キリト「うぅ・・・」
アスナ「おはようキリト君♡」
朝だ。次の日だ。
全く出る方法なんて考えていなかった。
疲れてて眠ってしまった。
キリト「・・・」
アスナ「キリト君♡朝ごはん持ってくるね?」
キリト(腕が痛い・・・縄が解けねぇ・・・)
縛られている手は少し食い込むだけで血管が止まるほどではない。
しかしつらい。辛すぎる。寝ている態勢がずっとだ。
アスナ「キリト君♡はい、ごはん持ってきたよ♡」
キリト「寝ている態勢で食うのか?解いて食っちゃだめなのか?」
アスナ「別にキリト君のことを疑っているわけじゃないよ?けど・・・もしキリト君がここから逃げたら・・・って考えると怖いし」
キリト「・・・」
アスナ「はい♡あーん」
キリト「・・・」
無言で口を開ける。俺は少しも微笑んでない。昔なら、微笑んでいたんだろうか。
キリト「・・・」
アスナ「はい、ごちそうさま♡」
キリト「・・・」
アスナ「じゃあ、仕事行ってくるね♡」
キリト「・・・え?仕事?」
アスナ「そうだよ?何?悲しい?」
キリト「いや、大丈夫だ・・・」
アスナ「そう?じゃあ行ってくるね?逃げちゃだめだよ?」
キリト「・・・」コクン
キリト(・・・いまだ、何かないのか)
俺は部屋中を見回す。特にこの部屋には何もない。
この縄もかなり丈夫なものだ。簡単には解けない。
縄は過多結びされている。力を込めて切れるものではない。しかし縄は細い。なにかうまくちぎれればいいんだ。しかし自力じゃ無理だ。
キリト「何か・・・何かないのか・・・」
やはり何もない。これでは解けるわけがない。
キリト「・・・」
どうしよう・・・これではまじで危ない気がする。
キリト「・・・あれをやってみるか・・・」
俺はある一つのアイデアを浮かばせた。リスクは高いが成功すれば確実だ。
脱出のためだ、仕方ない。
裏切るけれど、そうでもしないとここを抜け出せない。
キリト「・・・待っとこう」
俺はアスナの帰りをひたすら寝ていて待っていた。
時間は8時を指しているくらいか、もちろん時計さえもない。
アスナなら腕時計や携帯やら持っているから確認できるのだが。
アスナ「ただいまキリト君♡いい子にしてた?」
キリト「あぁ・・・」
正直きつい。しかしここを抜け出すためだ。
アスナ「じゃあ夜ご飯作るね?」
キリト「あぁ・・・速急で頼む」
腹が減りすぎてきつい。
昼飯を食っていないからだ。朝飯と夜飯のみ。まぁ人間は2食でも生きられないことはないが。
キリト「おなかすいた・・・」
作戦が成功するかどうかだが、成功した場合俺はどうしようか。
ラースはやめる。また行けばまたアスナに会うからだ。
別の仕事を見つけ出す。そして俺は一人暮らしをする。
アスナと別れるために。
アスナ「お待たせ~♪キリト君♡」
眼に光がない。黒い。
キリト「あぁ・・・」
アスナ「はい♡あ~ん♡」
キリト「・・・」
口を開け俺は食べる。
腹の虫が次第に静まっていくのだ。
そして俺は作戦を実行すべく、寝る時までひたすら緊張していた。
夜。約10時30分
アスナ「明日は風呂に入らせてあげるから、今日はごめんね?」
キリト「あぁ・・・いいよ」
アスナ「じゃあ、ねよっか」
キリト「うん」
アスナは俺の縛られた隣に寝た。
しばらくたつと、俺は口を必死に動かし、喉の奥から声を出す。
キリト「・・・アスナ、頼みがあるんだ」
アスナ「・・・ん?何?」
キリト「俺・・・このままじゃ・・・アスナを抱けない・・・。俺はアスナを肌で感じたい。愛し合いたいし、もっと密着したい・・・だから・・・どうか・・・」
アスナ「///キ、キリト君///うれしい♡・・・わかった♡今すぐ解くね♡」
アスナは身を乗り出すと、次々と縄を瞬時に解いていく。
ここまではOKだ。
キリト「明日奈・・・愛しているよ」
アスナ「キ・・・。和人君・・・私も・・・」
顔が互いに近づきあい、互いの唇を互いの唇で塞いだ。
長い時間のキスが終えると、俺は明日奈を抱いた。
明日奈も抱いてくる。
長い時間が経過した。今は互いに全裸で抱き合っている。
俺は明日奈を見やる。
なぜ明日奈はこうにもなったのか。
俺にはわからない。
けど今は逃げるのが大切。
明日奈は今寝ている。
俺は起こさないようにそっとベットから身を下ろし、その部屋の扉に行く。
ドアノブの音も静かにと。
最後に明日奈をまた見やる。
安らかに眠るアスナの眼は、どこか不思議だった。
キリト「ごめん、明日奈」
そう言い残して、俺はこの部屋を後にした。
そして。そして俺は・・・俺は・・・俺はこんな選択しなけりゃ、まだましだったのかもしれない・・・。
部屋を出て、俺の服を探す。
流石に全裸で出たら捕まるからだ。当然だが。
キリト「あった・・・」
俺の服が畳まれて机に置いてあった。
同時に近くに荷物もある。
キリト「俺の所持品は全部無事みたいだな・・・」
俺は所持品の入った、バッグをぐっと握り、深呼吸。
俺はこの監禁部屋からの脱出に成功したのだった。
2028年 1月27日 夜 8時17分
埼玉県 堂平山
俺はバイクを止めていた。
キリト「・・・」
今の俺は仕事はプログラマーとして、道を決め、かなり難しいデジタルAIプログラム技術の勉強と共に仕事をしている。
給料もいい。しかし大変。
家も埼玉県から離れた場所。
一人暮らしを始めてからかなり時間がたった。
俺はふと思った。
明日奈は今何しているのだろうか。
大丈夫だろうか。
別の人と一生を過ごすことなど決めたのだろうか。
気になるが、気にしてもしかたない。
OS事件のあと、俺はここにきた。観測スポット。
俺の見上げる夜空は、満点の星たちが綺麗に一つ一つ輝いている。
まるでプラネタリウム並みの・・・きれいな・・・。
キリト「・・・」
冷たい風が俺の肌を触る。
久しぶりに俺は癒された。
キリト「・・・明日奈」
無意識に口が動いていた。声が出ていた。
もしかしたら俺の心のどこかに、また一緒に居たいという、そういう気持ちがあるのかもしれない。
SAOで出会った、生活、戦い、結婚・・・なにもかも今はない。
おかしくなった明日奈はもう一度会ったらきっと俺はおかしくなるだろう。
逃げてきて正解だった。
これでいい。
これでいいのだ。
キリト「・・・さよなら、明日奈」
俺は何年か経った今、別れを言った。
???「久しぶりだね」
・・・・え?
ふいに後から声がする。ここは誰もいない。もう夜だ。
闇とその間に輝く星だけだ。
俺以外いないはず。
しかし今の声はなんだ?
懐かしい声、そして俺の恐れる透き通る声。
???「探したよ」
スッ・・・スッ・・・足音が聞こえる。
振り向けない。怖い、怖い、怖い、怖すぎる!
???「あのいなくなったあとの朝、ものすごく壊れそうだった」
???「落ち着いて探した。けど気持ちは焦ったまま」
???「情報を集めた。探した。探し続けた。今、偶然見つかった。いや、偶然じゃないよ。運命なんだよ。私たちの運命だよ。こうやって巡りあえて、うれしい。ね?会えたね。・・・・・・私の・・・」
周りの音が無になる。
そして耳に入る。
アスナ「キリト君、こっちを・・・見て?」
俺は、怖い。怖いけど、俺は勇気をもって振り返った。
俺の目の前にいるのは、あの、俺のもと妻の・・・アスナ。だった。
髪は少し痛んでいて、目は活気がない。
けど間違いない。アスナ。アスナだ。
その次の瞬間、俺の体すべてが恐怖に包まれた。
キリト「・・・あ・・・・あ・・・・あ・・・・アスナ・・・」
アスナ「会いに来たよ?私の・・・キリト君♡」
アスナは俺の手をそっと握ってくる。
キリト「ひっ!?」
俺は恐怖のあまり、振りほどいてしまった。
アスナ「なんで?なんで放すの?」
キリト「・・・く・・・来るな・・・」
アスナ「なーんでー?」
ゆっくり歩いてくる。
近づいてくる。
キリト「う・・・う!」
俺は向こうに置いてあるバイクに向かって一目散に走った。
アスナは追いかけてこない。
俺は鍵を即座にぽっけから出す。慌てていたせいか、落としてしまう。
キリト「何やってんだよ!!早く・・・速く・・・!」
悪魔が、彼女が後からきている!闇の中からくるあの悪魔!
歩いてきている。足音が!来ている!
俺は鍵を握ると、すぐに鍵をかけた。
しかし、なんだ。なんだなんだなんだなんだんだ!!!!
鍵が!鍵が!エンジンがかからない!なんで!?
何度も俺は鍵を回す。しかしかからない!かからない!
後ろからくる!来ている!
早く!なんで!
逃げないと!まずい!早く!
アスナ「キ~リ~ト~君~?」
キリト「あぁぁぁ!?」
声がする。耳に入れたくない、悪魔の・・・声が!
アスナ「エンジンかかんない?アハハハハッ!!!!!!!」
笑い声が、狂った声が、この闇にひびいた。
アスナ「逃がさないよ?」
キリト「!?」
アスナが手に何か持っている。黒い何か。
あれは・・・スタンガン!?
ビビッ!!!
最後にきいた音がそれだった。
俺は、気絶させられた。
もう、終わった。
あぁ・・・こんな・・・あぁ・・・。
アスナ・・・。
アスナ「・・・もう、絶対、逃がさない♡ねぇ・・・キリト君」
黒い闇の中、男を抱きかかえる女性がそこで三日月の口をして笑っていてはそこから姿を消した。
BADEND1 正妻の監禁
必ず逃がしません。ヤンデレは。
あなたの背後に笑っている人がいますよ・・・。
なんてね☆
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