金色の狼が突っ込んできた。速すぎて動きがよく見えないが、何とか躱して近くの崖に身体を投げ込む。
飛び降りることでいつもの強化服とヘッドギアが装着される。サイクロン号を呼び寄せて飛び乗り、元の場所に急いで戻る。
「無事か!麻由!」
仮面ライダーに変身した一文字さんがこちらに振り返らずに聞いてきた。
「大丈夫です!」
「追いかけるぞ」
見ると金色の狼が踵を返して逃げ出した。何処へ行く気だ?
全速力でサイクロン号をかっ飛ばして追跡した。
「全然追いつかない!」
黄金狼男はサイクロン号のフルスピードである時速500キロでも追いつけないなんて、とんでもない速さだ。
「なんて奴だ。あんなに速く動ける奴は初めてだ!」
仮面ライダーもあの狼男の素早さには驚いているみたいだ。
凄まじいスピードで走っていく狼男。
これが大幹部の実力なんだ。
急に狼男が動きを止めた。見ると採石場のようだ。
「ここでいいだろう」
狼男はそういうとすくっと立ち上がった。
さっきまでの狼そのものの姿とは違い、人と狼の中間ともいうべき姿だ。こっちの姿の方が狼男らしい。
「さあ、かかってこい」
言われるまでもない。私達は狼男に挑みかかった。
こちらが駆け出したのと同時に狼男は先程の狼形態に戻り、体当たりをしてきた。あまりの速さに避けられず、ライダーの胸に狼男の体当たりが直撃し、彼は吹っ飛ばされて岩場に激突した。
「一文字さん!」
「余所見している場合か?」
こちらが振り返ったときには、金色の光が目の前に来ていた。
「ぎゃあ!」
左の脇腹に体当たりを喰らい、地面に叩きつけられた。
「まだまだ行くぞ!」
人型に戻った狼男が鋭い爪を振り上げ襲いかかってくる。
左腕でガードして跳ね返す。
それから凄まじい速さのラッシュを見舞ってくる。とても全部は避けられない。お陰で両腕と胸とお腹が傷だらけだ。
「こなくそ!」
必死の思いで狼男の腕を掴んで、お腹に回し蹴りを当てる。少しだけよろめいたが、すぐに体勢を立て直された。今まで戦ってきた怪人とは違う。強い。
だがこちらに襲いかかろうとした狼男が吹っ飛んだ。見ると仮面ライダーがライダーキックを横から当てたみたいだ。
今のは流石に予想出来なかったみたいだ。
「俺を忘れてもらっちゃ困るぜ」
そのまま狼男に掴みかかり首筋に手刀を浴びせ、パンチを連続で叩き込む。しかし半分ほどは狼男の爪や腕で塞がれている。
10数発目で狼男はライダーの右腕を掴み、そのまま背負い投げをした。そしてマウントポジションを取り、首に爪を立てようとする。
慌てて私は脚のイオノクラフトを使い、大佐目掛けてフライングヘッドバットを叩き込もうとした。
「かかったな」
狼男はライダーから飛び退いて、人型形態のまま私に飛びかかった。そして爪で私の首を掬い上げるように斬りつけた。
「ゔっ」
自分の首から血飛沫が立っている。鮮やかな赤色だ。
「麻由!」
声をあげたライダーにも再び狼男が飛び掛かる。ライダーはサイクロン号に飛び乗りこれを避けた。
意識が朦朧とする中、私もなんとかサイクロン号を呼び寄せてそれに乗る。
「て、敵は…、あそこ」
サイクロン号で加速してからイオノクラフトで再び飛ぶ。丁度狼男が方向転換しようとしたところだ。
どうにか飛びつき首を締め上げる。そのときだった。聞き慣れない音がした。
見ると…、左腕を狼男に食い千切られていた。ものすごい勢いで血が出て行く。
「も、もうだめ」
私はここで気を失った。これは死んじゃうだろうな、十中八九。
さて瀕死状態の未来。一体どうなることか。
次回乞うご期待!