「疲れた…色々聞かれたりして気疲れした…」
女性たちに連れられ
そこはISの操縦者やメカニックなど、ISに関する人材育成を目的とした特殊機関。
その名はIS学園。
本来ならここに来ることなんて一生ないと思っていたのだけど、ああなってはしょうがない。
そんな事より、ヘリなんて初めて乗ったなぁ。
まさかヘリで来てたとは思わなかった。
あの黒いISの反応を察知してから来たにしては結構早かったから正規の交通手段ではないとは思ってたけど。
ちなみに今の状況は、ヘリで連行されてこのIS学園に来てから、あのコアやISについて再度聞かれ、何故か全身を調べられたりして、それが今終わったのだ。時間にして2時間強。
本当疲れた。
今は大人たちが話し合いをしてるとかで、自由にしてろと言われ、ある部屋に通された。
さっきこの部屋、教員の部屋って聞いたんですが、あの、その。
それにしてもこの部屋、ホテルみたい。
時花は布団にダイブし、そういえばと取り上げられることがなかった携帯をポケットから出して家族にメールを送る。
そんな時、部屋の扉が開いた。
入ってきたのは茶髪を肩のあたりで結んだ女性、
「…自由にとは言ったけど、随分と自由ね」
せっかくですし、ふかふかもったいないですし。
「そういえば、はいこれ」
そう言って女性が手渡したのは例のISのコア。…って、なんで!?
「このコアだけど、こちらで調べさせてもらったわ。けどこのコアは特殊らしくて、システムが少し妙で調べても何も情報を得られないし、初期化しようとしても初期化できなかった。そこで特例ではあるけど、貴女にこれを渡して貴女共々監視下に置いてデータを取ると言うことになったわ」
なんか途中から理解することをを諦めたんですが。
「簡単に言うと貴女にはIS学園に入学してもらうことになったわ。はい、これ書類」
時花の前に書類とペンが置かれる。
なんかもう…どうにでもなれって感じがする。
とりあえず書類書いとこ。
「それでこれからなんだけど、貴女にはまず入試を受けてもらうわ」
入試…微妙に時期遅くないですか?
まぁ突然の出来事だから向こうが色々用意するか。
そういえばここの入試って…
「これからアリーナに行ってISに乗ってもらうわ」
ですよねー。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「それではこれから模擬戦を始めます」
アリーナのピットに案内された時花は周りの職員に言われるまま学園に多く配備されている量産型IS「打鉄」に乗り込む。するとISと一つになったような感覚になり、頭の中がクリアーになっていく。
「打鉄」に乗ったことでISの基本システム
時花はそのまま、ピットを飛び出してアリーナの中心近くまで進む。
するとそこには同じく「打鉄」を纏った先程の女性の姿があった。
「動かすことは出来たみたいね」
「…試験官もあなたなんですね」
「まぁ、今は時間が空いているからね。…そういえばまだ名乗ってなかったかしら?私は
そう言って、宝条は手にしていた武器を構える。
時花もそれを真似て、近接用ブレード「
すると、アリーナの中心にモニターが現れ、開始までのカウントを刻む。
カウントが0となった瞬間、突然、時花の「打鉄」のセンサーが鳴る。
次の瞬間、時花の正面に宝条の「打鉄」の姿があった。
「!?」
宝条が手にしたブレードの斬撃が隙間を縫うように時花の腹部に叩き込まれ、時花は壁際まで吹き飛ばされる。
衝撃はあったが、ISは操縦者を守るため常にシールドバリアーが張られている為、大した怪我はない。
だが、その代わりにISの稼動にも関わるシールドエネルギーが大幅に削られる。
「…ごめんなさい。いつも加減を間違うのよね私」
そう言いながら次を構えてるのは何故ですか…汗。
でも、このままやられるのも嫌だ。割と痛そう。
時花は再びブレードを構え、相手に突進する。
宝条が突進を少し横に動いただけで躱すと、時花はブレードを真横に向かって薙ぐ。
これは当たったと時花が思った瞬間、
その手にはブレードは無く、ブレードは遥か後方に落ちていた。
何が起こったの!?
宝条を見ると、右手で持ったブレードを高く振り上げていた。
それで理解した。宝条は時花の不意打ちを読んだうえで振られていたブレードを弾いたのだ。
「はい。これで終わりかしら」
時花の首下にブレードが向けられ、時花は敗北した。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「宝条先生も相変わらずだな」
「開始と同時に
模擬戦を別室で見ていた二人の女性が言う。
「普段は温厚なのにIS実践となると加減が効かなくなる。だから正規の試験官には推薦しなかったんだ」
「以前から何ですか?」
眼鏡をかけた女性がスーツの女性に問う。
スーツの女性は黙っていたが眼鏡の女性は何かを察したようだ。
「…織斑先生もそういうところがあるような…」
「山田先生、何か言いましたか」
「いえ、何でもありません」
織斑先生の圧に押される山田先生であった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ピットに戻って「打鉄」から降りた時花は宝条と話していた。
「ISを動かすことが出来たから、入学条件はクリアしたわ」
ISを動かせることが入学の最低条件らしい。
なら、あんなに打ち込まなくてもよかったんじゃ…。
ちなみにIS適正はDらしい。低っ。
「これからのことを話すけど、さっきも言った通り貴方は学園の監視下に置かれます。当分は…そうね、私と一緒の部屋に住み、外部へ出かけるときは誰かと一緒に行動することになります」
わお、動き辛い。
「それと貴女の私物のことだけど、後日一緒に家まで取りに行くわ」
あ、取りに帰らせてはくれるんだ。
「とりあえず今は私の部屋に戻って休んでおくといいわ。私は他にすることがあるから」
そう言って宝条はピットから出て行った。
残された時花も特にすることがないので宝条の部屋に行くことにした。
迷いつつも来た道を戻るように部屋へと向かう。
そんな中、手持無沙汰な時花はコアを取り出して見つめる。
このコアは何故、私の下に来たのだろう。
IS方面に興味のなかった私に。
それにこのコアは他とは違うらしい。
何か伝えたいことでもあるのだろうか。
「あら、見かけない顔ね」
考えながら歩いていると前から声を掛けられた。
顔を上げるとそこに冬なのに扇子を持った女性がいた。
カスタム自由なIS学園の制服を着ているところを見るに、ここの学生のようだ。
「侵入者なら排除するんだけど…貴女は侵入者かしら?」
直球で聞いてくるなぁ…。
その聞き方はどうなんだろうか。
「…まぁ、その様子だと違うみたいね。となると何かしら?」
頭を軽く傾けながら悩む女性。
これ答えた方がいいよね。
「えっと…色々あって来年から入学することになった皇 時花です」
「あら新入生だったの。私は新しく生徒会長になった
そう言って開かれた扇子にはでかでかと「俺、参上!」と書かれていた。
あれ?それどこかで…?
というか、なんでこんなところで居るの?
…私も人の事言えないけど。
「あら?その手に持ってるのって…」
楯無が時花の持っているものに気付いた。
時花は反射的に隠そうとしたが、楯無は猫のようにそれを追って回り込んだ。
「これってISのコアよね。どうしたの?
楯無は扇子でコアを差しながら、聞いてくる。
その眼には好奇心が含まれていた。
…って組む?何を?
「あれ?ISを作るんじゃないの?」
ISって自分で作れるの?
いや、ISは人の手で作られた物だから理論的には可能なんだけど。
「いや、そんな予定は…」
「なーんだ、組むのなら手伝ってあげようかと思ったんだけどなぁ。私こう見えて凄いのよ?」
そう言って楯無はスカートの端を少し捲る。
いや、なんで!
でもそうか…作るって道もあるのか。
「あの…今はそんな時間は無いので無理ですけど…今度作ることになったらその時はお願いします…」
それを聞いて楯無は優しく微笑んでから時花に抱きついた。
時花も驚いたが不思議と悪い気はしない。
「そう。素直な子は好きよ。もう少しからかいがいが欲しい所だけど。じゃあ、その時になったらお姉さんが力を貸してあげるわ」
そう言って楯無は背中を向け、立ち去って行った。
最後に、次は新年度で会いましょうとこちらを向かずに言う姿はどこかかっこよかった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ピットから出て、宝条は廊下を歩いている。
「それにしても…あのコアは一体…」
宝条は時花の持っていたコアを調べていた時の事を思い出す。
時花には、何も情報が得られなかったと言ったがアレは嘘だ。
システムが特殊だったのは本当で分析がうまくいかなかった。
だが、分かったことが一つだけあった。
あの場に居た者全てがそのことを瞬時に理解することが出来なかった。
モニターにコアから得た情報が映し出されている。
それは一言。予言。
【皇 時花 数年後に死亡】
予定外に楯無さん出てきちゃった☆
簪ちゃんも早めに出せるといいな…。
次辺りから原作内容に突入できるかな…?
※ラスト少々変更