牛鬼はかなりのスピードで突っ込んでくる。あれに当たれば大ダメージは免れないだろう。急いで空中に逃げて、牽制に2,3発光線を撃ち込む。ほとんど無傷だ。まぁ、あれでダメージが入るとは思ってないが。牛鬼は流石に空には上がってこれないようで、こちらを見上げられてもどうすることもできないようだ。
今のうちにダメージを与えておくために、直ぐに流星を発射する。ここで閃光を使わないのは光線が分散してしまうからだ。一極集中させてダメージを与えることを狙った方がいい。
流星は牛鬼の胴体に大穴を開けた。見たところダメージは大きいようだ。動きが少々苦しそうだ。ここでアームドギアから数発光線を撃ち込み、追撃をかける。これで多分ダメージはかなり与えられたと思う。いったん地上に降りて様子を見ることにした。
牛鬼から少し離れたところに着陸した。砂煙が舞っていて見えづらい。バイザーを閉じたまま、牛鬼のいるところを見る。見るといない。あの攻撃でうまく消え去ったのだろうか。たしかにそこにはいなかった。
このとき少し油断してしまった。それがいけなかった。
後ろから物凄い衝撃が襲いかかってきたのだ。
「わぁ!」
物凄い力で吹き飛ばされた。大型トラックがぶつかってきたような感じだ。近くの河原まで吹っ飛び、そこでうつ伏せに倒れてしまった。
「な、何?何なの」
身体中が痛む。これは何処か骨が折れたのかもしれない。かなり痛い。
首を動かすと、そこには牛鬼が大口を開けて私に襲いかかろうとしていた。鋭い牙が数本出てきている。あれに噛み付かれてはひとたまりもない。痛む腕を何とか持ち上げて、アームドギアを口に向け、光線を撃ち込んだ。だが効果はなかった。穴が開いても、傷が塞がってしまうからだ。まるでカルマノイズみたいに。
牛鬼はさっきのガスを吐き出してきた。やはり物凄い異臭だ。意識が朦朧としてきた。体の痛みもひどくなってきた。これ以上戦い続けるのは無理だ。
何とか脚のスラスターを使って距離を取り、全速力で離脱した。
あの後、ボロボロになった私を隆二さんとこのはちゃんが直ぐに家の中に
入れてくれた。手当てを受けている最中に、例の牛鬼ノイズのことを話すと二人の表情が一気に険しくなった。
「牛鬼か…、またとんでもないのが出てきたわね」
このはちゃんがそう言った。どうやらあのノイズは相当厄介なものらしい。
「このはちゃん、それってどういうこと?」
「その牛鬼は他のノイズよりも強力なのは未来ちゃんも戦ってわかったよね。しかも毒ガスまで吐き出してきたでしょ」
「うん」
「あのガスのせいで作物が全滅するのよ。しかも強さも半端じゃないからなかなか倒せなくてね、傷だらけにして帰すのがやっとなんだ」
あのノイズがそれほどまでに厄介なものだとは思わなかった。これは放っておくと村の人たちの生活にも関わってくる。早い所傷を直した方が良さそうだ。そう考えて、私は布団の中でうとうとし始めた。