月の少年の休日日記   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
台風……凄かったですね。今も落ち着かないです……
今回は、回想とファイトが混じった回になります。
楽しんでいただけると嬉しいです。

それではどうぞ。


第25話 日下部アン

「「弟子って女の子なんですか!?」」

「…………(驚くところ、そこなのね。予想はしてたけど……)」

 

悠里に弟子がいる事をティアから聞き、驚く海未と紗夜。

2人の反応を見て、ティアは驚くところはやっぱりそこかと言おうと思ったが、心の中にしまって置いた。

 

「「い、いい何時からなんですか!?」」

「少し2人共、落ち着きなさいよ……ユーリ、アンを弟子にしたのいつ頃だったっけ?」

「……えー? いつだったかな……半年前とちょっと過ぎじゃない?」

 

未だに落ち着かない海未と紗夜を落ちつかせながらティアは、運転席にいる悠里に尋ねる。聞かれた彼は、何とか思い出そうと記憶を引っ張り出す。

 

「……というか、その頃ティアちゃんも一緒だったじゃん」

「あ。確かにそうだったわね。あの時は確か……」

 

悠里に指摘され、ティアも思い出す。

そして彼女は海未と紗夜に『日下部アン』について話す……

 

 

────遡る事、半年前と数日……

 

 

ある日の休日。

ティアは、悠里の家に遊びに来ていた。

 

「……ユーリ、そのデッキのクラン何?」

「…んー? ギアクロニクルって書いてあるね?」

「なんで疑問形?」

「僕も分かんない。朝起きたら、何故か握ってた」

「…………」

 

それはなんていうホラーだと内心ぼやくティア。

友人の家に遊びに来てみたら、デッキと睨めっこしている悠里を発見。そして今に至る。

 

「どういうデッキ構造になってるの? それ」

「…メインデッキが50枚、完全ガード4入りね? で、Gユニットが8枚。Gガーディアンを含めての枚数だけど。トリガーはトライアルデッキ方式の4種」

 

淡々と答える悠里にティアは、最早そのデッキの中身は初心者用トライアルデッキじゃないでしょと言いたかった。

 

「……バミューダ(トライアングル)の代わりに使うの?」

「…そうだね。幸運な事にそっちはとりあえず完成したけど」

「好かれてるわね」

「…シャルにも言われた。好かれてますねって」

 

一度失ったクランを再び取り戻せて良かったわねとティアは内心思う。実際、今の悠里はほんの少しだけ笑っているのだから。

 

(というか……ユーリがバミューダ△のデッキを取り戻したって事は……勝てる気がしないわ。カレンとルナが聞いたらどう思うのかしら?)

 

止めておこう。これ以上考えたら頭が痛くなる。

そう決めたティアだった……

 

「……どっかのカードショップで大会やってないかなぁ?」

「ユーリ、その事なんだけど……」

 

そう呟いた悠里にティアは忘れてたとばかりに、スマホの画面を悠里に見せる。画面には、家からは少しだけ遠いが、ヴァンガードの大会が開催されていた。

 

「行ってみる?」

「……行く。念のために泊まりの用意もしていく」

「決まりね」

 

10分後に、ティアの家の前に集合しようとの事で各々、支度をする事にした。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

特急電車を使って1時間30分。

2人は目的地である、とあるカードショップに着いた。

休日だけあって、店内はたくさんの人で一杯だった……

 

「今回は、トーナメント方式みたいね?」

「そうだね。ティアちゃんとも当たるのかなぁ?」

「少なくとも最初でユーリとは当たりたくないわね。私は……」

 

受付を済ませた2人は、大会が開始されるまでの間、談笑していた。

 

「そういえばユーリって誰からヴァンガードを教わったの?」

「あーそれは……」

「只今からヴァンガードの大会を開催しますので、参加者はファイトテーブルについてください~!」

 

ふとした疑問をティアに聞かれた悠里が答えようとした時、大会開始のアナウンスが鳴ってしまったので、とりあえず保留という事になった。

 

「皆さ~ん。位置につきましたか? 今回はトーナメント方式です。その名通り、一度負けたら次の試合に進む方式です。準決勝からは、1人ずつのファイトになります」

 

眼鏡をかけた店長のルール説明を聞く悠里とティア。

説明を聞く途中、レジカウンターで『店長代理』と書かれた猫が悠里をじーっと見ていたが、悠里が君も大変だねと込めた視線を送ると猫は小さい鳴き声を上げた。

 

「それでは……ショップ大会……スタート!」

『スタンドアップ……』

「「ザ……」」

『ヴァンガード!』

 

そして今、ショップ大会が開始された。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

大会は順調に進み、残すは決勝戦のみだった。

 

「さぁ! 残すは決勝戦! 先ずは、このショップ大会初の参加者! 水無月悠里君!」

 

店長に自己紹介される悠里。

正直こういう雰囲気は慣れてないので、勘弁してもらいたい。

ちなみにティアは、準決勝で敗北したので観戦側である。

 

「そしてこの店の優勝経験者でもあり常連の、日下部(くさかべ)アンさん!」

 

対する相手は、黒いボブヘアーで花びらのヘアピンを付けている少女だった。見た感じは悠里より年下ぽかった……

 

「よ、よろしくお願いします」

「よろしくね?」

 

なんか怖がらせるような事をしちゃったかなと内心ビビりながら思いつつも、ファーストヴァンガードをセットし、デッキをシャッフルする。

 

「お二方、準備はよろしいですか?」

「「はい」」

「それでは決勝戦……スタート!」

「「スタンドアップ……」」

「ザ・」

「「ヴァンガード!」」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ライド、『スモークギア・ドラゴン』。ヴァンガードにアタック」

 

「ノーガードです」

 

お互いに順当にライドもし、グレード2のヴァンガードにライドした悠里のアタックが終わり、お互いのダメージは1対1。次はアンのターンである。

 

「私のターンです。ライド、『忍竜(にんりゅう)デュアルウエポン』。忍竜(にんりゅう)ヒトダマハンドラーのブースト、ヴァンガードにアタックです」

 

「ノーガード」

 

2点目『スチームメイデン イミ』

 

「ターンエンドです」

 

「…僕のターン、スタンド&ドロー……『スチームメイデン エルル』にライド。コール、『ツインメーザー・ドラゴン』、『スモークギア・ドラゴン』」

 

V『スチームメイデン エルル』

右前列『スモークギア・ドラゴン』

左前列『ツインメーザー・ドラゴン』

左後列『ガンナーギア・ドラコキッド』

 

「……(相手の子は"むらくも"。ギアクロニクルとは相性悪いんだよなぁ……)」

 

自分が初めて使うクラン、ギアクロニクルは相手のユニットを時の彼方……デッキの下に送ったり、ガード制限が出来るクラン。

対するアンが使うクラン、むらくもは手札を使わずに同じ名前のユニット……分身を呼ぶことが得意なクラン。しかも呼んだ分身は、ターン終了時に山札の下に置かれるので、ギアクロニクルとは相性最悪だった。

 

「…バトル。スモークギアでヴァンガードにアタック」

 

忍獣(にんじゅう)ドレンチサーペントでガードです」

 

SLD 10000、ガード成功

 

「エルルでヴァンガードにアタック」

 

「ノーガードです」

「ドライブチェック」

 

1『スチームメイデン メリアンナ』

2『スチームメイデン サドゥム』☆

 

「クリティカルトリガー。パワーはツインメーザー、クリティカルはエルルへ」

 

ツインメーザー・ドラゴンのパワーが9000から、14000に上昇し、ヴァンガードのエルルはクリティカル2となり、ダメージポイントが2点追加される。

 

2点目『忍獣リーフラクーン』

3点目『忍妖キリフブキ』

 

「ガンナーギアのブースト、ツインメーザーでヴァンガードにアタック」

 

「ノーガードです」

 

4点目『傾城(けいせい)の忍鬼アゲマキ』引

 

「ドロートリガー。1枚引きます」

「…ターンエンド(ダメージに置かれた新規のリーフラクーンと新規守護者(センチネル)…キリフブキ……そして前のターンにライドしてたディアルウエポン。となると次のターンに来るのは……)」

 

ターンエンドを宣言した悠里は、アンのダメージゾーンに置かれたカードを分析する。そして彼女が次に出してくるカードも予測出来た。ましてストライドもあるので、下手したら、次の自分のターンなんて回ってこないかもしれない。なので、次に備える為のガードプランを練る。

 

「私のターンです。スタンド&ドロー。ライド、『隠密魔竜(おんみつまりゅう)ヒャッキヴォーグ』。イマジナリーギフト・アクセル! アクセルサークル展開です!」

 

「…やっぱりヒャッキか……(これで4回攻撃……いや、下手したら5回攻撃かな? かな?)」

 

「コール。アクセルサークルに『隠密魔竜ヒャッキヴォーグ』、『忍竜(にんりゅう)カトンスレイヤー』、『忍竜セイリョウレイド』をコール」

 

「……(ストライドなし? もしかしてコストが足りなかったのかな?)」

 

「アクセルサークルにいるヒャッキヴォーグのスキル発動です。カウンターブラスト1枚と手札を1枚捨てる事で、山札からヒャッキヴォーグをスペリオルコールします」

 

V『隠密魔竜ヒャッキヴォーグ』

中央後列『忍竜ヒトダマハンドラー』

アクセルサークル『隠密魔竜ヒャッキヴォーグ』

左前列『隠密魔竜ヒャッキヴォーグ』

右前列『忍竜カトンスレイヤー』

右後列『忍竜セイリョウレイド』

 

「更にヒャッキヴォーグのスキル発動です。自分のユニットが5枚以上なら、このターン中、ヒャッキヴォーグ全てにパワー+10000です!」

 

「すっげー。ストライドしなくてもあんなパワー出せるのかよ!?」

「あの子、やっぱりスゲーな」

「相手の人、もう打つ手がないんじゃねーの?」

 

ファイトの行く末を観客が言う中、悠里はアンの盤面を見る。

 

「…………(ヴァンガードが22000。カトンスレイヤーがスキルとブーストを合わせて18000。左前列のヒャッキヴォーグがヴァンガードと同じく22000。アクセルサークルのヒャッキヴォーグが32000。ヒトダマハンドラーのスキルも考慮。それなら……)」

 

「バトルです! 先ずはブースト無しのカトンスレイヤーでヴァンガードに……「全てノーガード」えっ!?」

 

バトルフェイズに入った途端、悠里の言葉にアンの手が止まる。否、店内の全ての人間が目を見開いた。

当の本人は、何か変な事を言ったばかりに首を傾げる。

 

「どうかしたの?」

 

「あの……今、なんて……」

 

「……? リテイク必要? じゃあもう一回宣言するね? ()()()()()()()。ブースト無しのカトンスレイヤーのヴァンガードへのアタックだよね?」

 

「は、はい……(どうして? あんなに手札があるのに……)」

 

3点目『スチームメイデン サニラー』

 

「ヒトダマハンドラーのブースト、ヒャッキヴォーグでヴァンガードにアタック……です……」

 

さっきの宣言が冗談であってほしいと思い、アンは悠里を見るがドライブチェックをどうぞと言わんばかりに目線でアンのデッキを見ていた……

 

「ド、ドライブチェック……」

 

1『忍獣ドレンチサーペント』醒

 

「スタンドトリガー。カトンスレイヤーをスタンド、パワー+5000……セカンドチェック……」

 

2『忍妖タマユキ』治

 

「ヒールトリガー。パ、パワーはカトンスレイヤーに……」

 

スタンドトリガー、ヒールトリガー、2枚のトリガーが出た事で、カトンスレイヤーは元々のパワー9000から、19000に上昇する。

 

「ダメージチェック……」

 

4点目『ブラスウイング・ドラゴン』

 

「セイリョウレイドのブースト、カトンスレイヤーでヴァンガードにアタック……スキル発動、パワー+2000」

 

「ダメージチェック……」

 

5点目『スチームメイデン ジュシール』引

 

「ドロートリガー。1枚ドロー……パワーは()()()()()()()に」

 

「っ!?(ヴァンガードじゃなくてリアガードに!?)」

 

本来のこの局面なら、ダメージトリガーはヴァンガードにパワーを回す筈だが、悠里は躊躇う事なくリアガードにパワーを回す。

そのプレイングを見た観客は言葉を失う者が多かった……

 

「リ、リアガードのヒャッキヴォーグで、ヴァンガードにアタックです」

 

流石にダメージ5だしガードするんじゃないかとアンと観客は冷や汗をかきながら、悠里の反応を伺う……

冗談であってほしいと。しかしその考えは甘かった。

 

「ダメージチェック……」

 

全員の考えも虚しく悠里はダメージチェックを行う。

そして最後のダメージチェックは……

 

6点目『スチームメイデン ウルル』治

 

「ゲット。ヒールトリガー。ダメージポイント1回復(リカバリー)。ヴァンガードに+5000」

 

ヒールトリガーをゲットし、悠里はダメージゾーンから、回復させるカードを選び、ダメージトリガーで得たパワーをヴァンガードに回す。

これにより、エルルのパワーは、11000から16000に上昇する。

 

「すげぇ……運良くヒールトリガーを引きやがった」

「で、でもまだアクセルサークルのユニットが残ってるんだぜ?」

「流石にガードするだろ」

 

観客がそれぞれの意見を言いながら悠里を見るが、何故か恐怖しか感じなかった。追い詰められてるのは向こうの筈なのにと……

 

「…………」

 

一方でアンは悠里を不思議そうな目で見る。その瞳は諦めでは無く、言葉では表しずらい目。

今まで姉やその知人、学校の友人、色んな人とファイトしてきた。それこそ悠里のような高校生共だ。この人は本当に今から行う最後のアタックをノーガードで実行するのだろうかと……

 

「アクセルサークルのヒャッキヴォーグでヴァンガードにアタックです!」

 

「ダメージチェック……」

 

本当にノーガードを実行してきた。

最後のアタックで出たダメージチェックのカードは……

 

6点目『スチームメイデン ウルル』治

 

「ゲット。ヒールトリガー。ダメージポイント1回復。パワーは……なんでもいいか。スモークギアに」

 

「ターンエンド……です」

 

アンのターンエンド宣言に店長を含めた観客全員が悠里を唖然とした表情で見る。

本当に全ての攻撃を手札があるのにも関わらず、ノーガードを実行し彼のターンに回った事を。

 

「…スタンド&ドロー。()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

その発言に再び全員が驚く。

今、彼はなんと言った? 少なくともファイナルターン宣言したのは確かだ。

だがダメージは、アンが3、悠里が5という圧倒的に不利だと言うのにも関わらずファイナルターン宣言をしたのだ。

 

「…………(驚くのも無理はないわね。そりゃただのファイナルターンじゃないからね。何せ、ユーリがその宣言をした暁には……)」

 

しかしたった1人。ティアだけが意味を知っていた。同時にアンを可哀想な目で見る。

 

「……ジェネレーションゾーン、解放(リリース)……」

 

超越コスト

『スチームメイデン イミ』

 

「…今こそ示せ。我が真に望む世界を……ストライドジェネレーション。『時空竜(じくうりゅう)ミステリーフレア・ドラゴン』」

 

エルルをストライドさせた悠里は、メインフェイズに移行する。

 

「…『メーザーギア・ドラゴン』を2体コール」

 

V『時空竜ミステリーフレア・ドラゴン』

中央後列『メーザーギア・ドラゴン』

左前列『ツインメーザー・ドラゴン』

左後列『ガンナーギア・ドラコキッド』

右前列『スモークギア・ドラゴン』

右後列『メーザーギア・ドラゴン』

 

「…バトルフェイズ。ガンナーギアのブースト、メーザーギアでカトンスレイヤーにアタック」

 

「忍妖タマユキでガードです」

 

SLD 10000、ガード成功

 

「メーザーギアのブースト、スモークギアでカトンスレイヤーにアタック」

 

「(またリアガードを……)ノーガードです……」

 

「……メーザーギアのブースト、ミステリーフレアでヴァンガードにアタック」

 

「ノーガードです」

 

「チェック・ザ・ドライブトリガー……」

 

1『スモークギア・ドラゴン』

2『スチームスナイパー リシュマ』

3『スチームメイデン ジュシール』引

 

「ゲット・ザ・ドロートリガー。1枚ドロー、パワーはスモークギア」

 

「ダメージチェック……」

 

4点目『関門の忍鬼アタカ』

 

「アタックがヒット。ミステリーフレアの能力解放(アビリティブラスト)、山札の上から4枚公開。公開したカードのグレードが4種類以上なら、カウンターブラストを4枚払う事で、追加の1ターンを得る」

 

「追加1ターン!?」

「そんな事できるわけねえだろ!?」

「失敗するだろそれ!?」

 

ミステリーフレアのスキルを見たアンは、1人の友人を思い出す。その友人はミステリーフレアのスキルを成功させた。

だけど、目の前の人はどうなんだろう? 奇跡的なスキルを成功させるとでもいうのか?

 

「…君が思ってる質問の答えだけど……」

「えっ?」

「……とある絶対の魔女が言っていた。天文的確率なんて、絶対の意志さえあれば掴みとれるものさ」

 

アンが思っている事に悠里は微笑みながら手を山札の上に置く。

 

能力解放(アビリティブラスト)、デッキトップ・クワドラプルチェック……」

 

1枚目『ブラスウイング・ドラゴン』グレード1

2枚目『ツインメーザー・ドラゴン』グレード2

 

ここまでで、公開されたカードのグレードは2種類……全員が息を呑む。

 

3枚目『スチームメイデン ウルル』グレード0

4枚目『スチームメイデン エルル』グレード3

 

「グレードが4種類の為、条件達成。追加(エクストラ)ターンゲット。もう1度僕のターン。スタンド&ドロー」

 

本当に追加ターンを獲得させた悠里。

全ユニットをスタンドさせ、追加ターンに移る。

 

「バトルフェイズ、メーザーギアのブースト、エルルでヴァンガードにアタック」

 

「ノーガード……です」

 

「チェック・ザ・ドライブトリガー」

 

1『スチームメイデン サドゥム』☆

2『スチームメイデン サドゥム』☆

 

「ゲット。ダブルクリティカルトリガー……エルル、パワーはスモークギアとツインメーザーへ」

 

クリティカルが2枚出た事により、相手にダメージポイントが3点加算される。

 

「ダメージチェックです……」

 

5点目『強硬の忍鬼ホウカク』

 

「ノートリガー、セカンドダメージチェック……」

 

6点目『忍妖キリフブキ』

 

「ノートリガー、私の負けです……」

 

「しょ、勝者、水無月悠里君!」

 

アンのダメージポイントが6となり、店長が悠里の勝利を宣言した。

そしてファイトを見守った幼馴染みであるティアは思う。

 

(チェックメイト・ザ・ファイナルターン。それはユーリの攻撃が相手の6点ヒールさえも打ち破る絶対の勝利確定宣言。それを越える事が私、カレンとルナの目標……)

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「……とまぁ、こんな感じかしら」

「「鬼ですか」」

 

なんやかんやであった事を海未と紗夜に説明する。

そしてそれを聞いた2人の一言がそれである……

 

「正直、私もアレは鬼という一言で片づけていいのか分からないけどね……」

「……それで大会の閉会式が終わった後に、声をかけられて弟子にしてくださいって頼まれた」

「ユーリ、何回も断ってたものね?」

「……僕の方が折れたよ」

 

運転席から、悠里が溜息を吐きながら答える。

実は悠里とティアは、海未と紗夜には言っていない続きがある……

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ショップ大会が終わり、人も殆ど居なくなった後、ブースターパックをいくつか買った2人……

 

「師匠、テクニカルブースターパックを買ってみました♪」

 

訂正……アンを含めた3人である。

ショップ大会が終わった後、悠里に声をかけ『弟子にしてください!』と頼まれたのである。

悠里は最初、断ったが何度もお願いされ……しまいには……

 

『……どうしても……ダメ……ですか?』

 

半分涙目+上目遣いをやられ、悠里、とうとう折れる。

呼び名も何故か『師匠』と現在進行形で呼ばれている……

 

「ユーリが折れるなんて珍しいわね?」

「……あんな仕草をされて、断ったら僕が中学2年生の女の子を泣かせたみたいじゃないか」

「……ドーンマイ(ユーリに弟子入りを許可させるなんて……アンは色んな意味で才能あるわね)」

「? 師匠、どうかしましたか……?」

「……なんでもないよ。なんでも」

 

弟子なんてとるような柄じゃないのに……と悠里は内心溜息を吐く。

 

「アンちゃん。そういえばどこかに、美味しいお店って知らない?」

「飲食店……ですか? 安くてメニューが豊富な場所なら知ってますけど……」

「…じゃあ3人でそこに行こう。お兄さんが奢ってあげる」

「えっ? ユーリ……本当にいいの? 明日は宝くじが当たるのかしら?」

「……何その例え。二言はないから安心して?」

 

次の目的地が決まった3人は、カードショップを出て、アンが勧める飲食店に向かおうとしたが1人の黒髪の男性が3人を待ち構えていた。

 

「久しぶりだな」

「……アンちゃんとのファイト中にやたらと強い視線を感じましたが、やっぱり貴方でししたか」

「ユーリ、この人誰?」

盛谷颯樹(もりやさつき)。よろしく頼む」

「ご丁寧にどうも。如月ティアです。ユーリの幼馴染みで親友です」

「…自己紹介早っ……」

 

悠里がティアにつっこんだ瞬間、颯樹はデッキを取り出し……

 

「悠里、お前の力を見せて見ろ。ヴァンガードファイトだ」

 

悠里にファイトを申し込むのだった。

 

「……(まぁなんとなくこの展開は予想できたけど)」

 

自身もデッキを取り出そうとした時……

 

『ユーリ、今回は私達が出る……』

『そうです! マスター! あの人に今の私達を見せつけてやりましょう!!』

「…ふっ……(分かったよ。だから連れて来たんでしょ?)」

 

マーメイドの2体が悠里に私が出ると思念で伝えてきたので、今回……というか自分の本来のクランで目の前の彼に挑もうと思った。

 

「…その挑戦受けます。ヴァンガードファイトです!!」

 

突如始まった謎の男性とのファイト!!

はたしてその結末は……?




読んでいただきありがとうございます。
アンちゃんの使用クランは『むらくも』、カテゴリー『ヒャッキ』軸です。
『幻魔再臨』でヒャッキヴォーグが出てから、大歓喜でしたので、これにしました。
今回、悠里が使ったギアクロニクルのデッキレシピは、後で活動報告に乗せておきますので、「よくこれで勝てたな……」と褒めてあげてください。
次回は、咲野 皐月さんからのリクエストで、咲野 皐月さんとのオリキャラとファイト回になります。
……最後の自己紹介の上手く表現できたかなぁ……(ちょい不安)

次回、第25.5話『幻の歌姫(ファントムディーヴァ)VS最強の暴竜(オーバーロード)使い』

サブタイは仮です。場合によってはサブタイを変えるかもしれません。

自分なりに頑張りますので、次回もよろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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