IS*~Iris code~   作:永遠の中級者

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第21話 それは知りたくなかった…

時花たちが食堂に着くと、食堂中が謎の盛り上がりをみせていた。

というか凄い群がってる。

 

お腹空いたのでその集まりは今はスルーして注文する。

時花は今日は焼き魚定食を選んだ。シィナも同じものを注文する。

出来上がった料理を受け取る。

うん、鰤の照り焼きがすごく美味しそう。

 

他の女子たちは、殆ど一か所に固まっているため、割と空いている席が多い。そのため席を見つけるのは楽だった。

 

「いただきます」

 

「…いただきます」

 

早速、鰤の照り焼きに手を付ける。

身は外がカリッとしていて中は解しやすく、口に入れると少し濃いめの味付けがご飯をすすませる。うん、美味。空腹感でよりそう感じさせる。

 

それにしても…

 

「結局あれは何だろうね?」

 

「聞きに行く?」

 

「いや、それは面倒くさい」

 

今食べてるのにわざわざ行くのも面倒だし、行かなくても割と耳を澄ませば聞こえるものだよ?

時花は聞くことに集中する。

 

 

「聞いた?」

「聞いた聞いた!」

「え、何の話?」

「だからあの織斑君の話だって」

「いい話?悪い話?」

「最上級にいい話。聞きたい?」

「聞きたい!」

「まあまあ落ち着きなさい皆の衆。いい?絶対これは女子にしか教えちゃダメよ?女の子だけの話なんだから。実はね――――」

 

 

なんかさらに盛り上がってる。

聞き耳を立てて聞こえたことをまとめると…

・女子にしか教えてはいけない。

・近々、学年別個人トーナメントというものがあるらしい。しかも強制参加。

・そしてそれに優勝した者は織斑君と付き合える。

 

ほうほう。まるで景品のようですぞ織斑氏。

というか、女子にしか教えてはいけないってところで本人発案企画ではないんだろうね。そうするタイプでもなさそうだし。ということは何かが独り歩きしてる感じかな?

まぁ別に付き合う云々に興味はあまりないけど、もっと気になることが他にあった…

 

「学年別個人トーナメントってなにさ!?この前もそういう感じの事したよね」

 

「この前のは中止。それにこの前のはクラス代表だけで、次のは皆参加」

 

うげぇ。

あれ?でもそれだと…

 

「シィナのISって大丈夫なの?その…私が半壊させたようなものだから…」

 

「どうだろう…自己修復中だけど間に合うかは分からない」

 

「なんかごめん」

 

「別にいい」

 

シィナが許してくれたことに少し安堵していると誰かが向かってきていることに気が付いた。

 

「ここいいか?」

 

声に反応し、相手の顔を見るとそこには夕食を持った織斑君と鈴だった。

円状のテーブルだったので時花がシィナの方に寄り、空いた場所に鈴、織斑君の順番に座る。

 

「なあ、向こうのアレって何の集まりなんだ?なんか盛り上がってるみたいだけど」

 

織斑君は例の集まりを気になっているようだ。

やっぱり自分が渦中にいることは気付いてないんだ。

 

「ああ、それなんだけど、学年別個人トーナメントって本当?」

 

「学年別個人トーナメント?あー、月末にあるやつね」

 

「全員参加だから一週間かけてするんだよな」

 

長い…。まぁ全員参加となればそれぐらいかかってもおかしくないか。

 

「どの学年もそれぞれの評価がされるから案外大事なのよ?特に三年にとってはね。一年は先天的な才能評価、二年は成長能力評価、三年は将来のことも絡んだ実戦能力評価ってね」

 

鈴が簡単に説明してくれた。

流石代表候補生、すらすらと説明してくれた。

(失礼な話、鈴はこういうことを雑に流すタイプだと思ってた。)

 

「あー、でもそれ私たちあんまり目立たない方がいいんじゃない?」

 

「なんでよ?」

 

このテーブルに集まる四人は全員専用機持ちである。

その内、鈴以外は少し特殊である。

世界初の男性IS操縦者の一夏、元何処かの組織に属し今は脱退したシィナ、特殊なISを持つ時花。

しかもこの三人はどこの代表候補生でもない。(この前聞いたらシィナも違うらしい)

これは色々と火種になりかねない。

 

「まぁ何とかなるだろ」

 

「そうね。どうせするなら全力でやらないとね」

 

「あ」

 

「あ」

 

「あって何よ。―――あ」

 

「ん?」

 

「?」

 

織斑君と鈴ともう一人の誰かが突然固まった。

もう一人の誰か、今から夕食を摂ろうとしていた篠ノ之さんである。

え、何この状況?

 

「よ、よお、箒…」

 

「な、なんだ一夏か…」

 

なんだか二人の会話がぎこちない。

この二人って結構仲良かったはずだよね?どういうこと?

 

「何、あんたたち何かあったわけ?」

 

「「いや!別になにも!」」

 

見事なシンクロである。

この様子といい、フリのようなシンクロといいなんだろう?真相はともかくさっき聞いた噂の出所ってまさか…いや、そっとしておいてあげよう。

 

「ごちそうさま」

 

こんな状況でもマイペースに食べ進めていたシィナ。

時花もすぐ食べ終わり、二人で逃げるかのように自室へと帰った。あの空気居づらい。

 

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