陽だまりシリーズ:小日向未来<放浪>   作:ヨザリイコイ

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仮面ライダー2号こと一文字隼人に救出された小日向未来。
しかし未来に異変が…。


chapter26.名前がわからない

「終わったよ、親父さん」

「どうだった」

「洗脳解除手術は成功した。多分あの子も正気に戻るだろう」

「それは良かった」

 あの後、俺は立花レーシングクラブにあの子を連れ帰った。親父さんに頼んで使っていない部屋を手術室にしてもらい、そこで改造された脳を元に戻した。

「それにしても一体あの子は誰なんだろうな」

「名前と命令以外知らないって言ってたから…。人造人間みたいなものじゃ。ほら、戦闘員は細胞を合成して作っているらしいし」

「そうかもな。しかしあいつらと違って、彼女には脳改造された跡があるんだろ」

「そこなんだ、親父さん。俺が気になっているのは」

 延々と話し合ったが結局、正体についての結論は出なかった。

 

 

 

 

 

 

「…ここは」

 頭が妙にスッキリしている。悪い夢でも見てたみたいだ。

「頭に包帯が巻いてある。何でだろ」

 何が怪我でもしたのかな。頭が痛いし。

「それにしても何でこんなところにいるんだろ。そもそも私何していたんだっけ。あと何か、何が忘れてるんだけど」

 それが思い出せない。

「おや、気がついたのか」

 男の人が2人入って来た。

「別に怪しいもんじゃない。俺は立花藤兵衛と言って、ここ立花レーシングクラブの会長だ。こっちの若いのが、一文字隼人だ」

 変な人ではなさそうだ。立花という苗字がどこか引っかかるけどなぜかわからない。

「あの…、私どうしてここにいるんでしょう」

「君はさっきのことは覚えてないのかい」

「さっきどころか…、ベッドで起きてからのこと以外何も覚えてません。自分の名前も」

「なんだって!」

 

 

 

 

 

 

「おい、隼人。お前まさか…」

「そのまさかの可能性が考えられなくもないが…」

 俺の手術ミスの可能性も考えられなくもない。俺の洗脳を解いてくれた本郷に比べるとどうしても腕は劣る。ただ…。

「他に理由があるのか」

「一つある。元々記憶を消されていることだ。さっき戦ったとき、彼女はこう言った。自分が知っているのは、M00というコードネームと命令だけだってな。普通、怪人というのは破壊された後に修復されでもしない限り、元になった人間の記憶は持っているんだ」

 そうでもなきゃ可笑しな話だ。大体ショッカーは知力体力に優れた人間を改造して手駒にしている。それなら記憶を消すような真似は普通はしない。

「じゃああの子は」

「元々なにかの実験台にされてたのかもしれない。でもね親父さん、俺が気になっているのは、彼女が何処から来たのかということさ」

「どうしてだ」

「あの子が俺を襲ってきたときに、巨大な扇と鏡を使っていたことはさっき教えたろ」

「ああ、それを使って光線を撃ってきたんだろ。そんな漫画みたいな武器があるのかって思ったが…」

「いくらショッカーでもあんなものを作る技術力はない筈だと思ったんだ」

「確かにな。じゃああの子がお前を襲ったときに使ったのは」

「多分、今の技術じゃ作れないものじゃないか」

「すると隼人、あの子は未来から来たとでも言いたいのか」

「そうじゃないかな。まぁこんなに非現実的な話もないもんだが、何かの拍子に帰れなくなったところをショッカーに捕まったとか…」

「信じられんことだが、そういうことにしておこう。とりあえずあの子は俺が引き取ることにするよ」

「そうしてくれると助かるよ、親父さん。ショッカーの連中があの子を取り戻そうとするかもしれないから」

 あの子は何者なんだ。未来人なんてことは…、まさかなぁ。

 




さてさて記憶喪失になってしまった未来。
断っておきますが、これは2号のミスではありません。あの人はV3の改造手術をして成功させていますからね。
当分の間、小日向未来という名前は出ません。本人がわからない以上ねぇ…。
さて未来はこの世界でどうやって生きるのか。
次回乞うご期待!
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