陽だまりシリーズ:小日向未来<放浪>   作:ヨザリイコイ

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さて植物怪人戦2ラウンドです。


chapter31.大敗

 ミツル君を助けた次の日に、親父さんが花屋から花を買ってきた。花びらが真っ赤な花だ。色合いは嫌いじゃないけど…、

「何だか作り物みたい」

 造花と言われても気づかないくらいに作り物っぽさが抜けないのだ。それにこれは一体何の花なんだろう。

「親父さん、これって何の花?」

「花屋が言うにはアルラウネとかいうらしいが…」

「アルラウネ?マンドラゴラのことかな?でもマンドラゴラの花は紫色だよ」

「そうなのか?俺は花についてはよく知らんから何とも言えんが…、麻由のいう通りならこいつは一体なんなんだ?」

 2人で首を傾げていると五郎君が来た。4時から近くのスカイビルで怪獣サイン会があるらしいから私に付き添ってほしいらしい。

「わかった。じゃあ親父さん、少し行ってくるね」

「気をつけてな」

 

 

 

 

 

 怪獣サイン会は近所の子供達も来ていた。

 かなり賑わってるみたいだ。それで肝心のスカイビルはというと…、

 とても殺風景な雑居ビルだった。こんなところでやるの?

 まぁ、子供達は気にしてないみたいだし別にいいか。

 

 

 

 

 怪獣サイン会の会場の部屋まで来た。まるで面接会場か記者会見の会場みたいな場所だ。会場はここで合っているのかな?

 少し待っているとピエロに連れられて4体の怪獣らしいものが入って来た。みんなベルトを巻いている。それも鷲のマークのついた…、まさか。

「姉ちゃん、麻由姉さん。前に俺、あいつらを見たことがある!」

「じゃああの怪獣!」

 次の瞬間、怪獣が子供達に襲いかかってきた。

 慌てて怪獣らしきものを引き離しそのまま乱闘になった。でも子供達がいるから思うように動けない!

 怪獣ならぬ怪人の1人を壁に叩きつけた。かなり硬い奴だったのか壁に穴が空いた。バルコニーか非常時の通路に通じているみたいだ。

「ここから早く逃げるんだ!」

 子供達を逃す。後はこいつらの足止めさえすれば…。

 ギアを装着できないまま、私は4人の怪人に立ち向かった。

 

 

 

 

 

 まずさっき壁に叩きつけた奴に立ち向かった。タイルを貼ったような青っぽい色の怪人だ。

 腹部を狙って蹴りを入れたが大してこたえている様子はない。結構硬い。これは一体だけでも大変だ。

 諦めずにもう一度攻撃しようとした時に腰に誰かがぶつかってきた。見るとモグラのような怪人が私にタックルを仕掛けてきた。これには耐えきれず、今度は私が反対側の壁に叩きつけられた。ふらつきながらも何とか立ち上がるとタイル怪人がボールになって突っ込んできた。しかもかなりでかい。おまけにその斜め向こうからは蟹みたいな怪人が泡を吹き付けてきた!

 咄嗟にタイルボールを蹴り飛ばして蟹怪人の顔面にぶち当てた。威力はかなりあったみたいで、壁をぶち抜き欄干をなぎ倒して真っ逆さまに落ちていった。

 ただ今のでどうも脚が壊れたみたいだ。右脚が動かない。残った怪人は2体。どうする、私!

 

 

 

 

 

 

 あーあ、これまでか…。

 脚が壊れたせいで何も出来ず、怪人2体相手に袋叩きにされた。もうボロボロだ。

 それで今首を掴まれ、ビルから落とされそうになっている。ビルから…、上手くいくかな?

「ショッカーに逆らう者は死だ」

 その言葉と共に私は宙に放り出された。

 

 

 

 

 

 あぁ、落ちていく。

 結構速くて、そして…かなりの風圧を感じる。しめた。

 そう私が思ったのを合図にしたのかはわからないが、少しずつ私に装甲が装着されていく。そして脚の痛みが一気に引いてゆく。それと左胸が何でか知らないけど熱くなる。

「本領…発揮!」

 地面に着地する頃には変身と自己再生は完了していた。

「麻由、聞こえるか!」

「一文字さん!」

「俺は今回の実行犯の怪人と戦っている!すまんが滝が来るまで子供達を頼む」

「わかりました!」

 一文字さんがテレパシーで滝さんがもうすぐ来ることを知らせてくれた。あともうひと頑張りだ。

 今度の相手は戦闘員のようだ。よし、やるぞ!

 

 

 

 

 

 

 戦闘員を片付けつつ、子供達を守る。戦闘員なら5、6人掛かってきたところで物の数ではない。

 飛び道具を持っていたら危なかったかもしれないが、幸い武器はレイピアだけだからどうにかなりそうだ。

「ていっ」

 まず1人目にボディーブローを叩き込む。序でに私の胸にレイピアを突き込んできた2人目への盾にする。上手く刺さってくれたみたいだ。抜かれる前に思い切り蹴飛ばして転倒させる。

 1人目の死体からレイピアを奪い取る。フェンシングなんかやった覚えはないが、何もないよりはいい。

 3人目と4人目がこっちに襲いかかってきた。片方は顔、もう片方は足を突こうとしている。一旦空中に逃げ、顔を突こうとしたやつの頭を逆に突き刺す。それを蹴飛ばして勢いをつける。その勢いを利用して4人目に頭突きを喰らわせて引き倒した。

 残る2人は…、ありゃりゃ滝さんに倒されてる。

「麻由!」

「滝さん!」

「五郎達は安全な場所へ逃がしておいた!一文字もあの植物怪人を倒したそうだ!」

「そうですか!でも滝さん、ほかの怪人があのビルにまだ残ってます!」

「それは俺たちのことか?」

 声がする方を振り向くとさっき倒し損ねた怪人がいた。

「まぁ、俺たちはここで足留めさえしていればいいからな…、トリカブトの奴もやられたようだが。お前達、呑気にこんなところで戦っていていいのかな?」

「えっ?」

 こっちが声を掛けない内に2人は自爆した。

 呑気にってどういうこと。

 

 

 

 

 

 

「こういうことさ」

 さてトリカブトと再生怪人達はよくやってくれた。

 実はトリカブトはG作戦遂行の為には、必ずしも必要な存在ではないのだ。我々はアルラウネを大量に都内にばら撒くことさえ出来ればそれで良いのだから。

「そろそろ都内100箇所にアルラウネが届く筈だ。毒ガス散布開始まであと3分。処分できて精々立花レーシングクラブに届いたものくらいだろう」

 コーヒーを飲み干して、司令室を出ていった。

「試合には負けたが勝負には勝ったな」

 その後都内各所がアルラウネによって壊滅的な被害を受けたことが報告された。今回は我々の勝利だ。

 




怪人を倒せた麻由達。
しかし今回ばかりはショッカーの方が一枚上手でした。
次回乞うご期待!
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