しかし未来に異変が…。
「終わったよ、親父さん」
「どうだった」
「洗脳解除手術は成功した。多分あの子も正気に戻るだろう」
「それは良かった」
あの後、俺は立花レーシングクラブにあの子を連れ帰った。親父さんに頼んで使っていない部屋を手術室にしてもらい、そこで改造された脳を元に戻した。
「それにしても一体あの子は誰なんだろうな」
「名前と命令以外知らないって言ってたから…。人造人間みたいなものじゃ。ほら、戦闘員は細胞を合成して作っているらしいし」
「そうかもな。しかしあいつらと違って、彼女には脳改造された跡があるんだろ」
「そこなんだ、親父さん。俺が気になっているのは」
延々と話し合ったが結局、正体についての結論は出なかった。
「…ここは」
頭が妙にスッキリしている。悪い夢でも見てたみたいだ。
「頭に包帯が巻いてある。何でだろ」
何が怪我でもしたのかな。頭が痛いし。
「それにしても何でこんなところにいるんだろ。そもそも私何していたんだっけ。あと何か、何が忘れてるんだけど」
それが思い出せない。
「おや、気がついたのか」
男の人が2人入って来た。
「別に怪しいもんじゃない。俺は立花藤兵衛と言って、ここ立花レーシングクラブの会長だ。こっちの若いのが、一文字隼人だ」
変な人ではなさそうだ。立花という苗字がどこか引っかかるけどなぜかわからない。
「あの…、私どうしてここにいるんでしょう」
「君はさっきのことは覚えてないのかい」
「さっきどころか…、ベッドで起きてからのこと以外何も覚えてません。自分の名前も」
「なんだって!」
「おい、隼人。お前まさか…」
「そのまさかの可能性が考えられなくもないが…」
俺の手術ミスの可能性も考えられなくもない。俺の洗脳を解いてくれた本郷に比べるとどうしても腕は劣る。ただ…。
「他に理由があるのか」
「一つある。元々記憶を消されていることだ。さっき戦ったとき、彼女はこう言った。自分が知っているのは、M00というコードネームと命令だけだってな。普通、怪人というのは破壊された後に修復されでもしない限り、元になった人間の記憶は持っているんだ」
そうでもなきゃ可笑しな話だ。大体ショッカーは知力体力に優れた人間を改造して手駒にしている。それなら記憶を消すような真似は普通はしない。
「じゃああの子は」
「元々なにかの実験台にされてたのかもしれない。でもね親父さん、俺が気になっているのは、彼女が何処から来たのかということさ」
「どうしてだ」
「あの子が俺を襲ってきたときに、巨大な扇と鏡を使っていたことはさっき教えたろ」
「ああ、それを使って光線を撃ってきたんだろ。そんな漫画みたいな武器があるのかって思ったが…」
「いくらショッカーでもあんなものを作る技術力はない筈だと思ったんだ」
「確かにな。じゃああの子がお前を襲ったときに使ったのは」
「多分、今の技術じゃ作れないものじゃないか」
「すると隼人、あの子は未来から来たとでも言いたいのか」
「そうじゃないかな。まぁこんなに非現実的な話もないもんだが、何かの拍子に帰れなくなったところをショッカーに捕まったとか…」
「信じられんことだが、そういうことにしておこう。とりあえずあの子は俺が引き取ることにするよ」
「そうしてくれると助かるよ、親父さん。ショッカーの連中があの子を取り戻そうとするかもしれないから」
あの子は何者なんだ。未来人なんてことは…、まさかなぁ。
さてさて記憶喪失になってしまった未来。
断っておきますが、これは2号のミスではありません。あの人はV3の改造手術をして成功させていますからね。
当分の間、小日向未来という名前は出ません。本人がわからない以上ねぇ…。
さて未来はこの世界でどうやって生きるのか。
次回乞うご期待!