未来さんが小日向未来じゃなくなります。
「う、うーん」
目がさめると薄暗い部屋にいた。
「ここは…」
起き上がろうとしたけれどもできない。手足が鎖で固定されているからだ。何とか逃げ出そうとしたけれども鎖は全く切れない。
「無駄だ。諦めたまえ」
頭の上の鷲のレリーフから声がした。
「誰⁈」
「私はショッカーの首領だ。小日向未来君、ショッカーへようこそ」
「何で私をこんなところに連れてきたの?」
「君が纏っていたあの鎧に目を付けたのだよ。あのようなものはこの世界にはない。そこで君を連れてきたのさ。わざわざここまで」
「ま、まさか、あの魔法陣は!」
「君がそれを知る必要はない。未来永劫、私の尖兵として働いてもらうからな」
レリーフからの言葉が終わると同時に白装束の集団が部屋に入ってきた。手術道具を入れたカートを押している。
「君にはこれから改造手術を受けてもらう。光栄に思いたまえ」
手術…、じ、冗談じゃない!
「い、いやだ。そんなことされたら、響に」
「心配しなくてもいい。立花響もここに連れてきてやろうさ」
何で響のことを知っているんだ。この人は。
「手術を始めろ!」
白衣を着た執刀医が近づいてきた。
「や、やめて!私はあんな怪物になんかなりたくない!あんなのになったら、響のところに帰れなくなる!やめてやめてやめてやめて!」
必死になって鎖を引きちぎろうと暴れるも全然切れる気配がない。そして執刀医達に取り押さえられて、麻酔を打たれてしまった。
「ひ、び、き」
「首領、改造手術は無事完了しました」
「1週間ご苦労だった。結果はどうだ」
「成功です」
「被験者を連れてこい」
「入れ」
命令ガアッテ私ハ部屋ニハイッタ。
「シュリョウ、M00デス。カイゾウシテイタダキアリガトウゴザイマス」
「早速貴様に任務を与える。サボテグロンを援護し、仮面ライダーを抹殺せよ」
「オオセノママニ」
命令ヲウケテ退出シタ。命令ハ絶対ダ。成功サセナイト。
ナニカ大事ナコトヲワスレテイル気ガスルケレドモドウデモイイヤ。
「アレガ仮面ライダー?ヘンテコナミタメダナ」
バッタヲ人間ニシタヨウナノガ、サボテグロント戦ッテイル。アイツ、前ニ仮面ライダーニ倒サレタカラカオサレッパナシダ。
アイツトハ合ワセラレナイ気ガスルケド、任務ハコナサナイトイケナイ。
アームドギアヲトリダシテ、仮面ライダー目掛ケテ一発オミマイスル。
「なんだ、今の光線は!」
チッ、キヅカレタカ。マァイイ、モウ一度。
「とぅ!」
サボテグロンノ奴、盾ニサレヤガッタ。マヌケナヤツ。
「仕方ガナイ。俺ガ直接相手ヲスルカ」
ミラーデバイスヲ展開スル。サアテドウデル、仮面ライダー?
「オイオイ、コンナニモ強イノカ⁈タカダカワームノ分際デ!」
序盤ハ此方ガ有利ニ進メテイタ。理由ハ簡単。仮面ライダーニ私ハミエナイカラダ。ステルスノオ陰デナ。
ダカラミラーデバイスト一緒ニ彼奴ニ集中砲火ヲアビセルコトガデキタ。ダガドウイウワケカ、奴ニ此方ノ居場所ヲ見破ラレハジメタ。ソノセイデ逆ニ攻撃ヲ喰ラッテステルスガトケタバカリカ、奴ノライダー返しノセイデ上空ニ逃ゲルコトモデキナイ。一貫ノオワリだ。
「光線の発信源は…お前か。妙な姿だな。本当に改造人間なのか?」
「ソンナコトハシラナイ。俺ノ名前ガM00デアルコトトオマエヲ倒セトイウ命令ヲ受ケタコトシカワカラン」
ライダーハ俺ノ言葉ニ何カ考エテイタヨウダ。ソシテコッチマデキタ。モウオシマイカ。
俺ノ意識ハソコデ途絶エタ。
「取り敢えず気絶させてはみたが、この子は一体誰なんだ…?」
仮面ライダーこと、一文字隼人は少女を抱えて困惑していた。
ショッカーの新基地建設の情報を受けて出動し、その指揮官である再生サボテグロンを倒したまでは良かったが、怪光線を発射する謎の少女と遭遇したためだ。
光線こそ強力だが少女自体は非力だったため、捕獲には成功した。しかし改造人間にしてはあまりにも人間に近い外見なのだ。
「顔には俺のように手術跡が浮かんでいる。だから改造手術は受けたんだろうけど、それにしても…」
「おおい、ライダー!」
「滝か」
「どうしたんだ、一体。そんな女の子を抱えて」
「さっき戦った怪人をこの子が援護していたんだ。改造人間のようだが、こんな姿をしたものは見たことがない。どうする」
「一旦、レーシングクラブに引き上げよう。後のことはそれから考えた方が良い」
「脳改造を受けている可能性が高いからその処置も確かに必要だしな」
2人の男は少女を背に乗せ、バイクで去っていった。
仮面ライダーにボロ負けした未来さん。
まあ、向こうは柔道と空手の達人ですからね。近づかれたらおしまいです。
次回、とんでもないことが起こります。
お楽しみに。