アリーナでは今でも乱戦が続いていた。
「おらおらどうした!」
「くっ」
「一夏危ない!」
「え?うわっ!」
「あぁもう!鬱陶しい!」
シィナの猛攻を耐えていた一夏目がけて敵ISからビームが放たれる。
一夏はなんとか避け、そのおかげかシィナと距離があいた。
その間に鈴音は敵ISに対して衝撃砲で応戦する。
「シィナ!」
時花は展開した『
シィナは指先からビームの刃を発生させたビームクローでそれを難なく受け止める。
「シィナ、止まって!」
「さっきからうるせえよ!アタシは
「貰った!」
「甘ぇ!」
隙を見つけ背後から斬りかかる一夏にシィナは背部に折りたたまれていた鞭のような武器を展開し叩き付ける。その武器はまるで獣の尾のようだった。
シィナの戦い方は以前戦った時と殆ど同じ超特攻。というよりこれの存在があってのあの戦い方だったのだろう。違うことといえば、あの時はブレードのみを使っていたのが今は両腕のビームクローに先程のテイルウィップ、背中のスラスターの先端部に搭載された荷電粒子砲を駆使し、あの時よりもさらに速度を増した獣染みた戦い方になったこと。正直に言って厄介である。
「一夏、まだエネルギーは残ってる?」
「残り二百もない」
「こっちも同じくらい」
「結構キツイなこれは…」
「どうする一夏?数では勝っててもこのままじゃジリ貧よ」
一度距離をとり、次の手を考える三人。
幸い、敵ISは離れて会話をしているとそれを聞くかのように動きを止め、シィナの猛攻は脅威だがその高速戦闘の合間には必ず地上で動きを数秒止める癖がある。
「先にどちらかをどうにかできればなんとかなりそうだけど…」
「手分けして…というのもキツいからな」
「どっちもアンタを狙ってるしね」
「ほんとなんでだよ……ん?どうした皇さん?」
一夏は先程から黙っている時花に気が付いた。
「え…なんで…」
時花には初めてISを見つけた時に会った女性の姿が視えていた。
他が気付いていないということは時花にしか視えていないようだ。
幻覚なのかこのISが見せているのかは分からない。けどその女性は時花に語りかける。
「止める為に力が必要?」
時花は頷く。
「そう。なら使いなさい。使い方は分かるはずよ」
その言葉に反応するように『
女性の姿はもう視えなかった。そういえば…その女性はどこか時花に似ていた。
【マルチアシストビット『
状況に応じ斬撃、射撃、防御、補助が可能な装備】
前にも見た内容がディスプレイに表示される。けどもう分かっている。
「二人はあっちの敵をお願い。私はシィナを止めるから…」
「無理よ。そっちのが一番厄介なのに一人でって」
「お願い」
「…分かった」
「一夏!?」
「俺たちは向こうの奴を止める。だからそっちは任せた」
「うん」
さぁ、ここから反撃開始。
『
時花はビットと共にシィナの下へと飛来する。
シィナが撃ち落とそうと二基の荷電粒子砲を放つ。
その砲撃には、装甲が開きエネルギーシールドを発生させた防御ビットで防ぐ。
その行動によりシィナに隙が生まれ、そこ目がけてエネルギーの刃を発生させた斬撃ビットを突撃させる。
加速状態なら厄介だが、まだ加速していない状態ならまだなんとか出来る。
「チッ!」
シィナは振り切るために加速しようとするそれをライフルモードの『
シィナは思い通りに動けず、着実にダメージが重なっていく。
だが―――
「うざいんだよ!!」
痺れを切らしたシィナが無理やり加速し、高速戦闘に持ちかける。
しかし、それを読んでいたかのようにビットが動き、妨げる。
それでもシィナは加速を続けビットを振り切ると時花の背後へとまわり、爪を突き立てる。
その爪が時花に触れようとする瞬間、時花の姿が霧のように消えた。
「!?」
シィナは着地し、辺りを探す。だが何処にも時花の姿はない。
あるのはあとの二人と一機、そして時花の操っていたビット。そしてそのビットが上空へと飛んでいく。
さっき何が起こったのかは正直私にも分からない。
けど、そんなことは今はどうでもいい。
次の手が頭に浮かぶ。今はそれに従うだけ。
遥か上空で『
【出力解放『BURST』
エネルギー伝達選択:SHOOT
充填率 83%
集束率 51%】
「バースト!!」
思い切り引き金を引く。
銃口に今迄以上の光が宿り、地上目がけて一筋の閃光が一直線に空を裂く。
閃光に気付いたシィナは回避行動が遅れ、全身にその光の奔流を受ける。
光が全てを飲み込み包む。
激しい光が消えると、その場にはぼろぼろのISの姿が残った。
地上に降りた時花が近づくと、そのISは崩れるように光の粒子に戻り、ぼろぼろのシィナだけが残った。無意識に放った一撃だった気がするが、なんとか加減が間に合ったようだ。
倒れるシィナをすかさず受け止める。
「こっちはなんとかなったよ」
今の一連の行動でエネルギーの殆どを使い果たした。向こうの加勢には行けなさそうだ。
けど、向こうもケリが付いたようで、一夏の光の一撃を受けた敵は動かなくなった。
戦いが終わり、一安心したのも束の間。
「一夏!まだアイツ動いてる!」
鈴音の叫びで事態に気付く。
停止したと思っていた敵が再起動し、最後の足掻きを繰り出そうとしている。
逸早く動いた一夏が敵の放った光の中へとその刃を突き立てた。
…実は展開装げふんげふん(;´∀`)
ここで少し忘れていた説明。
時花が使う他キャラの呼び方はある程度統一しているつもりですが、
文中での呼び方は、同じ苗字なら少し表記が変わったり、その場のノリに引っ張られたりします。
例:織斑先生がその場に居る場合。
織斑君→一夏
鈴を鈴音と表記しているのは時花がまだちゃんとした面識がない&一夏呼びに引っ張られたゆえ