キリト「皆がヤンデレすぎて怖い」   作:エーン

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リーナ先輩と一緒に眠った

本編は下です


66話 キリトは気づいた

キリト「う…うぅん…」

 

重い瞼をゆっくりと開けて意識がまだ覚醒していないのがわかる。眼を軽くこすり、俺は上半身を起こした。まだ少しぼんやりとするが、まずは見慣れない景色だということに脳が遅延して気付いた。どこかの部屋である一室は、カーテンで日光が遮られまだ暗い。

なぜか、目が覚めて知らない所でも焦りがなくなってしまった。これも慣れなのか、それともまた別のものなのか。

そして後から気付いた。俺の寝ているベッドには俺以外にいるということを。毛布のもっこり具合が右にもあり、俺はその膨らんだ部分を目でゆっくりと右へと見る。その行く先にいる人物、恐らく俺と一緒に寝た人物…。

ソルティリーナ・セルルト。俺はリーナ先輩と呼ぶ。そして、そのリーナ先輩が10センチもない距離で隣に幸せそうに寝ているのだ。

俺は即座に自分の格好を見る。しっかりと服は寝る前の姿であり、もし俺がここで脱いでいたら一生懺悔するところだった。尚、リーナ先輩も服を着ているのでやましいことはなかったと安心する。

そもそも俺はどうしてここで寝ているのか、手を顔に当てて記憶を振り返る。俺は、確かルーリッドの村でまたここにきて、そしてその後に王都に行ったはずだ…。その後リーナ先輩に偶然会って、稽古なんてしてもらって…わからない。そこからの記憶が濁っていてわからない。

消されているように、なんでだろうか。そのすべての原因はこの隣にいるリーナ先輩にあるのか。

俺は肩を少したたいてリーナ先輩を起こした。

 

キリト「リーナ先輩…起きてください…」

 

少し小声で言ったが、その小声を聞いた先輩は眼を少し絞めてまだ眠い目を開けた。

 

リーナ「…ぅん?…あぁ、キリトか…。ふぁあ~…ん…」

 

軽く後輩にあくびをみせるのに俺は少し笑みを浮かべてしまった。だが俺は慌ててこの状況を聞いた。

 

キリト「せ、先輩!どうして俺はここで寝ているんですか…?」

 

リーナ「それは…ふふ、私がやったのだよ。しばらく会えなかった時間を少しでも味わいたくってな…。もちろん、〇〇〇とか【自主規制】とかも考えてはいたんだが…何しろ禁忌目録に違反することはできないのだ」

 

うん、絶対にしないでください。

と心で追い打ちをかけて、俺は苦笑いで答えた。

 

キリト「あ、えーと…それじゃあ自分はここでお別れしますね…」

 

リーナ「…何?一緒に居たくないというのか?」

 

さっきの顔から一変、光を無くし黒く染められた眼と笑っていない表情。俺は思わずベッドから出てフローリングに足をつけると、リーナ先輩はゆっくりとベッドの毛布をどかして眼を合わせたまま出てくる。後退りをすると、ぐいっと近寄ってくる。壁だったのでこれ以上下がれず、ゼロ距離の状態だ。

 

リーナ「もし、この世界に禁忌目録なんてなかったら…。そうだな、とにかくもう離れないようにしたいな。どんな方法でもいい。鎖、足枷、手錠。神聖術などの応用でもいい。とにかく私の傍から離れさせない…そう。放したくない、絶対に…」

 

場が冷えるほど透き通った低い声で、全く瞬きせずに眼を反らさず語り続ける。想像しなかった。リーナ先輩がこんな性格だなんて。アスナたちだけだと思っていたが、そうではなかった。

 

キリト「えっと…」

 

言葉を必死に出そうとするが、突っかかってしまう。言葉がでないのだ。恐怖だからか、体や手や足などが震えている。壁に背中をつけて距離を少しでも放そうとするが、その分来てしまう先輩。

 

リーナ「…震えているのか、そうか。怖がらせてしまったな。だが安心しろ。私と段階を踏み…いや、踏まなくてもいいな。私達には昔からの愛があるからな。…どうだ、私と添い遂げようと思わないか」

 

全く冗談を感じられない言葉を聞き、俺は対応に困った。だが俺は一応ここでは重要人物として扱われている。ここで俺が婚約なんてものに手を出してしまうと、人界になにか及ぼすかもしれない。ここではとりあえず断っとく必要がある。

 

キリト「す、すみません。先輩。俺は…先輩とは付き合えません。俺には、愛する者がいます」

 

そうだ。いるんだ俺には。ソードアート・オンラインで過ごした人生で、共に生き、共に過ごし、共に戦った人が。その人が、俺の将来の…。

 

リーナ「…知っている。会ったことがある。あの戦争の時にな。だが、私は認めない。いつまでも…な」

 

「…」

 

眼を瞑ると、開けた時には目の光を取り戻したリーナ先輩。後ろ歩きで離れると、低い凍える声とは違っていつもの美声で俺に言った。

 

リーナ「では、私も予定がある。ここで別れるとしよう」

 

キリト「わかりました。では、また」

 

俺は廊下を歩き、玄関について振り返る。笑顔で見送るリーナ先輩がいた。

 

キリト「…では、さようなら」

 

リーナ「あぁ、またな」

 

靴を履いて俺はリーナ先輩の家を後にした。最後にみた先輩の顔は、笑っているようだけど…笑っていない。口元はにやけていたけど、顔は笑っていなかった。

俺は最後まで恐怖心をのこしたままであり、また一つトラウマが増えてしまった。ここはSTLの中にいるはずなのに…確かにこの世界ではペインアブソーバーはないが、でもなぜかお腹が痛い。なぜだろう、すごく痛い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リーナ「…いつか…必ず」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はしばらく歩いていたが、比嘉さんが言っていたこと…特に変化もなさそうだ。皆それぞれ生きていて普通に暮らしている。俺が出る幕もないだろう。

俺はS字、ステイシアの窓を開いて外部と連絡を取ることにする。

 

キリト「比嘉さん、しばらく入ってみたけど変わったところはなさそうです」

 

比嘉「…そうっスか…。読みが外れたか…、まぁいいっス。じゃあ…あーそこから戻るのは周りの人から怪しまれるので部屋に入るか建物の裏にはいるなりしてくださいっス」

 

キリト「あ、そっか。わかりました」

 

俺は王都の中で家と家の間に入ると、そこから汚い裏に入り、誰もいない、見てないことを確認する。

 

キリト「よし、いいですよ」

 

比嘉「OKっス」

 

意識はだんだん薄くなり、俺の視界は真っ白になった。

…しばらくして、五感が戻る。この世界とあの世界では五感さえ違うのだ。

 

和人「…ふぅ」

 

比嘉「…お疲れっス。じゃあ仕事に戻っていいっスよ」

 

和人お「あ、はい」

 

俺はSTLから出ると、オフィスに戻った。皆地道に作業はしているが、仲良く話して相談したりして開発している人もいた。

自分の机に戻ろうとすると、一人の女性が後ろから声をかけてきた。

 

「あの、和人さん」

 

和人「ん…あぁ、どうした?」

 

「いえ、もうお昼なのでごはんを食べませんか?」

 

和人「え、もう昼だったのか」

 

俺は時計を確認する。短針は12時を過ぎていた。確かにもう昼時だ。

 

「はい、昼ですよ」

 

和人「じゃあ食べようか。そうだな…天気いいから外で食べようか」

 

「はい」

 

俺は女性社員、いつも助けてくれるこの人と一緒にいる時間がなぜか楽しく感じる。不思議と疲れない。…疲れるっていうのは最低だな。

外に出ると、小鳥たちがさえずり太陽の光と風がちょうどいい気温を保っていた。弁当をもって近くのベンチに座ると、隣に女性社員も座った。

 

「あったかいですね」

 

和人「そうだな。晴れててよかったよ…」

 

俺…笑っている。自分で気づいたほどに、自然と笑っていた。やっぱりこの人といるのが楽しいと思えて来たんだ。いつも精神的に、身体的にも疲れてきたのかもしれない。

本当にこの人には感謝しないといけないな。

 

「それでは食べましょうか」

 

和人「あぁ」

 

この人がいるから頑張れるっていうのもあるのかもしれない。俺は弁当を開けて、手を合わせていただいた。

 

 

 

 

 

 

 

???「the-end」




短くなりすみませんでした。次話に関係してくるので短くなってしまった・・・です。
最近東方の方も投稿してきてます。そっちも呼んでくれると嬉しいです。ぜひご朗読してください。「幻想郷で旅立つ黒の剣士」です。


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