キリト「皆がヤンデレすぎて怖い」   作:エーン

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女社員と昼飯

本編は下です


☆BADEND4 シノン編 冥界の女神

時は数日前に坂戻る。

 

それはある日の、アルヴヘイム・オンラインの中でのことだ。俺は一人ダイシー・カフェに向かい、あるクエストに一緒に行くメンバーを探していた時のことだった。

そこでたまたまあったのが、水色の髪にケットシーの象徴ともいえる猫耳の生えた、落ち着いた様子のある一人の女性。シノンだった。

 

シノン「キリト、少し話さない?」

 

キリト「あぁ、いいよ」

 

少し警戒心はあるが、ここでは何もできないことを考えて近くに座る。丸いテーブルに手を置いてシノンは話し始めた。

 

シノン「…私、知っているわよ。最近、仲良くしている会社員がいるってことをね」

 

思わず心臓が跳ねた。こんな言葉だけなのに、重みを感じ胃が悪くなるようだ。眼を見開いてシノンを見た。

 

シノン「…ただ仲良くしているだけなら…いや、仲良くしていることさえ私にとっては許すことはできない。正直、今すぐでもその女性とは縁を切ってほしい」

 

キリト「そ、そんなこと…」

 

シノン「できないの?ねぇ。知ってる?私は嫉妬深いっていうこと。そしていつでもキリトを見ていること」

 

低い声が、俺の脳を凍らせるように入ってくる。ここ最近の彼女たちの行動は異例を超えてきており、そろそろまずいことが起きてもおかしくないと思ってはいたが、シノンがすることはなんだろうか。

 

シノン「いい加減別れないと、許さないわよ」

 

キリト「…別れなかったら、どうするつもりだ」

 

シノン「…そうねぇ。あなたの思っていること以上のことが起きるわよ」

 

キリト「…」

 

シノン「嫌だったら別れなさい」

 

シノンの眼は黒く、何も写さなかった。いや、その黒く闇の中の眼の奥に居るのは俺だ。俺を狙っているのだ。別れろなんて言われたら、普通に抗えばいいものを。今はそうはできない。もし抗ったら彼女の言っている何かが起こる。

それはどんなことかわからないが、もう目は正気の沙汰じゃない。

 

キリト「…」

 

声すらでない。脳が回らなかったのだ。

 

シノン「…まぁ、ここまで言ったからにはちゃんと別れるんでしょうね。それじゃあね」

 

シノンはダイシー・カフェのドアを開けてここを後にした。

俺はしばらくして机に肘をついて両手で頭を抱えた。彼女の言葉がよみがえる。それは決して忘れることのできない忠告だ。

 

『嫌だったら別れなさい』

 

等々の言葉が脳をうろついている。幻聴なのか、ものすごいめまいを感じてしまう。

仮想世界なのに汗が出てきているようだ。プログラミングされた汗が机に滴り落ちる。その汗は時期に渇き、その頃になると俺は少し落ち着いていた。

 

キリト「はぁはぁ…」

 

息が乱れていたのか、呼吸することさえ忘れていたほどに考えていたのだ。

…彼女の言葉に従うべきか、それとも気にせずに普通に暮らすか…。どっちがいいんだかはもう見当ついている。わかっているんだ。

ただ…あの人といる時が俺にとっての癒しで、嬉しくて、一番リラックスできて、気楽に要られて…別れるなんて…。

別れるってなんだ。俺は付き合っているのか…。彼女と…。

 

キリト「…」

 

そうだ。そもそも付き合っていない。俺は彼女と仕方なく…そう、部下としているだけだ。何も付き合ってない。それをシノンに言おう。そうだ、そういえばこの話はなくなるじゃないか。

椅子から俺は立ち上がり急いで左手を胸位置から下に振り下ろした。メニューが共に落ちてきて俺はすぐにフレンドボタンを指でタップした。

フレンドリストを指でスライドしてSinonという文字を探す。

 

キリト「あ…」

 

Sinonという文字の横を見ると、ログインマークに色がなかった。

…すでにログアウトされたのだ。逃げられたのか、それとも偶然落ちたのか、意図してやったことなのか。

だがこれではどうするべきかわからない。落ちて電話するか。それしかない。

 

キリト「…シノン」

 

俺はログアウトボタンに手を伸ばし、そっとタップする。

視界は真っ白になって俺は光に包まれながらその世界を後にした。

 

 

 

 

 

 

和人「…クソ」

 

ガチャッ。

電話を乱暴に戻す。冷静さを失ったのがこの音でわかった。

 

和人「…」

 

とりあえず、明日。月曜日だ。また仕事に行かないといけなくなる。…明日またログインしてシノンと会おう。会えるかわからないが、その時言えばいい。

明日、何もないことを祈る。そうだ。きっと何も起こらない。そうだ。何も…。普通に…。そう…何も…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜 1:37 港

 

詩乃「…あと3分」

 

港の近く。灰色のコートに身を包み、海風に揺らされる髪。港近くは風が強く、ここは磯の香が漂っていた。灯台は光り続き、船のエンジン音が夜にも関わらず響いていた。近くに家はなく、人気もない。

そしてあと2分になったころである。

 

詩乃「…あれね」

 

一人で呟いてしまった。水平線の奥、夜だが船の中光っていたのでよくわかる。だがその光も消したようだ。見られないためだろう。

船の色は白と青で塗装されており、あまり確認しやすくない色だ。だがこの色だと前から情報は貰っていた。

そして港に船が近づいてくる。波は足場の岩に激しくぶつかり、音を立てていた。

船が止まり、エンジン音が消えるとその向こうから一人の男性が出てきた。

 

詩乃「…時間ぴったりね」

 

「あたりめぇだよ。約束だからな」

 

出てきた男性はジーパンをはき、上は黒いタンクトップ一枚。肌は黒く、筋肉がタンクトップにぴっちりついているので筋肉があるのがわかる。短髪の背の高い男性だ。

そして私の顔を確認した後、私が言った約束の物を取りに一旦船に行くと、その品が入ったバッグを手に持ってきた。

 

詩乃「それね」

 

「あぁそうだよ。あんたの言った通りの品だよ」

 

詩乃「…一旦中身を確認させて」

 

「いいぜ」

 

スッと出し、私はそのバッグを受け取った。一気に重さが腕に来た。これが本物か。

ゆっくり地面にバッグを置いてチャックをゆっくり開ける。すべてチャックを動かすと、手を入れゆっくり開けた。

中にあったのは、こんな夜中でも形を認識できる。それは灯台の放つ光を少し反射し、塗装の黒い色が反射していた。先端には少し太い筒を付けてあった。

 

「あんたの言った、へカートⅡだ。フランスからだから結構大変だったぜ」

 

詩乃「ありがとうね」

 

私はゆっくり手を伸ばし、銃を両手で一旦持ち、左手を前に置き右手をトリガー部分に。

重さはゲームと同じようだった。そしてゲーム同様マガジンを落とし、中身を確認する。反射しているが、弾薬はすでに入っていた。鞄の中に弾丸はまだあった。

先端はサイレンサーを付けている。注文した通りだ。

 

「それで、詩乃ちゃんよぉ」

 

詩乃「…ん?」

 

男性の顔がにやける。

 

「約束通り、この後詩乃ちゃんの体を好きに使わせてもらって構わないんだよなぁ?」

 

詩乃「えぇ。約束だったわね」

 

「へっへっへ。ネットで見た時はこんなかわいい者がって疑ったが、実際会って本当だった時は興奮したぜ」

 

詩乃「あなた、結構変態ね」

 

「好きなだけ言えばいい。その生意気な口もこのあと調教してやるからよぉ」

 

私はセーフティーレバーを外し、射撃可能へと移行する。

 

「それじゃあ、約束通りあの倉庫の中で」

 

指をさし、暗い錆びた倉庫を見る。夜中の為、人通りももちろんなく、しずかなため誰にも見つかるはずがない。

 

「やらせてもらおうかなぁ?」

 

詩乃「…えぇ、そうね」

 

私はゆっくり立ち、銃をバッグの中に入れる。

チャックを閉じてバッグの持ち手を手で握り持った。

男性はバンッと背中をたたくと、倉庫を指さす。私は足を歩めながら回りを確認する。

 

「へっへっへ。あぁかわいいなぁ詩乃ちゃん。ネットで会って、写真と同じだった時は早くしたくって何度も興奮したもんだぁ」

 

詩乃「…そう」

 

息荒いのが耳元で分かる。

男性は肩に手を置いて、倉庫へと私を誘導していく。

 

「それにしてもどうして銃なんてほしがったんだい?」

 

詩乃「決まってるでしょ」

 

「ほぉ怖いねぇ、詩乃ちゃん。見た目は優しそうなのにねぇ…。君みたいな少女が扱えるほど簡単じゃないよぉ?スナイパーはね」

 

詩乃「安心して。後は残らないわ」

 

「そういう条件で貸したからなぁ」

 

話ながら倉庫の前に立つ。男性は肩から手を離して倉庫の入り口をぐっと開けた。がっがっが。鉄のこすれる音が響くが誰も気づくはずがない。

倉庫を開け終えると、さらに笑みをこぼしながら私を見てきた。

 

「ほら、こっち来い」

 

詩乃「…」

 

私は倉庫に入る。すると男性はスマートフォンのライトをオンにして、それを近くの机に置いた。倉庫の一部の中が眩しく照らされた。

男性はこっちに来る。

 

「それじゃあ…はぁはぁ…そうだなぁ…そこで脱げ」

 

指をさし、そこで着替えろという。もちろん、丸見えだった。

私はコクンと頷きながらその場所へ行き、銃のバッグを置いた。

 

「はぁはぁ…これまで我慢していた…へっへっへ。ついに…」

 

息荒く、私を見てくる。

私は着ているコートを脱ぎ、そのコートを地面に落とす。普段着から、上のシャツを脱ぎ、下のズボンも脱いだ。

下着が申し訳なさそうに隠している。スマートフォンから放たれる光が私の肌を照らしていた。

 

「はぁはぁはぁ…綺麗だなぁ詩乃ちゃん…へっへっへ。それじゃあもちろんそれも脱げ」

 

息をさらに荒くし、目を丸く輝かしている。

その男性に私はあることを言った。

 

詩乃「…ねぇ、恥ずかしいからそっち向いててくれない?脱ぐとこ見られるのってとっても恥ずかしいのよね。服ならまだ我慢できたけど…ちょっと下着を脱ぐときは…」

 

「はぁ…まったく仕方ねえな。早く脱げよ」

 

詩乃「もちろん、よ」

 

そっぽを向いた男性。

そして、私はあるものを握る。

下着を脱いで、ついに肌だけになった私。だが今はそんな恥ずかしさはなかった。

そして、私は合図する。

 

詩乃「…いいわよ」

 

「おっ。そうかぁ。…はぁはぁ…、ついに詩乃ちゃんの裸を…」

 

そして、男性はこっちを向く。男性は一瞬私の裸に目を取られたが、その目は一瞬で変わった。

 

詩乃「ありがと」

 

パシュン。

 

男性のおでこに綺麗に穴が開いた。そしてその血は後の壁へと、スマートフォンへとかかる。

血しぶきが私の肌に少しかかり、舌打ちをしてしまう。

 

「…し…詩乃…ちゃん…」

 

詩乃「あなたはもう用済みなの。私のターゲットはアイツだけ。さよなら」

 

バタッ。すでに命の無い男性の体が思い切り倒れた。

血しぶきはスマートフォンにもかかり、そのスマートフォンを私は手に取り、男性のジーパンの中へ入れた。

壁に血しぶきがかかったが、私はスマートフォンを置いていた机に足を乗せ、壁に貼り付けていた紙をはがした。そして地面に張っている紙もはがし、丸めていく。

血しぶきはここにはもう一滴もなく、すべてこの紙にかかっていた。そう、血しぶきは先にこの壁に紙をつけていれば対処できるし、真夜中、だれもここには来ない。

そして倒れている男性の床の紙を男性の体を包み込むように丸めた。証拠は残さない。

完全にやるのが私。

 

そしてまるめた紙を置いて、先に男性を担ぐ。

倉庫を裸のまま出て、海風が肌に当たる。少し寒いが、我慢できる。

そして誰もいない港。その男性の遺体を海へと思い切り投げ捨てた。

倉庫にある紙も一緒に入れる。紙はいずれふやけて消える。男性の遺体は途方に消える。サメにでも食われるのかしら。

倉庫に戻り、普段着を着て灰色のコートを着た。見渡しても証拠がない。私は銃をもってゆっくりバッグにもどした。銀行で人を殺した時より全然平然といられる。なぜだろう。

銃を入れたバッグをもって、私は倉庫を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月曜日 六本木 あるビルの屋上

 

決まった場所から撃つ。もう計画も決めていた。これでもう終わりだ。

私は改め双眼鏡でラース本社の窓を見る。キリトのオフィスはどこにあるかもう把握しており、ここから狙える。

 

詩乃「…」

 

まだキリトはいない。だが、真面目な女社員はすでに出勤している。見ているだけで憎たらしい。すぐにでも殺したい。だが、まだだ。

私が狙う場所はあのオフィスではない。そう、狙いやすい外だ。あの一番下の、いっつも女社員と食べている外だ。

…しばらくしてキリトが来た。私はまつ。そう、待つのだ。時がくるまで。

結局キリトは別れなかった。オフィスに着いたときのキリトは、女社員と出会うと私達には見せない笑顔になっていた。

あんなに忠告したのに結局判断できなかったんだ。なんとも哀れだろうか。私の言うことをしっかり聞いていればよかったのに。この結果になったのは、そう、この《物語》の中心のキリトだ。

 

時が12時になる。オフィスの部屋がざわめく。飯を食いに行くもの。誰かと行くもの。その場で食うもの。

そしてキリトは思った通り女社員とオフィスを出た。

外から見えるエレベーターに乗っている。ここからでも視認できる。

1階につくと、弁当をもって外にでた。

そう。そこだ。

私の予想のままだ。

あの女社員の笑顔が苛立つ。あぁ。いやだ。いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ。

キリトは座った。

女社員も隣に座った。

コッキングレバーを強く引いた。

空薬莢が出る。レバーを戻し、視認する。

最近のゲームはリアルを持ち込みすぎだ。だからこうやって現実世界でもできてしまう。

スコープの十字印にしっかり女社員の頭を位置づける。

私のキリトが隣にいる。だがあの角度だと当らないのだ。それもここを選んだ理由だった。

 

今。その目障りな女から解放してあげるわ。キリト。

女社員。あなたの人生。そう、あなたの命はここで…

 

トリガーに人差し指をかけ。

 

詩乃「The-End」

 

パシュン。

軽い振動がし、銃口から弾丸が発射された。

弾丸は周り、そして彼女へ迫る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぴう。

そんな音が俺の耳に聞こえた。

次の瞬間。

 

俺の隣にいた人は。

頭から血を出して…。

倒れていた。

 

和人「…え?…あ…あ…あ…」

 

俺は思わず腰を曲げてしまい、後退る。

 

和人「うわああああああああああああああああ!!!!」

 

俺の悲鳴が、この外に響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死亡が確認された。

病院でそう医師に告げられた。

俺はその時はあの撃たれた時よりも絶望感は薄かった。すでにもう気は取り戻していた。だが、ショックは拭えなかった。

近くにあるベンチに腰を下ろす。

 

和人「…」

 

俺が、悪かったのか。俺が、彼女を殺したのか。

彼女を殺したのは、アイツだということはもうわかっている!

どうして…こんな…醜いことができるんだ。俺にはわからないよ。もう、わからないよ。

俺の眼にはもう光が宿ってないだろう。だが、俺ができることは、とにかく詩乃に会って、そして詩乃に対してありったけの怒りをぶつけることだけだ。

それ以外に何ができるというのか。わからない。わからない。

俺はベンチを立って、重い足で外へ出た。

 

 

 

しばらくエギルから借りたバイクで走り、詩乃の家の前へと俺はきた。

改めてスマートフォンを確認する。ニュースを見るが、撃たれた事件は出ても犯人は特定されていない。

…俺が言うんだ。

バイクを止め、俺は詩乃の家の前に立つ。この先に…殺人鬼がいるんだ。一人殺しても殺人鬼だ。俺にとっては。

震える手でインターフォンを押し、その音が響いた。その音にさえ俺はびびってしまった。

すると数秒後にドアはガチャンと開かれ、その奥から現れたのは…。

 

詩乃「いらっしゃい。キリト」

 

いつもの笑顔で変わらずの詩乃だった。だがこいつで間違いない。俺の大切な友人、いや、恋をしていた女社員を殺したのはこいつに間違いない!

 

和人「…詩乃…詩乃…詩乃ぉ!」

 

俺は思わず詩乃の胸倉をつかんでしまった。

 

詩乃「あら?何かしら。そんな怖い顔して」

 

和人「何じゃない!お前…お前が殺したんだろ!」

 

詩乃「誰を?」

 

和人「誰をって…」

 

詩乃「証拠は?あるの?警察に言う?でも無理よ。証拠がないじゃない」

 

和人「俺が…絶対に…」

 

詩乃「絶対に何よ。そもそも私の忠告に大人しく従わなかったあなたが悪いじゃない。私は言ったわよね?それでも和人は離れなかった。笑顔でいたわよね。だからやったの」

 

和人「…俺が…?」

 

詩乃「そうよ。和人。あなたよ」

 

つかむ手の力が弱くなり、胸倉を離した。

長い髪で俺の眼は視認できないだろう。だが俺の眼は今は恐らく黒いはずだ。

 

和人「…俺は…」

 

詩乃「安心して?私が嫌なことから全部解放させてあげるから」

 

生気を感じない俺に近づく詩乃。それはいい笑顔で。目にはハートが見えた。

なんだ。結果俺が殺人鬼なのか。いや…でも…俺が…。

 

ビリビリ。

 

スタンガンだと一瞬で認識できた。遅れて俺は立ち上がったが遅かったみたいだ。

 

和人「…ぐあっ!」

 

バタ。

意識が薄れていく。俺は、何もできなかったようだ。

だが、こいつの思い通りにさせてたまるか。抗って見せる…抗って…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

監禁 ~1日目~

 

ベッドに手錠でつながられ、大の字になって伸びていた俺。

そこに詩乃が来た。

 

詩乃「…おはよう。元気?」

 

和人「そんなわけないだろ…」

 

詩乃「ご飯よ。私が食べさせてあげるわ」

 

和人「…」

 

詩乃「ほら、あーん」

 

これは食わざるを得ない。俺は口をあけご飯を食べた。

普通に美味しいが、一つの疑問が浮かんだ。

 

和人「…思ったんだが、両親は?」

 

その時、詩乃の顔が不気味にほほ笑んだ。

 

詩乃「フ…フフフ…見たァい?」

 

和人「っ!?」

 

嫌だが、悟ってしまった。

まさかとは思うが、女社員を殺した人だ。できるんだろうな、こんなことも…。

 

和人「…いい」

 

詩乃「そう?ならいいわ」

 

和人「…早く出せ」

 

詩乃「嫌よ、私が愛してあげるから出さないわ」

 

和人「…そんなこと…」

 

すると詩乃はゆっくりと俺の顔に近づき、目を細めると口を小さくした。

俺の唇と彼女の唇が重なった。抵抗できない。縛られていてなにもできない。

 

和人「ぁ…」

 

詩乃「うふふ…いずれ私のことをすきになるわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

監禁 ~15日目~

 

見ている景色は変わらない。俺は寝たままだ。あぁ、頭がおかしくなる。15日。トイレや風呂だって縛られたままで。手錠も外れなくて。隙もないし、切れそうにもない。

もう辛すぎる。何日たったんだ…?あぁ…そとを見ていない。皆なにしているんだ…俺を早く助けてくれよ…。

 

詩乃「んっ」

 

唇から離れると、俺の胸に顔を寝かせた詩乃。

 

詩乃「…大好き。ずっとね」

 

和人「…俺は…嫌いだ…」

 

詩乃「そう。そんな言葉聞きたくないわね。いずれ変わるわ」

 

和人「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

監禁 ~30日目~

 

一日は24時間で終わる。24時間が何回経った?俺は日光を浴びていない。飯を食べて、風呂、トイレ。なんだ。これは。

頭が狂ってきた。考えることさえつらい。なんでなんだ。つらくて…考えることは詩乃のことだけしかない。他は考えることはできないようになってきた。

 

詩乃「…お粗末様」

 

和人「…あぁ…」

 

抵抗していたんだっけ…。そんなのもういいや。

疲れた。あぁ。今って幸せっていうのか…それとも違うのか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

監禁 ~156日目~

 

…。

…。

…。

…。

…。

…今はいツだ?何時間たっタ?

真っ暗だ。思考ハ詩乃でウめつクされてイる。

 

あァ…ホら…来タ…天使…。

彼女こソ…て…天使…詩乃…あぁ…。

 

詩乃「来たわよ、和人」

 

和人「詩乃…あぁ…詩乃…」

 

詩乃「もう溜まってきてるんじゃない?」

 

和人「詩乃…好きだ…君が…大好きだ…」

 

詩乃「私もよ。もちろん。和人」

 

詩乃が…脱ぎ始メた。

詩乃とはもう俺はヤってイるんだ。ほら…あぁ…。

彼女優シいんダ…。世話しテくれルし…性欲にもこまらナいし…。

大好きだ…。もウ詩乃なしジゃ生キていケない…。

 

あれ…?オレいつノま二手錠外さレたんダ…?

まぁ…いっカ。詩乃がいルカら…彼女がいレ…ば…。

 

詩乃が俺のとナりに肌を見セて布団を被った。

 

詩乃「愛しているわ。あなた」

 

 

【挿絵表示】

 

 

和人「俺もだよ。詩乃」

 

俺は、今、シアワセ。

 

BADEND4 冥界の女神




どうデしょうカ…みてクれタ方…ありがとうございます。

長い間投稿できなくてすみません。待ってくれた方。本当にありがとうございました。
シノン編はとても悩みました。なんせものすごい人気なキャラの一人ですからね。自分のssなので自分の好きなようにさせてもらいました。気に入ってくれたら嬉しいです。これからもよろしくお願いします。

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