IS*~Iris code~   作:永遠の中級者

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第34話 その後…

宝条さんの説教に始まり、何故か他の教師が加わっての事情聴取にまで発展した拘束?は意外と長く、終わった頃には外は暗くなっていた。

 

「にしても、本当に疲れた…」

「うん」

「あの騒動よりもその後の話の方が体力使うってどうなの…」

 

時花は夕食のサンドイッチを食べながら愚痴を漏らしていた。

現在地は学食。教師陣から解放された後、疲れていたので(主に精神的に)そのまま帰って寝たかったのだが、時間が時間な為に今を逃すと今日は夕食にありつけなくなる気がしたのでとりあえず学食に駆け込んだのだ。

メニューは、この後シャワーを浴びてすぐ寝るつもりなので軽食のサンドイッチとジュースという。ちなみに正面の席に座っているシィナはなんか魚介の入ったスパゲティを食べている。ペスカトーレって言うんだっけアレ?

 

「そういえば、あれって何だったんだろ…?」

「あれ?」

「いや…」

 

時花はふと思い出した。

織斑君たちの試合を見ている時、一瞬だけラウラの周囲の空間が歪んだことを。シィナにそのことを言うとそのようなことは何も無かったと言う。気のせいかとも思ったが、確かにあれは起きていたしはっきりと感じた。

…とはいえ、あれが無かったとしてもあの変異の結果は何も変わらなかっただろう。ならば今は放っておくことにしよう。

 

『トーナメントは事故により中止となりました。ただし、今後の個人データ指標と関係するため、全ての一回戦は行います。場所と日時の変更は各自個人端末で確認――』

 

顔を上げると、学食に置かれているテレビに先程まで行われていた行事のことが流れていた。その途中でピ、と誰かがテレビを消した。

 

やっぱり先程の事の詳細は伏せているようだ。それも当然と言えば当然か。ここに来る前に行われた事情聴取もそのことを言い触らさないように釘を差す目的でもあったらしいから、それを言った側が言うわけにもいかないだろう。

 

「ふむ。シャルルの予想通りになったな」

「そうだねぇ。あ、二人共お疲れ」

 

席を探していたであろうデュノア君と目が合った。男子二人も今来たらしく、空いていたこともあって時花たちの隣に座る。

二人は麺料理を頼んだらしく早速ずるずるとすすっている。

 

「二人も事情聴取とかされたの?」

「おう…。ってこともそっちもしたんだな」

「まあね。自分から巻き込まれに行ったからねぇ…。結果、お説教から事情聴取の濃厚コンボを貰ったわけで…」

「まぁ、そのおかげでこっちは助けられたわけだけどね」

 

とまあこのまま四人で歓談をしながら食事をしていたわけだけど、いい加減気になるわけでして…

 

「で、周りにこの時間にしては凄い数の女子が居るんだけど?」

「あー、なんか話を聞きたいとかで何か集まってたんだが、とりあえず晩飯を食べてからってことにしてもらってな」

 

と、いうことはあの集団は食べ終わるのを待っているということなのか。

その割には、皆さっきよりも雰囲気が暗くなって何かを呟きながら一人また一人と去って行っているようなんだけど?

 

「ふー、ごちそうさま。学食といい寮食堂といい、この学園は本当に料理がうまくて幸せだ。……ん?」

 

食事を終えた織斑君も減っていく女子たちに気付いたようだ。

殆どの女子が帰っていき、その場に見慣れた女子が立ちつくしている。篠ノ之さんだ。織斑君は篠ノ之さんの傍へと移動する。

 

「そういえば箒、先月の約束だが―――」

 

その言い始めに、篠ノ之さんは少し反応した。

 

「付き合ってもいいぞ」

「――。――――、なに?」

 

あ、復活した。

 

「だから、付き合ってもいいって……おわっ!?」

「ほ、ほ、本当、か? 本当に、本当に、本当なのだな!?」

 

篠ノ之さん、興奮しているのは分かりますが、そのままその姿勢を続けていると織斑君の意識が落ちますよ。見事に締め上げてますから。

 

「お、おう」

「な、なぜだ? り、理由を聞こうではないか……」

「そりゃ幼なじみの頼みだからな。付き合うさ」

「そ、そうか!」

「買い物くらい」

「…………」

 

先程喜んでいたのは何処へやら。織斑君のその言葉により、篠ノ之さんの空気が一瞬で変わった。鬼的なものが見える…

 

「……だろうと……」

「お、おう?」

「そんなことだろうと思ったわ!」

「ぐはぁっ!」

 

おおっと。篠ノ之選手、腰のひねりをも使った見事な正拳突きです! これはたまったものではありません。受けた織斑選手はその場に膝から崩れ落ちた。

 

「ふん!」

 

おっと!さらにここでつま先による追撃が入った!鋭い一撃です。これは流石に動けないかぁ?!……って冗談はさておき、これ本当に動けなくなるやつだよ。

 

「一夏って、わざとやってるんじゃないかって思うときがあるよね」

「なんか…鈴たちが前に言ってたことがなんとなく分かった気がする」

 

織斑の死骸(仮)を横目に話すデュノアと時花。

そんなことより今の会話で、最近流れていた噂の真相が理解出来た気がする。どういうわけか話が独り歩きしてその間に色々誤解になっていったというところだろう。

 

それから織斑君が復活するまで三人で話していると、復活した織斑君が再び席に腰掛ける。

 

「そういえばちょっと聞きたいんだが」

「うん、なに? 何でも聞いて」

 

やたら機嫌のいいデュノア君。

 

「ISで会話ってできるのか? えーと、プライベートチャネルとは違う、なんかふたりだけの空間、みたいなところでの会話なんだが」

「うん? うーん……何か聞いたことがある気がする。何だったかな……」

 

デュノア君が手を口元に当てて思い出そうとしている。

ISてそんなことも出来たんだ。って言っても普通の回線すら使ったことないんだけどね。基本的にシィナから近くに来るし。

 

「……一夏、ふたりだけの空間で会話って、もしかしてボーデヴィッヒさんと?」

「あ、ああ、そうだが……」

「ふーん。そう」

 

そう答えると、デュノア君は食べ終わった後の食器を片付けるために立ち上がる。

あ、そろそろ私たちも帰ろうかな。

 

二人よりも先に学食を出て、途中で会った1組の副担任の山田先生に織斑君たちを見てないか聞かれたので、学食にまだ居ることを伝え、軽く挨拶を済ませてから自分たちの部屋へと戻った。

 

 

 

 

次の日、廊下に平和な朝とはかけ離れた騒がしい音が鳴り響きボロボロの織斑君が倒れているということがあった。

その原因が、なんとデュノア君が本当は女の子だったということと、あのラウラと織斑君がキスをしたということだった。相変わらず織斑君の周りは賑やかである。

それにしても、デュノア君が女の子だったことには驚きのはずだが、時花はそれほど衝撃は受けなかった。今にして思うと、その事実もそう言われればそうだったと思える程に()()()()()感じがした。何故だろうか…?

 

 




これでやっと二巻分は終わりですかね。
このあとにあの兎アリスの物凄い着信音が鳴ったりしますが、ここでは書かん!


この次はオリジナル篇に少々絡む間章とかですかね?
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