ある日の放課後、自室に帰ろうとしていた時花は廊下で偶然
「やっぱりクラス代表になったのね…」
「拒否権なんてなかった」
「まぁ、もうすぐクラス対抗戦があるから、専用機持ちの方がある程度有利だったりするからね。…出来てないけど」
クラス対抗戦…そういえばそんな行事があるって聞いたなぁ。
たしか各クラスからクラス代表が出場して競い合うとかなんとか。
え、参加しないとダメなの?
「それにしてもこのISは変わってるわね。私でもあまり見たことない技術が使われてる。これは何かしら?」
現在進行形で制作中なのだが、この場に居る全員には一つ疑問があった。
それはISの制作状況が知らぬ間に進んでいるのだ。
前回制作して以降呼び出していないので本来ならば五体さえ揃っていない状態なのだが、今回呼び出した際には完成してはいないが五体が揃っており、一部の鎧のような装備まで付いていた。
そして楯無が触っているのは増えていた箇所の一つ、操縦者の腰元を左右から覆うように付いているスカートアーマー。
「ただの装甲…ではなく遠隔無線誘導型武器の一種かしら?」
「先輩、こういうことってあるんですか?」
こういうことというのは勿論、ISが勝手に開発していることに対してだ。
だが楯無はすぐには答えなかった。
「…ISが武器を独自に開発するというのはないわけではない…けどそれは形態変化する
周りに特殊特殊と言われていたけど、これもそうゆうことなのだろうか。
「…まぁ気になることは色々あるけど、ここまで形が出来てるのならそろそろ動かしながらしましょうか」
そう言うと楯無は時花をISの中心へと誘った。
時花はISに身体を預けるようにもたれかかると、ISは時花の身体を包むように装着されていく。
すると時花の中に何かが流れ込んでくる。
何!?これ!私の中に何かが流れてくる感じ!
情報?このIS…いやコアの記憶?
初めてあった時と同じであろう黒いIS、海の上を飛んでいる景色、見たことのないISの数々、そしてどこか悲し気な顔の女性。
知らないはずなのにどこか素直に否定できない自分がいる。
「どうしたの!大丈夫!?」
「え…はい…」
波のように押しかけて来た情報が引いていく。
それどころか何を見たのかもう覚えていなかった。
ただ…喜びや悲しみが混じった複雑な感情だけが残った。
すると、今のに反応するようにISが淡い光を放った。
そして光が治まると、機体は透き通るような白に染まり背部には天使の翼のようなウィングスラスターが追加され、その装甲には赤や青、黄色のラインが入っていた。
時花の目の前にディスプレイがいくつも表示される。
「もしかして
楯無が驚くのも無理はないだろう。
まだ完成には程遠い状態だったのが突然最適化まで終わった状態になったのだから。まるで時間が飛んだように。
「調子はどう?」
機体を動かしてみる。特に不調はなく各所が生身の身体のように動く。
「授業で動かしたISよりも動かし易い」
「貴女のことよ」
「?大丈夫ですよ」
「そう」
一体どうしたのだろう?
「それで完成したのなら名前が必要ね」
名前か…これ自分で付けていいのかなぁ?
その時、ふと脳裏に一つの名前がよぎった。
「…
「
何故と言われても思い浮かんだとしか答えようがないんですが…。
楯無はそれほど答えに期待していなかったのか、さて、と話も作業も切り上げようとした。
「あの、ありがとうございました」
「また困ったときはお姉さんが手伝ってあげるわ☆」
なんかすごい楽しそうだなぁ。
そこで時花は一つ疑問を思い出した。
「そういえば、なんでここまで手伝ってくれたんですか」
「興味があった…というのもあるけど、本当は…妹にどこか似ていたからかな」
先輩の妹?それって…
「このあいだの先輩に似た子ですか?」
「ええ…ってこの話はもういいわよね。もう夕食だから私はもう行くわ」
あ、今もの凄い雑な切り上げ方をされた。まぁいいか。
整備室に残された時花はもう少し自分のISに乗っておくことにした。
これが私の専用機。前に見た姿とは結構変わったけどこれでこの子はまた飛べるんだ。
これからよろしく。
そこでふと思い出した。
「あれ?そういえば…武装は?」
専用機完成してしまった(´_ゝ`)