自分と戦って、正気でいられる人がいるでしょうか。
私の鏡写しとの戦いが終わった。結果は私の勝ちだ。そう勝ったんだ。勝ったんだけど………、
「私が私を………殺した。あの子は私、ここにいる私も私。どっちが私?あの子と私、名前が違う。私は立花麻由、あの子は小日向未来。私は間に合わせ、じゃああの子は?私は改造人間、でもあの子は普通の人間だった?じゃあどっちが本物?」
私は元々人間じゃなかったの?私にはその
それじゃあ、それじゃあ、それじゃあ、それじゃあ…
「いや、違う!そんなはずない!そんなはずはない!彼奴は偽物だったんだ!だからあんなこと言って私を混乱させようとした。きっとそうだ。そうなんだ!もしそうじゃなかったら…!今の私は一体何なんだ!」
頭を抱えてそう泣き叫ぶ。少しでも嫌な可能性を否定しないとやってられない。私が本物じゃなかったら。そのことが不安で不安で仕方がない。私はそんなこと何もわからないし、知らないからだ。もし単なる模造品でしかなかったら…、親父さんに拾われてからの私が壊れてしまいそうで…。
「麻由!」
「麻由君!」
「だ、大丈夫か!」
親父さんとダブルライダーがこっちに来た。本郷さん、遅かったなぁ。怪人と戦っていたのか、スーツが少し破れている。
「みんな…、私、私は一体?私は誰?」
頭の中がぐちゃぐちゃで訳の分からないことしか言えない。
親父さんが私を抱きしめた。
「今のお前は、俺の娘の麻由だ!誰が何と言おうと麻由は麻由だ!だから何も不安がらなくていい。ここにいるお前は本物のお前なんだから」
「おやじ…さん…、そうだよね…、私の本当の名前が何だって…、私に今までがあったって無くたって……、今生きている私は……、麻由は……、本物……だもの」
ちょっとだけ胸が楽になった。私が誰であろうと麻由としては本物。それもそうだ。立花麻由は私以外誰もいやしないもの。
「今日はもう引揚げよう。こんな状態で戦うのは危険だ。宿でゆっくり休もう、な?」
「さっき一体怪人を片付けたときに、取り押さえた戦闘員から本隊はまだ来ていないと聞いている。だから多分、今晩くらいは休んでも大丈夫だろう」
「後は俺たち2人で何とかするから心配はいらん」
お言葉に甘えて戻る事にした。流石に疲れてしまった。身も心も。
私は立花麻由。今はそれだけでいい。だって……、
今の私を……、立花麻由を壊したくないもの。小日向未来なんて誰だか知らないし、私のことかもわからない。
何より…、小日向未来として生きようとしたら本物どうこう難癖付けられる。そんなの嫌だ。偽物呼ばわりなんてされたくない。されたくない。それならば、本物の、私以外の誰でもない、立花麻由でいたい…。
もし私が単なる作り物で、今までなんてものが無かったがらんどうだったとしても、だとしてもだ。親父さん達に拾われてからの私は、間違いなく本物なのだから。
一応、未来としては今は麻由で良いと落ち着きました。
ただ偽物という言葉が本人には弱点になってしまいましたがね。
次回、マグマ怪人ゴースターの登場です。
なおスノーマンは、本郷さんに撃破されました。