「な、なんだ⁈」
ドライブインの駐車場で本郷と連絡を取っているといきなり建物の中から爆発音が聞こえた。
通信機を放り出して建物に近寄ろうとすると今度はさっきよりもデカイ爆発がして店自体が崩れてしまった。確か麻由があの中に!まずい!
爆発音に驚いてトイレから飛び出してきた親父さんに本郷との連絡を任せて、滝と一緒に急いでさっきまで売店だった瓦礫の山に駆け寄った。
「おい!麻由!無事か!無事なら返事をしてくれ!おい!」
必死になって瓦礫を取り払う。再生能力があるとはいえ、このままでは危険だ!
「うぐっ…、ぎぎぎき」
自販機が邪魔で動けない。さっきよりも重くなっている。しかも体のあちこちが瓦礫でズタボロにされてる。結構ダメージが大きい。
「…これは自販機を退けてもらわないときついね。瓦礫だけならどうにかなるけど…」
幸い圧死するほどの重さではないのが、唯一の救いかもしれない。ただ長くは持ちそうにない。
「一文字さん…、早く来て…」
「別に待つ必要もないでしょう」
「えっ?」
頭の中に声が響いた。聞覚えのある声だ。誰?
次の瞬間、紫色の光が私を飲み込んだ。
「うわっ」
いきなり紫色の光線が俺たちめがけて撃ち込まれてきた。見覚えのあるものだ。確かあれは…。
「あらあらこんなんじゃ避けられちゃうか。流石、一文字さん…」
「誰だ!」
真上を見るとそこには、
紫色の奇妙なパワードスーツを着たいつぞやの麻由そっくりの女が宙に浮いていた。
「私?私の名前は…」
そいつは手に持った扇をこちらに向けつつこう言った。
「小日向未来」
「うぐぐぐぐ…」
光線が直撃したことで上にあった自販機が無くなったのは良かったけど、私もただでは済まなかった。結構きつい。
「誰が撃ったんだ?いったい…」
「私だよ。ねぼすけさん」
声がした方を振り向くとそこには…、
私がいた。
「わ、私?」
黒い髪に緑色の瞳、あの顔貌は間違いなく私だ。そして声も私のものと同じだ。
「あー、そういえば記憶が無くて、でき合わせの名前を名乗ってるんだっけ。何とまあ気の毒な」
随分と癪に触る物言いだなぁ。こっちをずっと哀れむように見ているし。
「おまけに機械を縫い合わせたキマイラになったんじゃ、踏んだり蹴ったりだね」
「さっきからご挨拶だね。私の偽物の癖してさ」
「偽物?そんな証拠がどこにあるの。私が本物の小日向未来で、貴方がただのコピーかもしれないじゃない。私は貴方と違って記憶はちゃんとあるし、身体だって別に手を加えられているわけじゃない。貴方が忘れている大切な人が見たらどっちが本物に見えるだろうね」
そう言われてしまうと弱い。確かにどっちが本物なのかなんてわからないし。
「まぁ、そんなことはどうでもいいよ。水掛け論になるのがオチだし、すぐに問題じゃ無くなるし」
そういって癪に触る物言いの私が手に持った扇をこっちに向けてきた。扇の先に光が集まり出した。
「貴方が居なくなれば、小日向未来はそのまま私のことになるしね」
そして光線を私と一文字さん目掛けて撃ってきた。
「バイバイ、偽物さん、それとそこのワームもね」
さてどっちが本物なのやら。ただ敵さんの方が元の未来には近いんですよね。
次回乞うご期待!