リサちゃん、誕生日おめでとう。
あと少ししたら、『最強チームAL4』の発売日ですね。
ファントムブラスターに、1ダメージ効果を付けて良かったのだろうか……?
それではどうぞ。
何もない休日。やる事がない。
自室で予定を確認してみるが本当に何もない。宿題もない。ないったらない。
せっかくの休日なのに、やる事がないとはこれ如何に。
その部屋……というか、家主である水無月悠里は溜息を吐いてしまう。
「……暇……」
藍音学院の校内にある図書室でも行こうかと思ったが、図書室整備中、という事を思い出した。なんとも運が悪い。
昨日は色々あった。
午前中は千聖と2人で散歩、午後は花音に自身の食生活についての説教を後から来た千聖に、こっぴどく言われ、夕方には雨の中、傘を忘れた穂乃果を家まで送り届け、彼女のデッキ構築を手伝った。
その後は注文していた和菓子を家まで持ち帰り、みんなで食べたが。
昼寝でもしようかと一瞬思ったが、如何せん眠気もない。
ならばゲームか読書でも……。
そう思ってゲーム機がしまってある収納棚ボックスを見るが、全クリしたものばかり。
最後にやったゲームは、熊と鳥が主人公のゲームだった筈……。
次に本棚に目を向けて見るが、これまた読破したものばかり。別に読んで休日を過ごしても良いが、それだと余計に退屈になってしまう……。
「はぁ……」
そして本日、二度目の溜息。
友人を誘って遊ぶという選択もあるが、忙しいのかもしれない。
暇だから何処か遊びに行こう等という"誘う"という行動は、悠里にとっては余りにも無理ゲー過ぎた。というか無理。
何より相手側にも都合があるかもしれない。
「……しょうがない」
家にいてもする事がない。
そう思いながら立ち上がり、出かける支度をする。
とりあえずの予定として、新しい本でも探そうかなと決め、自宅を後にするのだった。
スマホにメモをしてある予定表を確認する。特に用事もない。
「……暇だな~……」
偶然なのか、殆ど同じ理由で幼馴染みが、ほぼ全く同じ頃に呟いていた事は知らず、今井リサは自宅の自室のベットで寝そべっていた。
「友希那は……家族と出かけるって言ってたし、紗夜はヒナと買い物で……燐子とあこも用事があるって言ってたもんな~……」
Roseliaのメンバー達の名前を上げてみるが、何の悪戯か全員都合が付かなかった。
珍しい事もあるもんだなと思ったリサは、今日はどうやって1日を過ごすか考えた。
「偶には1人で出かけてみよっかな~」
考えた末、出かける事にした。
ちょっと寂しいかなと思いつつも支度をし、自宅を後にするのであった。
街へ出て、とりあえず歩き、なんとなく見つけた本屋で悠里は自分好みの面白そうな本を探す。収穫はゲームの攻略本も含め、それなりの収穫だった。
「…どこかでお弁当を食べようかな」
実は家を出る前にわざわざお弁当を作って持って来たのだ。
……といっても、お菓子を食べる感覚の量しか作ってないのだが。
近くに自動販売機を見つけ、飲み物を買う。
「それにしても……今日は暖かい……いや、暖か過ぎかな?」
今日はやけに暖かい。
この暖かさなら、絶好のお昼寝日和も可能なんじゃないかと思えるぐらい暖かい。
するとここで、ある場所を思いついて歩き出した。
最近、幼馴染みの瑠菜から教えてもらった秘密の場所。
本人曰く、「お昼寝場所にぴったりなんだよ~」との事。
しかも人も少なく、日も当たらないから、本を読むのにもベストマッチとの事。
行く場所が決まった悠里は、目的地に向かい、その場から足早に立ち去るのだった。
────ところ変わって、とあるショッピングモール。
店先で洋服を眺めながら、リサは溜息を吐いた。
その理由は、1人で見てもつまらないのだ。
「分かってたけど、やっぱ1人だとつまんないなー……」
休日という事もあってか、友達同士、家族連れ、カップル……等々、周りを見てみれば連れ添っている人々が多かった。
リサのように1人でブラブラしている女性は少なかった。
「はぁ~……」
リサは大きな溜息を吐く。
人混みの中、1人でいたせいか、返って疲れてしまった。
「やっぱ家にいた方が良かったかなー……でも、せっかく出てきたんだし……あ、そうだ!」
思いついたのは、幼馴染みで同じクラスの瑠菜から教えてもらった場所に行こう。そう思った。
静かに過ごしたい人にはちょうどいいと言っていたので、機会があったら行きたいとは前々から思っていた。
そうと決めたら、さっそく向かおうと、近くにあった自販機で飲み物を買うと、リサは足早にショッピングモールを後にした。
「へぇ~、確かにここは静かだなぁ~♪」
リサが訪れた場所。そこはショッピングモールから離れた場所にある緑豊かな公園。
瑠菜曰く、木が多いから日当たりも強過ぎないし、過ごしやすいとの事。
目的の場所は、入口から少し入ったところで、大きな木がある場所らしい……。
初めて来る場所なので、瑠菜から聞いたのを手掛かりに目的の木がある場所を探す。
5分程だろうか。その木を見つけ、近づくと変なものが目にとまった。
なんと、木の陰から人の足が覗いているではないか。
隠れスポットだけに来る人はいるんだなーとリサは思う。
動かないところを見ると眠っているのだろうか?
いったいどんな人が寝てるのかと思ったリサは、なるべく音を立てないように、ゆっくりと近づく。
そして、すぐ側まで来て相手の顔を覗き込むと……
「へっ?」
自分でも分かる間抜けな声をリサは上げてしまった。
そこにいたのは、予想もしてなかった人物。
自分と友希那の幼馴染みである少年、水無月悠里だったから。
「お~い、悠里~……」
声をかけてみるが、返事はない。
木に寄りかかり、気持ちよさそうに眠っている。
木の根元に空の弁当箱が置いてあるのが見えた。
更には、読みかけの本が彼の手に収まっていた。恐らく、ここで食事をして、読書をしていたら眠くなってしまい、そのまま寝てしまったのだろう。
「ありゃ~……完全に熟睡中だなぁ……」
起こすのも悪いと思ったリサは、彼の隣に腰を降ろし、自身も木に寄りかかる。
眠っている彼に顔を向けて見ると、あまりにも無防備な寝顔にリサは苦笑い。
「…やっぱり悠里の寝顔……可愛いなぁ♪」
試しに頬をつついてみるが、起きる気配はない。
「…もぅ、お弁当を作ってきたのはいい事だけど、作った量が少ないなぁ……」
空の弁当箱を取り、悠里が作ったであろう料理を推測。
小さい円形型の弁当箱。リサが察するに、しぐれ煮弁当だろう。
弁当箱には、何かの肉の筋や色合いを付ける為だろうか、炒り卵が残っていた。
だが量が少ない為、本人はおやつ感覚なのだろう……。
その件については後でお説教をするとして、悠里の手から本をそっと抜き取り、開く。ラノベとかそういう類のものを読んでいるのかと思っていたら、意外にも漫画だった。
「悠里もやっぱりこういうのを読むんだ~。なんか意外」
タイトルには『時の勇者シリーズ』と書かれていた。
「それにしても気持ちよさそうに寝ちゃって……何の夢を見てるんだろ?」
「ん……」
「今なら膝枕やっても起きないかな?」
そう思ったリサは、悠里の頭を自分の膝に乗せる。
寝心地が良いのか、さっきよりも綺麗な寝息を立てていた。
「……ん、あれ……寝ちゃってたか……」
時間的には夕方近く、悠里はようやく目を覚ました。
が、ここで妙な感覚に気付く。
木に寄りかかりながら寝ていた筈なのに、頭の後ろが柔らかい。
すると、誰かのクスクスと笑う声が聞こえた。
「おっはよー☆ 悠里。目は覚めた?」
「…………え?」
徐々に視界がハッキリとし、飛び込んだ人物を見て、思わず悠里は疑問の声を上げる。
「…………えっと、リサちゃん?」
「そうだよー☆ もしかしてまだ寝ぼけてんの~?」
「半分だけ………というか、眠気が未だ覚めない…………」
「しょうがないな~。悠里が楽になるまで、膝枕は続行ね☆」
膝枕されてたんだと今更ながら心の中でツッコみつつ、幼馴染みのご厚意に甘える事にする。
「それにしても……リサちゃんがなんでここにいるの?」
「アタシ? 前に瑠菜が静かに過ごしたい場所を見つけたって言ってたから、せっかくだから寄ってみたんだ。悠里は?」
「…僕も同じ。ルーちゃんが、お昼寝場所にピッタリな場所を見つけたって言ってたから……」
つまるところ。
マイペースな幼馴染みのお陰で2人は偶然にも会えたのである。
「ねぇ、悠里」
「……ん? 何?」
「今度、Roseliaのみんなでここに来ない? お弁当とか作ってさ」
「それ名案。ピクニックやバンドの会議にも使えると思うよ」
そう言った2人の表情は楽しそうだった。
今日は暇な1日だった。
だけど、退屈な1日にはならなかった。
その日、日が暮れるまで、2人は木の下で色々な事を話したのであった。
余談だが……
「それよりも悠里? お弁当の量が少なかったけど、ちゃんと食べてるの!?」
「えっと……はい」
「悠里~? アタシの目をちゃんと見て言おっか?」
リサに膝枕をされたまま、お弁当の事で、お説教をされる悠里の姿があったそうな……
読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。