平和な午後。晴れ渡る青い空。気持ちのいい風。
広い大地に上に精鋭が集う―――。
「では、今回は特別にクラス対抗戦も近いと言うことで二クラス合同で実戦的な訓練を行います」
はい、誤解を生みそうな言い方をしましたが合同授業です。相手は色々ある一組。
この時期に何故合同授業なのかというと、その理由はもうすぐ行われるクラス対抗戦に備えて経験を積むため。
あれ?それだったら手の内を明かすからしない方が良いのでは?
「補足しておくが、合同で行う本当の理由は三組の宝条先生が午後不在の為だ」
一組の担任の織斑先生が付け足した。
そういえばそんなこと言ってたかなぁ。何故か、態々、私にだけ宝条はそれを伝えて言った。理由は教えてくれなかったけど。
というかそういう時の為に副担任がいるんじゃ…あれ?ウチのクラスの副担任って誰?
「他所のクラスだからと加減はせん。覚悟しておけ」
織斑先生の宣言にウチのクラスから黄色い声があがった。今度は何だ!
「「「キャー、千冬様ぁぁぁぁ!!」」」
……IS展開して飛んでていいですかね?テンション高くてついていけない。
当の織斑先生は、またか…みたいな顔で頭を痛めていた。経験済みなんですね。
「静かに。早速だがまずは専用機同士での模擬戦を行ってもらう。一組からは織斑、三組からは皇、前へ出ろ」
「は、はい!」
専用機同士ってところで薄々分かってました…
ウチのクラス今のところ専用機あるの私だけですし…。
呼ばれて前へ出る時花と一夏。
「まさか皇さんと模擬戦をすることになるとはな」
「授業でするのは予想外だった」
「このあいだ教えてもらった借りはあるけど手加減はしないぜ」
「うん、それでいいよ」
「では二人ともISを展開して位置につけ」
そう言われ二人は同時に光を纏い自身のISを装着する。
「では…始め!」
開始の合図が告げられ、先に動いたのは一夏だった。
一夏は刀の形をした近接ブレードを呼び出すと一直線に時花に突進する。
『白式』は以前に戦っているところを見たので戦い方は知っている。射撃は行わず今のようなブレード一つでの攻撃一辺倒。スピードは速いが動きが読みやすい。時花は少し下がってから風に乗るかのように躱す。躱しては距離を取り、また躱しては距離を取る。ひたすら躱し続ける。
「織斑!相手の動きを見ろ! 皇!遊んでないでしっかり戦え!」
と言われましてもぶっちゃけこれしかすることがない。
『
時花はディスプレイを呼び出す。
複数現れたデータの中にその文字はあった。
【生成完了
可変式カスタムライフル『
ガンガン行こうぜな相手に射撃武器はどうなんだろう。まあいいや、そこはペースの勝負か。
とりあえず呼び出してみる。すると手の中に光の粒子が溢れ、その光が形となった時、武器の重さが伝わってきた。呼び出されたのは中々の長さのあるライフルだった。
ディスプレイには可変式と書かれていたが、何か秘密があるのだろうか?
「私と同じ射撃武器ですわね」
「さて、どうなるか」
射撃はしたことないけど、この子となら何とかなるよね。
「ライフルか、その手の奴はセシリアで経験済みだ…行くぜ!」
一夏は再び武器を構え、急接近してくる。今度は単純な直線移動ではなく右へ左へ動き回る。
時花はライフルを構える。すると、ISがそれをサポートしようとするかのようにディスプレイを表示し、様々な情報を与えてくれる。
バシュン!
銃口から放たれた閃光が空を裂く。直撃とまではいかなかったがその銃撃は『白式』を捉えている。
立て続けに撃つ。一夏はじわじわとダメージを受けながらもその弾幕の中を突き進む。
「おおおおお!」
弾幕を抜けて時花の正面、その刃が振り下ろされる。
時花は咄嗟にライフルを盾にしようとした。その時―――
ライフルからカチャッという音が鳴り、姿を変える。
全長は伸び、銃身は分かれ、分かれた銃身が取りついた先端部からはビームの刃が形成される。
その姿はまさしく大鎌だった。
大鎌のエネルギー刃がブレードを受け止める。
「なっ!変形!?」
驚きたいのはこっちである。
にしても可変式ってこういう事か。近接の大鎌と射撃のライフルの二つの側面がある武器。
よくもまぁこんな癖のありそうな武器を生成したなぁ。
大鎌を振り回し、流れを作るようにブレードを受け流して距離を取る。
こういうのも使ったことないけど自然と身体が動く。ISの補助のおかげかな?
近接武器もあることだし今度はこっちから行こうかな。
時花は両手で大鎌を構え一夏に向かって加速する。
大鎌を大きく振るい、一夏はブレードでそれを受け止める。
お互いの刃を何度も交えながら次の一手を考える。
そこで時花は一度、距離を取る。
一夏も武器を構え直し、気を落ち着かせる。
このままじゃ埒が明かない。じゃあそろそろ賭けにでも…
時花は再び特攻をかける。
だがその突撃は一夏を素通りして、一夏を中心に周回を始める。速度は段々と上げていく。
流石に知覚を補佐するハイパーセンサーがあっても追い付けないだろう。
まぁこの作戦、向こうが動いてくれないとこっちも動けないんだけど。
「あれは…何のつもりですの?」
「何かの罠か?」
下から色々聞こえる。
「どこから来る……あぁもう、考えても仕方ない、男なら突っ込め!」
そう言うと一夏は時花の進路を斬り裂く。だが斬った感触はない。
かかった!
すかさず、時花は一夏の背後に回り、ライフルに戻した『
白式のアラームが鳴るが反応が遅い。
「しまっ…!」
時花はライフルの引き金を引き、放たれた閃光が『白式』共々流星となりて地上に落ちる。
今回の模擬戦、勝ちは貰ったね。
本家時間軸的には、鈴が宣戦布告に来た日の午後の授業という設定。