時花がクラス代表に決められた日の放課後。
シィナは先に自室に帰り、IS制作を少しでも進めるとしても
「たしか第三アリーナだったよね」
「おりむー勝てるかな~」
「相手が代表候補生だからねー」
「個人的には織斑《おりむら》君に勝ってほしいけど、二人とも同じクラスだからなー複雑」
「おりむー本当にIS動かせるのかな~」
「いや動かせたからIS学園に入学したんじゃない」
「ほら早くいこう」
すれ違った女子たちがそんなことを言っていた。1年のようだけど、見たことないから多分他のクラスの子だろう。それにしても第三アリーナで何かあるのだろうか?
気になった時花は、特に予定もなく夕食まで時間があるので第三アリーナを覗くことにした。
第三アリーナの観客席に着くと、ちらほらと観客が存在し、その中央のフィールドには青いISが空中で停止していた。そのISには縦ロールのある金髪の女子(――見かけだけなら絵に描いたようなお嬢様)が操縦していて、その女子はある一点を見つめている。
すると、その見つめていた先、向かいのピットから白いISが飛び出してきた。
そのISは危なげな飛行をしながら青いISと向かい合うように停止した。
白いISが登場してから観客席が盛り上がった。その原因はISの操縦者にある。そのISを操っているのはIS学園唯一の男子である
「逃げずに来たことは褒めて差し上げますわ」
さっき廊下で聞いたのはこういう事だったのか。
でもなんでこんなことになってるのだろう?
時花は状況が読み込めていなかったが、中央の二人は少々険悪なムードを醸し出していた。
「そういうのはチャンスとは言わないな」
「そう?残念ですわ。それでは…お別れですわね!」
青いISが突然ライフルを構え、独特な音と共に閃光が奔り、白いISは正面から撃ち抜かれた。
それからも雨の如き怒涛の連続射撃は続き、白いISは確実に追い詰められていった。
だが、そこで白いISはようやく武器を展開させた。
その武器を見て観客席はざわついた。
「え!?射撃型を相手に近接武器!?」
「無茶だよ!」
そう、展開させたのは近接格闘装備であるブレード一つだけ。
だがその展開を皮切りに白いISの動きは少しずつ良くなっていった。
今目の前で繰り広げられているレーザーライフルによる精密射撃型とブレードによる近距離格闘型は、戦闘スタイルが正反対であり、一見すると射撃型が有利なように見えるがそうではない、一定の距離さえ保ち続けることができれば射撃型が有利ではあるが、距離さえ詰めることができれば射撃型は効力を生かし切れず格闘型に軍配が上がる。この戦いは如何に自分の距離で戦えるかの勝負である。
その後、二十分は過ぎただろうか。
距離は一向に縮まらず、戦況もあまり変わらない。
「では、そろそろ…フィナーレと参りましょう!」
変わらない戦況に業を煮やしたのか、はたまた今迄のは遊びだったのか、青いISは四基のビットを射出する。そのビットはそれぞれバラバラな軌道を描いて飛行し、レーザーで白いISを狙い撃つ。
白いISは危なげではあるがそれらを全て躱して青いISに急接近する。
だがそれは罠だったようで青いISは隠していたミサイルを放つ。白いISは回避行動が遅れ、直撃。爆煙が包む。
アリーナに静寂が訪れる。
煙が晴れ、そこに居るはずの白いISは先程より洗練された姿へと変化していた。
「なに、どういうこと!?」
「織斑君の専用機の形が変わってる!」
観客席から声が上がる。
「まさか…
青いISを操る少女が驚いた表情でそう言った。
白いISがその手に持つ新しくなったブレードの刀身が変形し光の刃を放出する。
すると、洗練されたのは姿だけでなくその性能もであり、白いISは一気に加速、はだかるビットを全て斬り伏せ、青いISの正面まで急接近する。ブレードの間合いまで迫り、その刃が青いISを振り下ろされる。
誰もが織斑一夏の勝利を確信した瞬間、試合終了を告げる音がアリーナに鳴り響いた。
『試合終了。勝者、セシリア・オルコット』
周囲はおろか、戦っている当人たちすらこの結果は飲み込めないようで、呆然としている。
そのまま教師に促され二人はそれぞれのピットに戻っていった。
「…え?結局どういうこと…?」
「さぁ…?」
ギャラリーには謎が残った。
時花も少し釈然としないが一応覗き見てる立場なのでこの辺で撤収することにした。
そういえばこうしてIS同士の戦いを見たのは初めてかもしれないなぁ…。
原作沿いは危ない気がしてならない(;´・ω・)