IS*~Iris code~   作:永遠の中級者

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第11話 放課後練習

「現在八十二%…前よりは進んでるけど、本当にこれは武装のことなの?」

 

放課後。アリーナにて。

時花は自主特訓のためにISとアリーナの使用許可を貰い、第三アリーナで自分のIS『虹彩色の時女神(アイリス・ノルン)』を展開していた。スペックデータの確認などは別にアリーナに来ずとも整備室などで出来るが態々アリーナまで来たのは、ただ単に飛びたかった…という冗談はさておき、色々と確認しておきたいことがあるからだ。

 

「えっと、これじゃない…これでもない……これかな?」

 

前面に複数出現したディスプレイを処理しながら目当てのデータを探す。

そして探していた現在唯一の武器である()()()()についての項目を見つける。

 

「【マルチアシストビット『天使ノ羽根(エンジェル・フェザー)』。状況に応じ斬撃、射撃、防御、補助が可能な装備】…へぇー。見た目の割に意外と凄そう。どうやって使うんだろう?」

 

唯一の装備だから扱い方ぐらいは知っておきたいと操作方法を探してみたが見つからない。

いつものように念じてみても何も起きない。なんでぇー?

 

「お?箒、俺たち以外に誰か使ってるみたいだ」

 

「あまり喚くな一夏、迷惑になるぞ」

 

おっと誰か来たようだ。向こうも言ってるし迷惑になるから静かにしておこう。

 

「あれって専用機か?俺の『白式』と同じ白いISか」

 

「見たことのない機体だな。…じゃなくて、余所を気にしている余裕があるのか?…っておい!」

 

「なぁ、君!」

 

あれ?なんか声がこっちに近づいてきたんだけど。

振り向いてみると、そこにはISスーツを着た男子と長いポニーテールの凛とした印象の女子の二人組だった。片方は関わりがなくても知ってる。織斑(おりむら)一夏(いちか)だ。

 

「もしかして一年なのか?俺たちもなんだ。俺は一組の織斑(おりむら)一夏(いちか)。で、こっちが篠ノ之(しののの)(ほうき)

 

向こうから名乗ってるからとりあえず名乗るだけ名乗っとこう。

 

「三組の(すめらぎ)時花(ときか)です」

 

そう名乗ると、織斑は少し驚いたような反応をした。なぜ?

 

「あー、噂になってた三組の専用機持ちって皇さんのことか」

 

噂って何さ!?初耳なんだけど!

いや…代表候補生でもないのに専用機を持ってたら噂にもなるか…。

 

「それで今は何をしているんだ?」

 

篠ノ之さんからの質問だ。

こうしてみると篠ノ之さんかっこいいね(質問無視)

 

「えっと、基本的動作のおさらいと確認」

 

「そうなのか、実は俺もなんだ。どうせだから一緒にやろうぜ、その方が何かと効率がいいだろ」

 

そう言うと、織斑は自分のISを呼び出し、装着した。

呼び出されたISは突然表示されたディスプレイいわく『白式』という名前らしく、装甲が薄めで小さく収まっている時花の『虹彩色の時女神(アイリス・ノルン)』と比べると、大きくてしっかりとした造形をしていた。(これが普通だろうけど)

 

「それで少し教えて欲しいんだけど飛行ってどうするんだ?飛行のイメージがイマイチ分からなくて。それで授業で急下降と完全停止でやらかしてな」

 

「私が丁寧に教えてやったのにまだ出来ないのか!」

 

「あんな説明で分かるか!」

 

どうって言われても私の場合はこの子(虹彩色の時女神)のおかげってのが多いし…。

 

「私のはあまりアテにしない方が良いと思うけど。この子に頼ってるところあるから」

 

「この子…そういえばそのISはどういう機体なんだ?」

 

「いや…実は私にもよく分かんない」

 

この子のことはまだまだ謎が多い

まぁそんなことは置いておいて、とりあえず練習ということでアリーナの中を飛ぶことにした。

私が少しずつ高度を上げると織斑くんも追うように上がってきた。なんだ普通に飛べてるみたい。

何だろう試したくなってきた。

 

「じゃあとりあえずついてきて」

 

私はそう言って少し速度を上げてアリーナの中を周回するように飛行を始めた。 

織斑くんは出遅れた。

 

「一夏!何をしている!早く行け!」

 

「簡単に言うがまだイメージが…っとこうか」

 

少し遅れて白式も飛行を始めた。

追いつこうという意思の表れか時花よりも速度を出している…気がする。

 

そのまま飛行を続け、気が付くとお互いにかなりの速度を出して並走していた。

 

「で、これどうすれば止まるんだ!」

 

「少しずつ速度を落とせば安全に止まるけど?」

 

時花はブレーキを踏んでゆっくり遅くなるようなことをイメージしながらISに止まるように命じる。

するとISのカスタム・ウィングが羽ばたくかのように少し動き、少しずつ速度を落としていく。そして程無くして停止した。今回で単純な飛行ならかなりできるようになった。

 

「一夏!ぐって感じだ!」

 

「だからそれが分かんねえんだって!」

 

ぐるぐる回る織斑に対して篠ノ之が叫ぶが却下された。

うん、私も結構感覚派だけどアレは分かんない。

 

「自転車とかでブレーキかけたりするイメージは」

 

「ブレーキ…ブレーキ…ブレーキ…」

 

呪詛でもかけるかのような必死のイメージによって少しずつ速度が落ちていく。

だが最後で気が抜けたのか、完全に止まる前に白式は落ち地面を転がうように停止した。

 

「いてて…なんとか止まった」

 

「一夏、なんだその有様は」

 

「止まったんだからいいだろ…今までで一番役に立つ説明だった、ありがとう皇さん」

 

いや、礼を言う前にその逆さの体勢をどうにかしようよ…。

まあいいや、お腹空いたしそろそろあがろう。

 

「それじゃあ私はそろそろ戻ろうと思うから、あとはごゆっくり」

 

「おぅ、また機会があれば一緒に練習しようぜ」

 

「一夏、そうやってまたお前は…」

 

「あのー、箒さん、なんで竹刀を持ってるんですか。というかどこから取り出した」

 

「問答無用」

 

「待て待て箒落ち着け!」

 

仲が宜しいようで。

 

 

 

アリーナからの帰り、外はすっかり暗くなっていたのでそのまま学食に行くことにした。

そういえば向かう途中に暗がりの中を立つ小さな人影があった気がするけど何だったのだろうか?

 

 

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