月の少年の休日日記   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
今回はティーチングファイト回です。
この作品でティーチングファイトを書くのは初めてですね……

それではどうぞ。


第40話 悠里のティーチングファイト

しずくにヴァンガードを教える事になった悠里。

ファイトテーブルにある溝口にデッキケースを読み込ませ起動させる。

 

久しぶりに使うタイプなので、相変わらずハイテクなテーブルだなと悠里は思った。

 

「最初にファイトする場所……というか、フィールドを選ぶんだけど……どこがいいか希望はある?」

 

「えっと……あ。ここで……」

 

「…ん。それじゃあ、フィールドはここね」

 

しずくが選んだフィールドを見て、意外だと思った悠里。

 

「先ず最初にグレード0のカードを選んで、ファーストヴァンガードにセットする。左上に数字があると思うんだけど……」

 

悠里の説明に自分のファーストヴァンガードを探して見つけたしずくは、盤面に裏向きでセットする。

 

「次に、よくシャッフルした山札から初期手札として5枚引く。ここで1回だけ引き直しができるんだ。グレードが1から3まで揃うようにするのがコツだけど……どう?」

 

「その、グレード2が見つかりませんでした……」

 

「そっか。じゃあ引き直しの説明もするね? 前のルールでは引き直しをしたいカードを山札にシャッフルしてから引き直すカードを引いてたんだけど、少し前にルールが変わって、引き直しをしたいカードを山札の下に置いた後に、カードを引くになったから、やってごらん?」

 

「はい。あの、この場合って何枚戻した方がいいですか?」

 

「しずくちゃんは初めてだから、2枚の方がいいかもね。グレード2以外は揃ってるみたいだし」

 

言われた通りにしずくは引き直したいカードを2枚、山札の下に置き、カードを2枚引いた……

 

「あ。揃いました」

 

「じゃあその後、もう1回山札をシャッフルしてね?」

 

「はい」

 

「次は先攻か後攻を決めるんだけど……今日はしずくちゃんにも説明しやすいよう僕が先攻で」

 

「はい!」

 

「ちなみに基本はじゃんけんかサイコロとか……人によって決め方は色々だから、その辺は頭の片隅に置いておいてね?」

 

まぁ僕や友人はサイコロで決めるのが殆どだけどね?と付け足す。

 

「僕達は今から惑星クレイという異世界に行って戦う事になる」

 

「惑星クレイ……?」

 

「うん。ヴァンガードはイメージとユニット達との信頼力かなと僕は思ってる。ユニット達の力、ファイトの展開、相手の心理、それらを制した者が勝利を掴める。イメージしてみて? 僕達がこれから戦う世界を」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ここは……」

 

「しずくちゃんが選んだダークゾーンの円形劇場。僕達は今、何の力も無い霊体としてクレイにいる。このままじゃ当然何もできない。だから僕達に力を与えてくれるユニットを呼び出す……それがヴァンガード、導く者という意味」

 

なんて……カッコつけすぎたかな……この説明。と内心苦笑いする悠里。

 

「導く者……」

 

「僕達はヴァンガードにライドして、惑星クレイで戦う姿を得る。イメージしてごらん? この子達が自分自身になる瞬間を……」

 

「…………」

 

「それじゃあ始めるよ?」

 

「はい!」

 

「「スタンドアップ・」」

 

「ザ・」

 

「「ヴァンガード!」」

 

悠里によるティーチングファイトが開始された。

 

「グレード0、『セレナ』」

 

悠里はバミューダ△。

 

「『ハピネス・コレクター』」

 

しずくはペイルムーン。

 

「先ずは僕のスタンド&ドロー……って言っても、最初のターンはスタンドしてるから、ドローのみ。続いてライドフェイズ。より強いユニットにヴァンガードを進化させる。ライド・ザ・ヴァンガード、『5人いっしょ セレナ』。ファーストヴァンガードのセレナのスキルで1枚ドロー」

 

ファーストヴァンガードの効果で山札から1枚ドローする。

 

「次に、メインフェイズ。ヴァンガードと一緒に戦ってくれる仲間を呼びだす。コール・ザ・リアガード、『5人いっしょ ソナタ』。コールする際は、自分のヴァンガードのグレード以下しか出せないから注意してね? 先攻は攻撃できないルールだから、僕のターンはこれで終わり」

 

「じゃあ、次は私の番ですか?」

 

「うん」

 

「スタンドはしてるから、ドローだけ……」

 

ライドフェイズに入ろうとした途端、しずくは考え込んでしまう。

何か分からない事があったのかな?と思った悠里は分からない事でもあった?と、彼女に訊いてみる。

 

「その、どっちにライドすればいいか分からなくて……」

 

しずくが見せたのは2枚のカード。

 

「そうだね……両方とも捨てがたいスキルを持ってるから、今回は左のカードにライドしてみよっか。右のカードは何時でも使えるから」

 

「はい。ライド、『奇術人形(マギアドール) ダークサイド・ミラーマスター』」

 

「ユニットの中には、スキルを持ってる子もいるんだ。ハピネス・コレクターはスキルで1枚引けるよ」

 

「1枚ドローして……あの、クイックシールドってなんですか?」

 

「その説明もするね。後攻不利を緩和するカードで、相手のヴァンガードがグレード1以上なら別の領域から手札に加えられるカードだよ。はい、これ」

 

クイックシールドの説明をしながら、悠里はペイルムーンのクランシンボルが描かれたクイックシールドをしずくに渡す。

 

「しずくちゃんは持ってないみたいだし、それは記念にあげるよ」

 

「えっ!? あ、ありがとうございます」

 

「お気になさらず。次はメインフェイズ、さっきのカードを出してごらん?」

 

「はい。『月光の旋律使い(ムーンライト・メロディテイマー) ベティ』をコール」

 

「ベティは、メインフェイズでスキルがあるんだけど、今はまだ使わなくても大丈夫。次のしずくちゃんのターンの時に教えるよ」

 

「はい!」

 

「そうそう、メインフェイズでできる事は、リアガードをコールしたり、後列に移動させたり、スキルを発動したりができるから」

 

次はバトルフェイズについての説明に入る悠里。

 

「攻撃をする際は、ユニットを横向き……レスト状態にして、相手リアガードかヴァンガードに攻撃宣言する事。先ずはミラーマスターで僕のヴァンガードに攻撃してみて?」

 

念の為に、各グレードの役割の説明もする。

グレード0、グレード1のユニットは『ブースト』が使える事。グレード2が『インターセプト』、グレード3はヴァンガードだけだが、『ツインドライブ』が可能な事等……

 

「えっと……それじゃあ、ミラーマスターでヴァンガードにアタック」

 

「ノーガード。で、ヴァンガードが攻撃したら、ドライブチェックが発生する」

 

「あ。それなら友達や先輩がやってたのを見た事があるので分かります」

 

「そっか。じゃあそのまま続けて」

 

ドライブチェックは知ってるんだ……と思う悠里。

 

「ドライブチェック……」

 

1『ダークサイド・ソードマスター』☆

 

「…良いタイミングでトリガーが来たね。この右上にある印があるのを『トリガー』って言って、これが出ると有利な効果が得られるんだ」

 

「これって……良い事なんですよね?」

 

「うん。しずくちゃんが今引いたのは、クリティカルトリガー。パワーが10000アップして、ヴァンガードに与えるダメージを1つ増やす事ができるトリガーだよ。ヴァンガードが攻撃を受けたら、ダメージチェック……今回は2ポイントだね」

 

1点目『5人いっしょ セレナ』

2点目『パールシスターズ ぺルラ』

 

「ダメージチェック中にトリガー……これをダメージトリガーって言うんだけど、それが出るとガードが楽になったり、ダメージを回復できたりできるけど今回は何も無し。」

 

ダメージチェックをしながら、しずくに説明する悠里。

これがプレイヤーが受けたダメージで、6ポイントになったら負けだと付け足す。

 

「次は、パワーを乗せたリアガードで攻撃してみて?」

 

「はい。ベティで、ヴァンガードにアタック」

 

「それじゃあ説明の為に、ガードするね? アルデルでガード」

 

ガーディアンサークルにアルデルが現れ、攻撃を防ぐ。

 

「今みたいに、しずくちゃんのユニットのパワーを僕のユニットが上回ればガード成功。ガードに使ったカードは、ドロップゾーンに置く。この時に何かしらのスキルを持つユニットでガードした際は、それの効果処理ができるよ」

 

基本的な流れは、こんな感じかな……と悠里は教える。

 

「それとガードする際のルールも変わって、今まではヴァンガードと同じグレード以下でしか、ガードできなかったんだけど、今はどのグレードでもガードできるからね? まぁでも、僕は従来のルールでガードする癖が身に沁みちゃってるけど……」

 

「そうなんですか……」

 

「まぁでも、しずくちゃんは呑み込みが早いみたいだし、このまま続けるよ?」

 

「はい!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「カノンでヴァンガードにアタック」

 

「プラーナでガード。スキルでソウルに移動!」

 

話に聞いてた通り、しずくは呑み込みが早かった。

正直言うと、初心者とは思えない程。素質があると言えばいいだろうか?

 

「ターンエンド。しずくちゃん、大分慣れてきたね?」

 

「いえそんな……私なんてまだまだですよ……悠里先輩の教え方が上手で……」

 

「…そう言われると、教える側としても安心かな。次はしずくちゃんのターンだよ。グレード3にライドしてみて?」

 

「はい。スタンド&ドロー、『仮面の奇術師(マスク・マジシャン) ハリー』にライド」

 

「グレード3になった時、グレードの下に印が付いてるでしょ? これは『イマジナリーギフト』って言って、各クランによって得られるタイプが違うんだ。ギフトマーカーをGゾーンから1つ得られるよ?」

 

「これ、かな……? あの、縦向きと横向きがあるんですけど……」

 

「縦向きがアクセルⅠ。自分のターン中、そのサークルにいるユニットはパワー+10000。で、横向きがアクセルⅡ。こっちはⅠと違ってパワー+5000しか上がらないけど、代わりに1枚ドローできるんだよ。今回はアクセルⅡにしてみよっか?」

 

「はい。アクセルサークルⅡをセットして、1枚ドロー。ハリーのスキル、登場時、アクセルサークルを1つ選択して、このファイト中、()()()()にします!」

 

「…アクセルマーカーが密集するのかぁ。2回目以降は早い話、アクセルⅠ状態か……」

 

多分、この『ステージ』はハリーしか保有しないスキルだろう。

前のターン、ガードステップの際に、しずくが使ったカードの殆どがハリーに関するスキルだった為、役者は既に揃ってるのだろう……

 

「ハリーのスキル。カウンターブラスト1枚と手札を1枚捨てる事で、ソウルから『奇術人形』を含む、それぞれ別名のカードを2枚コールして、それらのパワー+5000。相手のグレードが3以上なら、2枚の代わりに4枚までコールします」

 

「…さぁ、何枚リアガードにコールする?」

 

「2枚コールします。ミラーマスター、プラーナを右列にスペリオルコールです。ハリーの能力で登場したのでスキル発動、プラーナのスキル。自身とヴァンガードにパワー+10000。ミラーマスターのスキル、カウンターチャージです!」

 

「…………(僕もちょっと本気出すか)」

 

しずくの勢いを見てこの時、悠里のやる気に火がついた事は言うまでも無い………

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「今日はありがとうございました」

「…なんかゴメンね? 僕も本気でやっちゃって………」

「いえ。私も凄く楽しかったです」

 

ティーチングファイトが終わり、しずくに謝る悠里。

理由は、初心者相手にオーバーキル紛いをしてしまったからだ………

 

「じゃあクエスト完了って事で、ここにサインしてもらってもいいかな?」

「はい」

 

しずくにクエスト完了のサインをもらう悠里。

サインを書き終わり、悠里に渡すと彼女はこんな事を口にした。

 

「あの、悠里先輩……お願いがあるんですけど……いいですか?」

「……お願い?」

「はい。そ、その……私を悠里先輩の弟子にしてください!」

「…………」

 

その言葉を聞いて悠里は一瞬フリーズ状態になる。

自分は弟子なんて取る柄じゃないし、というか、アンもそうだが何故自分の弟子になりたがるんだ!?と悠里は内心、焦っていた………

 

よし。ここはきっぱり断ろうと思ったが………

 

「……ダメ………ですか?」

「…2番弟子でいいなら………」

「っ! ありがとうございます!」

 

断れなかった。

しかもアンと同じく、半分涙目+上目遣いで。

弟子にしてもらえた事で、しずくは嬉しそうな声で悠里にお礼を言う。

 

「さてと。この後は……昔住んでた団地の家に行ってみるか……」

「悠里先輩、昔この辺に住んでたんですか?」

「…うん。かなり昔だけどね? あっそうだ………」

 

ティナに頼まれた手紙の場所をしずくに訊いてみる事にした悠里。

この辺の地理はあんまり詳しくないのだ……

 

「それでしたら、私が学校まで案内しましょうか? これから部室に行くんですが……」

「…あー大丈夫だよ。どの道今日は買い物して昔の家に行かなきゃいけないし。明日の朝辺りに行こうと思ってる」

 

気遣いありがとね?と言う。

さて、そろそろ帰るかなと思い、カードショップを後にしようとすると……

 

「あのっ! 悠里先輩」

「…ん? どうしたの?」

「団地に住んでたって言ってましたよね? そこに幼馴染みとかって居たりは……」

「? まぁ居たよ? 3人かな……? 1人は老舗のもんじゃ焼き屋さんに住んでて、あとの2人とはお隣さんだったよ? それがどうかしたの?」

「いえ。ちょっと気になって………」

 

不思議な事を訊くしずくに疑問を持ちながらも悠里はカードショップを後にするのであった。

 

カランと扉の閉まる音が響く中……

 

「(やっぱり歩夢(あゆむ)さんと(あい)さんと(ゆう)先輩が話してた人に似てる……戻ったら、3人に訊いてみよう)」

 

まだ部室にいるかな?と考えながら、しずくは少し足を速めて学校に戻るのであった………

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「はぁ……」

『どうしたユーリ? 溜息なんか吐いて』

 

買い物を終え、昔住んでた家がある団地に着いた悠里。

そんな彼を見て、セレナが声をかける。

 

「…晩ご飯、何にしようかなって思って。買ったのはいいけど」

『ひじきサンドはどうだ?』

「うん。それにしよっか……美味しいし」

 

夕飯に困ってた悠里の質問にセレナが答える。

結果、それを採用。だが作る前にお隣さんの家に挨拶を済ませなきゃならない。

…案の定、昔住んでた自分の家は存在していた。

 

しかもデッキケースをかざしたら開いた。

かなり手が込んでいるなと思う。

 

「………(とりあえず差し入れはクッキーでいいかな)」

 

懐かしい家の中に入り、キッチンでクッキーを作る。

部屋の中は何故か綺麗だった。もしかしてティナが藍音学院のオーバーテクノロジーを使って改造したのだろうか……?

 

「……ほんと、感謝、感謝なのですよ」

 

恵まれてるなぁ……と思う悠里だった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

クッキーを作り終え、お隣さんだった上原家(うえはらけ)高咲家(たかさきけ)に挨拶しに行った悠里。

解っていた事だが、お母様方は昔と変わらずの美人さんだった……

 

共通して口にしていた事と言えば……

 

「ごめんね~。まだ帰ってきてないのよ~。なんなら電話で伝えてあげよっか?」

 

との事だった。

それは流石に2人に迷惑かけてしまうので大丈夫です……とやんわり断った。

 

気づけば時刻は16時40分。

30分くらい、昼寝しようかなと目を閉じようとした時だった。

 

 

ーーピンポーン♪ーー

 

 

玄関のチャイムが鳴った。

こんなタイミングで来る人物は限られる。

まぁ……誰でもいっかと能天気な事を考えながらも悠里がドアノブを開けると……

 

「「はぁ……はぁ……」」

 

……走って来たのだろうか?

そこには2人の少女が息を切らしていた。

1人は、ライトピンクのミディアムヘアをハーフアップにし、悠里から見て、右サイドに三つ編みシニヨンで纏めていた。前髪は左に流したぱっつん。

 

もう1人は、黒髪のツインテール姿で、毛先が緑色のグラデーション。自分の記憶が正しければ、緑色の瞳をしていた筈……

 

「…………(どうしよ?)」

 

 

目の前の2人が落ち着く前になんて声をかけよう?と模索する悠里なのであった。

 

 




読んでいただきありがとうございます。
ティーチングファイトなのでファイト描写はあんまり伝わってないかもしれませんが……
しずくちゃんの使用クランはハリーが主軸の『ペイルムーン』になります。
トリガー構成は自分がよく使ってる構成になっています。
しずくちゃんの口調が難しい……(涙目)

最後に誰か2人くらい出てきましたね?
厳密には3人ですが……(目を逸らしながら)

次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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