ストライク・ザ・ブラッド 誓いの光の巨人   作:カラムイラス

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久しぶりの投稿です。週一投稿とつたない文章になりますが暖かい目で見守ってくれると幸いです。


序章 光の継承

俺の名前は暁光牙。父親は死都帰りと呼ばれる考古学者。暁牙城。母親はどこかの誰か。そんな俺には母親が違い、年が十離れている兄妹がいる。一人は暁古城。どこか父、牙城に似た風貌をしていて、怠惰な性格の今年で十六になる俺の弟。何の因果か今年の春を境に最強の吸血鬼と言われる第四真祖とか呼ばれる存在に成ってしまった。もう一人は暁凪沙。この子は兄とは違い、とてもかしましい娘だ。誰とでも仲良く出来、仲良くなった者にはマシンガントークを繰り出す。それでいて今は失っているが、祖母の巫女の力と彼らの母、暁深森の過適応者(ハイパーアダフター)のどちらの素養も持つ混成能力者(ハイブリット)であるという割とハイスペックな少女である。今考えると凄い事である。弟は世界最強の吸血鬼である第四真祖。妹は力を失っているとはいえ混成能力者。義理の母親は過適応者。父も昔の遺跡事故の弊害でそれらしき力を持っている。そんな特殊能力者ばかりの我が家族の中で俺一人だけ何の力を持っていない言っても誰も信じないだろう。事実俺にもそういう力はある。

 

 

 

 

 約十三年前。古城がまだ三歳の頃、俺は父、牙城の仕事である遺跡の調査の手伝いをしていた。そこは比較的安全な遺跡だった為、俺は一人で深部にまで潜った。しかしそこで運命の悪戯が起きたのだ。なんと俺が深部に潜っているその時に遺跡の近くを震源とする大地震が起こった。もちろん遺跡は崩落。通路は遮断。俺は深部に取り残された。あのときはさすがに死を覚悟した。幸い怪我は軽傷で済んだが、俺の現状は変わらないまま。非常食も持たないままそこに向った為、食べるものはなし。持っていた連絡機器は瓦礫に潰され、ご臨終。俺は壊れなかった懐中電灯を片手に俺は暗闇の中ただ助けが来るのを待った。しかし人間は動かない状態が続くと嫌なことばかり考える生き物。どうにかして動こうと考えた。まずはどうにかして瓦礫を取り除こうかと考えた。が、下手に触って二次被害に遭うかもしれないと思い立った。しかしどうにかして動いていないと変な考えが頭をよぎってしまう。どうした物かと頭を使っていた。

 

『ここに来たまえ。若き命よ』

 

 突然そんな声が頭に響く。遂におかしくなったかと急激に冷や汗を掻いた記憶が今でも残っている。どうにかしてこの状況を打開しようと頭を必死で動かす。

 

『ここに来たまえ。若き命よ』

 

 そうしようと考えた時、再び頭に謎の声が響いた。

 

「まさか。幻聴じゃないのか?」

 

 俺は言葉と共に深部に続く、ふさがれていない道に目を向けた。

 

「お前の所に向って何があるか知らないが。もしかしたら俺以外にも巻き込まれた奴が居るかもしれないしな」

 

 彼は言い訳がましく、一人ごとを呟くと、その道を歩き始めた。明かり一つ無い暗闇を頼りない懐中電灯の光だけで進んでいく。気持ちだけなら冒険家だが、状況が状況なだけに楽しい気持ちでは無かった。何分歩いたか分からない中、俺はある者を発見した。それは遠くに見える小さな光だった。それを見たとき、気持ちが少しだけ落ち着いたのを覚えている。

 

「ここは・・・」

 

 光が見えた所まで足を進めると、そこには祭壇らしき物があった。祭壇の周りは炎が灯されて居たため、それなりに明るい場所だった。

 

「こんなところがあるなんて。聞いてないぞ、クソ親父」

 

 内心、心を高揚させていたが、口ではあの父親への罵倒を口にしている。

 

「・・・・。どうやらここはそんなに被害は受けていないみたいだな」

 

 部屋を見渡し、先程の自身による被害が無い事を確認為ると、俺は壁に体重を預けながら腰を下ろした。正直体力の限界だったのだ。

 

「ここなら、安全そうだし。ここで救助を待つのも手だよな」

 

 俺は疲れた体で振り絞るように独り言を呟くと、そのまま眠りに落ちた。その時の夢は今でも覚えている。何せ俺とウルトラマンとの邂逅だったのだから。

 

 

 

 

「ん、ん? ここはどこだ?」

 

 俺はさっきまで妙に明るい祭壇の前に居たはずだぞ? それなのにここはどこだ。

 

「ここは私の意識の中だ。暁光牙よ」

 

 突然名を呼ばれた。しかも知らない声で。俺は慌てて、声のする方に顔を向ける。しかしそこには誰も居ない。

 

「上を見たまえ。暁光牙」

 

 異適された通り、俺は上をみる。

 

「うおおおお!」

 

 思わず驚愕の声を上げた。なぜならそこには銀色に輝く、光の巨人が居たのだから。

 

「でけえ!」

 

 そう叫ばずには居られなかった。なぜなら、この巨人の身長は見積もっても五十メートル以上。ビル並みの高さを誇っている。

 

「その反応。久しぶりだ」

 

 巨人は愉快そうに声だけ笑っていた。顔には変化が無いが。

 

「この声! お前が俺を呼んでいたのか?」

 

「いかにもその通りだ。暁光牙よ」

 

 俺の問いかけに答えるように彼は頷いた。

 

「何故、俺の名前を?」

 

「君を私の意識の中に飛ばす際に、君の記憶を見させて貰った」

 

「盗み見じゃねえか!」

 

 そう叫ばずにはいられなかった。それに対して、巨人は反省してる素振りを見せた。

 

「すまない。しかし、君には伝えておきたい事があったのだ」

 

「俺に聞きたい事? なんだそれは」

 

 どうやら少し焦った様子の巨人の声に俺はまず耳を貸すことにした。

 

「まず、私の自己紹介から始めるとしよう。私の名はアイン。ウルトラマンアインという」

 

「ウルトラマン? なんだそれは」

 

 俺のその返しにアインは笑って返してくれた。

 

「君が知らないのは無理は無い。何せ、ウルトラマンというのは異世界での私のオリジナルの名称だからね」

 

 そこから彼は語り初めてくれた。

 

「私は元々古代の人間。いや、君たちの言うところの天部の一人だった」

 

「天部って、親父が調べてる事か?」

 

「その認識であっている。話を続けるとしよう」

 

 彼がそう言うと、その空間の景色がいきなり変わった。そこはどこか森林のようだった。見渡していても、木しかない。そんな誰かの視線が突然上を向いた。そこにいたのは・・・・

 

「ウルトラマン。と、あれは何だ?」

 

 その光景はウルトラマンと魔獣らしき存在が組み合っている姿だった。

 

「これが私が初めて見た、ウルトラマンと怪獣の戦いだ」

 

「怪獣?」

 

 それを聞いている内に怪獣はウルトラマンに倒された。すぐに飛び立とうとするウルトラマンに世戦の主は声をかけた。

 

『待ってくれ! 銀色の巨人よ!』

 

 その声は先程から聞いている物と同じ物だった。その声は彼に訴えかけるように叫んだ。

 

『私に君の遺伝子をくれないか? 私も君のように戦いたい』

 

 その問いかけに彼は驚いた様子だったが、すぐに首を振った。視線の主はその拒否の理由にすぐに気付いた。

 

『今の我々には、まだ早いというのか』

 

 振り絞るようなその小さな声に彼はただ、頷いた。それを眺めた視線の主は再び彼に問うた。

 

『ならばどうしたら、貴方のようになれるのだ!』

 

 最後の問いかけになると言うことはなんとなく分かっていた。彼の胸に輝く物が激しく音を立てて点滅をしていたから。しかし彼は答えてくれた。

 

『君が力に溺れず、力の使い所を間違わない人間であるならば、いずれ君にも力が宿るだろう』

 

 彼はそれだけ伝えると、空に飛び出した。

 

 映像が終わった。アインは話し出す。

 

「私はそれから彼に言われた通りの人間になろうと決めた。そして、彼らの研究を始めた」

 

 再び映像が始める。

 

 そこには先程のウルトラマンとは違い、紅い体の戦士がいた。彼は頭にある曲線状のとさかのような物を頭から外し、怪獣に投げつけた。それはまるで刃物のように怪獣を切り裂き、ブーメランのように彼の頭部に戻ってきた。怪獣は爆発して、彼は空に飛んでいった。

 

 映像が変わる。そこには最初のウルトラマンと似た戦士がいた。しかし、体の模様が違う。彼は敵に向い、左腕に嵌めてあったブレスレットを投げつける。すつとブレスレットは槍へと形を変え、怪獣の胸部を貫く。怪獣はその場に倒れ、爆発を起こした。

 

 再び、映像は変わる。そこには頭のとさか部分に穴の開いた戦士がいた。彼は両手をクロスさせ、それを縦に勢いよく開く。すると、その軌跡上に光の刃が現れ、敵を真っ二つにした。怪獣は切られた断面から炎上を始め、最後には爆発した。

 

 そこで映像は終わった。

 

「私は彼らを研究し、時には彼らを助けた。そんな事を繰り返していった時だ。突然紅い玉が私に降ってきた」

 

 そこからここの景色がまた変わった。辺り一面、赤くなっていた。

 

『私の名はゾフィー。異世界の宇宙にて、宇宙警備隊の隊長をしている者だ。君の話は兄弟から聞いた。そして、私は感じたのだ。君になら、私達の力を授けてもいいと』

 

「私は内心嬉しかった。しかしそれと同時に不安にも成ったのだ。私は彼らと同じ、正義の味方でいられるのだろうか、と。私はそのことをゾフィーに話した。すると彼はこう言ってくれたのだ」

 

『君がそう悩むのは君が誰よりも力の危うさを理解しているからだ。そして、私は信じている。君ならウルトラマンになれると。そのためにこれを渡したい」

 

「その時渡されたのが、アインダガーとウルトラメダルと怪獣メダルだった」

 

『そのメダルで君はウルトラマンになれる」

 

『何故、怪獣メダルも』

 

『これからこの地球で起こることはウルトラマンの力だけでは対応出来ない。だから君にはウルトラマンの力と怪獣の力を両方持つウルトラ戦士になって貰いたい』

 

『これから起きること?』

 

 彼の呟きにゾフィーは頷き、説明を始めた。

 

『地球の闇が活性化を始めている。憶測の範囲を出ないが、おそらくとてつもない怪獣が出るだろう。しかし、私達兄弟はこちらになかなか来れない。そこで私達は君にウルトラマンになってもらうという特例を出した』

 

『そうですか』

 

 彼は噛みしめるように手元のアインダガーを見つめる。

 

『さあ、変身してみた前。新たなウルトラマンよ。君の名はアイン。ウルトラマンアインだ』

 

 彼の言葉に従うように彼はアインダガーにウルトラメダルと怪獣メダルを柄尻の挿入口から入れ、天に掲げた。すると、刀身が伸び、そこから光があふれ出し、彼の体を巨大化させた。

 

『新たなウルトラ戦士よ。地球は頼んだぞ』

 

「ゾフィーはそれを言うと、再び赤い玉になって帰って行った。そして彼が帰った後、彼の言葉真実である事が分かった」

 

 映像が真っ黒くなった。その中心には何やら生物がいたが黒い靄が掛かっていたため、詳細は確認出来ない。

 

「これが地球の闇」

 

「そうだ。名前は星死怪獣デスエンド。奴はこの地球で息を顰めていた。だが、頃合いと悟ったかのように姿を現し、地球を死の星に変えようとした」

 

 映像にアインが出てきた。彼は光を纏ったまま彼と戦い始める。

 

「私は戦った。奴を倒す為に。しかし・・・」

 

 彼が言いよどむと共に映像内でアインが窮地に立たされた。

 

「私は私では奴を倒し切れないと悟り、奴を封印した」

 

 映像内ではデスエンドは地中に戻っていった。そのすぐ後、アインは光の塵となって姿を消した。

 

「私は奴の封印に成功した。しかし私自身が消耗してしまった。そこで私は考えた。自分を封印し、デスエンドが出現の兆しを見せたら再び姿を露わそうと」

 

 彼はそう言うと映像が消えた。

 

「それと俺に姿を現したのは何か関係があるのかよ」

 

 俺は少しいら付いたように彼に声をかけた。

 

「君は死にかけていたんだよ」

 

 彼の言葉に俺は目を見開くのを感じられた。

 

「本来なら、君の体は今。あの瓦礫の中だ」

 

「おい、待てよ。だとすると、祭壇まで歩いていたのは何だったんだ?」

 

「君の魂だね」

 

「懐中電灯を俺は持てた。それは何だって言うんだ」

 

「思い出してみたまえ。この遺跡には電灯があった。懐中電灯は必要無いはずだ」

 

 俺はよくよく思い出していた。すると指摘通り、この遺跡の天井には電灯があった。本来なら懐中電灯がいらないほど明るいはずなのだ。それなのに俺は懐中電灯を持っていた。

 

「どういうことだ」

 

「私の光だよ」

 

 その言葉を聞いて俺は勢いよく彼の顔に目を向けた。

 

「私がその光を遠隔操作して君の元に届けた。そしてそれを懐中電灯に見えるようにした。それだけのことさ」

 

 彼はそう言うと、両膝を地に着けた。

 

「私は君の命が惜しかった。しかし君の命の火はとっくに消えてしまっている。だから私は決めたのだ」

 

 アインは一差し指を俺の胸元まで近づけた。

 

「君に私の命を遣ろう」

 

 その言葉にはさすがに唖然とするしか無い。なぜなら、自分は死んだという自覚が俺には無いのだから。それにもし本当に死んでいるのだとしたら俺はそれを受け入れる。

 

「そんな事、しなくていい。もし俺が死んでいるのだとしたら。俺はそれを受け入れる。それにあんた。デスエンドを倒すんじゃ無いのかよ!」

 

 俺は必死で叫ぶ。すると彼はゆっくりと首を振った。

 

「いいんだ。君は若い。まだ死ぬときじゃない。それに私もウルトラマンだ。目の前で命の危機に瀕している者を助け無いでウルトラマンは名乗れない。私が知っている彼らはきっと私と同じ行動を取るだろ」

 

「デスエンドはどうすんだよ」

 

 俺の言葉に彼は少し考えるように黙り混んだ。

 

「力は残しておくよ。必要になったときに私と同じ心を持つ者の手に渡るように」

 

 ここまで来て俺は悟った。彼は本気なのだと。本気で俺に命を与え、本気で彼と同じように正義感を持つ者が現れる事を信じているのだと。

 

「だったら俺にその力を寄越せよ」

 

 気がついたらそんな事を口走っていた。

 

「俺があんたの使命、引き継いでやる。だからその力っていうの。寄越せ!」

 

 俺は力いっぱいに彼に叫んだ。すると彼は一瞬笑ったような気がした。

 

「良いだろう。君には私の全てを遣ろう。その代わり、約束してくれ。決して力に溺れないと。自身が持つ力に疑問を持ってくれ。そして、たとえなんと言われようとも。守った者に裏切られようとも。人々を守るヒーローでいてくれ。これが君に力を渡す条件だ。誓えるかね?」

 

「誓ってやるさ! 俺はあんたの意志を継いでウルトラマンになるんだ!」

 

 瞬間、俺の手が輝き出した。

 

「これでお別れだ。暁光牙。最後に君に力を渡せて良かった」

 

 彼はそれを言うと、光の粒子となっていった。

 

「最後にこれだけ言っておこう。君の未来は明るさで満ちている」

 

 それだけ言うと彼の粒子は俺の中に入っていった。

 

 

 

 

 

 目を覚ますとそこは知らない天井だった。

 

「俺は・・・起きたのか」

 

「ああ、そうだ」

 

 俺の独り言に答えるように寝台の横に備え付けられた椅子に座った男が答えた。

 

「クソ親父」

 

 俺がそう言うと、クソ親父、暁牙城は呆れた顔をして立ち上がり、拳を振り上げた。

 

「痛っ!」

 

 その拳は俺の頭に直撃した。俺は起き上がり、痛そうに頭をさすりながら抗議の目を親父に向けた。

 

「瓦礫の中から救出されて、目を覚まして最初の言葉がクソ親父とは。お前も曲がっているね。あんまり期待していなかったが、せめてお父さんと呼んでくれると思っていたんだが」

 

「あんたに向ってそんな気持ち悪いこといえるか」

 

 俺は溜息を吐き、窓から外を見た。

 

「助かったんだな」

 

「そうだな。しかし、あんな崩落現場からがれきの下敷きになりながら生きて生還する所はさすがは俺の息子ってところか」

 

 親父はそんな思ってもいない事を思いながら徐ろに布団の上に物を置いた。

 

「お前に何があったのかは知らないが、お前が救出されたとき後生大事そうに持っていた物だ」

 

 置かれたのはアインダガーとウルトラメダルと怪獣メダル数種枚だった。

 

「悪いが、親父。少しの間だけ俺を一人にしてくれ」

 

 俺の言葉に親父は黙って従い、病室から出て行った。

 

「アイン。俺はやり遂げるぞ。必ず奴を倒して見せる。お前に貰ったこの命でお前に誓った事を守りながら。いつか、必ず。だからそこから見ていてくれよ」

 

 これが俺が力を手にした経緯。俺は彼の意志を受け継ぎ、ウルトラマンになった。




補足 この世界に来たウルトラマン達は皆、怪獣を追って次元を超えてやってきています。
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