月の少年の休日日記   作:ゆるポメラ

53 / 75
ゆるポメラです。
オーダーカード、便利ですね。
『クイックシールド』は後攻の時に確かに便利だなと思いました。
メインデッキに入れるオーダーカードは、実際に使ってみないと強く感じないと実感しました(実際に回してみて思った)

今回は若干のシリアス要素が入ってます。

それではどうぞ。


第29話 悠里の中に眠りし幼馴染み

「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」

「…………(これは想定外だ)」

 

朝の9時30分。水無月家のリビングにて。

悠里は正座していた……いや、させられたという表現が正しいか。

目の前の9人……穂乃果、海未、ことり、友希那、紗夜、リサ、燐子、千聖、花音の視線が痛い。

ちなみに妹である涼香は藍音学院内にある洋服屋で入荷チェックがあると言っていた為、この場にはいない。

 

「…あのさ? 何もここまでしなくてもよくない?」

「しなきゃ悠里ははぐらかすでしょ」

「…………」

 

悠里の考えを見抜いてるのか千聖はバッサリと言い切る。

おそらく内容は昨夜の事についてだろう。そして朝辺りに千聖が海未と紗夜以外の6人に話したのだろう………悠里の推測だが。

何せ、悠里がリビングに入った途端、一斉に何か言いたそうな視線だったから。

そして極めつけは……

 

『おねえちゃん達とちゃんとお話した方がいいよ?』

 

と、涼香の言葉で話す事にしたのである。

そしたらとりあえず正座と言われ今に至る………

 

「……で? 何が訊きたいの? 答えられそうなのは答えるけど」

 

悠里はそう言うと、何か質問はある?と言った感じで9人に視線を向ける。

すると海未が口を開く。

 

「どうして……あの時……部活を退部させられたんですか?」

「……簡単に言うと、とあるバカの逆恨みだよ。逆恨み」

 

質問に淡々と答える悠里。

なんでも弓道部の大会が終わったその日、九毛流一(くもうりゅういち)とかいう金持ちが悠里にヴァンガードファイトを仕掛け、負けた腹いせに顧問や部員を買収し、悠里を退部に追い込んだとの事。

 

「…で、聞き捨てならない言葉を言われたからつい"あまり強く吠えるなよ。弱く見えるぞゲロカス"って言ったら、まぁファイトが雑になるわで滑稽だったけどね?」

 

クックククっと、普段の彼からは想像つかない不気味な声で答える。

他に何かある?と言うと穂乃果が口を開いた。

 

「卒業式の後に……ゆうちゃんの家が無かったのはどうしてなの?」

 

これは海未とことりの代弁でもあった。

そして尤も自分も含めて悠里に訊きたかった事。どうしてあの日を境にいなくなってしまったのかと……

 

「…家を藍音学院に引っ越ししてたのと、()()()()()()()()()()()()()に行ってた。花怜ちゃんやルーちゃん、ティアちゃんに付き添われてだけど」

「リハビリって何? 少なくとも私と花音が1()()()()()()()()()()()()していた事とは、別の事に聞こえるけど」

「ち、千聖ちゃん、落ち着いて……」

 

千聖が低い声で悠里に詰め寄るが、花音に抑えられる。

そして事情を知らない他の7人に花音が簡単に説明する。1年前に悠里が2人を庇い車に轢かれた事。そこからリハビリ生活があった事も。

しかし千聖は、悠里の今の言い方に違和感を感じたのだ。

そして彼は、暗い表情で口を開いた。

 

「……()()()()()()。中学3年の時に声が出なくなっちゃってさ。正確には今もなんだけど」

「「「「「「「「「っ!?」」」」」」」」」

 

その言葉を聞いて彼女達は衝撃で言葉を失う。

 

「しゃ、喋れないってどういう事!? 今だってちゃんと喋ってるじゃん!!」

「悠里。笑えない冗談を言うのは止めて」

 

リサと友希那が言うが悠里は首を横に振り……

 

「…言葉が足りなかった。僕がこうやって喋れるのは()()()を介してるから。ただ声が出ないのは変えられない事実だから」

 

淡々と答えた。

それを聞いた全員は言葉を失う。

 

「…依り代って何?って言いたそうな顔をしてるから簡単に言うけど、僕の場合は…………痛ッ!」

 

瞬間、悠里が頭を片手で抑え体勢が不安定になりふらつき始めた。

その様子を見た全員が傍に寄るが彼は、大丈夫だと言いながらも立ち上がり………

 

「……このタイミングか。あのさ、友希那ちゃん、リサちゃん、ちーちゃん………」

 

ふらつきながらも友希那、リサ、千聖に弱々しく口を開く。

 

「…説明はちゃんとするからさ? あんまり………責めないで……あげ……」

『疲労が限界値を超えました。暫しの間、所有者の任意の元、スリープ状態に移行します』

 

悠里の首に付けてあるチョーカー型のペンダントから音声が鳴り、青紫色の粒子が彼を包み込む。

やがて粒子が消え姿を表したのは1人の少女だった。

 

「…………」

「嘘………」

「どういう事……」

「アタシも分かんない………」

 

千聖、友希那、リサは少女の姿を見て驚きを隠せなかった。

他の6人も状況が呑み込めなかった。突然、悠里が消え、入れ替わりに目の前の少女が現れたのだ。

 

少女は身長は158cmくらい。濡れたような漆黒の長髪。

フリルが大胆にあしらわれた黒いドレスに身を包み、ノースリーブの左腕には黒い龍のような紋章が入りこんでおり、時折動かす足は黒いストッキングに包まれていた。

 

悠里の家のリビングだというのに、無骨な黒いブーツを履いていた。

そして少女は、千聖、友希那、リサを見て口を開き……

 

「……まぁ……その、千聖、友希那、リサ。久しぶり……」

 

そっぽを向きながら、3人に答えた。

 

「り、璃夢~~!」

 

その言葉を聞いて真っ先にリサが抱き付いた。

 

「ちょっとリサ!! 暑苦しいから抱きつかないで!!」

「だ、だって~~!」

「友希那、リサを止めなさい。千聖も!!」

「別にいいんじゃないかしら?」

「そうね。璃夢、リサの性格は知ってるでしょ?」

 

止める気はない友希那と千聖を見て璃夢は奥の手を出す事に。

 

「…千聖、友希那の将来の夢……」

「「っ!?」」

「あぁ。それともこれがいいかしら? そう。あれは6年前。千聖が薫と服選びに行った時……」

「リサちゃん? 璃夢が困ってるから離れてあげましょ? ねっ?」

「えっ? なんで?」

「そしてこっちも6年前。友希那がお昼寝していた悠里君に対し、寝ていた事を良いことに……」

「リサ。今すぐ璃夢から離れて」

「ちょ、ちょっと……友希那もどうしたの?」

 

千聖と友希那は何か弱みでも握られているのかと他の6人は思ったそうな。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「あ~ごめんね? えっとアタシと友希那と瑠菜と悠里の幼馴染みの璃夢」

「……夜月璃夢(よづきリム)。よろしく……」

 

落ち着いたところで、リサが璃夢を6人に紹介する。

しかし、璃夢は素っ気ない態度。

 

「璃夢。ここにいるみんなは貴女が思ってる以上に悠里の事を信用できる人達よ? それが解らない貴女じゃないでしょ?」

 

千聖が誤解を招かないようにフォローする。

すると彼女はこう言った。

 

「……解ってるわよ、それくらい。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

どうやら、この少女。

根っこは悪い訳じゃないらしい。千聖の表情を見てよく分かる。

更に言うとリサも、まぁまぁと笑いながら言ってる。友希那も微笑んでる為、3人との交友関係が窺えた。

 

「で? 私に何を聞きたいわけ? 悠里君が声を出せない件? それとも私?」

「全部ね」

「即答ね」

 

千聖がバッサリ言うと、璃夢はふぅと溜息。

 

「まぁいいわ。その前に…………」

 

璃夢はそう言うと、リビングに入るドアを見つめ………

 

「……盗み聞きなんて、あんたらしくないわね」

 

呆れた声で呟いた。

するとドアが開き、入って来たのは………

 

「あはは~。バレちゃったか~………」

 

瑠菜だった。

これには、璃夢以外は驚きを隠せなかった。

何せ、誰も気配に気づかなかったから。

 

「………1人?」

「今はわたしだけだよ~。璃夢ちゃん警戒し過ぎ~」

「…今はって事は、2人は別の場所にいるのね。その方が私は好都合なんだけど」

 

2人……というのはおそらく花怜とティアの事だろう。

しかし璃夢の表情を見る限り、嫌そうな顔をしていた。

仲が悪いのだろうか……?

 

「璃夢ちゃんがいるって事は~、ゆうくん、倒れちゃったの~?」

「…頭痛と疲労。しばらくは休ませてるわ」

「そっか~。ゆうくん、72時間、寝てないって言ってたもんね~」

 

璃夢と瑠菜の会話を聞いた一同……

 

「「「えっ……? な、72時間……寝てない?」」」

 

穂乃果、海未、ことりは唖然とし……

 

「72時間……っていうと……ゆうりくん、3日間……寝てないって事ですよね?」

「そういう事になりますね……」

「友希那……これはね……?」

「そうね。説教ね」

 

燐子、紗夜が解釈し、リサと友希那は説教確定にしようと2人で決め……

 

「…………」

「ち、千聖ちゃん……? お、怒ってるよね……? 悠里くん……流石にこれは私も怒るよ? 覚悟しておいてね……?

 

千聖は無表情だが完全に怒ってる。

そして花音もだった。まぁ、当たり前だが。

 

そんな彼女達の様子を見た瑠菜が一言。

 

「じゃあ~、ゆうくんをお説教したいなら~、ここにいるみんなでファイトしようよ~」

 

いつものマイペースな声で言った。

 

「……(回復した後……悠里君、大丈夫かしら?)」

 

璃夢は1人そう思ったそうな。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

瑠菜の提案で藍音学院内を案内される御一行様。

その数9人。

璃夢と瑠菜を入れれば11人。更に璃夢の中にいる悠里も含めれば12人だが。

 

「は~い。着いたよ~♪」

 

着いた場所は、水無月家から歩いて15分弱。

噴水置き場と森林、そして花畑がたくさんある巨大な公園だった。

 

「じゃあ~、みんな~。このくじを引いてね~♪ 同じ色の人が対戦カードだよ~♪」

 

何処から取り出したのか、瑠菜がクジ引きを取り出す。

言われた通り引くと……

 

「青ですね……」

「私も青ですね……」

 

 

青色:海未、紗夜

 

 

「…赤ね……」

「璃夢も赤? アタシも赤だったよー☆」

 

 

赤色:璃夢、リサ

 

 

「わたし、真っ白だ~」

「これって白だったんだ……」

 

 

白色:瑠菜、ことり

 

 

「友希那ちゃんも黄色? 穂乃果もなんだー♪ よろしくね♪」

「ええ。よろしく」

 

 

黄色:穂乃果、友希那

 

 

 

「ふえぇ~、真っ黒……」

「黒い……ですね……」

 

 

黒色:花音、燐子

 

 

 

「これって青紫色……? 私と同じ人って……」

「千聖ちゃんのはお楽しみだよ~♪」

 

千聖は青紫色を引いたが、瑠菜がお楽しみだと言った。

試しに璃夢に視線を向けてみたが、彼女も視線で"まぁ楽しみにしておきなさい。瑠菜の事だし"と言ってるのが伝わった。

 

『ファイトを開始します。1回戦目は青色の選手です。選手はヴァンガードサークルがある位置に移動してください』

 

何処からか音声が鳴り選手名を伝える。

青色……つまり、海未と紗夜だ。

そして2人は言われるがまま、移動をする。移動した事を確認すると、サークルが光だしファイトテーブルが出現する。

 

「お互い悔いのない戦いにしましょう紗夜。負けませんが」

「ええ。そうですね。私も負けませんが」

 

お互いにデッキをシャッフル、そしてファーストヴァンガードをセットする。

 

『ファイト……スタート!!』

 

「「スタンドアップ・ヴァンガード!」」




読んでいただきありがとうございます。
次回はファイト回です。
1回戦目は、海未ちゃんと紗夜ちゃんになります。
サブタイは…………未定です。
頑張りますので、次回もよろしくお願いします。
本日はありがとうございました。

※オリキャラの簡単なプロフィールです。


夜月璃夢(よづきリム)


容姿イメージ:『怪談彼女』の黒川夢乃

誕生日:12月12日、いて座

血液型:A型

一人称:私

使用クラン:???、???(作中で公開)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。