花音ちゃん、誕生日おめでとう。
短いかもしれませんが、楽しんでいただけると嬉しいです。
それではどうぞ。
ファイトを終えた友希那と小さい悠里は、観客席に戻る。
ちなみに手を繋ぎながらだが。
そしてもちろん友希那、表情は絶賛真っ赤だが……
「で? 友希那~? さっきの『ゆきちゃん』って何かな~? アタシも初耳なんだけど、説明してくれるよね?」
「うっ……そ、それは……」
リサの一言で今度は真っ青な表情になる友希那。
なんとかしてと横目で小さい悠里に訴えるが……
「んー……なんか見覚えがあるおねーさんだなぁ。ちーちゃんやゆきちゃんにも驚いたけど」
リサを見ながらうーんと唸っていた。
フォローする気はゼロである。
「うーん……僕の知り合いで一人称がアタシ……そして妙にお洒落さん。で、ゆきちゃんの知り合い……となると、リサちゃんかな? かな?」
小首を傾げながら、リサを見る小さい悠里。
その仕草を見たリサは……
「~~~~っ!! そうだよ~♪ アタシだよ~♪ あ~もう♪ 悠里めっちゃ可愛いんだけど♪」
「リ、リサちゃ……く、苦し……」
抱き上げて頬擦り。
あまりにも強く抱きしめた為か、小さい悠里は助けてのヘルプをする。
「リ、リサちゃん……あんまりやると……ゆーくんが……」
「そ、その…脳トロボイスと忘れない髪型と呼び方は……ことちゃん?」
「あ~ん♪ ゆーくん可愛い~♪ ことりもぎゅーする~♪」
「…………」
小さい悠里を助けてあげようとリサを止めたつもりのことりだが、その仕草に負けてしまい、奪い取る形で小さい悠里を頬擦り。
おい、お前もかと言いたげな表情をする小さい悠里。
「今井さん! 悠里さんが可哀想じゃないですか!!」
「ことりも何やってるんですか! 悠里君を窒息させる気ですか!!」
小さい悠里を過剰に愛でている2人から、強引に引き剥がす紗夜と海未。
「あいがと~……見覚えがありそうなおねーさん」
少し目をぐるぐる回しながら海未と紗夜にお礼を言う小さい悠里。
呂律がちょっと回ってないが……
「…ん? よく見たら……」
「?」
焦点が戻ったのか、小さい悠里は紗夜をジッと見つめ……
「やっぱり
『さーちゃん……?』
「なっ!?」
友希那とはまた別の渾名を紗夜に向かって言う小さい悠里。
それを聞いた一同……主に花咲川女子学園組が……
「し、
「良かったわね、紗夜ちゃん。悠里に可愛い渾名を付けてもらえて♪」
「あれ? でもなんで悠里くん……紗夜ちゃんの前では言わなかったんだろう……?」
燐子、千聖、花音が口にする。
特に千聖は満面の笑顔だ。まるで自分と同じ仲間ができた♪みたいな感じで。
「紗夜? ちょっとあっちで話があるんだけど」
「奇遇だね友希那♪ アタシも紗夜に話があったんだ♪」
「み、湊さん!? 今井さん!?」
そして何故か友希那とリサに連行される紗夜。
「……(紗夜。無事でいてください……)」
「ところでおねーさんはなんで僕の頭を撫でてるのー?」
「えっ?」
小さい悠里を無意識に撫でていた海未。
まぁいいけどさと言う小さい悠里。すると彼はこんな事を口にした。
「実は昨日さー? みーちゃんっていう幼馴染みから2人だけでお出かけしませんか?って連絡があったんだけどさ……」
「そ、そうなんですか……(それ私ですよね!? 一体何を考えてるんですか当時の私は!?)」
「…………(じー……)」
まさかの自分の事に焦る海未。
しかも、穂乃果とことりから送られる視線が痛い。
「初めて会った時から恥ずかしがり屋だったから、なんとか僕がフォローしなきゃーなって。きっと大きくなったら美人さんになってるに違いないと思ったわけさ」
「い、いえ……そんな……」
「? なんかおねーさん。反応がみーちゃんにそっくりなような……? それでね? 女心を頑張って理解しようとしたけど、ダメだったよ。みーちゃんに悪い事しちゃったなー……」
「そんな事ないです! 悠里君はいつも私の事を気遣ってくれました!」
「そっかぁー……ん? おねーさん、もしかして……みーちゃん?」
ここで小さい悠里、撫でている少女の正体が海未だと気づく。
「もうなんなのさ! ことちゃんだけじゃなくみーちゃんまで! 成長したら美少女じゃないか! はっ……!! ほのちゃんも絶対美少女になってるよ! そうに違いない!」
「び、美少女……えへへ、ゆうちゃんに美少女って……」
半ギレしながらぷんすこと頬を膨らませる小さい悠里。
そして穂乃果の成長した姿を予想。そして目の前で照れてる穂乃果を見つけると……
「……成長しても、ほのちゃんは変わらずの美少女なのであった」
何かを悟った表情をするのであった。
「海未ちゃ~ん? ことり、ゆーくんが言ってた話……詳しく聞きたいなぁ?」
「あっ!! そうだよ! 海未ちゃん、ちょっとあっちでお話だよ!」
「ちょっと!? 引っ張らないでください!?」
そして海未も穂乃果とことりに連行されてしまった。
そこで瑠菜と璃夢が連行された紗夜と海未を助けに向かうのであった……
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「みんな遅いなー……」
「悠里。貴方がだいたいの原因だって解ってる……?」
小さい悠里の一言につっこむ千聖。
そう言うと彼は失敬なと言いながら……
「だってさ、まさか幼馴染みみんながあんな美人さんになってるなんて思わないじゃん! 予想はしてたけど!」
「予想は……してたんだ……」
自覚はしてるよ?と言う。
その発言に燐子が苦笑いで答える。
「ちーちゃん、燐子ちゃん、それに
「……(な、なんか悠里くんにそう呼ばれるの……久しぶりだなぁ)」
どこぞの打ち止めがやりそうな口調で3人に訴える小さい悠里。
特に花音は昔の渾名で呼ばれ少し緊張気味。
「……ただでさえ僕、普通以下なのに自信無くすなぁ。まぁ別にいいんだけど……」
ちょっとへこむ仕草をする小さい悠里。
「「「…………(((そういえばこの頃からだった)))」」」
自分を卑下し過ぎる癖は恐らく……いや多分確実にこの頃からだと確信する千聖、燐子、花音。
この場に居ない友希那達も何かしら思うところがあるだろう。
「ところでさ? 3人って彼氏とかいるの?」
「「「いないよ(わよ)」」」
「そ、即答……?」
小さい悠里の質問にバッサリと答える3人。
しかも秒速である。
「もしかして3人の学校って恋愛禁止とか?」
「そ、そんな事ないよ。私達の学校……女子校だから……」
「女子校かー。クラスとかで浮いた話とかないの?」
「そ、それは……」
なんて答えればいいか分からない花音は千聖に視線を送る。
「私達のクラスでは、そういう話はあまり無いのよ。燐子ちゃんのクラスは?」
「わ、わたしのクラスでもそういう話は……あんまり……」
「……ふーん。学校それぞれって事かー……」
勝手に結論付ける小さい悠里。
「じゃ、じゃあ……悠里くんが貰ってくれたら……私は嬉しいなぁ……なんて……」
「「っ!?(か、花音!?)(ま、松原さん!?)」」
いきなり小さい悠里に告白まがいな事を恥ずかしながら言う花音。
突然の事に驚きの表情をする千聖と燐子。
そして彼は花音を否……
「
それはとても意味深な笑顔で…………
読んでいただきありがとうございます。
間に合って良かったです。
花音ちゃんの誕生日回の筈が他のみんなも出してしまった気が……あるぇ~?(・3・)
途中、りんりんが『志野』という人名を出しましたが、こちらは咲野 皐月さんからのリクエストオリキャラになります。
このリクエストオリキャラは、第3章から本格的に登場させるので、ご了承くださいませ。
使用クランは『リンクジョーカー』とだけ言っておきましょう。
次回は友希那ちゃんと穂乃果ちゃんのファイト回になります。
頑張らなきゃ……(使命感)
本日はありがとうございました。