月の少年の休日日記   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
海未ちゃん、誕生日おめでとう。
もう少ししたら、トライアルデッキの発売ですね。

それではどうぞ。


特別編 海未の誕生日

「「……((ね、寝れません……))」」

 

とある水無月家の部屋の一室にて。

2人の少女は同じ事を思っていた。海未と紗夜である。

 

「紗夜、起きてますか?」

「はい、起きてます」

 

海未が隣で寝てるだろうと紗夜に声をかけると返事が返ってきた。

 

「その……寝れますか?」

「恥ずかしながら……その……寝れませんね……」

「ですよね……」

「「はぁ……」」

 

同じタイミングで2人は溜息を吐く。

理由は、単純、寝付けないから。

自分の家ならまだしも、他人の家……まして悠里の家なら余計に眠れないからだ。

付け加えるなら、好きな人の家だから。

 

「一階の展望台でも行きます? 今もあるかは分かりませんけど……」

「展望台……ですか?」

 

海未の言葉に紗夜が首を傾げる。

 

「はい。小さい頃に悠里君が教えてくれたのを思い出しまして。このまま眠れないよりかはいいかなと」

「それは……まぁ……そうですね。」

 

苦笑いしながら言う海未に紗夜は一理あるかなと思い承諾。

2人は部屋を出て廊下に出る。他の人達を起こさないように。というか、悠里の家とはいえ、夜の廊下を歩くのは、若干の抵抗がある海未と紗夜であった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

階段を降りて、リビングのドアをそっと開ける。

すると、テーブルに一枚の紙が置いてあった。気になった海未と紗夜は携帯のモバイルライト機能を使い、明るくしてみると……

 

『悠里です。真夜中ですが、ちょっと黄昏てきます。朝方辺りには戻ると思う……多分……』

 

そう紙に綴ってあった。

 

「…紗夜、これ……意味、解ります……?」

「すみません。分かりません……ただ、悠里さんの事ですから……散歩じゃないですか? 多分……ですが」

 

自分達なりに、悠里が書いた手紙の意味を考えたが、はっきりとした考えは浮かばなかった……

 

一応、手紙を持ち、海未はリビングの窓を開ける。

記憶を頼りに見渡すと、見えにくいが、階段のような物を発見した。

こっちですと紗夜に言い、案内していく。

階段を登りきると、大きければ、小さくもないくらいの小屋のような建物が屋根ギリギリに鎮座していた……

 

「近くで見ると……大きいんですね……」

「誘った私が言うのもなんですけど……ほんとにそうですよね……」

 

そう言いながら中に入ろうと、入口のドアに手を開けようとした時、何故か内側からガチャと音が鳴り扉が開く。

 

「あら」

「「えっ!?」」

 

出てきたのは、千聖だった。

これには、海未と紗夜も驚かざるを得ない。

2人の表情を見て事情を察した千聖は、とりあえず中に入れるのであった……

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「そう。2人も眠れなかったのね」

「という事は……白鷺さんもですか?」

「半分は2人と同じね……」

 

展望台の小屋の中。

テーブルに置いた紅茶の湯気が支配する中、紗夜の疑問に千聖は半分正解と言う。

 

「もう半分は、私個人の意見になっちゃうけど、不思議とここに来たくなっちゃうのよ。どうしても……」

「なんとなく分かります。私もはっきりした理由は分かりませんが、何故か来たくなるというか……」

「でしょ?」

 

千聖の説明に海未が答える。

 

「あの……ここに来る途中に悠里君と会いました?」

「悠里? 私は会ってないけど……」

「ここに来る時に、こんな手紙がリビングに置いてあって……」

 

そう言い、海未はリビングで見つけた手紙を千聖に渡す。

 

「…黄昏てくるって……悠里らしいといえばらしいけど……あぁでも、黄昏てくるって表現を使ってるから……近くにいるわね、きっと」

 

内容を理解したのか溜息を吐きながらも、分かりやすく海未と紗夜に説明する千聖。

 

「近くというと……ここから悠里さんを捜せたりしますか?」

「…盲点だったわ。そうよ、よくよく考えたらここ展望台じゃない……」

「あっ。そういえば……そうでしたね」

 

紗夜の一言に自分達が今いる場所が何なのかを思い出した千聖と海未。

 

「この部屋の何処かにツールがあるって、悠里君が昔言ってた気がするんですが……」

「あ。それ、私も昔聞いた事があるわ。なんかリモコンみたいな形をしてるって……」

「あの……リモコンってこれの事でしょうか?」

 

記憶を頼りに悠里が昔言っていたリモコンについて海未と千聖が話してると、紗夜がそれらしき物を見つけたようだ。

 

「紗夜ちゃんそれどこにあったの……?」

「花瓶の近くに置いてありました」

「「花瓶……?」」

 

何故、花瓶の近くに置いてあったのかはさておき、リモコンの電源ボタンを押す。

すると3人の目の前にホログラムが映し出された。

 

「地図です……よね……?」

「いえ、正確には……悠里さんの家から見た全体地図……ですよね……」

「ええ。今青く点滅してる場所が、悠里の家だから……ここから近い……且つ、悠里がいそうな場所は……」

 

すると3人の声に反応したのか、画面が切り替わる。

どうやら、声で探索場所を指定できるらしい……

 

「(…悠里君……また私の前からいなくなったりなんて……)」

 

しませんよね……と海未が不安になりながら思った時、画面が再び切り替わった。

映し出された場所は、悠里の家から近いタワーだった。

 

「……? あの……タワーの頂上の鉄骨付近に人がいませんか?」

 

紗夜の言葉に海未と千聖は目を凝らす。

よく見ると確かに人らしき者がいる……だがしかし余りにも高いタワーで視えない。

というか、高すぎないか……?

すると、今度は画面がアップに切り替わる。

それを見た3人は驚きの余り言葉を失う。何故なら……

 

 

タワーの頂上の鉄骨付近に……

 

 

悠里が座っていたのだから。

 

 

「(…どうして……悠里君は、あんなに……)」

 

そして海未は、悠里が何故あんなに悲しそうな表情をしているのか、理由が解らなかった。

その表情は中学の時に一度だけ、はっきりと見た()()()()()()にそっくりだったから……

 




読んでいただきありがとうございます。
間に合って良かったです。
誕生日回なのに、若干……暗くなってしまった気が……?(そんなつもりは無いです)
そう感じてしまったら、申し訳ありません……
次の投稿は、紗夜ちゃんと日菜ちゃんの誕生日になると思います。
一応、この誕生日回の続き兼纏めのような感じにしようと思ってます。
次回もよろしくお願いします。
※ファイト回は、あと2~3話くらい先になります。すみません……

本日はありがとうございました。
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