第4話 始まる高校生活
「ねえねえ、噂の子1組に居るらしいよ」
「同じクラスだったらよかったのになー」
「今から見に行こうよ!」
IS学園での高校生活が始まった。
始めの授業は、軽い自己紹介で終わった。
宝条を見ていると、学校が始まる前に渡された参考書のことを思い出す。
参考書が電話帳並みに分厚いってどうゆうことですか。
現実逃避気味でスルーしてたら宝条がにこやかな顔で逃げ場を潰してくるし。
天使のような悪魔の笑顔ってああいう表情のことを言うのだろうか…。
そして現在、休み時間に入り、クラスの女子が次々と出て行く。
理由は簡単。
ISの性質故に実質女子校だったIS学園に男が入学したからだ。
時花もつい先程知ったのだが、世間が入試シーズンの時に何の手違いなのかISを動かした男子がいたらしい。名は
世界初の男性IS操縦者としてニュースにも取り上げられ、今年IS学園に入学し時花とは別の1組に入ったらしい。
そういえば、1組の担任の名前も"織斑"らしい。なにか関係があるのかな?
(ちなみにここまで全て周りから聞こえてきた話)
それにしてもこの周りの反応はアレだろうか。
女子校ゆえの同世代の異性を見る機会が少ないことと、女尊男卑の世の中で突然同じ立場の男が出たことへの興味、といったところなのだろうか。
そんな中、隣の席の女子(―――えっと、シィナさんだっけ?)は時花と同じく1組の男子に特に興味を示すことなくぼーっとしていた。
時花はなんとなく話しかけてみることにした。
「1組の様子、見に行かないの?」
シィナは答えない。
時花は独り言として処理されたことに少々恥じらいを感じ、窓の外を向いた。
すると、隣から声が聞こえた。
「興味ない」
時花の言葉は聞こえていたようだ。
その声はふわふわとしてはいたが簡素なものだった。
「シィナさんは何でここに来たの?」
「…命令だから」
命令…。
命令でIS学園に入学するって一体どんな環境で居たのさ。
きっと時花には分からない程に複雑なのだろう。
国家さえ絡むIS事情は分からないけど分かりたくもない気がする時花だった。
「そういう貴女はどうして?」
あ、今の感じ、小動物みたいでかわいい…ってそういうことじゃない。
シィナが意外にも聞き返してきた。
「私は…成り行き…かな?」
IS学園に来た理由は正直言って自分の意思はなかった。
あのISと出会っていなければ、時花はこの場には居なかっただろう。
普通の高校に通い、変化のない生活を続けていただろう。
けど、今考えると少し違うことに気付いた。
あのコアのことを知る。
IS学園に来た時花が本来持つことのなかった目標。
そんな事を考えているうちに、時間は過ぎ、次の授業開始を告げるチャイムが鳴った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「あ、そうそう、皇さん」
一連の授業が終わり、教室から出て行こうとしていた宝条が時花を呼ぶ。
気になったクラスメートが見つめる中、時花は宝条の下に行くと宝条は周りを気にした風もなく、話し始めた。
「部屋の話なのだけど、今日から正規の部屋に移ってもらうから、私の部屋に荷物を取りに来てから新しい部屋に移ってね」
言うことは言ったとばかりに、宝条はそれだけを言って教室を出て行く。
部屋割りの書かれた紙を渡された時点で予想してはいたけど、同年代に比べて少なめと思えるとはいえ荷物の移動は面倒だなぁ。というか私だけじゃなかろうか、荷物の移動をするのは。
…面倒臭がっててもしょうがないから荷物取りにいこ。
すごい区切っていくぅ