ストライク・ザ・ブラッド 誓いの光の巨人   作:カラムイラス

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十一話のヴァトラーが語っている部分を少し抱け改訂しましたので、避ければそちらもご覧になってください。


13話 食後の雑談

「暇・・・」 

 

 食後のコーヒーに目を向けながら、溜息交じりな声が俺の口から漏れ出た。ふと目を上げると朝のニュースも終わろうとしていた。もうそんな時間になるのかと考えると、キッチンからのエイリの声が耳に届く。

 

「メダル磨きはどうしたの?」

 

「朝食前に終わった・・・・」

 

 それを口にし、彼女に目をやるとどこか納得がいったという表情をしている。

 

「だから部屋から出て来たとき、肩を落としていたのね。また急に仕事が入ったのかとおもったのだけど」

 

 彼女がそう言うと、俺は過去の事を思い返す。確かに俺が肩を落としながら自室から出てくるときは大体、突然仕事を押しつけられた時だった。それを思い出して、苦笑いしか出ない。しかし、よく見てるな。いや、俺が分かりやすいだけか。

 

「今回ばかりは彼奴も配慮してくれたんだよ。何せ接待相手は戦王領域きっての曲者だからな。次の日くらい休ませてくれんだろ!」

 

 むしろ休日をくれなかったら、抗議の裁判を起こしてやる。これまで彼奴が俺に課してきた仕事の証拠は全部取ってあるんだ。きっと勝てるだろう。・・・やっぱ止めよう。相手はこの島の権力者一家の男だ。勝つのは凄く難しい。

 

「どのくらいの強さだった?」

 

 エイリが興味本位でそれを聞いてくる。そうだな・・・・。

 

「お前より弱くて、俺と同程度だろうな」

 

 もちろんウルトラマンの力を使って。もし戦闘になった場合、俺の不完全な力ではアルデアル公を倒し切れる保証はない。何せ、俺はまだ十三年しか闘ってないのだ。戦闘に置いて、経験が物を言う。今の俺はその経験の権化である吸血鬼の実力者と闘って、五分に闘えるだけのレベルなのだ。これに関してはしょうが無い。俺は積極的に戦いを仕掛けることがないからな。いつも防衛の為に力を行使しているに過ぎない訳だし。

 

「それ程なのね・・・。全く、この次元の地球はパワーレベルが可笑しいわ」

 

 疲れた様な声を吐き捨て、呆れた様な表情を浮べるエイリは額に手を宛てた。

 

「他の地球はここまでじゃなかったのか?」

 

 彼女の発言に興味を持った俺は、自然とその質問を口にした。すると彼女は「ええ」と応え、言葉を続ける。

 

「そもそも私がいた次元の地球には魔族という存在が空想の産物だったらしいから。人間しかいなかったのよ。それにこの世界より科学も進んでなかった。この世界が以上なのよ」

 

「・・・・・。そうなのかもな」

 

 異次元から来た彼女の発言は自然と受け止められる。人間しかいない星か・・・。それはそれで面倒が多そうだ。何せ、人間が一番残酷で、好き勝手なのだから。きっと星に害を与えていたに違いない。そう思うとその地球は可哀想だと感じるし、人間を邪魔に思って居るかも知れないな。もしかしたら怪獣を送り出してくるかも知れない。もし俺がその地球出身で、同じようにウルトラマンの力を授けられていたらどうしてたであろう。多分、人間達を助けていたんだろうな。それは直感で分かるような気がする。

 

「だけど、コウガ。貴方は少し自己評価が低いと思うわ。三年間のブランクがある私と、その三年間も戦い続けてきたコウガ。多分今貴方と闘ったら、私も勝てないかもね・・」

 

「それは過大評価しすぎだろ。正式に訓練を受けたわけじゃない俺がお前ほど強くなれているとも思えない。今でも必死になって戦っているだけだ」

 

 俺が苦い顔してそれを言うと、エイリは呆れた表情を見せる。

 

「貴方こそ、私を過大評価しすぎよ」

 

 彼女はそう言うと、悲しげな表情を見せる。

 

「とにかく、今の貴方はそのヴァトラーという人物よりも強いはずよ。何だったら、今度戦ってみたら?」

 

 彼女は微笑みながら、そう告げる。俺はその言葉日溜息を吐いた。

 

「ウルトラマンは私的なことで力を使うのは駄目なんじゃなかったのか?」

 

「ええ、そうよ」

 

 彼女は笑みを浮べて言葉を続ける。

 

「だけど訓練という名目を使えば、きっと彼も喜んで受けてくれると思うけどね」

 

「嫌だよ。訓練だとしてもあの人とはあまり関わりたく無い」

 

 俺は全力で拒絶のこと名を吐き捨てる。その様子が珍しかったのか、エイリはきょとんとした顔を見せる。

 

「珍しい。貴方がそこまで拒絶するなんて。なんかされたの?」

 

 彼女は含みの楽しげにある笑みを浮べつつ、それを聞いてくる。正直に話すべきかどうか。悩むところだ。だが、これは離しておいた方が良いんじゃないのか? そういう考えが頭を過ぎる。

 

「あいつは俺とも戦いたいみたいだ」

 

「・・・バレたの?」

 

「初対面名相手にそんなヘマはしない。ただ、彼奴は明らかに俺と闘いたがっている。それは昨日の話を聞いていて分かった」

 

 戦闘狂と噂になっている人物が、島の人間である俺にわざわざこの島で噂になっている光の巨人の事を聞いたんだ。確定だろ。彼奴は古城だけじゃなく、俺まで暇つぶしの玩具にしようとしている。

 

「巻き込まれたら面倒だからな。今後の彼奴の対応は古城に任せる。っというか、一緒にいると疲れるから今後俺はあの人の接待はしない。変に目を着けられる訳には行かないからな」

 

 ああいう人物には関わらないことが一番だ。そして、ウルトラマンについても昔話と噂程度しか知っていない。俺がぼろを出さなければ、バレることはないだろ。

 

「結構厄介な相手なのね・・・」

 

「本当にそうなんだよ・・・」

 

 俺は溜息交じりに疲れがにじみ出した声でそういった。


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