「箒さん、部屋に入れてください!すぐに。まずいことになるので。というか謝るので。頼みます。頼む。この通り!」
…なにあれ?
自分の荷物を全て旅行用バックに叩き込み、
その中心からは若い男の声が。
女子校であるIS学園に居る男子は一人しかいない。
この人混みの理由は納得したけど、あれほどの必死さって一体どういう状況なの…。
するとガチャッという音と共に織斑一夏はその場の部屋に入り、取り囲んでいた女子たちはその部屋の扉に耳を当てたりして中の様子を窺おうとしていた。
アウトじゃないそれ。まあいいか。
時花はあの空気に混ざる気力もないので、女子たちが織斑一夏を追って動いたことで生まれた廊下の端の隙間を通って自分の部屋へと向かうことにした。
廊下の角を曲がる頃、後ろから続きが聞こえてきた。
「あれー?終わっちゃったー」
「いい感じだったのにねー」
…結局、扉開けたんだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
時花は自分の部屋の扉を開く。
すると、二つの大きなベットのある部屋だった。
…いや、なんというか他の感想を求められても困ると言うか、正直に言って宝条の部屋と大体一緒というか。
言うほど驚きはない。
それにしても部屋の鍵が開いてたからルームメイトが既に居ると思っていたのに見当たらない。
と思っていると、今入ってきた扉が再び開いた。
そこに居たのは教室で時花の隣の席に座っていた毛先だけが黒い白髪の少女、シィナだった。今改めて見ると変わった色してるなぁ。
「えっと…ここの部屋なの?」
時花がそう言うとシィナは頷いた。
時花は自分もこの部屋であるということを伝えるとシィナは特に気にした様子もなく部屋に入り、奥のベットに置いてある自分の荷物を片付けている。
というか荷物少なっ。全部で時花の半分もない。
とりあえず時花は荷物を空いている側のベットの傍に自分の荷物を置くことにした。
荷物の置き方が悪かったのか、荷物が倒れその拍子に中身が飛び出し辺りに散らばる。
「あーもうっ」
こうなるのだったらちゃんと閉めておくんだったなぁ。
時花は散らばったものを集めてベットの上に置く。
大概が私服や本など、転がったりしないものだった為、集めるのはさほど苦労はしなかった。
だけど、転がるようなものもないわけではなく。
ISのコアは丸みを帯びているため反対の壁まで転がっていく。
「?」
シィナが飛び出したISのコアを不思議そうに拾う。
「ありがとう」
シィナが拾って持ってきてくれたので時花は礼を言ってコアを受け取る。
時花は荷物を確認するが、その後ろではシィナが戻らずその様子を見ている。
え、なんで?
「…これが気になる?」
シィナは頷く。どうやらコアが気になるようだ。
まぁ、それもそうか。各国が欲する貴重なコアが入学したての学生が持っているのなら気になるか。コアと分からなくてもこんな小さい機械の使い道が分からないだろうからね。
「えっと…あんまり言い触らさないように言われたけど……諸事情で持つことにISのコアなんだ」
「…コア?本当に?」
あ、やっぱり一度では信用されないよね。
「といっても他と比べて結構特殊らしいんだけどね。…教室でさ、私がこの学園に来た理由を成り行きって言ったよね。実はこのコアが原因だったりするんだよね」
そういえばあの時、なんで私に声が聞こえたんだろう。
あの声はこのコアを積んだISのものだったものはなんとなく理解している。
どうして、ISに関わったことのない私だったのだろう。
「それ、どうするの?」
「このままっていうのもなんだから、どうせだから今度ISを組んでみようかなぁ…って思ってみたり。この前に会った生徒会長さんが手伝ってくれるって言ってたし」
あれ、その場合は何処に行けば会えるんだろう?生徒会室とかあるのかな?
「あ、何だったらその時は呼ぼうか?」
シィナは頷いた。
まだ始める時期が謎なのに少しずつ制作メンバーが増えていく。
なお、メカニックとしての腕は謎。
こうして夜が更けていった。
…どこかから大きな音が聞こえた気がするけどスルーしよう。
アカン(エコー)
少しペースがだれてきた(;´∀`)