本編は下です
現在、まだこの世界では日が出ている。そのため窓からの日差しがまぶしい。手と足が縛られている俺は、体の自由が利かないととても恐怖に包まれる。慣れているが、やっていいとは言ってないからね。
キリト「それで・・・俺はいつまでここにいればいいんだ?」
恐る恐る奥に居るアリスに聞くと、アリスはふっと笑いながら近づいてきたのだ。手をベッドに置き、俺と目を合わせながら語り始めた。目は黒く染まっているが。
アリス「もちろん、いつまでも。それに、キリトは今小さな幼き姿ですよ。皆に狙われるに違いありません」
キリト「そうだな、現に今アリスに狙われたからな」
アリス「ええ、なので私が皆から今のキリトを守らないといけないと思ったのです」
キリト「自分のやっている行為と言っていることが矛盾しているぞ」
アリス「あら、何のことかしら」
自分のやっていることはどうでもいいのか、などと考えているが、今俺はここからとにかく逃げ出して姿を戻さないといけない。だが、まず逃げだす手段が必要だ。いつもならあまり自分で言いたくはないのだが、俺を求めてやってくる人たちがこの部屋の扉をぶち壊してくるのがもう恒例となっている。
アリス「さてと・・・ふ、ふふふ・・・まずはどこから脱がしましょうか・・・えへ・・・えへへへへ」
――――――――っ!?
な、なんかアリスが急に性格変わっているんだが!?あの凛々しかった整合騎士が急にへ、へん...いや、あんま言わないようにして。とりあえず顔が獣になっていて、息をはぁはぁ言っている整合騎士からどうしても逃げたいんだが。
キリト「ちょ、ちょちょちょ待って!」
アリス「小さいキリト・・・へへへ・・・もう我慢できません。まずは上の服からえへへへ」
キリト「ちょ!キャラ大事にして!凛々しかったアリスはどこ!アリスゥ!ちょ!」
だんだん魔の手(仮)が近づいてくることに案外マジで恐怖心を感じている俺は、一刻も逃げ出したいとものすごく抵抗している。それを見ているアリスは俺の抵抗を見てかわいいと思っているのか超癒されている顔をしている。
アリス「抵抗しているキリトもかわいいです!癒されます・・・。あぁ、ずっとこのまま・・・」
キリト「わ、わかったからまずがしゃんがしゃんうるさいから鎧くらいとったらどうだアリス・・・」
そう、アリスはずっとあの金ぴかな鎧を、整合騎士の鎧を着ていたのだ。もうこの姿には慣れたが、アリスはもう着慣れたのだ。だがそれで一つ一つの動きに鎧同士がぶつかる音、がしゃんという音がもう雰囲気をぶち壊していることに俺は苦笑いするしかない。
アリス「あ、そうでしたね。では脱ぎます」
そういうとアリスは俺の目の前で鎧を一つ一つホックを外して取っていく。アームやチェストやブーツなど。今のうちに逃げ切れられないかと抵抗はしているが、そんなのムダだと言わんばかりに着替えながら見つめてくるあの哀れな子を見るようなアリスの目。眠ってログアウトという手もあるが、あれは脳が本当に眠った時だ。今何て怖すぎて正直眠れやしないのだ。寝ればいいのだがそんなことできるわけもなく俺は助けを待つのみか。
キリト「あぁー・・・アリス。なんか俺・・・ちょっとトイレしたくなってきたなー・・・」
アリス「そうですか、ならこの容器に「もう大丈夫アリスありがとうなんかもうよくなったよ」・・・そうですか。わかりました」
なんで!?なんでアリスがあの容器もってんの!?ていうかこの世界にああいう容器あんの!?てかアリスがなんで非常用アレをもってんのかが須郷・・・じゃなくてすごい疑問なんだけど!アリスお前どうした!?昔の凛々しかったアリスからまじでヘンタイになってしまったのか!?
アリス「トイレも安心してください。では、脱ぎ終わったことですしそろそろいいですか?」
キリト「いや、いいとは一言もいってないぞアリス」
アリス「身軽になりましたよ?鎧は脱いで普段着になりましたよ」
キリト「確かに雰囲気はよくなったな・・・ってそういうことじゃないぞ!?早くこれを解いてほしいって言っているんだぞ!?」
アリス「解いたら逃げるじゃないですか」
キリト「そりゃあ・・・逃げない奴なんていないだろ・・・いないよな?」
こういうシチュエーションが好きな奴にとってはまぁ・・・逃げないのかなぁ・・・もしくは逃がしてくれと言いつつも本心は監禁してくれ心なのかな・・・って俺はなんの想像をしているんだ!今はまずい状況になっているんだ!このままじゃいずれまずいことになる!
とりあえず、逃げないといけない。しかし俺ができることは今はなにもないのだ。手足が拘束されている以上、なにもできない。これはもう、助けを待つしかない。
すると、そこに玄関の方のドアからコンコンコンッと誰かがノックする音が聞こえたのだ。この音が聞こえた瞬間、俺の心は極度の安堵に包まれた。しかし、当のアリスは・・・。
アリス「・・・無視しましょう」
キリト「いやぁ出たほうがいいんじゃないか?・・・な?」
アリスは玄関の方を見る。玄関の外に誰がいるのだろうか。俺は誰でもいい。誰か来てくれたらここを助けてくれよう。とりあえずその玄関を開けて中に入ってほしいと祈る。
キリト「頼む・・・入ってくれ・・・」
祈っているが、ノック以降、反応を見せない。
すると、あの玄関の向こうから壁を隔ててあるため聞こえにくいが、聞き覚えのある声が耳へと届いた。
???「おーい、アリスー」
この声は、男の、優しい声。あいつだ!ユージオだ!
俺は思わず「ユージオ!」と叫ぼうとするとアリスが咄嗟に俺の口に右手を当て声を塞いでしまったのだ。どこまでも俺を拘束しようとするその熱い姿勢はすごいが少し引いてしまう所もあるのもまた事実。
「おかしいな・・・家情報見るといるはずなんだけど・・・」
キリト「んんんー!んー!(いるよー!おーい!)」
アリス「キリト!静かにしてください!ばれたらどうするんですか!」
キリト「んんんんんんん!(ばれたいんだよ!)」
すると玄関の方からまたユージオの声が聞こえてきたのだ。アリスはハッと振り向く。
「アリスー!いないのかーい?」
アリスは少し敵意の眼をしている・・・って!?ユージオをまさか!?幼馴染をそこまでするのかアリス!?アリスはもうこんなに変わってしまったのか。それはともかくこのまま帰ってしまうユージオを止めるため、どうにかしてユージオを止めなくては。
すると、ドーンッ!という、破壊音にふさわしい音が玄関の方から聞こえたのだ。慌ててアリスは俺の口から手を離し、奥を見ていた。アリスは装備をして玄関の方に向かって行ってしまった。
・・・俺は?
いったいあの破壊音はなんだったんだろうか。わからないが、恐らく考察として挙げられるのが・・・アスナである。ストレアの時も、玄関のドアが吹っ飛んで行ってしまったからだ。あの時は正直もう九死に一生を感じてしまった。
ユージオ「そこまで破壊しなくても・・・」
???「いいのよ別に」
どうやら、ユージオは女性のだれかといるようだ。しかしその声もよーく聞いたことある声である。あのもう殺気と絶対に逃がさないという気持ちが声だけで伝わる。それに一番親しい存在だということにさらに恐怖を感じてしまう俺である。正直、怖すぎてもう脳が真っ白になってしまう。
アリスが誰かわかったらしく、金木犀の剣をしっかり装備する。
しかし、ここは圏内であり攻撃などはできないことになっている。ならばどうするのか、俺にもわからないが。
アリス「くっ・・・嫌な奴め・・・」
キリト「そんなこというなって・・・」
だって・・・ユージオと一緒に来ている女性はあの人だからである。皆がよく知っている。料理が上手く水色髪にロン毛で素早い行動速度と戦闘力を持つあの人である。
アリス「・・・向かいますか」
キリト「せいぜい死なないようになアリス・・・」
アリスは玄関へと向かって行ってしまった。俺はいつも通りここから動けなく、ユージオと例の女性を待つのみである。もうこれ以上ここには居たくないのだがという溜息を洩らした。
キリト「・・・」
しばらくしていると、ここの部屋の扉がゆっくりと開けられた。その扉を開けた人は、やはりあの人だった。
水色の装備が見えた瞬間、わかった。
アスナ「キリト君!大丈夫!?」
キリト「あ、あぁ・・・大丈夫だよ」
アスナ「チャンスだね!」
キリト「まずは解け!チャンスだねじゃない!」
アスナ「え~解くのもったいないなぁ」
キリト「いや、俺の気持ちになってくれよ・・・。頼むから解いてくれって、アスナ」
アスナ「にしても小っちゃいなぁ、これはこれで襲いたくなっちゃうなぁ・・・えへへへへ・・・・」
アスナの眼はアリスの眼と変わりなく、獣の眼である。目の前に獲物があるとすぐ襲おうとする獣の眼である。この場合、獲物は俺である。小さくなった、拘束された俺である。アスナは、まぁ・・・獣になるなってわかってはいたが。
読んでくれてありがとうございました!楽しんでいただけたら幸いです(^_-)-☆
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