僕らが立っていた場所には、ちょっと前に戦った亀の敵の数倍は大きい金色の亀が現れた。そしてその亀に続くように小さな銀色の亀が数体現れた。どうやらこいつらは取り巻きのようだ。続々と現れた敵に僕たちは武器を装備して、戦闘準備に入った。ファーストは弓をつがえ、ヨハネは魔導書を開き、僕は片手剣を抜刀した。

 

「フォーメーションはさっきと同じで行くわよ。体力が危なくなったら無理はしないように。今回は敵が多いから、ボスに少しずつダメージを与えつつ、先に周りの敵を倒すのよ。」

「了解。」

「オッケー。」

「じゃあ、始めるわよ!」

 

ヨハネの合図とともにそれぞれが攻撃を開始した。小さい亀たちは半分はボスを守るように防御に徹して、半分は僕らに向かって突進を仕掛けてきた。僕が剣で切りかかる前に後ろからのファーストの援護射撃で2体が倒れた。先に倒された亀を通り過ぎ、残りの突進してくる亀に向かって切りかかった。右から突進してきた亀を右から左に剣で中段切りを繰り出し体力をゼロにすると、次に左から突進してきた亀をさっき亀を切った状況から剣を放物線を描くように上段切りを使った。剣は左から突進してきた亀を上から下へと切り裂いた。切られた亀もその場で体力がゼロになると、破片となって散り去った。それと同時に後ろからヨハネの援護魔法が放たれた。ヨハネの攻撃魔法はボスモンスターに直撃した。ボスモンスターはヨハネの攻撃を食らうと、また取り巻きの亀と召喚した。すると新しく召喚された亀は僕の周りを囲みだした。どうやら包囲網を張られたようだ。すると、後ろからヨハネの声が聞こえた。

 

「シェリアス。焦らないで!そいつらの一撃一撃は弱いから、落ち着いて一体ずつ倒していって!」

 

なめられたものだな。一体ずつなんて時間の無駄だな。僕の剣技なら数秒もあればすべて倒せるだろうな。僕は右に構えていた剣を目線の高さまで持ってくると、目線と水平方向に構えた。小さいころ、東京にいたころに教えてもらった剣技の型を構えた。しばらく静止していると、前の亀が突進してきた。亀が僕の目の前30センチの近さまで来た時に、ワンステップで亀の突進をひらりとかわすと、構えていた剣を横から亀に突き刺した。すると亀は刺された場所から破片となって散り始めた。刺された剣を亀から抜くと亀は完全に破片となった。

 

「さあ、次は誰だ?」

 

他の周りを囲んでいた亀が数体で突進してきた。

その一方亀に囲まれたシェリアスを助けるためにヨハネとファーストは外から亀を削り始めた。ヨハネは亀に取り囲まれたシェリアスの姿が見えないことに焦りを感じていた。このままではシェリアスが倒されてしまうかもしれない。必死になって戦っていた。その様子をファーストは横目で見ていた。そして必死に戦う彼女に一つの感想を述べた。

 

「・・・これが愛の力ってやつなのかな。」

 

その声はヨハネには届いていなかった。ヨハネは後2,3体でシェリアスのもとへとたどり着ける距離まで来ていた。亀の大半はシェリアスをターゲットしていたため倒すのは簡単だった。しかしその分彼が危険な目にあっているのではないかという不安があふれ出た。シェリアスまでの道の最後の一体を倒すと、その先には彼の姿があった。彼は初心者とは思えないような機敏な動きで次々と敵を倒していっていた。異常なまでの強さで敵を攻め滅ぼしていく、その姿はまさに魔王のようだった。

 

「シェリアス!」

「? ヨハネ!」

 

彼は自分の存在に気が付いて私の方へと駆け寄ってきた。しかし彼の手にはまだ剣が強く握られていた。すると次の瞬間、彼は私の体を引き寄せると、さっきまで私が立っていた場所に剣を突き刺した。恐る恐る剣先に目をやると、そこには敵が破片として散り去っていた。

 

「ここはまだ敵に囲まれている。気を抜くな。」

 

彼は私を強く引き寄せていると、無意識に私は彼にもたれかかっていた。

 

「う、うん。」

 

きっとこの時の私は顔が物凄く赤くなっていただろう。

 

 さて、どうしよう。勢いでヨハネを引き寄せたのはいいけど、離れるタイミングが分からなくなってしまった。こういうときどうすればいいんだろう。なんか惜しいような気もするけど今は敵に囲まれているんだよな。すると後ろからファーストも合流した。

 

「戦いの最中にイチャイチャするとは、余裕だね。」

 

ファーストの声で僕たちは離れた。今また顔を合わせると赤くなってしまいそうだ。ファーストが弓を乱射したことで雑魚もだいぶ減っていた。もうボスも体力が半分になっていた。

 

「よし。あとは僕がやるよ。」

 

そう言いながら剣を構えると、ボスモンスターへと向かっていった。ボスも僕をターゲッティングしたらしくこちらを向いた。

 

「無茶よ!だいぶダメージ食らってるじゃない!一発でもくらったら終わりよ!」

「じゃあ一回で終わらすよ。」

 

剣を両手で持って右側に構えるとボスに向かって走っていった。ボスのほぼ目の前にまで来るとボスがかみつこうと顔の勢いよくつきだしてきた。かみつき攻撃をバックステップでかわすと、剣を上に向かって切り上げた。ボスが攻撃にひるむとそのままつぎの攻撃で上から下へと切り裂き、流れるように斜め上に切り右手を剣から離すと左手だけで剣を持ち水平方向に切り裂き、次に斜め下に切り裂いた。最後に切った体制のまま目線の高さまで剣を持ってきてボスの体を貫いた。最後の一撃を食らったボスはそのまま破片となった。ボスの破片が完全に消えると雑魚モンスターたちも消えていった。すべてが消えると上空にミッションクリアの文字が浮かんだ。その文字を確認すると剣を収めた。ヨハネとファーストもほっと一息を突いた。武器を収めるとレベルアップの音が鳴った。確認すると、レベルが42まで上がっていた。すると後ろから首周りに白い腕が回された。その腕はヨハネのものだった。どうやら後ろから抱き着かれているようだ。

 

「どうしたんだヨハネ?」

「まったく・・・無理するんじゃないわよ。」

「ゴメンゴメン。」

「ところでさっきの連続切り何よ?」

「ああ、あれ。スキルでメイキングソードスキルていうのがあったからそれを取って昔教えてもらった抜刀術の改良版を設定しておいたんだ。」

「・・・何者よ、あなた。」

「色々あったんだよ。」

 

今回は一人で無理をしすぎてしまったかな。ヨハネに心配をかけてしまった。でも結果的に倒せたからいいか。

 

「じゃあ、今回のイベントのMVPは僕ってことでいいよね。」

 




このゲーム、ログアウトができないデスゲームではないので誤解なさらないように。シェリーも黒の剣士ではありません。ちなみに僕は紫の絶対的な剣技の子が好きですね。あの小説は泣けた。
 いつか行ってみたいな、あの浮遊城へ。

読んでいただいた皆様に神々の祝福があらんことを

一様報告を。Twitterを始めました。EIMZ0419で検索すると出てくると思います。これから小説が増えたので、いつに何を投稿するのか自分でもわからなくなってきてしまったので管理のために入れました。もしよかったらフォローしてみてください。それ以外のツイートは不定期になると思います。
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