第1話 ホワイト・アウト・エトランジェ
少女がそれに出会ったのは、冬休みも後半に差し掛かった時。
雪で世界が白一色に染まり、時間の感覚が無くなるようなそんな日。
田舎の中学に通う
実際には、やることがないわけではないが別に急ぎの用というわけではなく、しなくても問題ないのでこのように怠惰に過ごしていた。
そんな時花だったが、本を変えようと現在読んでいる本を閉じて立ち上がった時、耳鳴りにも似た不思議な感覚に囚われた。
何かが落ちたとも捻じれたとも言えない妙な感覚は意外とすぐに消えた。
時花は何だったのか気になったが、特に興味が無かったので気にせず本を取り換えているとまた異変が起きた。
―――――――――――――。
声が聞こえた気がした。
証拠はないが、時花は何故だが行かなければならない気になって、家族に出かけることを伝えると家を後にした。
向かったのは近くの林。
何故ここに向かったのかは分からない。けどそんな気がした。
林の中を進み、開けた場所に出る。
木々の枝が集まり、天然の屋根を形成していた。
だが、それだけでこれと言って変わったものは見当たらない。
冷静になって戻ろうかと思ったそんな時、時花は再び声を聞いた。
気付くと、林にいたはずの時花は何もない空間に居た。
そこは家も木もなくただただ広い場所だった。
そんな空間に一人佇む女性の姿があった。
時花が気付くと女性は微笑みかけてきた。
「―――――」
女性が何かを言っているが、聞き取れない。
時花は近づこうと歩き出すと、女性は時花の背後を指差した。
すると、背後から小さな音が聞こえて振り返ると、周囲は林に戻っていた。
そしてそこには一つの黒い機械の鎧があった。
その機械鎧は各所が人に近い形をしていて装甲が中心を覆うように配置されている。
この姿を時花は見たことがあった。これはISだ。
IS、正式名称はインフィニット・ストラトス。
宇宙での活動を想定して開発された飛行パワードスーツ。
だが、その秘めるスペックは宇宙活動よりも兵器として使われた。
当時はあまり知られていなかったが、昔に起こったある出来事から従来の軍事兵器を遥かに超える戦闘力が証明されその存在を知らしめた。
今となってはスポーツ的な立ち位置に落ち着いている。
ちなみにこのISは何故か女性にしか反応しない。それにより世の中は次第に女尊男卑へと変わっていった。
云わば世界を変えた存在。
そんなものが何故こんな場所にあるのだろうか。
ISは国が取り合うほどに貴重なものなはず。
それにこのISは激しく戦闘をした後かのように各所がボロボロになっている。
一体何があったのだろうか…。
すると、先程の女性が時花の隣に再び現れ、ジェスチャーのようにその手をISへと伸ばす。
その動きを真似て、時花も手を伸ばすとISを中心に周囲が眩い光に包まれる。
光が雪と合わさって全てが白く輝く。
光が治まると、ISと女性は消えていた。
そして時花の手には小さな機械が掴まれていた。
これを機会に本家を読み返そうかな…。