親父さんの元に身を寄せることに。
「おおい、麻由。レンチを持ってきてくれ」
「はーい」
親父さんに呼ばれてレンチを持っていく。
ここに来て2ヶ月。立花レーシングクラブでの生活にも慣れて来た。記憶はいまだに戻らないけど、ここでの生活も悪くない。
あの時は大変だった。記憶がないことがわかった上に、私の情報が何もなかったから。親父さんと一文字さんと滝さんがあれこれ手を尽くしてくれた結果、新しく戸籍を作ることができ、私は親父さんの義理の娘として「立花麻由」と名乗ることになった。
名前があるのはやっぱりいいものだ。立花という苗字について何か大事なものを忘れているような気もするけど。
一文字さんのオートバイのサイクロン号を2人で整備する。
こんなオートバイ、どこでつくったんだろう。頭の中に時折浮かぶ青いオートバイとも違う。
「親父さん、このバイクってどこ製なの」
「これはな…、少し訳ありでどこで作られたのかは言えないんだ。ただ普通の人間には乗りこなせないものではあるとだけ言っておこう」
「そうなんだ」
サイクロン号はどこかで作られたモンスターマシンらしい。あと一文字さんは普通の人間ではないらしい。別にそんなことは私にとっては気にはならないけどね。色々とよくしてもらってるし。
ただそのことを口に出さない方がいいのは確かだ。あれこれ気になって相手の事情に変に深入りしない方がいいから。
前にも誰かが人に言えないことを私に隠してたことが…、誰が?それに私に何を隠してたんだっけ。
「おい、麻由。どうしたんだ。具合でも悪いのか」
「あ…、あぁ、大丈夫。少し考え事しちゃって」
「そうか?それならまあいいんだが」
まぁ、そのうち思い出すだろう。
「親父さん、サイクロンの改良は済んだかい」
「あぁ、ばっちりだ」
「エンジンの出力を上げておいたよ、一文字さん」
「それは良かった」
一文字さんがサイクロン号を引き取りにレーシングクラブまで来た。
「それにしても早いな。確か5時に引き取りに来るって言ってたじゃないか」
「いい被写体になる風景が見つからなくてさ、早めに切り上げてきたんだ」
2人が話しているとサイクロン号の通信機に反応があった。
「どうしたんだ?」
「滝、何かあったのか」
「隼人か。ショッカーの改造人間だ!」
「何だって!」
一文字さんはサイクロン号を急いで走らせて何処かへ行ってしまった。
そして私は…、何故か後を追いかけた。予備のサイクロン号に乗って。
「麻由、待つんだ!」
親父さんの制止も振り切って。
風を突っ切っていく。
サイクロン号をどんどん加速させる。100…,120…,140…、とうとう時速200キロを超えた。でも私は加速を続けた。
「生身じゃ辛い…、な」
時速300キロを超えた。生身だからかなりきつい。でもこれでわかったことがある。私は普通の人間じゃない、何かみたいだ。
「私も普通じゃないんだ。人のことは言えないな」
それがトリガーだったのか。私に変化が起きた。
先ず身体に傷が浮かんできた。それを隠すように黒いボディースーツのようなものが身体を覆う。首には赤いマフラーが巻き付く。頭には黒いバイザーとクラッシャーが装着された。
「何だこれ」
生身じゃないからまぁいいか!
如何でしたか。
未来バージョンのライダー型ギアの登場です。
最も本人はシンフォギアだとはわかってはいませんが。
ちなみにライダー型ギアは、他の2人のものに比べると色合いは地味で露出の少ないものになっています。そして顔が見えないようにできています。はっきり言って見た目はあまり良くないですが、その分…。
なお、未来は立花麻由名義で自動二輪免許を持っています。無免許ではないのでご安心を。
それにしても未来は神獣鏡を一体どこに隠してたんですかね。
次回乞うご期待!