堕天物語   作:EIMZ

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 本作品が2017年IMZ作の最後の作品となります。今年から始まった本作品ですが沢山の方々に読んでいただき、評価していただき、コメントをいただき、本当に感謝しています。来年には高校生になる僕ですが、これからも皆様が読んでもっと面白いと思える作品が書けるようになりたいです。皆さんよいお年を


堕天使と魔王とJunebride

今日は6月30日。二日前にヨハネと二人でデートをしたものの最後は雨に打たれてさんざんな結果となった。しかし呪いの魔の手はそれだけでは飽き足らず、その次の日とそのまた次の日に風邪を運んできやがった。どうやら風邪にかかったのは僕だけではなくヨハネもにも影響があったようだ。平日の正午にメールが届いたのできっと学校を休んでいるのだろう。まあ、僕が学校を休むという連絡を学校にしてるれた際に『あなたもなのね・・・』といっていたのでヨハネも風邪をひいていることは確実だろう。風邪を引いた原因には心当たりがある。日頃から体調管理はしっかりとしているからただ雨に打たれただけではあまり風は引かない。となると、原因は雨水でびっしょびしょの状態で玄関で抱き合っていたからだろう。お互いに全身が雨水まみれにもかかわらず衣服も髪も靴も群れていることを忘れて30分ほど暖を取っていたからだろう。しかし僕たちが至近距離で密着していた時間は無価値で無意味な非健康的なじかんだったとしても、一生忘れることのない時間になっただろう。二人とも体温が下がっていたためより相手の温度が感じやすかった。そんな寒くも温かい状況で風邪を引くくらい本望だ。そして風邪を引いて既に三日が経つと二人とも容体は回復し今では元気にゲームにログインしている。なんでも6月限定のクエストがまだいくつかクリアできていないらしく、今日中にできるものはクリアしたいというヨハネ様の素晴らしいお考えにまだ頭痛がするにもかかわらず付き合わされる僕、同情するよ。と言いつつもこんな風に彼女に振り回されることが嫌いという訳ではない。だけどゲームするくらいなら学校行こうよ。そんな修斗の意見など無視しつつダンジョンに出発するヨハネであった。そして今回のダンジョンは湿り気の多い沼地のステージになっていて常に天候は雨が降っている。敵モンスターもジメジメした湿り気の多い敵が多く、個人的には生理的に受け付けたくないモンスターが多いがそこは許容範囲にしておいてヨハネの援護のもとモンスターを次々に切り倒した。離れている場所から援護魔法しか放ってこないヨハネが声を上げた。

 

「シェリアス、後ろから3体近づいてくるわよ!」

 

ヨハネの声が聞こえた方向から反対側から大きく形が定まらない紫色のスライムが3体とびかかってきていた。しかしヨハネの声があったので瞬時に反応できた。切り裂いた時の感触が魚の内臓を開いた時のように気持ち悪く感じて、自分の剣が汚れてしまいそうなることが気に食わなかったがさらに次のモンスターの体力をゼロにしていった。

 そしてすべてのモンスターを倒し終わると、やっとヨハネがダンジョンじゅうにばらまかれたぬるぬるした粘液を避けながら遠くからシェリアスに近づいてきた。

 

「おつかれさまー。」

「・・・あのな、頭痛持ちに全線で戦わせて君は何がしたいんだ。」

「えー、だってスライムのぬるぬるって苦手なんだもん。」

「・・・僕も苦手だよ。こいつら着る時の感覚がどれだけ気持ち悪かったか、思い返したくもないよ。」

「じゃあ、さっさと忘れなさい。」

「・・・てかなんで子のクエストに来たのさ。」

「だって報酬が凄いのよ。『堕天使』って称号にもつながるし。」

「じゃあ君も全線で戦えよ!」

「いやよ!それとも何、あなたは可愛い彼女がスライムにヌルヌルにされるところが見たいわけ?!まさかあなたがそんな変態気質を持っていたとは思わなかったわ。」

「なんでスライムにヌルヌルにされること前提なんだよ!」

「何が起こるかはわからないじゃない!これ以上何か文句があっても受け付けないわよ!帰りましょ。」

 

もう駄目だ。これ以上ヨハネに何か言っても無駄だと悟ったシェリアスは静かに剣に着いた粘液を振り払い鞘に収めた。身体中に着いた粘液を払いながらヨハネの後ろについていった。

 

~*~

 

ダンジョンから帰ってきた二人は一度町に戻った。町ではクエストの受付や発行の機能が備わっていてさまざまなプレイヤーが集まっているが、町は他にも多数存在していて今二人がいる町はそんなに大きい町ではないが、最低限の性能しか備わっていない。プレイヤーが通うところといえば、ギルド、ショップ、宿屋後は鍛冶屋くらいだろう。そんな町の一角の小さなカフェで休息をとっていた。リアルでもゲーム内でも精神的にも身体的にも疲労してきたシェリアスはため息をつきながらコーヒーを飲んだ。その疲れ切った様子の目の前ではヨハネがウィンドを開き残りの限定クエストの一覧を開いていた。

 

「うーん、残りは難しそうなクエストが多いわね。」

「・・・まだやる気なのか。」

「当然でしょ。このまま終わるなんて私が許さないわ。」

「それに付き合わされる僕の立場って・・・」

 

一覧表をどんどんスクロールしていたヨハネの指が急に動きが止んだ。

 

「どうした?」

「・・・こ、これ。」

 

ヨハネが開いたクエストの内容はいままでのダンジョンに向かうものではなく、よくあるフレンドを作るに近い内容のものだった。

 

「『ジューンブライドキャンペーン クリア条件は異性同士のアバターが婚約をして結婚式を執り行う クリア報酬は1000万ゴールドに神々の指輪、星々の指輪、特別衣装、特別称号』・・・・えっ?」

「・・・・」

「もしかして僕らでやるの・・・」 

「・・・」

 

ヨハネは俯いたまま顔を上げようとしない。このままだと話が進まない。ヨハネが開かれたままだったウィンドを

静かに閉じると、真っ赤に燃えるような顔を前に向けた。

 

「・・・・よ。」

「えっ?」

「・・・やるわよ。」

「・・・何を?」

「・・・け、・・・結婚・・・」

 

そこまで言ったヨハネは力尽きたと言わんばかりに再び下に顔を向けた。そんな彼女の目の前では放たれた言葉にどう反応したらいいのかと戸惑い続けて救援を求めている少年が。小さな町の一角にある小さなカフェ。そこで行われた、求婚とも受け取れるその言葉、修斗はどのように受け取ればいいのか迷っていた。素直にOKと言えばいいのか、もう少し考えてからの方がいいのか、それ以前に自分たちは未成年だ。結婚はできないはず・・・あっ、ゲーム内だった。そんなゲーム内で結婚ってどこぞの黒の剣士様と閃光さんかよ、と突っ込みを入れたかったが、今目の前の彼女の顔は、目は、冗談など言っているようには見えなかった。これは本気の時の顔だ、彼女は本気で語っていたんだ。だったら自分はどうしたらいい。本気にはどう答えたらいい。そんなの決まっているだろ、本気には本気で答える。それは先生にも教えてもらったことでも、師匠に教えてもらったことでもない。自分自身の信念だ。たとえゲームの中とはいえその信念を曲げるのか。いや、そうはいかない。本気には本気で答えなくてはいけない。

 

「・・・僕でよければ。」

「・・ほんと?」

「ああ、本気だ。君に僕の命を捧げよう。」

「・・・いいの?」

「君から言い出したんだろ。それとも僕じゃ不満かい?」

「フッ、そんなわけないじゃない。あなたはこのヨハネ様が認めた唯一の対の存在よ。不満なんて出てこないわ。」

 

 

二人とも目を合わせると、目をそらしたくなるほど恥ずかしかったが、ここではさすがに目はそらせない。それは礼儀などではなく、お互いが心の底から認め合ったという証なのだから。しかし二人ともこの後はどうしたらいいのかわからなくなってしまい、そわそわとした空気がしばらく続いた。その空気を先に壊したのはシェリアスだった。シェリアスはその場に立ち上がると、いつドヤの告白の時のように真っすぐに手を差し出した。その伸ばされた手の先には前と同じようにヨハネがいる。しかし今度のヨハネはただただ照れているだけではなく、シェリアスを真っすぐに一点の曇りのない目で見つめ返すと、しっかりと彼の手を握った。ヨハネが前に差し出した手はシェリアスとは反対の手で、鏡のようにはならなかった。したがって、二人の繋がれた手は恋人繋ぎのようなつながり方ではなく、自然と力強い握手になっていた。二人はお互いに視線をつながれた手に落とすと、同時に同じ言葉を口にした。

 

「契約成立だな。」

「契約成立ね。」

 

偶然か必然か、はもってしまったお互いのことがに驚きを隠せなかった二人だが、次第に笑いが込みだしてきて最後には二人とも腹の底から笑っていた。息をするのも苦しくなるくらい笑ったが、同時にこんなことも考えていた。ここまで自分と意思疎通ができるのかこの人くらいだろうと。

 一通り笑い合って、落ち着いた二人は息を整えると、残っていたドリンクを飲み干した。さきにコーヒーを飲め終えたシェリアスは装備を整えると再び立ち上がった。彼の後ろにはちょうど太陽が浮かんでいて、逆光で彼の姿は黒く見えるが、体の周りからは神々しいようなオーラを放っているように見えた。そんな彼は彼の後ろに輝いている太陽のような笑顔で笑った。

 

「さて、そうと決まったら教会がある町に向かうか。行くぞ、my dear wife。」

 

そういうとシェリアスは私に背を向けて歩き出した。彼は先の光を見通しているような気がした。何となくだが、彼ならば私を光に導いてくれるような気がする。ヨハネは祖う感じたが、自分のドリンクを全て飲み干すをシェリアスの背中に向けて歩き出した。ヨハネの歩足はシェリアスよりも早かったので自分の前にいる彼に追いつくことは容易かった。そして前の彼に追いつくと同時に背中を強く押した。いきなりのことに驚きながらも躓きそうになったシェリアスは何をするんだと言いたげな顔で振り向いた。

 

「かっこつけるんじゃないわよ、私たちは対等、並んで歩くのよ。わっかた?・・・旦那様。」

 

~*~

 

二人は今までいた町から再び歩き出し、この周辺の一番大きな町へと向かった。一番近い町と言ってもリアルの距離で言うと10キロは離れている。その間はまだ夫婦ではなく婚約をしたただのカップルのはずなのだが二人はすっかり婚約した気分になっていた。元居た小さな町から大きな町へは徒歩、転移魔法、汽車と様々な交通遮断があったが二人はあえて徒歩を選んだ。いや正確にはほとんど無自覚で歩いていた。二人は横歩きのままかつてないほどに近づき明るい足取りで歩いているとあたりの施設が目に入らなくなってしまい、汽車の駅も、転移魔法のためのゲートも過ぎてしまっていた。しかし二人はそんなことになど目もくれずに二人仲良く歩いていた。はたから見たら熱愛バカップルに見えたであろう二人は小さな町から大きな町へと向かう丁度、半分くらい歩いたとこで気が付いた。歩かなくともよかったこと、そして大きな町に向かう途中には難易度が高いダンジョンが存在することを。しかし気が付いた時には時すでに遅く、ダンジョンのステージであるレベルの高いモンスターが多く出る草原へと足を踏み入れていた。今いる場所から元も町に戻ろうとすると、ダンジョンのトラップが発動してしまい、永久の迷路へといざなわれるだろう。そのことはしかりと覚えていた二人は引き返すことなく前へ前へと再び歩き出した。

 

「・・・・これも呪いなのかしら。」

「幸せ気分からどん底に陥れる。・・・呪いだろうな。」

「はぁ・・・どうしてこうなるのかしら。」

「さあね。だけど、今は一刻も早くここを向けなくては。」

「そうね、ここは魔獣が凶暴化していて、ダメージを与えるとさらに凶暴化して仲間を呼ぶわ。高レベルプレイヤーの狩場にはもってこいなんだけど、私たちにはまだ早いでしょうね。私たちのレベルはここに来るプレイヤーの平均レベルから20くらい少ないわね。」

「ご説明どうも。要するに、敵にあったらほぼ一撃か連続攻撃で倒せってことか。」

「バカ言わないでよ!そんなこと私たちに不可能だわ。」

「はっ、堕天使様が不可能という言葉を口にするか。笑いものだな。」

「何よ!じゃああなたならできるっていうわけ?!」

「やってみなきゃわからないな。それに・・・・」

 

シェリアスはその先の言葉を濁すと、自分たちを中心にして辺りを見渡した。あたりはいつの間にか濃霧が現れていて、5メートル先はほとんど何も見えないような状況になっていた。ヨハネはシェリアスが見渡した後を追うように目を凝らすと、段々と目は濃霧に慣れていき、そこらかしこから赤く光る点々が一つまた一つと浮かんできた。それはまったくもって幻想的な光景ではない。しいて言うならば絶望的な状況だと言えるだろう。なぜなら濃霧の中にぽつぽつと浮かんでいる赤く光る物体の正体は、凶暴化した魔獣たちの充血した目だったからだ。その赤く光る眼の大きさは大小さまざまでその中にひときわ大きな目が二つ、二人を見下ろしていた。自分たちを見下ろす赤い目を睨み返しながらシェリアスはさっきの言葉を続きを言った。

 

「・・・もう遅いみたい。」

 

その言葉と同時に一番大きなモンスターは初撃を繰り出した。ボスらしきモンスターは自分の背中に装備していた大きな刀を抜刀すると、勢いよく振り下ろすという何とも単純な攻撃だったがモンスターの刀はその背丈にあわして、中々大きなサイズで、人が持てるようなものではなかった。その大きな刀から落ちてくるまでの間、二人には空気の圧迫を受けてまともに動くことすらままならなかった。ヨハネはその刀から放たれる衝撃に足に力が入らなくなりその場に諏座り込んでしまった。しかしその傍らではシェリアスがさっきまでモンスターを見渡していた探りを入れるような目ではなく、真正面から的を狙う時の、まさに弓道をやっている時のような鋭い目つきになっていた。後数メートルで攻撃がシェリアスの体を真っ二つにするという直前、シェリアスは自分の剣を抜刀した。抜刀した勢いのまま降りかかってくる巨大な刀に向けて斬撃を繰り出した。当然のことに今彼がいる場所から敵の体を切ることは不可能だ。それもそのはず、彼の狙いは、敵の刀だったのだから。降りかかってきた刀を真正面から受けると、斬撃で相手の刀の丁度剣先を当てた。その攻撃は相手にダメージが当てることが目的ではなく、攻撃先をずらすことが目的だった。二つの武器が交差しお互いに反発すると敵に比べて小さいため彼の手には多大なる衝撃が与えられた。しかしその衝撃に耐え終わると、シェリアスのすぐ左隣の地面に深々と突き刺さっていた。その地面から生えているようにも見えるをシェリアスは中段切りで切えい砕いた。その折れたときに出た刀の破片が先にいたまだ小さな敵に飛んでいくと、その破片が当たった敵たちはさっきの刀を砕いた時のように光り輝く破片へと姿が変わり消え去った。その様子を茫然と見ていたヨハネは我に返り自分をかばうように立っているシェリアス向かって叫んだ。

 

「何やってるのよ!動けるなら逃げなさいよ!」

 

現在のヨハネはマヒのような状態異常にかかっていて、立ち上がることすらままならないような状態だった。そんな状態の仲間をかばいながらだと、まともな戦いなど早々できない。今のように戦いを続けていると二人とも倒されてしまうだろう。ならば今は生き残る確率があるほうがいいという考えだろう。だけど・・・

 

「何言ってんだ。自分の妻を置いて逃げるなんて、あるわけないだろ。」

 

そういったシェリアスはもう一度剣を構えると、残り半分となった敵に向かって切りかかった。

 

~*~

 

敵が全てダウンすると、さっきまで二人の周りを囲んでいた濃霧は消え去っていた。すがすがしいほどに晴れた草原の真ん中に二人、シェリアスとヨハネは広大な空を見上げるかのように寝ころんでいた。ヨハネの状態異常は解けていたが、シェリアスの残りHPはあとわずかとなっていた。自分でも無理をしたなと感じていたが、これが自分の呪いが吹っ掛けてきたものだったとしたら、その先に待っているであろう最上級の幸福のために自分の身を削ってでも戦い、抗い続けた。自分の意思を曲げないため、新婦を守るために、これまでにないほど戦った。しかし気に食わないことがあるとすれば、ここまでやっても二人にハイフンされる経験値は同じということだろうか。そして先ほどの戦いで二人のレベルは一気に10上がった。このダンジョンの最低レベルには追い付いた。しかし体力が尽きた少年と、彼の心配が解けて安心したと思ったら身体中から力が抜けてしまった少女はまだ草原から動こうとはしなかった。二人の間を、二人の頭上をそよそよと心地いい風が優しくなでるように吹き抜けていく。危険に満ちていた空気から解き放たれた空間からはすっかり濃霧は消えており、少し先に目的の大きな町が見えていた。その街に行けば幸福が待っているのだが、どうしたもの体が動こうとしない。それはヨハネも同じようで空を見上げたまま、紙だけが風に吹かれて宙を舞っていた。しかしヨハネは体は動かないが口はしっかりと動くようだった。

 

「・・・まったく、無茶するわね。」

「・・・・あ、はは・・・」

「どうしてって聞いても無駄かしらね。」

「・・よく、わかってるじゃないか。」

「はあ・・。無茶ばっかりするあなたにはしっかりとした私が必要なようね。」

「・・君が、しっかりしているかは、心配だが、僕に君が、必要、ということは、否定しないよ。」

 

その答えを聞いたヨハネは一度息を整えると、体を起こした。立ってからヨハネはシェリアスの前まで歩いてくると、すらりと伸びた真っ白な腕を自分の前へと差し出した。

 

「さあ、立ちなさい。私たちの目的地はすぐそこよ。どこまでもこの堕天使ヨハネが導いてあげるわ。」

「・・・この僕を導く、か。それもいいかもな。」

 

差し出されたヨハネの腕を強く握ると、ヨハネは倒れたままのシェリアスの体を引き起こした。

 

~*~

 

大きな町に着いた時には、リアル時間で午後5時になっていて、次々に学校から帰ってきた面々がログインしてきた。そして結婚するとなると、フレンド登録をしている仲間には通知が飛ぶようになっている。その仲間の中には当然ファーストも含まれている。その通知を受け取った人たちのほとんどが転移魔法を使い、この町に来ていた。そして今日この町の教会で、ジューンブライドキャンペーン最後の式が行われた。そしてその式の主役はシェリアスとヨハネだ。式に入る前、二人は特別衣装に着替えていた。その特別衣装とは、タキシードと、ウェディングドレスだった。この衣装は自分たちの所属している族によって色が変わるようで、魔族である二人の衣装を着ている姿は漆黒を身にまとっているようだった。

 

「ウェディングドレスは、女性の純粋さを表しているから白色のはずなんだけどな・・・」

「何よ? 何か言いたげね。」

「・・・いや、卒業式より先に結婚式を挙げる日が来るとはなと思ってね。きれいだよ。」

「そ、そう。似合ってる?」

「ああ、堕天使みたいだよ。」

「フフッ、あなたも魔王様みたいよ。」

「・・・魔王か。ありがと、最高の誉め言葉だよ。」

 

ヨハネの真っ黒なウェディングドレスに真っ黒なバラの花束、その姿に見とれていたい気持ちもあったが、外でみんなが待っているのでここで時間を過ごすことはできない。それにこのきれいな自分の堕天使をみんなに自慢したいし。横に立っているヨハネの手を取ると、扉を開けた。

 

「さあ、契りの儀式、開幕だ。」

 

輝いても見える扉の先には、祝いの言葉を投げる面々の姿があった。その中心を歩いていく新郎と新婦、魔王と堕天使。その姿は魔のものとは思えないほど輝いて見えていたそうだ




 これを読み終わったころには年が明けて2018年になっているのではないでしょうか。ついに年が明けてしまい、高校受験を控える身になりました。さあ、これで受かったら高校一年生。先の未来の僕よ、気を抜くなよ。まだまだ未熟ではありますが、これからもEIMZ作品全4作、全力で全身全霊で書かせていただきます。改めまして、謹賀新年、これからもよろしくお願いします。

読んでいただいた皆様に神々の祝福があらんことを
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