月の少年の休日日記   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
予告通り、ファイト回になります。
少し暗めな要素も入りますが、ご了承ください。

それではどうぞ。


第37話 巡り逢うファイト

謎の少年、リフィとファイトする事になった千聖。

瑠菜の掛け声で7回戦目が開始される。

 

「「スタンドアップ」」

「ザ・」

「「ヴァンガード!」」

 

その瞬間、2人の足元に水面が現れ、月の光が辺りを照らす。

小雨が降り続ける夜の海岸という神秘的なファイトフィールド。

 

「『バミューダ△候補生 リヴィエール』」

「チサト、呼びましたか?」

 

千聖は花音と同じバミューダ△。対するリフィは……

 

「…グレード0、『多彩な笑み(カラフル・スマイリング) フラッテ』」

「「「っ!?」」」

 

同じくバミューダ△だった。

そのファーストヴァンガードを見た千聖、友希那、リサは驚きを隠せなかった。

何故なら……

 

「どうして……そのクランを……貴方が……」

「…そんな事、僕に勝ってからにしろ」

 

フラッテのレアリティがコモンではなく、フレームレスのSPだったから。

それを使用してる人物は、彼女が知る中ではただ1人だけ……

友希那とリサも千聖と同じ考えだった。

千聖が動揺しながらも問うが、リフィは自分に勝ってからにしろと一蹴。

 

「マイターン……ドロー。ライド、『沈黙の歌姫 イスカ』。フラッテは先駆で中央後列にコールだ。ターンエンド」

 

「私のターン、ドロー。『マーメイドアイドル リヴィエール』にライド。1枚ドロー……相手のヴァンガードがグレード1以上なので、クイックシールド・チケットを手札に」

 

そしてそのままバトルフェイズに移行する。

リフィはノーガードを選択。千聖もトリガーチェックでノートリガーだった。

 

1点目『シャイネス・ラグーナ ラプラ』

 

「友希那、今ダメージゾーンに落ちたカード……」

「…リサ、まだそうと決まったわけじゃないわ」

 

彼のダメージゾーンに落ちたカードを見て、自分達の思ってる事とは限らないと友希那は言った。

 

「…スタンド&ドロー。ライド、『シャイネス・ラグーナ ラプラ』。メインフェイズ、悪いが僕は、例えお前が相手でも容赦はしない。コール・ザ・リアガード! 『パールシスターズ ペルル』、そして……『プリティセレブ シャルロット』!」

 

リフィから見て、左列に2体のマーメイドの少女達が出現した。

 

「……嘘、どうして……」

 

千聖はペルルとシャルロットを見て動揺を隠せなかった。

 

「千聖ちゃん……どうしちゃったんだろう……」

「最初の時も……あんな感じだったよね……」

「わ、分かりません……あの人が、あの2体のユニットを出した瞬間、白鷺さんの様子が……」

 

ことりと花音の疑問に燐子が分析するが、千聖があそこまで動揺する理由が思い浮かばない……

その疑問に答えたのはリサと友希那だった。

 

「あのユニット2体は……特にシャルロットは、この世に1枚しかないカードなんだ」

「…ええ、あのユニットの所有者は世界でただ一人……()()()()の筈なのよ……」

 

2人の言葉を聞いて燐子達は驚く。

その話が本当なら、何故リフィが使用しているのだろうか……

 

「ペルルのブースト、シャルでヴァンガードにアタック」

「っ!?(その呼び方は悠里だけがしてた筈……) ノーガード……」

 

1点目『無垢の象徴 フリア』

 

「…アタックがヴァンガードにヒットした時、スキル発動。カウンターブラスト1枚とシャル自身を手札に戻す事で、別のバミューダ△をスペリオルコール。『パールシスターズ ぺルラ』を右前列にスペリオルコール」

 

シャルロットと入れ替わるかのように、リフィの手札から、ペルルの貝殻姉妹(シェルシス)、ぺルラが現れる。

 

「ぺルラのスキル。自分のリアガードサークルにペルルが存在するなら、ペルルにパワー+20000、クリティカル+1。同様にペルルもぺルラをパワーアップさせるスキルを持つ。こっちはぺルラにパワー+18000、クリティカル+1だ……」

 

尤もこの2体は永続スキルでデッキに1枚だけしか入れられないがなとリフィは付け加える。

 

「…貴方は一体……(ぺルラとペルルも悠里が昔使ってたユニット、スキルは以前と違って、2体が盤面に揃って初めて成立するスキル……)」

 

「ぺルラでヴァンガードにアタック」

 

「(パワー28000、クリティカル2……) ノーガード、ダメージチェック……」

 

2点目『実力派 サレーナ』

3点目『手作りの愛情 エレナ』治

 

「ヒールトリガー、ダメージ1回復」

「…ターンエンドだ」

 

ヒールトリガーを引き、ダメージ2で抑えられた千聖。

 

「私のターン、スタンド&ドロー。『スーパーアイドル リヴィエール』にライド。メインフェイズ、『赤面高潮(スクランブルレッド) アイレイン』を左前列にコール。バトルフェイズ、アイレインで、ぺルラにアタック」

 

「…いいだろう。ノーガードだ」

 

リアガードを守るのかと思ったが、ここでガードしてもヴァンガードに狙われそうだと感じたリフィはノーガードを選択。ぺルラに視線ですまないと謝る。

 

「スーパーアイドルリヴィエールで、ヴァンガードにアタック!」

「…ノーガード」

 

クリティカルトリガーを引き、リフィにダメージ2点が入る。

 

2点目『猛進する妹 ラペル』

 

そして3点目のダメージチェックを行われる時だった。

千聖の想いが強かったのか、リヴィエールの攻撃が実体化。その衝撃のせいか、リフィの仮面が外れた────

 

 

「…………」

 

 

カランカランと音を立てながら、仮面は地面に落ち、彼の素顔が露わになる。

 

3点目『ピースフルボイス レインディア』

 

その素顔は、どこか面影がある雰囲気。

前髪は長めのショートカットヘア、黒髪で左に分け目を作っていた。仮面が外れてしまったリフィは目を瞑る。

 

「ほらー! 仮面を付けても、女の勘でバレるって僕言ったじゃーん!」

「…そうだな。個人的には認めたくないが」

 

璃夢の膝に座りながらリフィに言う小さい悠里。

言われた本人は、溜息を吐いていた……

 

「友希那………なんか、似てない?」

「ええ。プレイングもそうだったけど、雰囲気も似てるわ……」

 

リサと友希那が呟く。

その様子を見て璃夢が口を開く……

 

「似ても何も当然でしょ。千聖が今ファイトしている相手は、紛れもなく()()()なんだから」

『えっ!!?』

 

その言葉に千聖を含めた全員が驚きの表情をする。

 

「と言っても、異なる世界のだけど。でも悠里君である事は変わりようのない事実よ」

「どういう事!? だって髪の色とか、声だって全然違うじゃん!」

 

リサの言葉に璃夢は、それは後遺症だとの事。

一方で、千聖はなんとなく……ほんとになんとなくだが、目の前の少年が実は悠里なんじゃないかと察していた。

 

ファイトにはその人間全てが現れる。それが解らない千聖ではなかった。

 

「……そうだ、璃夢が言った通り……僕は正真正銘、水無月悠里だ。友希那、リサ、千聖、紗夜、燐子、花音。そして穂乃果、海未、ことり。お前達が疑問に思うのも尤もだ」

 

自分のターンになり、カードをスタンドさせ淡々とした表情で言うリフィ……否、悠里。

渾名か名前呼び……もしくはちゃん付けする悠里が呼び捨てで彼女達を見る。

 

「僕がいては面倒な事になる。それに……お前達には、いずれ隣にいるに相応しい人間がいるんだ」

 

ほんとは小さい悠里(そいつ)に言われるまで、顔を合わせる気なんて無かったんだがな……と付け足す。

 

「…海底に佇む深遠の歌姫。その歌声を持って、天を貫き…永久の安らぎを……ライド・ザ・ヴァンガード!『ベルベットボイス レインディア』!」

 

銀色のロングヘアー、蒼い蝶のアタッチメントを付けた王冠を被り、蒼いドレスを着た女性が現れる。

 

「フラッテのブースト、レインディアでヴァンガードにアタック」

 

手札があるにも関わらず、メインフェイズでリアガードもコールせず、ヴァンガードで攻撃してきた悠里。

 

「ダメージはまだ2……ノーガードよ!」

「チェック・ザ・ツインドライブトリガー……」

 

1『海面の明星 アルデル』☆

2『重なる声 トリュディ』☆

 

「ダブルクリティカル!?」

「効果は言わずもがな……全てヴァンガードだ」

 

まさかの2枚ともクリティカルトリガーの事に驚く千聖。

しかしよく考えたら相手は、悠里には変わりない為、イカサマだとは思わなかった。

何故なら、バミューダ△を使用した悠里はユニットに愛されてる為か異次元的な引きを持つのだから……

 

3点目『リンピッドコーラス メイリーン』

4点目『要の品格 エヴィ』

5点目『心震わす声援 マリヤン』

 

「ターンエンドだ」

 

ダメージ5になってしまった千聖。

友希那とリサも、今の引きの強さを目の辺りにして、リフィの正体が間違いなく悠里だという事を確信した。

 

「私のターン、スタンド&ドロー。『トップアイドル リヴィエール』にライド、イマジナリーギフト・フォースⅠ。ヴァンガードにセット、リヴィエールのスキル、登場時、カウンターブラスト1枚と手札を1枚捨てることで、2枚ドロー!」

 

ギフト効果で、ヴァンガードはパワー23000。

更に、登場時のリヴィエールのスキルを使い、千聖は手札も増やした。

 

「アイレインのスキル。リヴィエールを含むヴァンガードが登場したことで、そのターン中、自身にパワー+10000! メインフェイズ、『スーパーアイドル リヴィエール』を右前列、『マーメイドアイドル リヴィエール』を右後列にコール」

 

V『トップアイドル リヴィエール』

左前列『赤面高潮 アイレイン』

右前列『スーパーアイドル リヴィエール』

右後列『マーメイドアイドル リヴィエール』

 

「マーメイドアイドルリヴィエールのスキル。後列にいるなら、自身にパワー+2000。この効果は相手ターン中も適用されるわ」

 

「……(両方とも、パワーラインが20000という事か)」

 

「バトルフェイズ、マーメイドアイドルのブースト、スーパーアイドルリヴィエールでヴァンガードにアタック」

 

「エレナでガードだ」

 

SLD 20000、ガード成功

 

「トップアイドルリヴィエールでヴァンガードにアタック」

「ノーガードだ」

 

1『トップアイドル リヴィエール』

2『恋への憧れ リーナ』☆

 

「クリティカルトリガー。効果は全てヴァンガードに」

「チェック・ザ・ダメージトリガー……」

 

4点目『熱々娘 スイファ』

5点目『Duo 小悪魔の角 ウラル』

 

ダメージトリガーは無し。

しかし千聖の攻撃はまだ終わらない……

 

「バトル終了時、リヴィエールのスキル発動。1ターンに1度、手札を2枚捨てることで、手札の『リヴィエール』を含むカードにスペリオルライドするわ。今加えた『トップアイドル リヴィエール』にスペリオルライド! ドライブ-1」

 

「…リヴィエールが登場したという事は……なるほど。そういう事か」

 

「そういう事よ。イマジナリーギフト・フォースⅠ、今度はリアガードのリヴィエールにセットするわ」

 

スペリオルライドしたという事は当然、イマジナリーギフトを得る事が出来る。

それだけじゃなく、アイレインのスキルも適用されるのだ。

アイレインのスキルはターン1回ではなく、自動能力なので、リヴィエールがヴァンガードに登場すれば加算されていく。

 

よって、アイレインの現在のパワーは……30000。

 

「スーパーアイドルリヴィエールのスキル。リヴィエールを含むヴァンガードが登場した時、1ターンに1度、このユニットをスタンドさせる事ができるわ」

 

「合計で4回攻撃……という事か……」

 

軽く舌打ちする悠里。

 

「スタンドしたトップアイドルリヴィエールでヴァンガードにアタック!」

「手札を1枚ドロップ、レネで完全ガード!」

 

完全ガードの為、ガード成功

 

「ドライブチェック!」

 

1『あなたに届け パーシュ』☆

 

「クリティカルトリガーゲット、効果は全てスーパーアイドルリヴィエールに」

 

これによって、

スーパーアイドルリヴィエールはアイレインと同じパワーは30000になる。しかもクリティカル2だ。

 

「アイレインでヴァンガードにアタック!」

「……(上手い手だ。確実に1点から取るか……)ノーガード。ダメージチェック……」

 

手札を確認し、ダメージチェックを行う悠里。

 

 

6点目『ベルベットボイス レインディア』

 

 

勝者は千聖という形になった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「で? ちーちゃんとファイトして気が済んだ?」

「…ああ。殴るなり好きにしろ」

「だってさ、ちーちゃん。殴っていいって! なんなら平手打ちでもオッケー!」

「しないから!? 悠里がいいって言っても絶対にしないから!」

 

千聖に言う小さい悠里。

何が悲しくて小さい悠里の目の前で、リフィに平手打ちをやらなきゃいけないのか……

 

他の8人もうんうんと同時に頷いていた。

見事なシンクロっぷりである……

 

「まぁこれで僕らの役割は終了って事だねー♪」

「…そうだな。後は、この時代の僕に任せるとするか……」

 

2人曰く、この時代での自分達の役割は終えたから、この時代の悠里と1つになるという……

 

同時に璃夢の身体が透け始めた。

それを見た璃夢を知る一同は慌て始めた。

 

「タイミングがいいわね。悠里君が回復したみたい」

「ほんとだねー♪ さっすが僕。空気は一応読めてる方だと思うよー」

「…………」

 

璃夢だけでなく、小さい悠里とリフィの身体も透け始めた。

小さい悠里はタイミングがいい自分に自画自賛。

 

「…リサ」

「えっ……?」

「消える前に、これを渡しておく」

 

リフィはリサに数枚のカードを手渡した。

 

「…ずっと前から渡そうと思ってた。渡そうと思った矢先に、友希那とお前からは笑顔が消えてしまったからな……」

「「あっ……」」

 

それを聞いた友希那とリサは、彼の言葉の意味を思い出す。

友希那の父親がバンド解散の時に周りに好き放題言われた時に、間近で聞いていた友希那はそれ以来、笑わなくなってしまったのだ……

 

「…紗夜。お前は覚えてないかもしれないが、これからも日菜とは仲良くしろよ。大変かもしれないがな。昔みたいに笑ってくれれば、僕はそれで安心できるからな……」

「は、はい……」

 

リフィの隣で小さい悠里が『え? 僕ってこんなセリフをさーちゃんの前で言ってんの? 複雑だなー』と棒読みで言った。

 

「…燐子。お前は少し自信を持て」

「う、うん……」

 

一方で、小さい悠里は『ねーねー、ちーちゃん、かのちゃん。おこがましいかもしれないけど、僕と写真撮ってくれない?』と千聖と花音にねだっていた。急なお願いに2人は驚いたが。

 

「穂乃果、海未、ことり……今まで本当に……すまなかった」

「「「あっ……」」」

 

最後にリフィは3人に謝った。

 

「ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃん。殴ってもいいんだよ?」

「な、殴れないよ!?」

「しませんよ!? 絶対!!」

「そんな事したらなんか罪悪感が……」

 

小さい悠里に言われたが、3人共やっぱり殴らなかった。

じゃあ平手打ち?と聞かれたが、全力で拒否した。

 

「じゃあルーちゃん、後はよろしくねー?」

「…すまん。後は任せた」

「は~い♪」

「…ティアによろしくね? あと一応、あのバカにも」

「直接言えばいいのに~。分かった~伝えておくね~」

 

もしや璃夢が言ってた『バカ』って花怜の事では?と一同は、理解したのであった。

この場に彼女がいたらどうなってたのだろうと一瞬気になった……

 

そして3人の身体が粒子となり、それに代わるかのように蒼色の粒子が周囲に集まり人の姿を形成し始め……

 

「…ん。ふわぁ……よく寝た。璃夢ちゃんに気を遣わせちゃったな……」

 

軽いあくびをしながらも疲労回復した、この時代の悠里が現れた。

さっきとは打って変わって、大人びた感じがするのは気のせいか?と9人の少女は悠里を見て思った。

 

「ゆうくんおはよ~」

「…ん。おはよ」

「起きてそうそうだけど~、お説教タイムだよ~」

「……は?」

 

瑠菜の言葉に首を傾げる悠里。

えっ? なんで? と瑠菜に理由を訊こうとした時だった……

 

「悠里? 璃夢が言ってた72時間の寝不足について詳しく聞かせてくれるわよね……」

「あっ……えっと……その……」

 

千聖の凄みのある笑みになんとか誤魔化そうと理由を探す悠里だが……

 

「悠里くん? ちゃんと正直に話してくれると嬉しいな?」

「…………はい」

 

極上の笑みを浮かべながら悠里に問いかける花音の姿が。

ただし千聖達もだが、全員の額に幾本の青筋が。これは怖い。

 

 

この後、花怜とティアが来るまでの間、悠里は9人の美少女に盛大なお説教を喰らう事になったのは言うまでもない。

 




読んでいただきありがとうございます。
次回は第2章、最後のファイト回になります。
ファイトする相手は穂乃果ちゃんの予定です。

────次回、第38話『悠里の旋律(メロディ)


サブタイは仮です。場合によってはサブタイを変えるかもしれません。

自分なりに頑張りますので、次回もよろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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