私は依頼を受けることにした。
それで今、オセアニア唯一の貿易港、リヴァプールにいる。ここで輸入品が荷降ろしされるとのことだ。
ステルスギアを装着して待っていると…きた。ユニオンジャックの旗を掲げた船が港に入ってくる。オセアニアの国旗はユニオンジャックなんだ。知らなかった。
船が着岸して、中から積荷が降ろされてくる。小麦や冷凍肉、缶詰…、沢山ある。
「さてと私も仕事仕事っと」
荷物が4台のトラックに積み込まれていくのを見て回る。特に問題はなさそう。荷物の量も減ってないようだし。
トラックは荷物が積み終わると次々に発車して行った。もうもうと排気ガスが立ち込める中を私はトラックを追って飛び立った。煙い。
マイケルさんから渡された地図を見ながら、トラックを見張る。リヴァプールとロンドンの間は専用の道路があり、そこを通ることになっている。今のところ道順通り走っているから問題なしだ。それにしても…。
「何もないね。元はイギリスだったから何かしら有名な建物が残っていても良さそうなのに。どこを見ても荒地ばかりだし、場所によってはクレーターまである」
核戦争の後、道路沿いは放ったらかしにされてたのだろうか。
感傷に浸っているとトラックが急に止まった。燃料がなくなったのかな?流石にそれはないと思うけど。もしかしたら車が故障したのかもしれない。
しかし運転手さんは全くトラックから降りてくる気配がない。壊れたならエンジンの調子でも見に来るはずだ。どうしたのかな。なんだかこうなることが前もってわかってたようだけど?
周りを見てみると線路が引いてあった。まさか貨物列車に荷物を載せていこうとでも考えてるのだろうか。そう簡単に貨物列車が来るはずもないし、そもそもそんなことさせてくれるはずがない。
なんか変だな。考えすぎだといいけど。
しばらく待っているとリヴァプールの方から貨物列車が来た。
「何あれ?」
来たのは多分、貨物列車だ。貨車を5両繋いでいるから。でもその後ろに窓を塞いだ客車を2つ引いていたのが気になった。
そして列車がトラックの横で止まった。すると客車のドアが開いて中から誰か出て来た。15人くらいの武装した兵士と4人の黒いオーバーオールを着た党内局員だ。見たことない人ばかりだけど。
「誰だろ」
端末を取り出し写真を撮っておく。
トラックの運転手が車から降りて来て、何やら4人の局員と話をしている。その横で兵士が荷物をどんどん貨車に移していった。
「ここで待ち合わせでもしてたのかな?」
トラックの運転席を覗くと燃料はまだ充分にあった。本当に待ち合わせしてたかのようだ。
そうして4台のトラックをの燃料の残量を見て回った後は、荷物の積み替え作業が終わるまでずっと端末でその様子を撮影していた。
荷物をすっかり積み終えると党内局員と兵士は皆客車に引き上げた。そしてトラックの運転手までもが客車に乗り込んだ。何でだろ?とりあえず列車を追いかける。列車のスピード自体はそんなに速くはない。向かっている方角もロンドンの方だ。
それにしても
「何でトラックを置いてったんだろう」
トラックの燃料はまだ残ってる。わざわざ荒野において来る必要はない。
そのことがどうしても気になる。
そうこうしているうちに列車は何処かの駅に止まった。ポイント切り替えのためらし、ポイント⁈
「地図にはこの路線以外何も書いてないよ⁈一体どこに繋がってるの⁈」
大変だ。急いでマイケルさんに連絡を入れないと。
駅の名前(A28というらしい )を確認して、携帯電話(オセアニアにもあるとは。意外だった)を使って知らせた。
「マイケルさんですか!未来です。A28駅に人を派遣して…」
そこまで言った時だった。ゴンという音とともに後頭部に鈍い痛みが走った。
後ろを振り返ると機関士らしき人が棒を持って立っていた。こっちを見ている。見えない筈なのに。
身体を見てみるとステルスギアは解除されていた。し、しまった。
慌てて逃げようとしたが、身体がふらつく。視界もぼやけて来た。
結局50メートルほど飛んで落っこちてしまった。それでもイタチの最後っ屁とばかりにアームドギアから上空めがけて光線を撃ちまくった。10発ほど撃って、私は気を失った。お願いだから誰か気づいて…。
LiNKER1発だけではステルスギアはあまり長持ちしないのです。
さぁ、大変。未来さんはこの危機をどうやって脱するのか。
次回乞うご期待!